純狐とヘカTのヒーローアカデミア   作:SKT YKR

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こんにちは!
文字数減りませんでした。

今回あんまり見返す暇がなかったのでいつも以上に文がぎこちなくなっています。スイマセン。

 純狐さんをクラスのみんなとどう話させればいいのか分からない(主がコミュ障だからか!?)



個性把握テスト

 実技試験の翌日、雄英では教師たちが今年の合格者を決めるため会議を行っていた。

 

「今年は面白そうな生徒が多いですね!育てがいがありそうだ。」

 

「そうですね。推薦ではエンデヴァーの息子などがいますし、普通入試の方ではあの巨大ロボを倒したのが2人もいたそうじゃないですか。」

 

「ああ、そのことなんですが、これを見てください。」

 

 そう言って一人の教師が見せたのは純狐が巨大ロボに向って行く映像だった。誰かを守る為ではなさそうであり、ただアピールのために倒そうとしているのだろうと教師たちは考える。確かに余計な戦闘を好むというのは問題点ではあるが、この場でその映像を見せる意味は分からない。

 

 そんな雰囲気を感じ取ったのか、映像を用意した教師は余計な部分を早送りして問題の場面を映し出す。

 

「……ここです。この子がロボを倒しに行こうとジャンプした瞬間、何かに驚いたような顔をして失速してるんですよね。その後すぐに監視カメラが何かしらの干渉を受けて、映らなくなってしまいました。そして、次の映像ではクレーターが確認できるのですが、そこはロボがいた場所ではないのです。」

 

「つまりどういうこと?」

 

女性の教師が首をかしげる。周りの教師たちも何が言いたいのかは分かっていないようだ。

 

「えっと、私が言いたいのは、ここでロボとは別に何者かとの戦闘があったのではないかということです。」

 

「考えすぎじゃないかしら。これだけ強い個性だし、偶然制御不能、若しくは暴走して失速してしまったと考える方が妥当だわ。それに、何者かって誰よ。生徒間でのいさかいならどこででもあるし、ヴィランが生徒を狙うにしてもこんな教師が近くにいるような場所でするかしら?」

 

 問題ともいえないような事案だと、女性の教師は割り切る。勿論、生徒が大けがを負っているのであれば問題であるとも思っただろうが、その現場にいた生徒たちに何かあったという報告はない。その程度のことであると考えるのが妥当である。

 

「それはそうですが…。」

 

 問題を指摘した教師は、頭ではそうと分かっていても奥底から出る嫌な予感からか納得してないようだ。その様子を見てこのままでは話が進まないと思った教師が話題を切り替える。

 

「まあ、この話はいったん置いておこう。それよりも、【純化】だっけ?すごい強個性じゃないか。」

 

「そうですねぇ。ザコのロボットは近づくだけで無力化されてましたし。前半は鉄にしていましたが、後半になると金にしたり、柔らかくして無力化もしていましたっけ?しかも、自身の体を強化することでオールマイト並みのパワーが出せるそうですよ。それに、その力を他人に分け与えることもできる……。これ、ヤバくないですか?」

 

「ああ、鉄などをほぼ無限に増やしたりもできるそうだな。こいつ一人でエネルギー問題なんかは解決できちゃうんじゃないのか?」

 

「戦闘、サポート両方で強いのはなかなかいないですよね。末恐ろしいな……。」

 

 教師たちはこれからこの前例の無いほど強力な純狐の個性をどう伸ばしていくか、次の会議で考えることとなった。

 

◇  ◇  ◇

 

 実技試験が終わって1週間が過ぎた。

 

「確か今日が試験結果の届く日よね。まあ受かってるとは思うけど問題は順位ね。」

 

 ちなみに今いるのは雄英の近くにあるアパートだ。あの試験の日、泊まるところがないことに気づいて途方に暮れていた純狐にヘカーティアから連絡があり、近くにある一番いいアパートに入ることができた。

 

(でも、あの時のヘカーティアの様子おかしかったわね…。)

 

 純狐は連絡があった時のことを思い出す。まあ、1日後にはいつものヘカーティアに戻っていたため心配はしていないが。

 

 そうこうしているうちにポストに何か入ったと教えるランプが点灯する。この世界に知人もいないため、雄英からの書類だろう。純狐はそれを取って部屋に戻ると、早速中身を確かめた。

 

「私が投影された!」

 

 元気な声が聞こえ、その声と共に一人だけ画風の違うおじさんがホログラムで投影される。言わずもがなオールマイトだ。

 

