どれだけ急いで書いてもこれくらい時間かかる……。
文を書くのは3時間くらいで終わるけれど、内容を考えるのに10時間くらいかかるんや……。
そのくせグダグダな内容でごめん、ごめんやで。
時間たつのが早い希ガス。
「いらっしゃい、轟君。」
目の前で痺れて動くことができなくなっている轟チームを、純狐は余裕を持った表情で迎える。
(クッソ…!やられた!)
上鳴の放電は威力は高いが、帯電という個性の性質上、あまり遠くまでは届かない。そのため、純化の範囲ぎりぎりの場所まで近づいてから放電をしたのだが、それが間違いだった。
上鳴が放電を始める寸前、爆発が起こった。いや、爆発と感じただけで、それの正体はただの突風だったのだが、それが轟たちに効果的だった。上鳴の放電を自分たちが食らわないように被っていた絶縁体が吹き飛ばされてしまったのだ。
急いで上鳴を止めようとした轟だったが、間に合わず、放電が始まってしまった。幸い、上鳴が絶縁体が無いことにすぐに気づき、放電を浴びたのは一瞬だったが、それでも高圧電流を至近距離で浴びてしまったことに変わりはない。
『轟チーム自爆!対する小大チームは、それで終わりか、とでも言うかのように動かずに轟チームを見据えている!個人的にはもう少し頑張ってほしい!』
『私情隠す気もねぇな。』
「ねえ、小大さん。最後に少しだけ遊びに付き合ってもらっていいかしら。ほら、最初に言ってた“大きな花火”ってやつよ。」
右足の調子を確かめながら、純狐は小大に話しかける。小大は、そう言えばそんな話もあったな、と思い返しながら、純狐の次の言葉を待った。
「ヒーローらしくはないんだけど…」
ヒーローらしく無いのかよ、と小大は心の中で突っ込みを入れる。
「まず、上に行くわ。そして、ブロックをなるべく大きくして落とす。これ以上ない程のけん制になるし、アピールも出来るでしょ?」
「どっちかと言うと、ヴィランじゃない?それ。」
我慢できずに、突っ込みを口に出す小大。小大の個性は、サイズと共に質量も変わる。つまり、純狐の作戦通りにいけば、とんでもない大きさのコンクリートが落ちてくるという事になってしまう。
ヒーローは、時には大きな破壊力が必要であるが、基本的にはそのような力の使い方はしない。そしてこの競技は、そのような破壊力を使うべき場ではないと、小大は考える。アピールしたいという思いはあるが、多くの生徒や、場合によっては観客を危険な目に遭わせてまでしようとは思わなかった。
そんな小大の考えを読んで、純狐は説得を始める。小大たちがヒーローになるという目標を持っているように、純狐にも楽しむという目標があるのだ。
「大丈夫、大丈夫。落ちる前に個性を解除すれば被害は無いわよ。いざという時は私が何とかするし。」
数秒間待っても、小大からは了承の返事は帰ってこない。
(被害が出る、出ない、の話じゃないか。するべきか、しないべきか、という事で話しましょう)
純狐はそう考えを改めると、再び小大に話しかける。
「正直に言うとね、私の体力は限界に近い。だから、戦う事よりも、上空で時間をつぶす方がいいのよ。でも、それだけではつまらないし、アピールも出来ない。もしかすると、観客からヘイトを集めてしまうかもしれない。だから、ね?お願い。」
小大は、純狐の話を聞き、どうしようかと悩む。この競技で小大は、純狐を助けた以上に助けられていた。ブロックを使った攻撃や防御が純狐の力あってのものであるのはもちろん、攻撃の大部分は純狐がさばいていたのだ。
また、最初の説明は利益のことではなく、大きな不利益をどのようにして生まないかという事であったため魅力を感じなかったが、2回目の説明の内容は、小大にとってデメリットの無いものであった。
「ん、分かった。やろ。」
最終的に、小大は純狐の作戦に乗ることにする。すると、返事をした瞬間に大量の力が流れ込んできた。その感覚に小大が驚いていると、純狐が轟チームから目を離して小大の方を向く。
