純狐さんの作品が少なかったので書いてみました。
処女作で、文も読みにくいと思いますが読んでいただけると嬉しいです。
小説って書くのめちゃくちゃ難しいね。
追記
行間の変更。文の間違えを直しました。
花々が咲き誇り、穏やかな風が桃の花弁を舞い踊らせる――。
ここは純狐という神霊が作った仙界である。そしてその中央には、そんな素敵な空間に似合わない、The 普通の家というような平屋の一軒家が建っている。その家の中では元気な声が響いていた。
「ヘカーティア-!」
廊下からどたどたと騒がしい音を立てて純狐が居間に入ってくる。ヘカーティアはその純狐の姿を見るとため息をつき、読んでいた本を閉じた。
ヘカーティアがため息をつくにのは理由がある。最近の純狐の行動があまりにも度が過ぎている、と言うより頭のネジが数本跳んだとしか思えない奇行が多いのだ。
つい先日、外に出て何をしてきたかと思えば、大量の熊の置物を持ってきて、それを全部月に送りつけたり(すぐに送り返されて、家が熊の置物だらけになった)。大量の本を持ってきたときは、3日間部屋から出てこず、出てきたかと思えば、面白くなかった本などの愚痴を延々と話してくるのだ。
(まあ、楽しそうだし、いっか…)
純狐の過去のことなどを思い出し、ヘカーティアはなんとか怒りを抑える。そして、話しだけでも聞いてやろうと、めんどくさそうに寝ころんだまま純狐を見上げた。
「私、この世界に行きたい!!」
「は?」
何か来るだろうと身構えてはいたが、予想の斜め上を行く純狐の言葉にヘカーティアは混乱するしかない。
「《僕のヒーローアカデミア》!ものすごく面白かったのよ!だから紫に言って連れて行ってもらおうとしたんだけど、『異世界に飛ばすのは、めんどいからやだ。』って言われて。年齢のことなんかでいじってたら本気で怒りそうになって、幻想郷出禁にされそうだったから…。」
「それで私に頼みに来たと…。」
異世界に行きたいとか本当に大丈夫だろうかコイツ。復讐はどうするのだろうか。
しかし、これはいい機会かもしれない、とヘカーティアは考える。今の純狐からとりあえず離れられるし、その漫画はヘカーティアも興味があったのだ。面白いことも最近見つからないため、純狐をこの世界に放り込んで、それを見て楽しむのもいいと思った。
ただそうなると心配なのは、ヒロアカの世界の個性の基準からすると純狐の能力が強すぎることだ。
【純化する程度の能力】
簡単に言えば神の力(らしい)。死穢の匂いを身に纏う者なら無条件で殺すことができるというヒロアカの世界には過ぎた、かつ相性の悪い能力である。また、神霊である純狐自身の身体能力もおそらくシャレにならないだろう。
ヘカーティアは少し考えると、1つ提案をする。
「あなたを弱体化してならいいかもしれないわ。どう?私ならあなたの能力や身体能力を制限してあげられるわよ。あなたも、その世界で無双してきたいわけではないのでしょう?」
「そうね…少しスリルがないとつまらないし、いろんなキャラとも絡みやすくなるからね。」
純狐はどうゆう風に自身を弱体化すれば面白くなるか考える。
(とりあえず即死させることができるっていうのはやめたいわね。でも、私が入ることで何かイレギュラーが起こることもあるかもしれないから、その時のためにメインキャラを守ることができるくらいの力は残しておきたいし…。)
そもそも【純化】とは何なのだろう、と純狐は改めて考えてみる。
神の力とか幻想郷では説明されているらしいが、正直、純狐自身よくわかっていない。
生き物を殺したりするときはその者が“死”というもの(死穢という死の穢れも含まれる)をある程度の量持っていたならば、対象を“死”に純化し殺すことができる。なので、不老不死の奴らなど、“死”というものをそもそも持っていないようなのは、純化で即死させたりすることはできない。
概念的なものではなく、物質的なもので例えると、金鉱石を“金”に純化すると金鉱石全体を純金にすることができる。また、生き物では、例えばその生き物の体を水分に純化するとその生き物はただの水になって死んでしまう。ただし、何でも殺せるというわけではなく、体の造りがある程度以上複雑なものになると簡単に無機物に純化することはできない。
そして、純狐自身を嫦娥への復讐に純化していたように、純狐自身を概念的なもので純化しても純狐は霧散したりせず、その概念の権化のような存在になる。そしてその状態を維持しようと思えばそのままでいることもできる。また、その純粋な力を分け与えることもできる。
