赤バーがついて3回死んで2回生き返りました。
本当にありがとうございます!
想像力の…限界…!
追記
騎馬戦についてのこと、体育祭までの時間が間違っていましたので直しました。
~時は少し巻き戻り、USJの襲撃の夜~
― ヘカーティアside ―
「はい、今日は終わりましょうか。お疲れクラウンピース。」
「お疲れ様です、ご主人。あれ?またどこか行くんですか?」
クラウンピースとヘカーティアは地獄のある研究室にこもって、誘拐してきた脳無の研究を始めていた。
研究がある程度まで終わったところで、ヘカーティアは、どこかへ続くゲートを開き始める。
「ええ、ちょっとあっちの世界にね。」
「何しに行くか分かりませんが、少し休んでから行きませんか?」
クラウンピースは、近くにある冷蔵庫を指さす。その中には、ヘカーティアが真面目に働きだしたことを心配して、様々な地獄の管理人たちが持ってきたお見舞いのお菓子が大量に入っていた。
「今からすることがストレス解消みたいなものだし…。それ食べるのは屈辱的というか…」
「なら、獄卒さんたちに配り…」
「いや、後から食べるけど!」
ヘカーティアはクラウンピースが冷蔵庫を開けるのを見て、それを止める。持ってきてもらったお菓子はそこそこ値段が高く、おいしいのが多かった。
「そうですか、では行ってらっしゃいませ。」
クラウンピースは冷蔵庫の扉を閉める。ヘカーティアはゲートを開き終わったようだ。
「じゃあ、行ってくるわ。」
ヘカーティアがゲートに入り、ゲートが消えるのを確認して、クラウンピースは再度、冷蔵庫を開ける。
「ふふふ、このハーゲ〇ダッツは私の物だ。」
クラウンピースはチョコ味のハーゲ〇ダッツを目の前に掲げた。
「ここ最近はスナック菓子ばっかりでしたからね。まあ、一つくらい無くなってもばれないでしょう。」
この時のクラウンピースは知らない。月のヘカーティアのイタズラにより辛子味のチョコになっているということを。
◇ ◇ ◇
「はぁ~い。お久しぶりね、オールフォーワン。USJは残念だったわね。」
オールフォーワンはその声に肩を震わせると、飛ぶように立ち上がり声の聞こえた方を見る。
「!ヘカーティアさん…申し訳ございません。生徒の誘拐を果たせなくて。落月の能力を見誤っていました。忠告していただいたのに…」
「あー、いいわよ。別に謝罪を聞きに来たわけではないわ。」
ヘカーティアは近くに置いてあった事務用の椅子を持ってきてそれに座る。そして、指をくるっと回すとオールフォーワンとヘカーティアの前に半透明の机と紅茶の入ったカップが現れた。
オールフォーワンはそれを見てまた肩を震わせる。ヘカーティアは紅茶を飲むとオールフォーワンに話しかける。
「そんなに緊張しないでよ。ほら、座りなさい。」
オールフォーワンは椅子の上に何も置かれていないのを確認し、椅子に座った。
「改めて、USJのことだけど、私は気にしてないわ。」
「えっ?」
オールフォーワンは紅茶に伸ばしていた手を止める。今回の襲撃によりヘカーティアが利益を受けるとすれば生徒の誘拐だと考えていたからだ。
「では、何が目的で?」
「目的なんかないわ。なんとなくよ、なんとなく。」
オールフォーワンは呆然とする。死柄木育成の代替案を作成したり、脳無の増産を急いだりしたのは何だったのだろうか。
しかし、ここで激昂して戦っても勝てないことは目に見えている。なので、オールフォーワンは文句を言うことも出来なかった。
「じゃあ、さよなら。また来るかもしれないから頑張ってね~。」
◇ ◇ ◇
「ただいまクラウンピース。」
ヘカーティアはゲートを潜って地獄に帰ってくる。しかし、そこにクラウンピースの姿は無い。代わりに辛子の入ったハーゲ〇ダッツが机の上に置いてあった。
「クラピちゃん何してたのかしら?」
ヘカーティアはそのハーゲ〇ダッツを捨てると、冷蔵庫を開け、せんべいを食べ始める。
「ご主人…お帰りなさい。」
河童が配信しているテレビを見ながら2枚目のせんべいに手を伸ばすとクラウンピースが帰ってきた。唇が腫れていて、目には少し涙が浮かんでいる。
「どうしたの!?何かあった?」
「大丈夫です。なんでもないんです…なんでも…。」
クラウンピースは盗み食いしたことを言うわけにもいかないのでこうなった理由は言わない。
「ならいいんだけど…。」
家へとつながるゲートを開きながらヘカーティアはクラウンピースを心配そうに見つめる。
さっきの食べかけの辛子アイスのことを思い出して原因は分かってしまったがクラウンピースはいつも仕事を頑張ってくれているので、気づいていないふりをしていた。
「じゃあ、帰りましょうか。純狐に何かあったらいけないし。」
「あの世界なら友人様に何かあっても大丈夫そうですけどね。」
月人との戦いを思い出しながらクラウンピースはヘカーティアの開いたゲートに入っていく。
「まあ、いつも通りの純狐ならそうでしょうけど、今の純狐はいつもの戦い方からかなり離れたことをしてるからね。」
純狐のいつもの戦い方は、膨大な霊力と純化を組み合わせるものだ。しかも、基本的に霊力に頼っているところが大きく、霊力で作ったものを純化で強化して戦うという事が多かった。なので、霊力を純狐自ら制限している今の状態だと、実力の10分の1も発揮することができていないとヘカーティアは考えていた。