「おめでとう、落月少女!筆記試験、問題なし!実技試験に至っては114Pで断トツの1位だ!しかも、あの巨大ロボットを簡単に倒してしまったそうじゃないか。将来有望だな!じゃあまた、高校で会おう!」

 

 純狐はオールマイトから告げられた内容に安堵すると同時に、あの時のヘカーティアとの戦闘はどうなったのか心配する。だが、ここで言及されなかったということは、ヘカーティアが何か細工したのだろう。

 

「じゃあ2週間後に入学ね。……それまで何しようかしら。」

 

 純狐はベッドの上で転がる。ちなみに、今着ている服はヘカーティアにもらった変Tだ。純狐は最初、着るのをためらったが、鍵穴の奥からすごい期待のこもった殺意を感じたので着ることにした。ジーンズなんかと組み合わせるとそこまで悪いようには感じない。

 

「やっぱり変なのはあのスカートだったのか…。」

 

 そう言った瞬間上から剣が降ってきた。とっさに避けられたからよかったものの、その剣の持つオーラは尋常ではない。

 

「あっぶないわね!」

 

「手が滑っただけよー。」

 

 鍵穴から返ってきたのはたった今友人を殺そうとしたとは思えない声だった。純狐はふざけるなと思いながらも、今後支援してくれなくなると困るので一応謝罪は入れておく。

 

「ごめんなさい。改めて見ると素晴らしい服だと思います。」

 

「そうかしら。ありがとうね純狐。」

 

 上機嫌な声を聞き、緊張から解放された純狐は再びベッドに倒れこむ。そして、今後の方針を考え始めた。

 

「……筋トレでもしましょうか。人じゃないからどこまで効果があるかは分からないけど、しないよりはいいでしょう。」

 

 そういうことで、筋トレをし始めた純狐。2週間後には効果が目に見えてわかるようになった。純化した力をより使えるようになったのだ。そしてついに雄英に登校する日がやってくる。

 

「よし、じゃあ行きましょうか。」

 

 純狐は座っていたソファーから立ち上がり玄関に向かう。

 

しかし、制服のネクタイを付けるのには苦戦したようだ。ネットで動画を見ながらで無ければ着けることはできていなかっただろう。

 

 自分の制服姿を鏡で確認し終わり、玄関から出ようとした時、ヘカーティアから連絡が入った。

 

「おはよう純狐。あなたもわかっていると思うけど、今日は個性把握テストがあるわ。全力でお願いね。」

 

 純狐は、もちろんと答え新しい生活に心を躍らせながら雄英に向かっていった。

 

  ◇ ◇ ◇

 

 

「1-A…1-A…ここね。早速、入ってみましょうか。」

 

 純狐が近づくとドアが勝手に開く。彼女が中に入って最初に見たものは、言い争う飯田と爆豪だった。この声量であっても廊下に響くことが無いのはさすが雄英だ。

 

「机に脚をかけるな!いろいろな人に申し訳ないと思わないのか!?」

 

「思わねーよ!てめぇどこ中だ!」

 

 純狐は特に関わる理由も無いので、無視して着席する。

 

 個性把握テストをどうするかだが、ヘカーティアからも全力でやれと言われているし、それなりに出力しても大丈夫なのだろう。“力“に純化するのを使い続けるのはつまらないが、このテストではできることが少ないうえに、力に純化するのが最も記録は伸ばしやすい。

 

 暴れるのはUSJに行った時でもいいかと純狐は考え、今回色々な技を試すのを見送ることにする。その後、麗日と話しながら出久が教室に入ってきた。出久は純狐を探していたようだ。一直線に、挙動不審なその様を眺めている純狐の席に寄ってくる。

 

「また会えたね!よかったよ。それにしても個性、凄かったね。しかもあの入試の様子を見るとまだ上がありそうだったし……。いや、僕みたいにデメリットがあるのか?でもそれは鍛えることで解決できるし……」

 

 出久は一人でぶつぶつとお経のような分析を始める。純狐はその様子を見て面白く思いながら、そろそろ先生が入ってくるはずなので、出久に自分の席に着くよう促した。

 

「出久君?そろそろ先生が来ると思うから席に着いた方がいいんじゃないかしら。」

 

「ごごごめんね!考え始めると止まらないんだ。じゃあね。後で個性の説明してくれる?ああ、できないなら大丈夫だよ。」

 

 よほど熱中していたのか、出久は慌てながら席に戻って行く。だが少し遅かったようだ。既に教室の入り口には芋虫のような物体が横たわっている。

 