「乗ってくれてありがとう。小大さんの個性にどんなデメリットがあるか分からないけれど、これだけ身体能力を上げれば問題ないでしょ。」
純狐はそう言うと、轟チームの方に向きを変えて、ちょうど飛んできた氷の槍を避ける。
「おしゃべりは済んだかよ。」
「そっちこそ、人工電気風呂はもういいの?」
「…ああ、もう十分だ。」
純狐は、余裕のある表情を崩さない。そして、飯田の準備が整う前に、轟に提案を持ちかけた。
「轟君。あなたは私の本気に挑みたいのよね?」
轟はその言葉に反応し、肩をピクリと動かす。そして飯田に、まだ何もしないように伝えると純狐の言葉を待った。
「いいわ。挑んできなさい。でも、今回はあくまでチームプレイ。私は小大さんの力を借りるからあなたたちも協力して挑んでいいわよ。他人とうまく協力することも大切な力の一つでしょ?」
今度は轟だけではなく、騎馬の三人も目に見える反応をする。純狐はその反応を見ると、少し震えている膝を軽く曲げ、足を強化した。
このまま上空に行かれては何もできなくなるため、轟は飯田にGOサインを出そうと口を開いた。しかし、純狐が跳ぶ寸前に放った言葉がそれを忘れさせる。
「ああ、ちなみに防がないとみんな死ぬわ。」
その言葉と共に純狐は跳んだ。この競技であまり動きを見せることが無かった純狐がついに大きく動き、他の場所を見ていた観客も純狐に注目を向ける。
それと同時に、観客席に配置されているヒーローたちは、観客の前に出る。第一種目でのことを見る限り、純狐は派手好きであり、何らかの大規模な攻撃を仕掛けると考え、万が一に備えたのだ。
『落月、ここで動いた!あれはルール違反じゃないのか!?』
純狐の姿がどんどん小さくなっていく中、プレゼントマイクは主審のミッドナイトに尋ねる。ミッドナイトは少しだけ考えると、騎馬が崩れてはおらず、フィールドからも出ているわけではないため、特に問題ないとした。
その一方で相澤は、B組担任のブラドキングに内線を繋ぎ、小大の個性の詳細を聞いていた。
「縮小や強大化に制限はないな。」
「…まずいな。」
「何がだ?」
ブラドキングは相澤がやけに焦っている理由がよく分からない。だが、普段の、そして第一種目での純狐の行動を注意深く観察し、それについての考察を深めていた相澤は、嫌な予感が確信に変わろうとしていた。
(あいつは長期的に見れば何を考えているか分からない。だが、短期的なもので見れば“楽しむ”という事に対して愚直だ。そして、目標のためにいくつか方法を考えてその中で、できるだけ派手なものを好む)
相澤はブラドキングにお礼を言うと内線を切る。そして、すでにスタジアムの天井を超えた高さにいる小大チームに目を向けた。
(あいつは、時たまに生徒を試すようなことをする。もし、今回もそうだとすれば…)
純狐が跳び立つ寸前まで会話をしていたチームを相澤は確認する。そこにいた轟は、悔しそうな顔をしながらも、好戦的な雰囲気を醸し出していた。
(…やっぱりか。まあ、だとすれば逆に安心だな。今のところ、あいつにとって生徒が傷つくことは“楽しむ”ことには当てはまらない)
相澤は少しだけ肩の力を抜いて背もたれに身を預ける。相澤は純狐のことを怪しい奴だとは思っているが、ヒーローの素質は十分にあるとこれまでの行動から判断していた。そのため、今回は成り行きに任せようと、ガラスの外の光景を見ながら思うのだった。
相澤がそんなことを考えている中、どんどんと上空に上っていった純狐はスタジアムの天井を超え、雄英の校舎ほどの高度までくると、足元を“硬”に純化してそこに立つ。
「ねえ、落月さん。今更だけど、これって反則じゃないよね。反則負けにされたら色々終わっちゃうんだけど。」
小大は下を見て、今から自分たちがしようとしていることの大きさを実感していた。そして、それを実感できてしまったために、新たな不安が生まれたのだ。
「大丈夫よ。先生は私たちを止めはしないわ。」
