☆2 MinorNovice 様
☆9 春夏なる 様
ご評価頂きましてありがとうございます‼︎
これを励みにこれからも、私なりにではありますが物語を書いて行こうと思いますので、何卒宜しくお願い致します‼︎
それでは、ご覧下さい!
尚文のところに冒険者が1人、元康のところから移動した。そこで漸くそれぞれが旅立ちを迎える。
最初の資金として国王から各勇者に手渡される。練、樹、元康の所には銀貨600枚。練達よりも同行者が少ない尚文と夜光の所には多めの800枚が渡された。
(荷物の中に入れておくのもかさばるからな……宝物庫に収納するとしようか)
これも夜光の所持する能力の1つである。まぁ某AUOと同じ様なものではあるが、黄金の波紋ではなく、真っ白な波紋である。
いきなり貰ったばかりの物を収納するのも怪しまれるので、それぞれで別れてから入れる事にした。
そして王の間を出て、夜光達は別々に別れた。まぁ城の門を出るまでは流石に一緒ではある。その際……
「尚文、少し良いか?」
「どうしたんだ夜光?」
「なに、少し話しておきたいことがあるだけだ。2人きりでな」
「あ、あぁ……分かった。えぇっとぉ……悪いんだけど名前を教えて貰えると助かる」
「あっ、そう言えば自己紹介がまだでしたね。私はマイン、マイン・スフィアと言います。気軽にマインとお呼びください。それでどうかされましたか勇者様?」
「マインさんね。こちらこそよろしく。少し夜光と話をしてくるから少しここで待っていて欲しいんだ」
「鎧の勇者様とですか? 分かりました。ではこちらでお待ちしていますね」
「助かるよ」
「ファサリナさんも少しここで待っていてもらいたい」
「えぇ、分かったわ夜光くん」
「うし、じゃあ行くか尚文」
「あぁ」
(それとそこの女が何かしないか見張っておいてほしい)
(そうね。この女からは邪な感じがするから)
それをアイコンタクトだけで済ませる夜光とファサリナ。この2人はどれだけ通じ合っているというのか……
そして夜光と尚文は2人が見えないところまで来る。
「他は……チッ、何人か聞き耳立ててやがるな。王の間での事で俺がマークされた感じだな」
「えっ? でも周りには誰もいないぞ?」
「隠密スキルってやっだろうよ。後は水晶で投影してこの様子を見ているかだな。流石に声までは聞き取れないだろうが……はぁ〜……面倒くさいが少し使うか」
「ルーム……
夜光のルームが夜光と尚文だけをすっぽりと覆った。
「さて……これで誰かに盗み聞きもされないし、覗き見をされていても静止画の様にしか見えないだろう」
「その能力って……昨日のやつだよな?」
「あぁ。まぁそんな事よりもあのいけすかねぇ女の事だ」
「いけすかねぇって……マインさんの事か⁉︎ ど、どういう事だよ⁉︎」
「そのままの意味だ。何故急にあの女たらしから尚文のところに行ったと思う?」
「えっ? それは……同行者がいなかった俺が可哀想だったから……とか?」
「あの女はそんな可愛らしい理由で動くわけがない。打算ありまくりで尚文のところに付いている」
「な、なんでそんな事が分かるんだよ⁉︎ さっき国王の間で言っていたじゃないか‼︎ 一緒に過ごしていない奴の事をどうしてそんなに悪い形で見れるんだって! その言葉で俺救われたんだ‼︎ それなのに……どうして夜光がマインさんの事を悪く言うんだよ⁉︎」
「……確かに尚文がそう言うのも分かる。その人の事をあまり知りもしないで悪く言うなという自分自身の発言も……曲げるつもりはない。それに今提示できる証拠という奴も無いしな」
「だったら‼︎ 「だがな」っ⁉︎」
「分かる。自然と分かっちまうんだよ……悪意溢れる奴を見ちまうと……外面がどうあれ分かっちまうんだ。言ったよな? 俺には秘密があると」
「あ、あぁ……」
