純狐とヘカTのヒーローアカデミア   作:SKT YKR

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お久しぶりです!

申し訳ありません。
後半、どう書くか迷っていたら、いつの間にか二週間たっていました。
そのくせ、あまりまとまっていないのでご注意ください。

(投稿)スピード!(物語の構築)力!そして何より、技 術 が 足 り な い !!



体育祭までの日々

 体育祭まで1週間を切った日曜日。純狐は近くの大型ショッピングモールで買い物をしていた。着ている服は、ヘカーティアのTシャツに、ジーンズを合わせたいつもの無難なやつだ。

 

「うーん…どれがいいのかしら。雑誌とか見てもよくわからない単語が多かったし、私のセンスも信用できないしねぇ。」

 

 店の前に並んだ淡い青の下地に白の線が不規則に描いてあるTシャツを目の前に広げて呟く。そして、その服を元の場所に戻し、隣の服に目を移した時、後ろから声をかけられた。

 

「あれ?落月さん?」

 

 声の聞こえた方を見ると、そこには耳たぶの先がイヤホンのようになった耳郎響香と、服だけが浮いているように見える葉隠透が立っていた。

 

「耳郎さんと葉隠さんじゃない。偶然ね。」

 

 二人は話しかけた相手が間違っていなかったことにほっとしながら純狐に近寄る。

 

「意外だね!よく来るの?」

 

「いや、来るのは初めてよ。ちょっと服を買いにね。」

 

 目の前に並ぶ服を見ながら純狐は言う。そんな純狐の少し困ったような顔を見た耳郎は、恐る恐る純狐に話しかけた。

 

「…ねぇ、よかったらだけど…」

 

「ねぇ、落月ちゃん!よかったら私たちと一緒に選ばない?私たちも服を買いに来たの!」

 

 耳郎の言葉を葉隠の軽快な声が遮る。そして、とっさに葉隠を見た耳郎の視線がゆっくりと純狐に移り始めた。純狐はそれに苦笑いで答えながら、葉隠の方を見る。

 

「そうね、そうしてもらおうかしら。私、どんな服を買えばいいか分からなくて迷ってたのよ。」

 

「よし!それじゃあ、行ってみよ~!」

 

 盛り上がる葉隠の斜め後ろで、まだ少し顔を赤くしている耳郎を、かわいいなぁ、と思いながら、純狐は二人と一緒に服を選びに店の中に入っていくのだった。

 

 

 ― 少女、服選び中… ―

 

 

「おお!結構似合ってるんじゃない!?」

 

「ていうか、落月さんってスタイルいいし、美人だから基本何着ても似合うよね。」

 

「コレ、露出多くない?」

 

 なかなか決めきれない純狐は二人の着せ替え人形になっていた。

 

 今着ているのは、葉隠が持ってきたハイネックの白のシャツに青の開襟シャツ、黒のカーゴスカートだ。

 

「じゃあ、次、コレ着てみてよ。」

 

 最初は緊張していた耳郎も、かなり慣れてきたようだ。

 

 純狐たちはその後も、30分ほど様々な服を試着し、最後は財布のことも考えて、少し飾りのついた黒のワンピースを買った。耳郎と葉隠もお気に入りの服を買うことができ、かなり嬉しそうにしている。

 

「楽しかったね!」

 

「私は疲れたよ…。」

 

 いつまでたってもテンションの落ちない葉隠とは対照的に、耳郎はかなり疲れているようで声に張りが無い。

 

 純狐はそんな耳郎に気づくと、周りに休憩できるような場所を探す。そして、近くにオシャレな喫茶店を見つけると葉隠たちに話しかけた。

 

「ねぇ、ちょっとお茶しない?休むのも兼ねて。」

 

「いいね!行こう行こう!」

 

「私、お金持ってない…。」

 

「高いやつじゃなかったら私が奢るわ。」

 

そんなことを話しながら3人は喫茶店に向かう。喫茶店に着くと3人はそれぞれ注文をして席に座った。

 

「あと一週間で体育祭だね。二人ともどんな競技があると思う?」

 

 イヤホンのような部分をいじりながら耳郎が二人に問いかける。

 

「う~ん…雄英は毎年変えてくるから、去年と同じ種目が出ないことくらいしか分かんないかな。落月ちゃんはどう思う?」

 

「私も分からないわね。でも、ヒーローとしてやっていくうえで大事なことを知ることができる競技だとは思うわ。例えば、即興で作ったチームで協力するみたいなやつとかね。」

 

 純狐は騎馬戦に備えての布石を打つ。ここでそんな競技がある可能性を言っておけば、「その時は組もうね!」みたいな展開になるかもしれない。

 

(でも、そうなってしまったら、改変が起こる可能性も高いのよね…)

 

 そんな一抹の不安を抱えながら、純狐は二人の意見を待つ。

 

「あ~ね。そういうのもあるか。やっぱ頭いいわ、落月さん。」

 

「でも、もしそうなったら落月ちゃん動きにくくなるよね。ほら、範囲攻撃とか、周りに影響与えるのが多いじゃん。」

 

(…あれ?墓穴掘った?)