ただ、純粋な力を持ち続けるのは純狐にしかできないらしくほかの奴を概念のようなものに純化しても純狐が維持しようとしなければすぐに薄れて元に戻ってしまったり、別の力になったりしてしまう。本当によくわからない力だ。
「うーん、“死”に純化させるのは禁止した方がいいわよね。即死させるって意味では、生き物の体を物理的なもので純化するのも禁止ね。身体能力とかも普通の人並みにしてみようかしら。空を飛ぶのはどうしよう。正直、歩いてなさすぎて長距離歩こうとするといつの間にか飛んでいるのよね…。」
「まあいいんじゃない?飛ぶ速度と時間を制限すればそこまでチートな能力ではないと思うわよ?」
ヘカーティアはそう言うが、今まで読んだところまでの内容を思い出して考えると、やはり空を飛ぶのは強すぎると純狐は思う。空を飛ぶの自体はいいのだが、それプラス【純化】というのはやはり強すぎる。それに、漫画に出てきたアメリカンな人みたいに飛行能力がなくても飛ぶようなことができている人もいる。
まだしたことはないが、純化の度合いを細かく調整できるようになれば、足を“力”とかに純化して、そのパワーであのアメリカンな人みたいにすることができるのではないか。と、純狐は考えていた。
「やっぱり飛ぶのは禁止にしとくわ。」
「そう?まあ、あなたがいいなら私は何も言わないけど。」
飛べなかったことがないヘカーティアは飛べないという感覚がわからない。ただ、物凄くめんどくさいというのはなんとなくわかるので提案してみたのだ。
「じゃあ、とりあえず“死”への純化はなしね。あと、身体能力はあちらの世界の人に合わせて…、空を飛ぶのはなしでいいのよね。」
「それでお願いできるかしら?すぐにあっちの世界に行くのは心配だから、弱体化後の体に慣れてから行くわ。【純化】の能力について、試したいこともあるしね。それはそれとして、弱体化した後この空間はどうしましょうか。」
ここの創造主である純狐が弱体化されれば、この仙界は消えてしまう。再び作ることができるとはいっても、3000年くらいこの空間で暮らしてきて思い入れというものがあるので無くしてしまうのはやめたい、と純狐は考えていた。
ちなみに今いる家は、純狐が紺珠伝と呼ばれる異変を起こす少し前に弾幕の練習をしていたら前の家を壊してしまったため、純狐が外の家をまねして簡単に作ったものだ。
「ああ、それならここは私が管理しておくわよ。」
ヘカーティアも久しぶりに会った気兼ねなく話をすることができる相手である純狐と過ごした空間が無くなるのは、なんとなく悲しかった。そこで自分がこの空間を管理することにする。
「ありがとう。それじゃあ頼むわ。」
「じゃあさっそく弱体化やってみようかしら。準備はOK?」
「いいわよ。さあ、どんと来なさい!」
「はいはい。じゃあ、始めるわよん♪」
任せろ、といった具合に胸を叩いたヘカーティアは、目を閉じながら呪文を唱えた。すると純狐の周りに魔法陣が複数でき、その一つ一つの魔法陣から金色に光る鎖が出てきて体を縛る。
「うわ、何か気持ち悪いわね。」
純狐は外側だけではなく心臓や脳を締め上げられるような感覚に嫌悪感を隠せない。人をやめて3000年以上過ぎ、数えきれないほど月の奴らと戦う中でいつの間にか痛みなどは感じなくなっていたが、体の中を異物が這いずるような感覚は耐え難いものがあった。
「あと少しだから我慢してね。」
ヘカーティアは儀式の仕上げにとりかかる。純狐を縛っていた鎖が純狐の体に吸い込まれるように消えていき、魔法陣も消えていく。代わりに純狐の手の甲に鍵穴のような模様が浮き出て、ヘカーティアの手には鍵が握られていた。
「とりあえず、成功したみたいね。よかったわ。慣れない呪文だったから。成功するかどうか心配だったのよ。もし失敗したらなんかボーンてなるからね。ボーンて。」
「え?」
殺すつもりだったのだろうか。
「そういうことは始める前に相談してよ!」
「いや、あなたなら爆発くらい耐えられるでしょう?」
ヘカーティアは何を心配しているのか本当にわからないような顔をする。正直なところ、最近迷惑をかけられてばかりいたので、あわよくば爆発して驚かせることができたら愉快だなー、と思っていた。
「耐えられるかもだけど、少なくともびっくりはするでしょう…。それに、弱体化をある程度完成させてから爆発したら多分耐えられないわよ。」
