凪のあすから 〜心は海のように〜   作:白羽凪

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久しぶりの駄文


第96話 残された時間

---遥side---

 

あの後、どうにか先生らを説得、千夏を病院に送ったことで事態は収束した。

 

全てが、上手くいった。

 

今回はその一言に尽きるだろう。

 

千夏は記憶と、自分を取り戻した。

これは、俺が、美海が、みんなが望んでいた結末だ。これ以上はないくらいの。

 

 

流石に俺も中学生に戻ることは出来ないが、それでもこれで今までの日々が戻ってくるはずだ。

 

 

...いや、まだだな。

 

まだ、まなかの事が残ってる。

恐らくそれが、俺が鷲大師にいる中で、最後にやるべき事だろう。

それが終われば、本当に俺はこの街と距離を置くことになる。

 

 

 

だからせめて、俺はここでその最後を見届けたい。

 

 

 

 

 

...

 

 

 

 

あれから数日経った。

千夏の体調に異変はなく、これまで抱えていた病気も完全に消え去ったみたいで、今日が退院の日となった。

 

俺が病院に行かない理由は特にない。

 

しかし、俺は現在潮留家にいた。

全ては1本の電話からだった。

 

 

 

〜過去〜

 

数十分前。

2人は仕事に出て、俺は1人論文とにらめっこしていた。

何を書けばいいかなんてのは考えれたが、いまいち何を伝えたいのかがまとまらないまま、時間は過ぎていた。

 

「ふーん...?困ったもんだなこれは...。」

さすがに詰まりすぎて投げ出したくなるが、いつ時間が取れるか分からない。今のうちにやっておくしかないのだ。

 

prrrr

 

 

ほら、こうやって電話かかってくるわけだし...。

 

「もしもし、水瀬ですが。」

家電にかかってきたのでそちらで対処をする。

 

「おい遥!今すぐこっちきてくれ!」

 

「はぁ?...まあ、行かんでもないから簡潔に内容教えろ。」

「ああ、分かってる。その...あれだ、まなかが目を覚ましたんだよ!」

 

だろうと思った。

声がすごく上がり調子だからな。

 

「だろうな...。んで、俺の力はどこに必要だ?急ぎで行くくらいの理由は?」

「そんなのお前...、なんだよ、目が覚めたってのに興味はないのかよ?」

 

 

「そういう訳でもないがな...。...いやまて、わかった。すぐ行く。」

俺は言ってる途中であることを考えた。だから行くことを選んだ。

 

 

この前の推察。

まなかが生贄で、おじょしさまなら、というのをベースとした考察。

 

正常な状態で目が覚めない、というのは千夏で経験済みだ。

その場合だとまなかのほうがデメリットがでかいはず。

 

どのような状態か分からない以上、この目で確かめる必要がありそうだ。

自惚れではなく、俺たちの中で1番観察眼があるのはきっと俺だからな。

 

 

 

 

〜現在〜

 

そんな訳で来てみたが、どうやら会話レベルも正常、記憶の欠落も確認できない...との事で。一旦落ち着いた。

 

やれやれ、無駄足だったんだな。

 

なんて思ったが、その状態が1番いい。

 

 

 

その後はまなかを連れてあちこち鷲大師を回った。

その無邪気な仕草、幼い心...。

 

 

ああ、どうやら何も変わっていない。

 

 

よかった、変わってないのか。

なら、あとはなるようになるだけだ。

最初は不慣れかもしれないがこのまま時間が経って抱えていた重たいもの全部なくなって...。

 

...それで、終わり?

俺がここにいる理由も、それで終わりなのだろうか?

 

 

まあ、いいか。

 

俺は理由を押さえ込み、結果だけを得た。

 

 

 

ただ、そうはいかないのが現実だってことをこの時俺は知らなかった。

 

 

 

 

 

夜。

 

俺はこの日、夕食で潮留家に呼ばれていたので、まだ家には帰っていない。

 

なんでもカニをふるうとか。

海があの状態だ。物価ももちろん高騰しているわけで...。

まあ、結論から言うとめちゃくちゃ高級なはずだ。

 

そんなものをいただけるのなら...と思い現在だ。

(まあ、まだまなかの様子を見たいってのもあったけど)

 

 

と、その時だった。

 

ピッ

 

 

一瞬、何が起きたのかわからなかったが、次に聞こえた晃の声で何が起こったかを理解した。

どうやら鍋の熱い汁が、晃に当たったみたいだ。

 

 

周りが心配する中、急いであかりさんがやけどを冷やしに行く。

机を囲んでいる人の視線はそっちに向いている。

俺は、一瞬だけまなかの方を向こうとした。

 

 

しかし、その視線は一瞬とどまるだけではなかった。

 

 

 

 

俺の目に写ったまなか。

その瞳には、光が写っていなかった。

 

やけどを冷やしているあかりさんを、何をしているんだろう、と言わんばかりの目で見ている。

 

...何かが、おかしい。

 

そこから至った結論は簡単だった。

まなかに何かが起こっている。けれどそれは、まだ誰にも分からない、と。

 

とりあえずこれは...考察が必要だな。

 

 

 

結局そのまま食事を頂いた俺は、まっすぐ家へ戻り、自室へ篭った。

 

 

 

 

 

...

 

 

 

 

あれから推察を立てて数分。

少しずつではあるがポツポツと分かり始めた。

 

「まなかは何かを忘れている。」

というのは、先程確認した通りだ。

何を忘れたのか、というのは分からないが、あかりさんらを見ていた時のことを考えると、記憶と言うより感情なのではないだろうか?

 

「まなかは生贄になったのか?」

というのは、恐らくそのままだろう。

同じように記憶をなくしていた千夏とは、また少し違うタイプの忘れ方であろう。

あの日、海で何があったかは知らないけど、あかりさんを助けようとして代わりに海へと引っ張られた、というあたり、こっちが生贄という目線で間違いはない。

 

じゃあ千夏は何故?と思ったが、こっちは考えるのが難しいし、何より最高の終わり方を迎えたという結果がある。

 

どんな推察があろうと、結局は結果が全てなのだから。

 

あとは、このことをどうするか、というところだ。

もちろん、異変があれば光は知りたがるだろう。けれど、知ったところでどうにもならないかもしれない。

そういうのは、あいつがいちばん嫌いなはずだ。

 

やれやれ...。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

どうやら俺は、まだこの街に必要らしいな。

 




ここから本編なんだよなぁ...。
けど、いまいち構成が掴めない。
頑張ろう。


また会おうね(定期)
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