ヨロイの勇者は理不尽を許さない   作:橆諳髃

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2話 ヨロイの勇者は信頼を示す

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

城の来賓室に案内された夜光達5人。5人は5人で情報共有を行なっていた。まぁそんなところでも、この世界は自分が住んでいた世界で流行っていたゲームの世界に似ている、若しくはその世界の中であると、未だに自分達は夢の中にいるような感覚で話す尚文以外の3人。

 

しかしながら3人とも全員バラバラのゲーム名を言い、あぁでも無いこうでも無いと……その会話に呆れながら見ていた夜光。

 

「そこまで話が噛み合わないって事は、それぞれが違う世界から来たって事だろう? 試しに日本にある身近なもの……それを同時に言ってみたらどうだ」

 

そこでまずは日本の総理大臣の名前を同時に言い合う事に……結果

 

「加賀元彰」

「濱田光一」

「野々村竜太郎」

「「安倍晋三」」

 

「まっ、これではっきりしたな。俺と尚文はともかく、他の3人は違う世界……簡単に表現するなら並行世界の日本から来たってところだな」

 

「そう言う事らしいな。本来はあまり雑談の類は趣味では無いが、情報共有は必要みたいだな」

 

「だな」

 

「ですね……」

 

「俺もさっきから言ってるオンライン〜とかって言うのも疎いし……正直助かる」

 

概ね情報共有に肯定的な4人。

 

「じゃあまずは俺だな。俺は下校途中に巷を騒がせている殺人事件に遭遇してな……幼馴染が連れていかれたところを目撃して助けた。そこまでは覚えているが……」

 

脇腹をさすりながらそう言う練。十中八九刺されてこの世界に来たようだ。

 

「そうか……友人守って死んだんだな。誰でも真似できねぇすごい事だ」

 

「フンッ……当然の事をしたまでだ」

 

クールに当然だと笑う練。

 

「それじゃあ次に俺の番な? 俺ってさ……ガールフレンドが多いんだよね〜」

 

「どうせオチは何又してて女の子に刺されたってところだろう?」

 

始めの部分を得意げに語る元康。しかし夜光はすぐにオチを言う。それに対して元康は数回目をパチクリさせた。

 

「ハハハ……女って怖いよね……」

 

「それはお前の自業自得だ。その性格直したら少しはマシになるだろう?」

 

少し意気消沈した様子の元康に夜光はさらに塩を擦り込むような発言をする。

 

「じゃあ次は僕ですね。僕は塾帰りに横断歩道を渡っていたら、カーブしてきたダンプカーに轢かれてしまって……」

 

「……今までで1番痛いな」

 

「あ、あぁ……」

 

「次は俺か……俺は暇だったから図書館に行って、面白そうな本を探していたら四聖武器書って書いてある本に目が止まって、それで読んでて盾のページをめくったらこの状況だったな」

 

「平和にここに来たと……」

 

「痛み感じずにここにいるとか何だよそれ⁉︎ 羨ましすぎんだろ‼︎」

 

「練と樹はともかくとして……元康は完全な自業自得だからな?」

 

「……」

 

文句を言った元康に夜光が反論……この元康という人物は本当に年長者なのだろうか?

 

「で、最後は俺か。言っておくが、聞いていても何も面白いことでは無いぞ? 要所要所まとめるならな……車に轢かれそうになった子供を助けて、代わりに俺が轢かれて死んだ。以上」

 

非常にあっけらかんとしていた。

 

「いや……何の関係もない人を助けて代わりに死ぬって……何が面白くない話だよ⁉︎ お前ヒーローだろ⁉︎」

 

「それを言うなら練だってヒーローだろ?」

 

「いや、俺は幼馴染だからな……無関係の人を助けるのにそこまで勇気は無いな」

 

「そうですね。僕でも現実だったら躊躇うでしょう……」

 

「夜光って凄いやつだったんだな……」

 

「偶々だ。俺も何でその時助けたかなんて忘れちまったさ」

 

(忘れた? 確か自己紹介の時も違和感があったような……)

 

夜光のその台詞に尚文だけ反応していた。

 

そこからはそれぞれの武器の話になるが、オンラインゲームに疎い尚文は盾のことについて聞いた。それについては元康が大体を掻い摘んで説明していた。しかし最終的に元康が盾の職業について言ったことは……盾は負け組の職業であると……

 

尚文はその言葉に意気消沈。練と樹も同じなのか、尚文の事を気の毒そうに見ていた。

 

「だがそれはあくまでゲームでの話だろう? この世界で盾がどう化けるかわからんだろ? それに……守りに特化していると言う事は、逆に誰かも護れる力って事だ。確かに剣とか槍とかってのは攻撃の面でいうと華役みたいなものだが、逆に盾は皆を守る、サポートするなどの縁の下の力持ちってところじゃないか?」

 

「た、確かにそう言われてみれば……」

 

「あぁ、しっくりくるところはあるな」

 

「なんか自信が湧いてきた。ありがとう、夜光」

 

「何、俺はただ可能性の話をしたに過ぎない」

 

「それでもだよ。ありがとう!」

 

「っ⁉︎ 正面からそう言われると恥ずかしいな……ちょ、ちょっと体が熱くなってきたから夜風にでも当たってくるわ」

 

そう言って夜光はテラスへと出た。その後はこの城のメイドが夕食の準備ができたと言って騎士団の食堂へ……練は、自分達が勇者であるにも関わらず騎士達と同じ食べ物を食べるのか、と少し邪険に言う。そこを夜光が、「食材に罪はないし、出された物を邪険に扱うものではない」と大人な発言……それには練も思うところがあり、先程の発言を詫びて夕食にありついた。