 

 葉隠の発言に頷く耳郎を見て純狐は半笑いの顔のまま固まる。そんな純狐を見て察したのか、耳郎は少し早口になりながら話し出す。

 

「あ、あーでも、そんな接近するような競技がある可能性は低いんじゃない?プロもそんなに近づいて戦わないでしょ。」

 

(組む選択はそれより可能性低いのね…)

 

 純狐は内心泣きながら、運ばれて来たジンジャーエールを飲み始めるのだった。

 

 鍵穴から笑い声が聞こえてきたのは気のせいだろう。

 

◇   ◇   ◇

 

「アッハハハハハ」

 

 明るい笑い声が聞こえる横でオールフォーワンは頭を抱えていた。

 

「えっと…そろそろ、来ていただいた理由を教えてもらっていいですか?」

 

 オールフォーワンはポテトチップスを食べながら純狐の映る画面を見て笑うヘカーティアに声をかける。

 

 ヘカーティアはその声を聞いて、今オールフォーワンに気づいたような表情をし、食べ終わったポテチの袋を無造作に投げ捨てる。袋は地面に落ちる前にどこかに消えてしまった。

 

 そして、どこからともなくウェットティッシュを取り出すと、手を拭いてオールフォーワンの方を向く。

 

「あなた、純k…落月について情報欲しがってたわよね?」

 

 オールフォーワンは急にどうしたのかと思うが、その通りなので頷く。

 

「はい、そうです。どうにかしてこっち側に引き込みたいと考えています。」

 

 ヘカーティアはその答えを聞いて、ニヤッと笑うと、自分の前で宙に浮いているテレビを指す。

 

「そっこっでぇー、私から何時も頑張ってるオールフォーワンちゃんにプレゼント!これから毎夜、その日の純狐のことを記録した映像を送っちゃいます!」

 

 オールフォーワンは最初、何を言っているか分からず、適当にはぁ、といった返事を返すが、数秒後にはその顔は、パーツが少なくて分かりにくいが、驚きに満ちたものとなっていた。

 

「えっ、ええっ、え?あ、ああ~…うん?what?ファッ!?ウーン…」

 

「落ち着きなさい。あなた私を何だと思ってるのよ。」

 

 さすがのヘカーティアもオールフォーワンの驚きように驚いたのか、真顔になる。

 

 1分ほどたって、やっと落ち着きを取り戻したオールフォーワンはヘカーティアに取り乱したことを謝る。

 

「申し訳ありません。取り乱してしまいました。そして、それは本当ですか?」

 

「本当、本当。」

 

「私は何を差し出せば…」

 

「何もいらないわ。」

 

「ちょっと、脳無。僕の顔を殴ってくれないか?」

 

 脳無が近づいてくる前に、ヘカーティアはオールフォーワンの肩を掴んで現実に引き戻す。

 

「ふざけながらでもいいから、とりあえず聞いてて。渡すのは私が編集したものよ。でも、編集で何か付け足したりすることは無いわ。そこは信用してね。あと、誰にもその映像を見せないこと。渡したり、流出すれば、ちょっとひどい目に遭ってもらうわ。」

 

 オールフォーワンは、ヘカーティアがすごくいい笑顔をしていることに恐怖を感じ、固まったまま頷くことしかできなかった。

 

「じゃあ、今日はそれだけだから。」

 

 肩から手をどけてゲートを開き始めたヘカーティアに、正気を取り戻したオールフォーワンは頭を下げる。

 

「ありがとうございます。」

 

 ゲートを開き終わったヘカーティアは、何かを思い出したかのように、少し急いだ様子でゲートに入っていった。

 

◇   ◇   ◇

 

 喫茶店を出た後、葉隠と耳郎と別れた純狐はショッピングモールのいろいろなところを見て回っていた。

 

(何かあるかしら…)