「友達ごっこしたいなら、別のところでしろ。ここはヒーロー科だぞ。」

 

 声の聞こえた方を見ると、そこには芋虫のように寝袋に入った人がいた。その髪はボサボサで、目の下の隈も濃く、明らかにここにいるべき人には見えない。

 

「はい。静かになるのに8.1秒かかりました。時間は有限、君たちは合理性に欠くね。」

 

 少しムカッとした純狐は、小さな弾幕を相澤に向かって放つ。相澤はだるそうに純狐の方を見てそれを消そうとするがその光弾は消えず、相澤の腹にぶつかった。相澤は驚いて純狐をもう一度見る。しかし、純狐は何事もなかったかのように座っているだけであり、変わったところは見当たらない。

 

(こいつはどういうことだ?あれは個性じゃなかったのか?…ホントに規格外だな。)

 

 色々聞きたいことはあるが、攻撃されて何もしないのでは舐められてしまうかもしれない。相澤は表情をすぐに戻し、気だるそうな声を出す。

 

「……おい、落月。これはどういうことだ?」

 

「ごめんなさい、手が滑りました。」

 

 全く心のこもっていない棒読みの謝罪。相澤はめんどくさいな、と思いながらもこれ以上構っている暇はないため、話を進める。

 

「はー、まあいいや。落月、お前後で俺のとこに来い。あと、お前らこれ着てグラウンドに出ろ。」

 

◇  ◇  ◇

 

 

「「「個性把握テスト―!?」」」

 

「雄英は自由な校風が売り文句。そしてそれは、教師側も然り。」

 

 相澤はそう言うと、純狐を呼んでボールを渡す。

 

「おい、落月。お前、これ個性使って投げてみろ。思いっきりな。」

 

 純狐はやっと力を全力で使えると思い、腕を制御限界、数値にすると約40パーセントまで力に純化する。純化された腕は白く光り、そこにあるエネルギーがかなりのものであることは誰の目から見ても明らかっだった。しかし、いざ投げようと腕を振りかぶった瞬間力が少し抜けて、ボールは200メートル程しか飛んで行かなかった。

 

「…先生。邪魔しないでください。」

 

 話しかけられた相澤は自分の個性がバレていることよりも、個性を消せなかったことに驚いていた。そして、相澤は今度の会議で議題にしようと今のことを覚えておく。

 

「…ああ、すまない。個性を無意識に使ってしまったようだ。もう一度投げていいぞ。」

 

 純狐は自分の楽しみにしていたことを邪魔されたことに少し怒りながら、もう一度腕を純化した。さっきのように制御限界まで強化しようと思っていたが、怒りに身を任せ、先程よりもさらに純度を上げる。

 

 そして次の瞬間。轟音、そしてまばゆい光とともにボールが放たれた。

 

 相澤が手元の測定器の表示を確認すると1918メートルと出ている。

 

 投げ終わった純狐は記録を気にするのではなく、ボールが燃えなかったことに感心していた。全力ではないとはいえ、本気を出せば鉄を簡単に溶かしてしまうような熱を出すことができる個性である。一体あのボールは何度くらいまで耐えられるのだろう。

 

 そんなことを考えながら、純狐はクラスメイトの集まっている場所に戻る。その間、相澤はその記録を書きながら、生徒に告げた。

 

「まずは自分の最大限を知る。それが、ヒーローの素地を形成する合理的手段。」

 

「スゲー!1000メートル越えってマジかよ。」「個性思いっきり使えるってことでしょ!面白そう!」

 

「面白そうか。ヒーローになるための3年間そんな腹づもりで過ごす気でいるのか?」

 

 相澤は生徒たちが騒ぐのを聞いて失笑する。その声は小さいにも関わらず、皆の耳に届いていた。

 

「そうだ、トータル成績最下位の者は除籍処分としよう。」

 

 突然の除籍宣言に生徒はざわつき始める。苦労して雄英に入学した直後にそんなことを言われれば文句を言うのは当たり前である。

 

(ここで万が一にでも出久君が除籍されると困るわね。アドバイスくらいはしてあげましょうか)

 

 原作で出久は光るものを見せ何とか除籍を免れたが、今回もそうなるとは限らない。ここで除籍されてしまうと色々歯車が狂うという事もあり、純狐は早速出久を呼び出して個性の使い方についてアドバイスをした。

 

「ねえ、出久君。あなた、まだ個性をうまく調整できないでしょ?」

 

