ヨロイの勇者は理不尽を許さない   作:橆諳髃

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夜光は……ファサリナに捧げる。その物語


7話 R-15ヨロイの勇者は……愛を捧げる

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

武器屋を後にした夜光達……メルロマルクの町から門を抜ける。

 

そこでは、既に他の勇者達がレベリングに励んでいた。その中には尚文の姿もあったが、やはり他の武器は装着できず素手でモンスターと戦っていた。それを値踏みするかの様に尚文の下に同行したマインの姿も……

 

(あの様子から見ると、あの同行者は信用に値せんな)

 

最初から分かってはいたが……実際にその者の行動を見て完全にその認識となる。自分の様なイレギュラーが物語に入ったのならば、原作主人公にも何らかの……メリットの様なものがあるのではと考えてはいたが、実際にはそういう訳ではない様だ。逆にそこは物語と同じ道筋という事だろう。

 

そう考えていると、初級の冒険者には丁度いい魔物であるオレンジバルーンスライムが何体か現れた。攻防特に何かが突出している訳ではなく、まさに初級には丁度いい相手……

 

「つってもなぁ〜……」

 

しかしながら当然というべきか……夜光はそれをデコピンした。それだけでスライムは破裂する。経験値1獲得……

 

「経験値1って……いや、まぁ……当然なのか」

 

夜光の場合後96万9999体倒さないと次のレベルにはならない。取り敢えず残骸はヨロイの腕輪に吸わせておいた。新しい鎧スキルが解放……しかしながらまぁ……微妙であるのは当然の事か。

 

「やっぱ森の奥とかに行った方が良いよな?」

 

「そうね。場合によっては山の麓あたりまで行った方がよっぽどマシかもしれないわ」

 

という事で夜光達は他の勇者達一行は特に見向きもせずに森の奥へ……その方が経験値を稼ぐ、スキルを増やす、素材を得るという3点でも非常に効率が良いと感じたからだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その筈なのだが……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「なぁファサリナさん……」

 

「なぁに? 夜光くん」

 

「これって明らかに魔物じゃあなくて人工物だよな?」

 

「確かにそうね」

 

「この国ってメルロマルクだと思うんだけど……そんなに工業とか発達していた様には見えないんだが……」

 

「えぇ、メルロマルクは工業はそこまで発達してなかったと思うけど……確かこの世界だとフォーブレイが盛んだったかしら」

 

「(あぁ……確かグズったれな転生者がいるところか)まぁでもこれフォーブレイとは全く無関係なロボットだな」

 

「あら、どうして?」

 

「ファサリナさんに助けてもらった世界でよく邪魔されたからなぁ〜……縁を結んだつもりは無いんだが。(とはいっても俺の事を良く思わん神からの差し金だとは思うが……)って、ふぁ、ファサリナさん? ど、どうした?」

 

夜光が自分が幾度もこのロボットに邪魔をされた事を言ったあたりからファサリナの様子がおかしい……。顔はうつむき、身体はぷるぷる震え、右手には先ほど武器屋から買った三節棍が力強く握られ……

 

「なら私もお礼した方が良さそうね……夜光くんが大変お世話になりましたって」

 

(えっ? ファサリナさんあれ怒ってない?)

 

いつもの笑みを浮かべるファサリナ……ではあるのだろう。しかし目が笑っていない。

 

そして次の瞬間にはそのロボットは粉々に……

 

「あら? 結構脆いのね」

 

「ま、まぁ確かに脆くはあるんだが……」

 

一瞬の事だったので夜光も唖然とした。しかしながらそれも少しの事で……

 

ガショ……ガショ……ガショ……ガショ……

 

「あの1体だけではなかったのね。でも丁度良いわ。夜光くんにプレゼントしてもらったこの子を試してみたいと思っていたところだったから」

 

「それを言うなら俺もコイツがどれほどの物か試したかったところだしな」

 

夜光達はそれぞれの武器を構えて戦闘態勢に入った。それに伴い増えていくロボットの数……

 

まぁロボットの数は多いが、戦いになると大概結論はつく。ロボットは脆い……

 

「なんか遠距離型出てきたが……普通に弾は斬れるし爆発も大した事ないな……」〈あなたの身体がめちゃくちゃに頑丈なだけです……〉

 