「俺が死んでからの事だ。細かい事は省くが……そこで俺は、死ぬ前の人生で得られなかったものを見つけたんだ。本来……全員か分からないが、真っ当に生きている人たちならば持っているものを……俺は持ってなかったんだ。いや、持ちたかったけど持てなかった……ってところだな。それを……俺は死んでからの始めてそれを持つことができた」
「だがその過程で……知りたく無いことも知ったんだ。だから分かる。一目見たら分かるんだ……そいつが善なのか悪なのかが」
「だが……俺は……」
「そうだな……尚文の事を嫌な気持ちにさせてしまったのは俺のせいだ。悪いと思っている。理解して欲しいなんて思わない。だが俺は……お前の事が心配だった。だからこそ……忠告として、言っておきたかった。頭の片隅にでも置いておいてくれたらと」
「……分かった。まだあって日が浅いが……夜光が真面目で、信頼における奴だって思ってる。正直俺には……会って間もないマインさんの事を悪い人には見えないが、でも気を付けてみるよ」
「あぁ。急にこんな事を言ってすまなかった」
「いや良いよ。じゃあそろそろ待たせたまんまっていうのも悪いし……」
「あぁ、行くか。
夜光が能力を解除し、夜光と尚文はファサリナとマインの元へと戻る。戻った後はそれぞれ別れて行動をした。尚文とマインが見えなくなったころ、夜光はため息を吐いた。
疲れてはいない……ただ、昨日会ったばかりだが友だと思っている者でもさっきの話はしない方が良かったのではないかと……すこしばかりの後悔を抱いていた。
「夜光くん……大丈夫よ」
ファサリナが直ぐに側へと寄って夜光を宥める。
「ファサリナさん……」
「相手に……友達に傷ついて欲しくなかったからでしょう?」
「あぁ……でもそれは結局は、俺の自己満足かもしれない。偽善かもしれない……」
「それでも、そうだとしても……私が貴方を肯定してあげる。貴方は正しい事をしているって。あの時……過ちを犯そうとした私を許してくれた様に」
自ら夜光を抱き寄せる。自然と密着する体、両者の息遣いが余裕で聞き取れる位置。一瞬でファサリナに抱きしめられた夜光は……すこし俯いていたのもあって反応が遅れた。
「ファ、ファサリナさん……」
「大丈夫……大丈夫だから……ね?」
抱きしめながら夜光の頭を撫で、幼子をあやすかの様に振る舞う……絶対的なお姉さん力‼︎
ファサリナの綺麗な、淀みのない瞳は……見ただけで先程の悩みが小さく見えてしまうほど……夜光の事を思う慈愛がそこにはある。
「うん。ここでくよくよしててもらしくないよな……ごめん。弱気になってた」
「うぅん、良いのよ。私は貴方が元気になってくれたらそれで……それとこれはもう一押し」
チュッ
「っ⁉︎」
「ん……はっ……うふふ♡」
すこしの時間……2秒、3秒くらいの時間だ。
ファサリナは夜光を抱きしめながらキスをした。これもいきなりで夜光は反応できず、後で自分に何をされたか認識すると、顔をいつかの様にまた茹蛸の様に赤くした。
「ふふっ……そんな顔されると……我慢できなくなっちゃう♡」
夜光の表情にファサリナも顔を赤らめる。
「ふぁ、ファサリナさんっ⁉︎」
「うふふ、冗談よ。冗談……でも……」
「今夜はゆっくりと……過ごしましょうね♡」
今日もファサリナのペースに飲み込まれる夜光であった……
因みにこの様子を隠密スキルや水晶投影で見ていた者たち……先程の夜光が国王の間でした事を警戒して、一言一句とはいかずとも何か鎧の勇者についての情報、弱点を探ろうとしての行動だったが……
あまりにもファサリナの行動が見ていた者たちの原因不明の胸焼けなどの症状を引き起こして退散させたのは……また別の話でもある。
解説
ルームの範囲内を密室空間と同じ様な状態にする。その間外からはオペ開始をかけた時の静止画になり、無断で中に入る事はできない。無理やり入ろうとすると電撃が走る。その状態を解除するにはオペ終了を能力を使っている者が宣言しなければならず、中から勝手に出ることもできない。
また今回もファサリナにペースを握られっぱなしの夜光……ファサリナからの意味深な発言……今夜の夜光はどうなる事か……
次回もお楽しみに