(先生たちは私の行動、能力、限界を知りたがっている。それは、さっきのリカバリーガールとオールマイトの会話で確信できた。だからここで失格にして、第三種目で私を観察する機会を失うなんてことはしない)
そう考えている純狐は小大に断言して右手を上に伸ばすと、“硬”への純化を一瞬だけ解き、右手の指が純化する円盤状の空間の中に入るようにして、できるだけ狭い範囲を“硬”へ純化する。そして、左手に持っていたブロックを“硬”へ純化した部分の真ん中、つまり右手の真上に置くと、“硬”へ純化する部分を最大まで広げた。
これで小大チームは、純狐の右手の力だけを頼りに、ぶらぶらと空中にぶら下がっているという体制になる。
純化の範囲は半径15メートルであるため、ブロックの上に乗るとブロックの大きさが15メートルを超えてしまえば支えることができない。こうする他なかったのだ。
純狐はなるべく風にあおられないようにしながら、小大に話しかける。
「大丈夫?怖くない?大丈夫なら始めましょうか。」
「ん、平気。」
その声と共に、純狐の真上にあるブロックの縮小化が解けて元の大きさに戻り、巨大化を始めた。
(フフフ、楽しみだわ、あの子たちがどうやってこれを止めるのか。もしくは、止めることが果たしてできるのか)
『おい、おいおい、おいおいおいおい!あいつら何する気だよ!あれを落とすのか!?』
プレゼントマイクの素っ頓狂な声が響く。それと同時に、生徒たちは軽いパニックになった。まあ、頭上で、なぜか浮いているセメントの塊がどんどん巨大化している状況でパニックにならない方が難しいが。
(あれがこのままのペースで巨大化していったら、フィールドのほぼ全域を覆うような大きさになる。ならば、できるだけ早く止めた方がいいが…氷を上に伸ばすと脆くなるし、そもそもあれを支えられるかどうかも分からない)
しかし、難しいだけであって不可能というわけではない。ましてやここは雄英。その難しいことをやり遂げることができる生徒も数人は存在する。その内の一人、轟は冷静であった。
だが、冷静であったとしても解決策があるわけではない。ブロックがこのフィールドを半分覆うほどの大きさになってしまえば、今の轟の最大出力でも止められるかどうか怪しかった。
「と、轟君!あれは何!?」
悩んでいる轟に緑谷から声がかかる。爆豪との攻防はあのブロックの出現によって中断されたようだ。
轟は緑谷に交戦の意思は無いことを告げると、近づいて来た緑谷に対して簡単に状況を説明する。すると緑谷はいつものように何かぶつぶつと唱え始め、すぐにピンと来たのか顔を上げた。
「落月さんは、四人で協力して、とは言ってないんだよね。なら、麗日さんの力を借りればあれを止められるかも。」
「なる程!確かにそれならば止められるかもしれない。」
「でもよぉ。どうやってあれに近づくんだ?下手したら潰れるぞ。」
緑谷の案に同意した飯田に上鳴が尋ねる。すると、今度は八百万が話し出した。急な状況の変化などに弱い八百万だが、それを整理し終えてから打開策を考えるのは彼女の得意分野なのである。
「轟さんの凍結で緑谷チームを…そうですね、スタジアムの天井の部分あたりまで運んではどうですか?そのまま飛び降りてもらえれば、私がクッションを作っておきますわ。」
轟は八百万の話を聞くと、緑谷たちの方を見る。この時点で轟は、純狐や緑谷の影響で、仲間と協力することの重要性を理解していた。純狐がこんな作戦を決行したのはそれを確かめるためだという理由があったりもする。
「麗日。この作戦だとお前が危険を冒すことになる。だから、最終的な判断はお前に任せる。あいつにも何らかの安全策があるとは思うが…。」
麗日は若干戸惑いながらも、その案を了承した。だが、麗日の力では、どう考えてもあれはキャパオーバーである。麗日はそのことを伝えると、二人は代替案を考え始めた。
「その辺に小大チームの落としていったブロックがたくさんありますわ。あれをたくさん浮かべれば、少しでも大きなブロックの落下速度を抑えることができるのでは?」