 

 そんなことを考え、本屋の前を通りすぎながら平積みされている本を見る。しかし、特に気になる本も無かったため、顔を上げ表紙から目を離した。

 

「ん?」

 

「お?」

 

 すると、店から出てきた見覚えのある人物と目が合う。そこにいたのは…

 

「あら、爆豪君。あなたも本とか読むのね。」

 

「当たり前だろ!殺すぞ!」

 

 爆豪の持っている袋を見て純狐が、ふっ、と軽く笑いながら言うと、爆豪はいつもにもまして髪をつんつんさせる。いつもみたいに手を爆破できない分、髪に爆発成分が行っているようだ。

 

 純狐はそんな反応を面白く思いながら、爆豪の持っている袋を指さす。

 

「何買ったの?オススメがあれば教えてほしいわ。」

 

「あぁ!?なんでお前に教えなきゃいけねぇんだ!」

 

 爆豪はそう怒鳴って純狐の横を通り過ぎる。純狐はつれないなぁと思いながらも、こんなものかと爆豪に手を振って見送ろうとする。

 

 しかし…

 

「お前、個性の使い方下手になってねぇか?体育祭までには直しとけ。」

 

 爆豪は純狐とのすれ違いざまにそう呟いた。それを聞いた純狐は手を上げた状態のまま固まってしまう。弱体化のことがばれたかと思ったのだ。

 

 数秒後、動揺から立ち直った純狐は、それが原因で弱体化を疑われないように、爆豪にそう思った理由を聞こうと振り返る。だが、曲がり角も無い、一本道にもかかわらずそこに爆豪の姿を見つけることはできなかった。

 

「?どこに行ったのかしら。」

 

 純狐は少しの間周りをきょろきょろしていたが、結局見つけることができなかった。

 

◇   ◇   ◇

 

家に帰った純狐は、家に帰って、爆豪にいわれたことについて考える。

 

(なんで、そう思われた?)

 

 純狐が最も恐れているのは、弱体化が相澤にばれ、除籍されることだ。

 

 そして、爆豪にばれているという事はもう、相澤に怪しまれてしまっているのは確実といってもいいだろう。

 

 ここで幸いなのは相澤がドライアイだという事だ。何度も言うように純狐の体の部位の強化は、その力を使う時、熱風と光が出る。なので、相澤の純狐の確認は基本ビデオでとなるのだが、ビデオは四六時中一人一人を取っているわけではない。その生徒が活躍したり、失敗したりした部分だけを切り取ってある。だから、ビデオには純狐が単純に強化を使って何かするというシーンはほとんど含まれていないのだ

 

 しかし、このまま何も対策せずに授業を受け続ければ、どこかで致命的なミスの繋がり完全にばれてしまいかねない。

 

 授業ではなく、イベント中にそれが起これば、最悪そこで帰ることになってしまう。

 

「はぁ~、オールマイトにでも電話してみようかしら。」

 

 オールマイトはヒーロー基礎学の担当であり、純狐の弱体化のことを知っている唯一の人物だ。それに、オールマイト自身も継続的なものでないにしても、弱体化を経験している。

 

 そんなオールマイトなら、今の自分のどこがおかしいか分かると純狐は考えた。

 

(まあ、そもそもの原因は最近私が楽しむことに全力になりすぎて自分の弱体化の把握がおろそかになっていたことなんだけどね…)

 

 そんなことを考えながらスマホを取りだし、オールマイトに電話をかける。

 

「HAHAHA!私が出た!どうかしたのか落月少女。」

 

 いつも通りのテンションで電話に出たオールマイトの声にビックリする純狐だが、あまり時間を取らせるわけにもいかないので、すぐに立ち直り話し始めた。

 

「突然すいません、オールマイト。ちょっと聞きたいことがあるんですけど、今、大丈夫ですか?」

 

「んん?何か時間がかかりそうなことなのかい?まぁ、暇だから大丈夫だが。」

 

 純狐は、時間はあるという返事にひとまず安堵し、早速本題に入った。

 

「えっとですね、私の“力”への純化…まあ、いわゆる強化のことですが、何か違和感ありませんか?今日たまたまあった爆豪君に使い方が下手になったと言われたのですが…。」

 

 純狐は話し終わると、オールマイトの返事を待つ。電話越しに、うーんと唸る音が聞こえてくるので、真剣に考えてくれているのだろう。

 

「そこまで大きなものは無いと思うが…、もしかするとあれかもな。」

 