たとえて言えば、弾幕ごっこの弾幕の量が10分の1になったり、弾幕の大きさが10分の1になったりするようなものであろうか。
そんなことを考えながらヘカーティアは純狐の家の、いつもの部屋に入り純狐の映る画面を見つめ始めた。
― side out ―
「ドクター、見ていたか?」
オールフォーワンは真っ黒な画面のパソコンに話しかける。10秒ほどたって画面から返事が返ってきた。
「…ああ、確かにおかしいな、あれは。雰囲気がもう人ではない。」
博士は、オールフォーワンが繰り返し言っていた、人ではない、というセリフがようやく理解できた気がした。
両者の間に重い沈黙が流れる。先に口を開いたのはオールフォーワンだった。
「まあ、とりあえず何事もなかったことを喜ぶべきだね。ただのお遊びだと知った時はイラっとしないこともなかったけど。」
「そうじゃな。約束、というか一方的な押し付けだったがそれを破ってしまったことは変わりないからな。」
ヘカーティアについて感覚を共有できた二人は次の話題に移る。
「それよりもだ。あの…人?神は正直対策がないから考えなくていい。というか考えても無駄だ。あの神様よりも、あの落月っていう生徒についての方を考えよう。」
「ああ、あの化け物予備軍か。」
純狐についてはドクター、オールフォーワン、どちらもキーストーンだと考えていた。まだ、高校1年なのにも関わらず、脳無を二体倒せるような存在だ。当たり前である。
「私としては、あの個性を何としてでも手に入れておきたいのだが、今の私が迂闊に外に出ることができないのが痛いな…。」
「私もあの個性には興味が尽きんよ。まるで、ブラックボックスじゃ。おそらく、あの個性はまだ上があるぞ。落月はモラルを気にして使っていないようだが、モラルを考えずに使えば手の付けようが無くなる程の強個性じゃ。」
オールフォーワンはUSJでの純狐の戦闘の様子が映るパソコンの方を見る。
「でも、本当にどうしようもないことはなさそうだ。彼女は個性を持て余している。それに彼女の表情を見てくれ。」
ドクターはオールフォーワンから送られてきたその部分の映像を見ながら、返事をした。
「それはそうだが…。個性を持て余している奴はヒーローにもたくさんおるし、敵を倒してすっきりするのはどんな奴も同じじゃろ?」
ドクターは、脳無を破壊し笑っている純狐を見てコメントする。オールフォーワンの言っているようにこっち側に引きずり込めるような性格をしているとは思えない。
オールフォーワンはドクターの声を聞きながら、画面に映る純狐の顔をアップしていく。
「ああ、表情というのは言い方が悪かったね。彼女の目を見てくれ。」
そう言うと、オールフォーワンはドクターに純狐の顔をアップした画像を送る。博士はそれを見るとニヤリと笑った。
「ほほぅ…。確かに何か歪んでいるようじゃな。それにこの歪みは相当大きいぞ。それこそ、私が今まで見たことがないほどにな。」
「だろう?これをうまく利用したい。私が彼女の発言や行動から何をもってして歪んでいるのか探してみる。ドクターも彼女の過去や関連者などを探しておいてくれないか?」
「分かった。できるだけやっておこう。前やって無駄だったし、希望は薄いがな!」
その後、死柄木の成長などを確認しあった二人は少し笑いながら通話を切った。
~時間は戻って純狐とオールマイトとの話し合いの夜…~
そんな渦中の純狐は、机に突っ伏しながら唸っていた。
「うー、体育祭どうしようかしら。」
純化の調整はその性質上ほぼ不可能である。そのことを日々の訓練の中で理解した純狐は、体育祭をいかにして楽しむかを考えていた。
ちなみに、訓練と力が落ちたことの影響で、同時に体の4か所、それぞれ60パーセントまでは安定して強化できるようになっている。
「とりあえず、トーナメントまで行くのは確定として…あれ?騎馬戦どうしよう。」
騎馬戦は2〜4人一組で行われる。ここでも純狐の前に友人関係の壁が立ちはだかっていた。
「まあ、後2週間以上あるし大丈夫か…大丈夫か?」
ここまで、純狐は人間だったころの後遺症で、女子に積極的に絡むことがほとんどなかった。だからと言って男子に話しかけに行くと相手が他人行儀になってしまいなかなか仲良くなれない。
今、純狐が友達として話すができるのは、出久、麗日、飯田くらいだろう。轟などもたまに話したりするが会話が途切れてしまう。一定の時間話せるとすれば、純狐が轟の戦闘を見てアドバイスする時くらいだった。
「騎馬戦はどのチームに入るかも重要よね、となると、1種目目も順位を調整する必要が出てくるかもだし…。手を抜きすぎるのも駄目よね、何より私が楽しくない。」
とはいえ、できることが少ないのも事実だろう。力を調節するにしてもそれなりの理由を考えておく必要がある。
と、ここで純狐は顔を上げた。
「そうだ、体育祭のことで話をすればさすがにみんなも乗ってくれるわよね。それに、体育祭に向けての練習をみんなとすれば、純化の使い道も広がるかもだし、一石二鳥。よし、そうと決まれば、早速やってみましょう。」
一人でそんなことをぶつぶつ話したり、考えたりしながら純狐の夜は更けていくのであった。
読んでいただいてありがとうございます!
始まる妄想。進まない筆。机の端の問題集。
終わらない妄想。進まない筆。机の端の問題集。
矛盾や、日本語の間違いなどあれば教えて頂けるとありがたいです。
次回、今度こそ純狐さんをクラスメイトと話させる。させたい…