 

それから部屋へと戻り、風呂とかは無いのかとかの話を練、元康、樹、尚文が話していた。夜光はと言うと、またテラスに出ていて夜風に吹かれていた。

 

「夜風を浴びるのが好きなのか?」

 

後ろから尚文がテラスに出ながらそう問うてくる。

 

「ん? まぁ……な。大体こういった中世ヨーロッパあたりの空気は、現代よりも澄んでいて良いからな」

 

「……ところで気にはなっていたんだが、国王の前で自己紹介した時やさっきの情報共有の時に、何っていたらいいんだろう……こう、夜光の発言に違和感を覚えてさ」

 

「……ふぅ。まぁ誰かそう言ってくるとは思っていたが……まぁ尚文なら良いだろう」

 

「ど、どう言う事だ?」

 

「俺の本当の話だよ。まぁ全ては言えないが……」

 

「ま、まさか今まで嘘を言っていたのか?」

 

「いや? 本当の事だ。まぁそれを話す前に……ルーム」

 

夜光はこの城全体にルームをかける。

 

(盗み聞きしようとしてるのはこの5人か……)

 

「シャンブルス」

 

盗み聞きをしようとしていたもの達を城の外……はたまた城下町を抜けた町の外の石ころと位置を一瞬にして変えた。突然城の外に位置を変えられたものは突然何が起こったか分からずにアタフタしていた。

 

「い、今のは……」

 

「企業秘密だ。それで俺について本当の事を言おうか。国王の前で語った事、情報共有の時に言ったことは、全て事実だ。だがそれには続きがある……尚文は神様転生ってのを信じるか?」

 

「神様転生って……まさかっ!」

 

「声がでかい。少し抑えろ」

 

「あっ……ごめん」

 

「まぁそれでだ。それされてから既に何十年単位で生きてるって話でな。だからこそ俺が子供を助けた時なんで助けたか分からねぇって……まぁそんなところだな。正直記憶力はあまりいいとは言えない。そんな中でその時の総理の名前を言えたのは奇跡に近い」

 

「違和感はそう言う事だったのか。そ、それでその何十年の間は何してたんだ?」

 

「あぁ……そこは企業秘密だ。いくらなんでも出会ってすぐの奴にそこは言えねぇ。ただ大まかに言うなら……旅かな」

 

「旅……」

 

「あぁ。自分自身にないものを感じ取れた……良いものだったな」

 

そこまで言った夜光は、途中何か気づき少し大きめに、しかし目立たないように手を振った。

 

「な、なんだったんだ今のは?」

 

「何、あっちで手を振ってる人がいたから、それに振り返しただけだよ」

 

「えっ⁉︎ ど、どこに?」

 

「城と城下町を結ぶ直線上の道があるだろう? それで外門まで繋がってるわけだが、城と外門の中間点辺りかな。今はもういないが」

 

「あ、相手も相手だがよく見えたな……視力はどのくらいあるんだ?」

 

「前世はどっちとも2、2だったが……今は分からん。もしかしたら旅の途中で目でも良くなったのかもな」

 

「そ、そういうものか?」

 

「あぁ、そういうもんさ。さて、風に当たりすぎて明日風邪を引いても縁起が悪いからな。俺たちもそろそろ休もうぜ」

 

「そうだな。それじゃあ「それと尚文」ん? どうしたんだ?」

 

「今回の事は、他の奴らには他言無用にして欲しい。勿論他の3人にもな。そして俺が少なからず俺の過去を語ったという事は……俺は尚文の事を信用し、信じている証でもある。だから……」

 

「お前がこれからどんな酷い状況に見舞われたとしても、お前の言を信じる。勿論疑いがかかった時は俺独自で調べるがな? それで黒だった場合は……少なからず1発はぶん殴るからな」

 

「いや、お前の1発凄く痛そうなんだが……でも何だろうな。この世界に来て右左も分からなくて不安だったのに……1人でも自分を信じてくれる人がいるってのは、凄く心強いよ。なんか会ってから夜光に対してお礼しか言ってないような気がするけど……ありがとう」

 

「ハハ、まぁそれは素直に受け取っておくさ。そんじゃあ話はここで切り上げて明日に備えて寝るか」

 

「あぁ、明日からも宜しくな! おやすみ‼︎」

 

「あぁ、おやすみ」

 

そして夜光達はテラスから部屋に戻り、就寝した。勿論その時には盗み聞きをしようとしていた者達を元に戻していた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして月が天高く登った時間帯……

 

「さて、そろそろ行くか」

 

夜光は、誰も起きていない事、この部屋などを術式などで監視されていない事等を確認すると、再びテラスから城外へと出た。その目的は……勿論……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




夜光から他の勇者4人に対する評価

尚文:4人の中で1番信頼できる。また、作中でも周りから酷い扱いを受けているのを知っているため、出来るだけ力になりたいと思っている。

練:根は優しいのだろうが、クールさとなんか上から目線だから色々台無しだと思っている。

樹:その場の流れに同調するきらいがありそうな気がする。

元康:優しいお兄さん気取りだが、中身は女性の事しか目が無いと思っている。ふしだらな人間。

四聖勇者4人から夜光に対する評価

尚文:一緒にいて何かこう凄く心強い‼︎

練:あいつ俺と同じ16か?

樹:結構的確に物を言いますね。

元康:なんか俺の台詞を途中で遮って言ってきやがる。どことなくソリが合わないと思うが……でもあいつの言ってる事ほぼほぼ正論に聞こえるからグゥの音も出ねぇのはなんでだろ?

以上、簡単な評価付けでした……
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