 10秒程経ってオールマイトは、静かに話し出す。

 

「あれ、とは?」

 

「えーっとなぁ…ちょっと…待って……っと、ここか。」

 

 ちょっとした爆発音が電話越しに聞こえてかと思うと、クリックする音が聞こえる。どうやら、映像を確認してくれているようだ。

 

(帰ってから何か贈り物でもしましょうかね…)

 

 あと半年もせずにいなくなることが確定している純狐は、そこまでしてくれるオールマイトに申し訳なく思い、何か考えておこうとメモを取る。

 

 もちろんそんなことは知らないオールマイトは、意気揚々と話し出した。

 

「君が強化を使ったときは、光るから見にくいんだけど…殴るタイミングが早いように見えるね。ま、私が弱体化した後も、感覚が戻るまではよくあったことだ。君の弱体化は継続的なものだから私の時より、調整が難しいと思うけどね。」

 

 純狐は、言われてみれば、と、最近のことを思い出す。

 

「最近かなりパワーが落ちてきたと感じていたのも、それが原因かもしれないね。」

 

 オールマイトは、最近純狐がそう言っていたことを思い出しHAHAHAと笑う。

 

「ありがとうございます。でも、どうしましょうか。相澤先生にばれたら、最悪除籍の可能性もありますし…。」

 

「う~ん、慣らしていく以外には、強化を使う頻度を下げるくらいかな…。でも、今のところは心配しなくていいと思うよ。私の時もそうだったけど、パワーが大きすぎてばれないから。」

 

 それもそうかと、とりあえずホッとした純狐に疑問が浮かぶ。

 

(なんで爆豪君は分かったのかしら?)

 

 純狐は原作での爆豪を思い返す。

 

(確か爆豪君はUSJで、脳無やオールマイトの動きが全く見えなかったと言っていた…。今の私はオールマイトと、ほとんど変わらない力やスピードを出すことができる。それなのにばれるという事は…)

 

「オールマイト、最近の、私が出力落とした時の映像で、タイミングのずれはありますか?」

 

 純狐は、ここまで考えて、もしかすると最近始めた、出力を落としての移動の時にばれたかと思い、オールマイトに確かめてもらうことにした。

 

 オールマイトは、急に変わった純狐の声の雰囲気に驚き、急いで映像を探す。

 

「いや、ずれは無いな。」

 

 映像を見つけ、確認したオールマイトの返事を聞いた純狐はますます混乱する。

 

(あれは、爆豪君じゃない?いや、だとすれば誰が…。ヴィランだとすれば、目的が分からないし…。もしかしてヘカーティア?)

 

 純狐は、いったん深呼吸をして気持ちを落ち着ける。そして、おそらくスマホの向こうで疑問符を浮かばせているであろうオールマイトに聞いてみようとしたが、今の軽く混乱した状態だと、口が滑ってヘカーティアのことなどを話してしまうかもしれないと思い、相談はしないことにした。

 

 しかし、疑問を持たせたままにしておくわけにもいかないので、とりあえず返事をする。

 

「ありがとうございます。慣れるまでは、出力を落として使っていけばいいみたいですね。」

 

「お、おお、そうか。HAHAHA!切羽詰まった感じだったから驚いたぞ。」

 

 オールマイトと純狐は、その後も数分間話した後、通話を終えた。

 

 純狐は、とりあえずヘカーティアに連絡を取ろうとしたができなかった。今度は電波がつながらないところにいるらしい。

 

「まぁ、明日爆豪君に聞いてみましょうか。それで違ったら、ヘカーティアのせいにしていいわね。」

 

 純狐は、そう呟いて、最近の日課である、窓際の席での星空観察を鼻歌交じりで始めた。

 

 

― ヘカーティア side ―

 

 

「さすが純狐ね。」

 

 ヘカーティアは爆豪の姿から元の姿に戻りながら呟く。純狐の予想通り、あの爆豪はヘカーティアだった。

 

「まぁいいわ。今回は純狐に、個性の秘密がばれる可能性を意識させて、強化以外の選択肢を増やしてもらいたかっただけだからね。」

 

 ヘカーティアはそう言うと、今日の分の純狐の映像の編集を始めるのだった。

 




お読みくださりありがとうございます!

純狐さんがどこまでできるか、基準が難しい…。
矛盾などがあれば、教えて頂けると嬉しいです!
純化で何かアイデアがあれば教えてもらいたい(小声)

次回!体育祭かも、投稿遅いかも
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