「まあ、成功したからいいじゃない。それよりいろいろ試してみてよ。」
「はぁ、まあいいわ。それじゃあ外に出て試してみようかしら。」
この程度のこと……で済ましていいのかは疑問だが、二人にとっては誰かが爆発するのは日常茶飯事レベルのことである。そのため適当にスルーして家の外に向かう二人だが、突如、ヘカーティアの視界から純狐が消え、足元で大きな音が鳴った。
「あれ?」
純狐がこけたのだ。床にはいつくばっている純狐は混乱しているようでなかなか立ち上がらずにいるが、すぐに状況を理解し自分のことを鼻で笑った。
「ああ、そういえば飛べなくなっていたわね。忘れていたわ。思った以上に飛ぶのに慣れていたみたいね…。歩くのに慣れるのが大変そう。」
飛ぶのより遅いし不便なものであるが、これはこれで良さがあると純狐は考え、足の裏の感覚を新鮮に感じながら再び歩き出した。
そんな純狐の様子を見て安心したヘカーティアは、まだしていなかった説明を始める。
「戻したいなら私に言ってね。あなたの手の甲に鍵穴の模様があるでしょ?そこに私が持っている鍵を入れたら、弱体化は解除できるから。あと、その模様を通じてあっちの世界に行っても私と直接話すことができるわ。」
「通信機能付きって、なかなかハイスペックな魔術なのね…。」
さすが魔術の神といったところだろうか。純狐も自分は相当強い部類だとは考えているが彼女には敵わない。たまに変なミスをするのだが、そのミスを力ずくでなかったことにしたりできるのであまり関係ないようだ。
「じゃあさっそく、【純化】を…あの石に使ってみて。あれを鉄にしてみてよ。」
ヘカーティアが30メートルくらい離れたところにある大きな石を指さして言う。景観を保つために、あまり変なことをしたくない純狐だが、簡単かつ効率的に今の力量を図るという意味でこれは最適であった。
「ん?あれ、えっと…もう一回…。んー、やっぱりできない。なんで?」
いつものように純化を使おうとしたはずだが、石に変化はない。なにか対象まで純化が届いていないような気がするのだ。どうしていいか分からなくなった純狐はとりあえずヘカーティアを睨む。
「あれ?純化は使えるようにしてるはずなんだけど…。」
ヘカーティアにも原因はわからないようで、首を傾げていた。さっき言っていたように、今回純狐に使った魔法は初めて使うものであり、彼女自身よく分かっていない部分も多いのだ。
「あ、もしかして…。」
石に近づいた純狐は、15メートルくらいの距離になったところでもう一度純化を使ってみる。すると、縦横それぞれ5メートルくらいの石は見事に鉄に変わった。
「今度は成功した、と…。あー、たぶんこれあれだわ、純化できる対象との距離に制限付いてるわ。」
使っている感覚としては多分、15メートルくらいが限界だろう。それに複数のものを同時に純化することはできないみたいだ。
「まためんどくさい制限が付いたわね。まあいいんだけど。」
「よし、じゃあ後は自分に純化を使って身体能力を上げたりするのと、人間の考えを純化する実験をしましょう。」
純狐のあまり気にしていない様子を見て、これからの予定を立てるヘカーティア。人間はヒロアカの世界から適当なヴィランを持ってきて試せばいいだろう。
純狐自身を純化する実験はとても大変だった。
「え?ヤバいヤバい!」
「うわぁ…。すごいことになってるわよ。とりあえず…はい、治療終わり。」
例の漫画の主人公がワンフォーオールを全力で使うときのように使った部分が耐えられず壊れてしまうのだ。いや、壊れるのではなくその部分が消し飛んだというのが正しい。純狐は右腕を“力”に純化して、さっき鉄に変えた石を殴ってみたのだが、一瞬赤く光ったかと思うと石(鉄)はすごい音を立て吹っ飛んで行ってしまった。
吹っ飛んで行った鉄をヘカーティアが見に行こうとしたが溶けてバラバラに吹っ飛んだようで、見つけることができたのは、大きくて重さ5キロくらいの塊だった。そして、岩を殴った純狐は、拳が石(鉄)に当たった瞬間に右腕が肩のところから消し飛ばされ血がすごいことになっていた。
「鉄が溶けるのは大体1500度らしいけど、どれだけのエネルギーを込めて殴ったのよ…。」
「純粋な“力”っていうのは名前が付く前のただのエネルギーの集合なのね、その中にもちろんだけど熱エネルギーも膨大に含まれているのよ。他にも、すごい音や光が出たりしたでしょ?たぶんそういうことだわ。」