「えぇ。術者の様な物も出てきたけど……最初のと比べるとそこまで変わらないわ」〈あなたが速過ぎてロボットが反応できないだけです……〉

 

「あっ、なんか大きいの出てきたけど……う〜ん、期待外れだな。この武器の肩慣らしにはなるけど……ワンパンで壊れるなんて……」〈あなたはどこのハ◯マントですか……〉

 

「そうねぇ……でも簡単にこの武器の熟練度もあげれることですから丁度良い機会だも思うわ」〈正論でぐぅの音も出ません……〉

 

「あれっ? なんかちょくちょくツッコミ的なものが聞こえるけど……気のせいかな?」

 

「もしかしたら夜光くんはこの世界に来てまだ疲れが取りきれていないんじゃあないかしら? ふふっ♡ 今日も……貴方の事を優しく癒してあげるわ♡」

 

「お……お手柔らかに……」

 

戦いの場でもタジタジになる夜光だった。そしてロボット達を壊していくというもはや作業ゲーは日が暮れそうになる頃まで続いた。結果……

 

「へぇ〜……レベルが5になった」

 

「私も40になったわ。でもこれ以上上げるには特別な事をしないといけないみたいね」

 

「えっ? もう40になったの? 早過ぎじゃあ……」

 

「ウフフッ……これも夜光くんの隣にいるためだもの」

 

「ま、まぁ……そういう事にしておこうか。それじゃあこっから宿を探して明日に向けて休むとするか」

 

「その前に……お風呂、にしましょう?」

 

「えっ? でもこの世界じゃお風呂なんて……」

 

「無かったら作れば良いの。昨日私もそうしたし、夜光くんも今日の戦闘で呪文もある程度覚えれたでしょ? それを活用するの」

 

「成る程……じゃあどれくらいの威力かも兼ねてお風呂にしようか」

 

「えぇ……勿論2人で」

 

「えっ? 何か言った?」

 

「いえ、何でもないわ」

 

そして昨日ファサリナがお風呂を作った近くに来た。

 

「じゃあ実験も兼ねて作ってみるか……ロックブレイク」

 

夜光は川に円を作る様に術を使う。

 

「これくらい壁が高かったら覗き見とか早々起きないだろうな……ストーンブラスト」

 

今度は底にある角ばった石を除いて術によって丸い石を敷き詰め、川の淵の方も丸い石で整えた。

 

「後は水の温度を高くして……バーンストライク」

 

直接火球を水の中に叩き込んで温度を上げた。

 

「うん……これぐらいで大丈夫だろう」

 

「それと着替えを覗かれない様に脱衣所も作っておいたわ」

 

「おぉ、流石ファサリナさん。やっぱファサリナさんってこういうのを作るのも丁寧だし器用だよね」

 

「ふふっ、乙女の嗜みだもの。夜光くん先に入ったらどうかしら?」

 

「えっ? それだったらレディーファーストでファサリナさんからだろ」

 

「それは貴方が生きていた世界での風習でしょう? ここはその世界とは違うし、あまり気にしなくても良いわ」

 

「で、でもなぁ……」

 

「良いから。ねっ?」

 

「じゃ、じゃあ早めに終わらせてくるか」

 

「それはダメよ? ゆっくり温まってちょうだい」

 

「は、はい……」

 

そのように誘導するファサリナ……夜光を誘導するそれは最早オカン並みである。

 

そして夜光は衣服を脱いで湯船に浸かる。

 

「ふぅ〜……天然ではないにしろこれもまた良いな」

 

「そうでしょう? 私も気に入っちゃったわ」

 

「確かに……露天風呂とは程遠いかもしれないがこれはこれで……ん?」

 

そうやってのんびりと寛いでいるといつのまにかそんな会話になる。そしてふと隣を見れば……

 

「はっ……えっ? っ⁉︎ な、なななななんでファサリナさんが一緒に入って⁉︎」

 

「私が夜光くんと一緒に入りたいから♡ 後バスタオルは巻いてあるから安心して」

 

「い、いや……安心しろと言われても……」

 

「……不安なの?」

 

「ふ、不安?」

 