そんな中で案を出したのは、またしても八百万であった。それを聞いた轟チームと緑谷チームは咄嗟に周囲を見回してブロックがどこにあるかを確かめる。
「麗日さん。あれなら何個くらいまで浮かせられる?」
「やってみるまでわかんないけど…10個くらいかな。」
「よし、それでやってみよう。配置はなるべくフィールド全体にバランス良く。他の奴らが騒いでいるうちに作業を終わらせる。」
麗日の言葉を聞いた轟は、すでにフィールドの半分よりも大きくなっているブロックを見て、早口になりながら指示を出す。
それからの行動は早かった。轟チームに守られた緑谷チームは、順調にブロックを浮かしていく。準備が完全に終わったのは、轟の言葉から僅か20秒程であった。
『上空のブロックはさらに巨大化…!そして残り時間は三十秒を切った!緑谷チームと轟チームが協力して何かしているようだが…怪我すんなよお前ら!ていうかホントに小大チームは何がしたいんだ!?』
「…さすがに止めますか?あれは危なすぎる。」
ミッドナイトは、どんどん空を覆っていく灰色のブロックを見て冷や汗をかく。あれほどまでの大きさになったら、彼女自身ではどうすることも出来ないため、セメントスに判断を仰いだのだ。
「正直私も止めたいが…あれを止めるなと相澤先生から言われているんだよ。それに君も知っているだろ?」
「彼女のことを知るための措置…。ですがさすがにあれは…怪我では済まないかもしれませんよ。」
ブロックの作る陰の下で騒ぐ生徒。冷静な状態で皆が協力しなければどうしようも無いような代物を、パニックを起こしかけている集団の中に落として、怪我で済むわけがないと、ミッドナイトは考える。
「まあ、彼女たちにも何らかの安全策はあるだろう。あの年でタルタロスの門を叩きたくは無いはずだ。それに…ほら、上を見て。」
「上?」
ミッドナイトはセメントスの言葉通りに再び巨大なブロックを見上げる。そこには巨大なブロックの他に、小さなブロックが10個ほど浮かんでいた。
「彼らは私たちの知らないところでも成長してるってことだよ。」
セメントスの安心するトーンの声を最後に会話は終わった。ミッドナイトは、轟チームと緑谷チームの行動を見て、やっぱり若いって良い、と思う。それと同時に上を見て、あの力を正しい方向に導かねば、と改めて心に刻んだ。
「さあ、さあ、小大さん。残り時間は約二十秒。準備はOK?」
「ん。」
空中にぶら下がりながら下の様子を観察していた純狐は、やはり轟、緑谷、そして爆豪あたりはさらに成長する姿を見てみたいと感じていた。
(出久君と轟君は協力。爆豪君はただ暴れまわっているようだけれど、暴れることでこの状況に対するパニックを起こさないようにしている。まあ、彼がそこまで考えているかどうかは分からないけど)
「落月さん。最終確認。これを落下させ始めたら、これより速くフィールドに降りる。で、時を見計らって、解除ってことでいい?」
「ええ、それでいいわ。どうせ地上組はこれを止めることに必死で私たちを狙う余裕なんてないでしょうし、地上にいた方が周りの様子を確認しやすいからね。」
純狐はそう言うと、軽く息をついた。
「さあ、始めましょう!見せてみなさいPlus Ultraってやつを!!」
競技の残り時間は約十秒。プレゼントマイクのカウントダウンが始まるよりも一瞬早く、巨大なブロックは落下を始めた。
「来たぞ!」
轟の声でフィールド全体に緊張が走る。フィールドのほぼ全体を覆うような大きさになったブロックはコンマ一秒ごとにその圧力を増していく。観客席からも悲鳴が上がり始め、ヒーローたちはそれの対処に追われていた。
「麗日のブロックとぶつかる瞬間に、俺が氷結を使う。緑谷たちは離れておけ。」
轟がそう言い終わるのと同時に、空からものすごい勢いで影が降ってきた。小大チームである。
「は、速い…。」
「お疲れ様。ケガしてない?」
余裕を隠そうとしない小大チーム。だが、轟はブロックを止めるという大切な役目があるため、そちらを見ることはできなかった。そんな轟を、純狐は少しうらやましそうに見る。
