凪のあすから 〜心は海のように〜   作:白羽凪

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特に何も無いです


第72話 陰

---遥side---

 

さてと、どうしたものかな...。

あれからまた数日、犯人がいるであろう拠点をつきとめていた俺は、どのように事を運ぶか考えていた。

 

自然に振舞って近づくことがベストだけど、勘づかれたら終わりというデメリットもある。そこは重々承知している。

それでも、強行突破も危ない、警察は頼りにならないとなると、現状これが最善手になる。

...まあ、元々が危ない橋なのは分かってるから、どれをとっても変わらないと思うけど。

 

裏路地に入口のある、だいぶ寂れたビル。どうやらここが拠点で間違いなさそうだ。

あとは人数。大多数でいられたらまた考えなればいけないが...。

 

複雑な念を抱きつつ、俺はコンコンと2回ドアをノックした。

 

今から俺が演じるのは失うもののない犯罪者。

ここからは人格を入れ替えるように...

 

俺はそう意識して表情を作る。

ドアから出てきたのは1人の男性だった。

 

「何だお前...?こんな場所に。」

雰囲気は暗い。その目には殺気すら篭っていた。

 

「...日野陽香。で通じるか?」

「!?」

 

男は自分がターゲットにしている人物の名を出され焦りだす。そのまま少し震える手でポケットに手を当てた。何かあるのだろうか?

 

「...てめぇ、何もんだ?」

「何者でもない。焦るな、俺は味方だ。それにほら、外見てみろ。警察なんていないだろ。」

「...そうか。一旦上がれ。話くらいは聞いてやる。」

 

男はそのまま俺を施設内へと入れていった。

やれやれ...潜入捜査なんて楽じゃねえな...。

 

「いいか、今から色々質問をする。返答次第ではその命もなくなるかもしれないな?」

「安心しろ、問題ねえよ。」

 

悪党っぽく悪党っぽく...!

なんて自分の中で呟いていたが気にしないでおこう。

 

「まず1つ、なんで日野陽香とここが分かった?」

「日野陽香の方は、親に恨みがあったから、と。ここが分かった理由か...、風の噂ってやつだな。特に裏路地ではそういうのが時々聞こえる。」

 

後者、これは嘘ではない。

実際、ここの情報を得たのも、時々こそっと聞こえる単語から絞り出したためだ。

 

「2つ、どういう恨みがあるんだ?」

「あぁ、あの男の部署に配属されたばっかりだったが、仕事中の事故に巻き込まれた際、直ぐに首を切られた。退職金もなしに、な。その治療費もままならないまま、こうなった。」

 

「ちょっと待て、それなら俺がデータを知ってるハズなんだが...」

「探してもないと思うぞ。俺が事故にあったのも、クビにされたのも全て秘密裏にされてるからな。」

 

...あぶねぇ。

多分今のは理由間違えると死ぬところだったくないか?

背筋に冷や汗が走る。そして油断してはいけないということを再確認させられた。

 

「...ふん、まあいい。動機としては十分だろう。んで、最後だ。お前は何が出来る?ここに入り浸るだけの価値はあるか?」

「あぁ、諜報活動とかどうだ?外の様子を俺が担当すればお前がそっちに集中出来る。悪い話じゃないだろ?」

「見ず知らずのお前に急に話を持ちかけられて直ぐにはいって言えるかよ。...しかし、確かに困ってた部分だな。まあいい、それでいいだろう。」

 

男は以外にもすんなり俺を受けいれ、付け入る隙を生んでくれた。

とはいえ、油断はしないように話を続ける。

 

「それで?お前はどうするんだ?残りの決行の日まで、どこに住まうんだ?」

「そうだな...、ここにいてもいいけど、俺が常日頃いる場所、開けておくと奪われるからな。そちらに居たい。」

 

「...そうか。じゃあこれもってけ。」

そう言って手渡されたのは無線機だった。

電話じゃない理由を聞こうとしたがなんとなく予想は着いたので聞かないでおいた。

 

「ああ。ありがとう。...ところで、手術決行はいつ頃だったか?」

「そこは詰めてないのか...。決行は明明後日、俺らのもだ。俺がやろうとしてる事、知ってるだろ?」

「...まあ、一応は。」

 

そういうと男の方はその場を移動して、後ろに控える大きなものを俺の目に入るようにした。

 

そして、俺の目に入ってきたものに、俺は目を疑った。

 

なんだ...これ...。

 

そこには、大きな画面いくつもと、複雑そうな機械が多く並べられていた。

 

おいおい、漫画で見るようなこんな機械、どっから...。

「随分と用意周到だな。」

「まあな。俺が捕まっても意味ねえんだ。大体のことは遠隔でできるようにしてある。」

 

そう、男は豪語する。

 

 

犯人の計画が浅はか出ないことを俺はこの時認識した。

 

 

 

またこれは家に戻ってどうするか考える必要がありそうだな...。

とりあえず今ここから出る口実を...。

 

「...そうだ、早速外に出てってくんねえか?こっちの機会弄りたいのもあるし、あまり見られたくはないんだ。」

「...分かった。じゃあ行ってくる。」

 

俺はそのまま外へ出る。その時の男の表情は知らない。

 

 

「...ふぅ。疲れた...。」

家に帰った俺はとりあえず一息付き、無線機の裏のネジを外した。

理由は簡単だ。俺はまだ信用されてない。当たり前だ。

そして、あれだけの機会を備える男の事だ。

 

『発信機位はあるだろう』

 

との考えで開けたのだが...ビンゴ。やっぱり監視されていた。

 

とりあえず今は動く予定は無いのでここに置いておく。

とはいえ、長時間この状態は気づかれるだろう。

 

しかし、こっちもタダではやられるつもりは無い。

 

 

 

 

 

俺は、発信機をどうにかするための奇策を思いつき、街へと向かった。

 

 

 




忙しすぎる。
GWのようにはいかんのだよ。
...本編戻りてぇ。

また会おうね(定期)
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