「えぇ……貴方と初めて会ったあの日から……貴方は自分を助けてくれたお礼という形で私と一緒にいてくれたわよね?」

 

「……あぁ」

 

「私は最初、あぁこの人も他の人と同じように私を扱うんだろうな……って、そう思ったの。でも一緒に生活してみてそうでないと分かったの。そこから……私は貴方に恋をした。一度離れ離れになってしまったけど……それでも今またこうして夜光くんと一緒にいれる。私は……それで幸せなの」

 

「ファサリナさん……」

 

「私は……貴方の過去も知っている。そんな中で……初めて私を愛してくれた事も……凄く嬉しかった。それも貴方が歩んだ人生の中で……子供の頃から汚れてしまっていた私の事を、貴方の人生の中で初めて誰かを愛してくれたのが私で……物凄く嬉しかったの。そんな貴方になら……私は全てを捧げるわ。この身体も……私の想いも……」

 

「……正直俺は、どうしたら良いかが分からない」

 

「夜光くん……」

 

「ファサリナさんが俺の事を……愛してくれるのは嬉しいんだ。物凄く嬉しいんだよ! 俺だってファサリナさんの事が好きだ……大好きだ! また会えて一緒になれた時も、俺は貴女に純潔を捧げるとも誓った。それは嘘なんかじゃない‼︎ でも……でも俺は……分からないんだ。どうすれば良いのか? どうすれば正解なのか? どうしたらファサリナさんを喜ばせてあげられるのか……。不安なんだ……いざとなったら立ち止まっちまう。今まで真っ当な愛なんて感じなかったから……自分がその立場になると……急に分からなくなるんだ。求めていたはずのものがすぐそこにあるのに……俺ヘタレだから……だからっ⁉︎」

 

そこで夜光の言葉が途切れた。自分の唇が何かに塞がれている……そして俯いていた顔もいつのまにか暖かい両手に支えられて正面を向いていた。正面にはファサリナの顔が……

 

「んっ……」

 

「っ⁉︎」

 

「んっ……んっ……はむっ……」

 

夜光はなすがままにされる。ファサリナからの愛を……彼女からすればほんの序章を受ける。

 

「んっ……はっ……大丈夫、大丈夫だから」

 

正面から抱きつくファサリナ……夜光の顔を支えていた両手も彼の背中に回す。

 

「ファサリナ……さん……」

 

「夜光くんが今抱いている不安も……私が全部……全部拭い去ってあげる。貴方は何も不安に思わなくて良いの。全部……私に委ねて」

 

ファサリナはそう言ってまた夜光にキスをする。

 

「俺は……幸せになっても……良いのか?」

 

「えぇ。貴方にはその権利が十分にあるわ。いえ……私が必ず貴方を幸せにしてみせるわ」

 

「貴女からの愛を……受け取っても良いのか?」

 

「今更よ……貴方が拒絶したって無理矢理愛してあげるんだから」

 

「……分かった。ははっ……ここまで俺を愛してくれる。こんなに近くにいる。それなのに怖がってばかりだったんだな……俺は。貴女からの愛でさえも……今まで受けた事がなかったから怖くてそれ以上いけないなんて」

 

「誰でも初めての事は怖いと感じるのは普通なのよ? だからその感情は正しい事だから。でも……」

 

「あぁ……もう愛される事に怖がらない。貴女からの愛を……俺は今日、遅いかもしれない。待たせたかもしれない……それでもやっと決心した。俺は……貴女からの真っ当な愛を受け取るよ。だから……初めてだから何も分からないから、教えて欲しい」

 

「っ‼︎ うんっ♡」

 

それから風呂にでた夜光達は宿屋へと赴き食事へ……その後夜光は……サファリナからの純愛を受け取り……ファサリナへ夜光は純潔を捧げた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈能力がアンロックされました〉

 

〈鉄血シリーズが解放されました〉

・鉄血メイス

・グシオンハルバート

 

〈運命(デスティニー)シリーズが解放されました〉

・エクスカリバー

・ケルベロス

・ヴァジュラビームサーベル

 

 

 

 

 

 

 

 




次回……夜光、ブチぎれる……理由は言わずもがな……

では、お楽しみに……
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