『カウントダウンしてる場合じゃねぇ!おい、小大チーム!あれどうする気だよ!そしてついにブロックがスタジアム内に…』
「今!!」
巨大なブロックと麗日の浮かべているブロックがぶつかる直前、緑谷の合図で轟は最大出力の氷結を放った。浮かせておいたブロックとぶつかり、少しだけ勢いを失った巨大なブロックは、轟の作った大氷塊にぶつかって順調に勢いを落としていく。
しかし、ここで計算に入れていなかったことが起こる。巨大ブロックとぶつかった時に、浮かせていたブロックが砕け、それがフィールド全体に降り注いだのだ。
「小大さん!しがみついてて!」
純狐は降り注ぐブロックを見ると、最後の力を振り絞って両足に力を入れて跳び、生徒に向かって落ちていた大きめのセメントを粉砕した。腕を強化して振り払うのも考えたが、それで観客にけがをさせたら、さすがに失格、最悪逮捕されかねないためそれはやめておいた。
『ぶ、ブロックが止まったぁぁぁあああ!!それと同時にタイムアップ!!』
プレゼントマイクの声が、ブザー音と共に鳴り響く。その瞬間、観客席は総立ちになり、スタジアムは歓声に包まれた。
痛んだ足を押さえていた純狐は試合終了の合図を聞くと轟たちのところに近づいて行く。その間に小大はブロックの巨大化を解除し、フィールドの真ん中には、上の方がつぶれた大きな氷の柱がそびえ立っているだけになった。
「頑張ったわね、轟君。あれを止められるとは正直思っていなかったわ。」
「お前…、頭おかしいのか?」
「落月さん、さすがにあれはやりすぎだよ。」
轟と緑谷は疲れた表情で純狐の方を見る。純狐はそれに気づいていないふりをしながら、小大を背中から降ろした。
「小大さんありがとう。おかげで楽しかったわ。」
純狐はそう言うと、小大に向かって手を差し出す。小大はそれに答え、手を握り返すと、純狐にお礼を言った。
『まあ、何だ。色々あったが結果発表するぞ!決勝に上がることができるのは上位四チームの予定だったが、人数が合わない。昼休みが終わるまでに、どうするか考えておくからドキドキして待ってろよ!』
プレゼントマイクはそう言い終わると、大きなスクリーンの方を注目するように言う。そして、皆が注目したタイミングで、バンッ、という効果音と共に順位が映し出された。
『一位、小大チーム!二位、轟チーム!三位、爆豪チーム!四位、緑谷チーム!だ!ここまで決勝進出確定!』
結果を聞いた緑谷はチームのメンバーとハイタッチをする。轟はこんなものかと、いつも通りの表情だった。
「てめぇ、女狐!いい加減にしやがれ!」
純狐が小大と、決勝進出を喜んでいると、爆豪が目をほぼ九十度に吊り上げながら近づいてくる。順位に対する不服もあるようだが、今は純狐に対する不満が勝っているようだった。
純狐がそれをいつも通り適当に受け流していると、昼休みの始まりを告げる爆竹が鳴る。
『よっし、一時間ほど休憩を挟んでから午後の部だぜ!それと、落月。先生からの呼び出しだ!それ以外の生徒はしっかりと休んでおいてくれ!じゃあな!!』
「まあ、当然だな。」「頑張ってね、落月ちゃん。」「お前のことは忘れねぇからな!」「お前に乗り越えられなかったことなんてねぇ。今回も余裕で帰ってこれる!」
好き放題に話しかけるクラスメイトをかき分けて進む純狐。だが、純狐の近くにいた爆豪は、純狐が身の毛もよだつような笑みを浮かべていることを見逃さなかった。
建物の中に入り、周りに誰もいなくなったことを確かめた純狐は、ヘカーティアと打ち合わせをしている場所を目指して歩きなが呟く。
「帰ってもらうわよ、豊姫。散々楽しみを邪魔しやがって。」
読んでいただいてありがとうございます!
小大さんと組むとなった時にこれしか思いつきませんでした。
先生たちや、ヒーローが冷静すぎるのは、まあ何とかなるだろ、と思っていたからだと考えてほしいです。
ご都合主義です。ごめんなさい。
次回、昼休み。