凪のあすから 〜心は海のように〜   作:白羽凪

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駄文の一言に尽きる。


第75話 プロローグ

---大悟side---

 

「っふー、終わった!」

俺は一瞬自分の仕事を終えた達成感に浸り、また気を引き締めた。

こちらからは、向こうの様子は分からない。

とはいえ、今は祈るだけ。俺に出来ることは今はない。

 

ただ、あるとすれば...。

 

prrrr...!

電話が鳴る。あいつからの報告だろうか。

なら、それに越したことはないが...。

 

「よお、久しぶりだな大ちゃん!」

 

「は...!?お、お前かよ!!」

 

 

驚いた。うん、仕方がない。

ただ、俺がすーちゃんに電話番号を渡した覚えはない。じゃあどこから入手したか、というと...。

 

...まさかあの野郎、こうなること読んで...。

 

 

 

っはぁ...。やっぱあいつには叶わねえよ。

 

「...んで、何の用だ?こっちは終わったからあと結果待ちなんだが。」

「ああ、そうそう、結果、預かってるよ。ま、こうやってほのぼの喋れるってことは、分かるよな?」

 

そうだ。もし失敗なんかしてたらここも飛んでるし、電話だってもっと臨場感のあるものだ。

 

「...そうか。これで全部終わり、か。いやぁ大変だったなほんと。...今回は協力、ありがとなすーちゃん。」

「全然、お礼を言うべきなのは私のほうかもね。...もっとも、お互い、お礼を言うべき相手が違うか。」

「そうだな。」

 

そこはもちろん、分かっている。

あいつはトラブルメーカーで、絡んでしまうとろくなことがない奴だけど、それでもあいつには感謝しなければいけないことが多数ある。

 

こうやってまた、あいつと縁を持たせてくれたのも、感謝しないとだな。

 

なぁ、島波遥。

 

 

「ところで、今度どこか遊びに行かないか?仕事の都合が合えば、の話だけど...。」

 

「それってデートってやつのお誘い?...いいよ。お互い話だってあるだろうしさ、それにまた、子供心に帰って街で色々やってみたりする?」

 

「ははっ、それは遠慮しとく。仕事でバリバリ体を使うすーちゃんのと違って俺はもうそんな動かねーしな。それじゃあ...」

 

 

 

...

 

 

 

 

今回の事件、危険だったけど、沢山のことを教えられた。

そしてまた、自分を見つめ直し、変わろうと1歩を踏み出せた。

あぁ、分かってる。一言じゃすまないって。

それでも言わなきゃいけない事があるだろう。

 

 

 

ありがとう。

 

 

 

 

 

 

---陽香side---

 

目が覚めた。

そこには、私がちゃんと居た。私は生きていた。

どうやら、手術は上手くいってくれたみたい。

 

まだ頭がぼーっとして、体は動かせそうにない。

 

けれど、私の手を握ってくれている人の温もりは、ちゃんと伝わっている。

 

「おはよう、お母さん。」

 

〜過去〜

 

手術を受ける2日くらい前だったかな。

 

私の部屋に入ってきたのはお母さんだった。

すこし後ろめたい表情で、それでも優しい目で。

お母さんはそこに立っていた。

 

「あれ?お母さん...」

「陽香、ごめんね...今までずっとそばにいてあげられなくて。」

 

お母さんは俯き、後悔を隠せないように呟く。

 

ごめんね...か。

 

確かに私は寂しかった。

起きても誰もいないベッドの上。時々会いに来てくれるのは使いの人だけ。

そんな、一人でいることに慣れていた私を変えてくれたのは、遥お兄ちゃんだった。

 

それから私は、誰かといることの喜びを、ちゃんと自分の体をもって知った。

けど、一人でいることも嫌じゃないまま。

 

 

あぁ...、でもやっぱり。

私はベッドのそばまで来たお母さんの手を握る。

 

「お母さんの手、暖かい。」

やっぱり、誰かといる、1人じゃない空間の方が、私は好きかな。

 

 

〜現在〜

 

それから今日まで、お母さんはずっとそばに居てくれた。

家のこともあるはずだけど、多分それも投げ出して。

 

あの日私が握ったことでもう一度繋がった手。

それは今も、繋がれたまんま。

 

 

私を助けてくれたこと。

本当の気持ちに気づかせてくれたこと。

もう一度、お母さんと手を繋げたこと。

 

ここに遥お兄ちゃんはいないけど、それでも私は遠くに一人呟く。

 

 

 

「ありがとう、遥お兄ちゃん。」

 

 

 

 

 

---遥side---

 

「はぁ...、疲れた...。」

思わずため息をこぼし、1人歩く帰り道。

無理もない。今は朝の五時。日の出までまだ1時間はありそうだ。

 

なんでこんな時間かって?

そりゃあ色々原因はあるけど...。

 

 

昨日、パトカーに連れてかれた俺は、ずっと警察の方とのお話、質問、真意を聞かれたりと、休ませてくれない状況にあった。

 

本当はのんびりやってもよかったらしいけど、「今のうちに済ませましょうか。」なんてこっちが言ったもんだから、ぶっ通しで行われた訳だ。警察の方、ごめんなさい。

 

急いだ理由、それこそ特にないが、鷲大師から離れてた時間が長いぶん、そろそろ美海に何か勘づかれそうだったので、早いとこ終わらせて帰りたかったのだ。

 

まあ、その分今日休んだ後で帰るだけの時間はあるが。

 

 

 

数分歩くと家に着いた。

とりあえず荷物をと思って奥の方へ入ろうとした瞬間、元気よく電話の音が鳴った。

 

おいおい勘弁してくれよ...こんな朝っぱらから。

 

なんて鬱な気分になりながら受話器を取る。

 

「もしもし...」

「遥!?今そこにいるの!?」

 

電話相手は美海だった。それにしてもえらく焦っているような...。

「どうした美海、一旦落ち着けよ...。」

「落ち着けない!いいから聞いて!」

 

何かが最高潮のまま美海は俺へ言った。

 

 

 

 

 

 

 

「兎に角、急いで鷲大師に帰ってきて!そのまま海まで来て!!」




後日談系は苦手かな?
まあ、次回から本編。
そのための、プロローグ

また会おうね(定期)
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