「これ、制御とか大変そうね。ちょっと来て。」
ヘカーティアは純狐の鍵穴に鍵を差し込む。そして、ある程度体の体の丈夫さを戻し鍵を抜いた。それだけではなく、熱や音などに対する弱い耐性も魔法でつける。
「これで多分今みたいになることはないわ。でもちゃんと制御しないと腕がバキバキになるくらいのことにはなるから気を付けてね。でも、もし本当に危なくなりそうだったら鍵穴使って教えてね。治療してあげるから。」
純狐は持つべきものは友達だと今本気で思った。ヘカーティアが輝いて見える。さっき自分を爆発させようとしたということはもう忘れているのだろうか。
「ありがとう。気を付けるわ。主人公の出久君みたいにパーセンテージで制御していけばよさそうね。」
その後、“力”への純化の制御を練習し30パーセントくらいまでなら体の一部を“力”に純化して無傷で使えるようになった。ちなみに、最大3か所までなら同時に制御して純化できるようである。
次に行ったのは人の思考に関する実験だ。これは案外簡単で副作用のようなものも起きなかった。しかしこれは制御はできず、相手の思考を“痛み”に純化したなら100パーセント“痛み”だけにすることしかできなかった。
つまり、使う相手のある感情をそれとなく操るということはできない。“痛み”や“恐怖”を実験した相手は、その感情に耐えられず発狂して心臓発作などで死んでしまった。
「よし、これで大体弱体化後の体のことは分かったわ。後は、能力の訓練をもう少ししたらヒロアカの世界に行ってもいいわね。」
純狐は明るい声で言う。
「そうね…。純狐、あっちに行ったらなるべく面白いことをしてよね。それと、あなた、現代の常識とか数学なんかの向こうの勉強なんかは分かってるの?入試とかテストとかは私が何とかしてあげられるけど日常なんかはめんどくさいから手は出さないわよ?」
ヘカーティアは心配そうに言う。勉強しているシーンなどを見ても面白くないのだ。なので、小テストなどで時間を取られイベントを逃すなどというのはしてほしくなかった。
「ああ、その辺は大丈夫だわ、異変起こし終わって暇になったから外の世界が今どこまで進んでいるか調べていた時についでに勉強したから。高校生くらいまでの勉強なら問題ないわ。ヒロアカの世界も現代日本とそんな変わらなかったからね。」
「じゃあ安心していいわね。早速訓練を始めましょうか。」
「おー!」
――― 1週間後 ――
「じゃあ、あちらとつなげるわよ。」
「ねえ、ほんとに見た目変わってる?」
「大丈夫よ。ちゃんと変わっているわ。」
純狐たちは、1時間ほど前に純狐の外見が学生に見えないことに気づいてヘカーティアが純狐の外見を学生のようにしたのだ。
また、着ている服もいつもの袍服とロングスカートを組み合わせたような服から現代の学生服のような服に着替えた。持っていく服はヘカーティアが用意してくれた雄英の制服と体操服、入試を受けるときのための動きやすいジャージ、コスチュームとして使う予定の今まで着ていた服である。
ほんとに、ヘカーティアは何でもできるな、と純狐は思う。
しかし、純狐は一つ疑問があった。
「ねえ、ヘカーティア。この服何?」
そこにはヘカーティアがいつも着ているWelcome Hell と書かれたTシャツがあった。
「いい服でしょ!ぜひ外出するときに着てね。」
すごくいい笑顔でヘカーティアが言う。
「そ、そうね。ありがたく着させていただくわ…。」
ヘカーティアの笑顔と今までやってもらったことを考えると、純狐は「いいえ」とは言えなかった。
ヘカーティアは呪文を唱え始める。
すると数秒後、人が通ることができる位の大きさのゲートができた。
「…よし!つながったわ。いってらっしゃい!楽しんできてね。たまに私もそっちに行くからね。」
「はいはい。じゃあ、行ってくるわ。まあ、鍵穴を通じて話したりできるし、あなたからは私をいつでも見ることができるから、あまり別れって感じじゃないけどね。来るときは連絡してよ?」
純狐はそんなことを言いながら紫色のゲートをくぐった。
「…よし、行ったわね。」
ゲートを閉じた後、ヘカーティアは一人笑う。
「さあ、どうやって純狐を困らせようかしら。」
ここまで読んでいただきありがとうございます!
純狐さんの能力って情報も少ないし強いから使いにくいですよね。
「こんなんじゃないよ。こうだよ。」
というのがあれば、アドバイスください。お願いします。m(_ _)m
次回があればいいなぁ。