 出久は急にどうしたのだろうと思うが、とりあえず聞いてみることにした。

 

「あなたの個性が、100か0かにしか調整できないなら、動けなくならない範囲で個性を使ってみればいいんじゃない?例えば、50メートル走なら片足の指の一本を強化してみるとか。」

 

 出久はこのアドバイスをもらいなるほどと納得する。正直、今回のテストを諦めかけていたが、これを聞いて出久は目を輝かせた。

 

「アドバイスありがとう!」

 

「フフッ。まあ、頑張ってね。」

 

 その後、純狐は問題なくこなし、出久も純狐のアドバイスのおかげで原作よりも高い記録を出していった。

 

 そして、その結果。純狐の思惑通り出久は最下位から抜け出し、反復横跳びくらいしか取り柄がなかった峰田が最下位になった。

 

「ちなみに、除籍は嘘な。」

 

 クラスからは再び驚愕の声が上がる。特に最下位だった峰田は仮死状態から復活すると同時に再び仮死状態になるという器用なことをしていた。

 

(ああ、あれは出久君を試すためだけの嘘だったのね。他の人にはそんなに意味が無かったのか。まあ、確かに峰田君の個性は強いから雄英も手放すことは無いか…。)

 

 そんなことを考えながら純狐は着替えるため更衣室に行こうとしたが、相澤に呼び止められる。

 

「おい、落月。お前、この後すぐに職員室な。」

 

「はい…。」

 

 純狐はけだるそうに返事をして、先生に付いていった。

 

◇  ◇  ◇

 

 職員室に着き、相澤はある程度荷物を整理すると、職員室前で待たせておいた純狐と面談室に向かう。

 

 相澤は正直焦っていた。あの謎の光弾には自分の個性は全く通用せず、純狐自身を純化して強化した腕も完全にその効力を消すことはできなかった。発動型の個性であるにも関わらず消去できなかったという事は何か対策などがあったりするのかもしれない。それを自分が知らないという事は大きなデメリットとなり、ヴィランに襲われたりしたときにその対策をされていたら取り返しのつかないことになりかねない。

 

「落月。お前、俺が個性を使ったときに何かしていたか?俺の個性はもうわかってると思うが、見た相手の個性を見ている間だけ消すことができるというものだ。だが、お前の個性は消すことができなかった。何か対策でもあるのか?」

 

「ああ、そのことですか。あの光弾は弾幕と言って、個性で作ってるものではないので消せなくて当然ですよ。あと、純化のことですが、もう一度試してみてください。」

 

 相澤は純狐の腕が少し白くなったのを見てもう一度個性を使い純狐を見る。すると、純狐の腕は元の色に戻った。

 

「対策なんてありませんよ。あの時先生は無意識に個性を使ったんですよね?だから、なんか中途半端な感じになっちゃったんじゃないですか?」

 

 自分の言い訳を盾にされ、なんとも言えない気分になるが、この飄々とした調子を見るにこれ以上何か尋ねてもはぐらかされるだろう。そう考えた相澤は、それ以上の追及はしなかった。

 

「……付き合ってもらって悪かったな。最後に一つだけいいか?その弾幕とやらはどうやって作ってるんだ?」

 

「ああ、これはですね。自分でもよくわからないんですよ。なんかできろって思えばできるって感じで……。まあ、私以外できる人がいるとも思えないので大丈夫だと思います。」

 

 何ともフワフワした説明で要領を得ないが、つまり説明する気は無いという事だろう。相澤は本当に面倒な奴だと思いながら、わざわざ広げただけのメモ用紙を片付け職員室に戻る。

 

「弾幕について何かわかったら話してくれ。」

 

「はい、分かりました。では、失礼します。」

 

◇  ◇  ◇

 

 純狐は部屋から出てすぐに鍵穴に向かって話しかける。

 

「うまくいったわねヘカーティア。個性じゃないってことがばれるかと思ったわ。」

 

 そう、純狐は職員室の前で相澤が来るのを待っているときにヘカーティアに頼んで純化を相澤の個性で消せるようにしてもらっていた。さすがに、個性と全く同じ扱いにすると、オールフォーワンなどから奪われたときに取り返しのつかないことになりかねないため、そうはしなかったが、事情を知らない相澤の追及をかわすくらいならばこれで十分だろう。

 

「弱体化の調節って難しいわね。どのくらいがこの世界にちょうどいいのか……。まあ、必要な時に調整していくわね。じゃあ純狐、引き続きその世界を楽しんでねー。」

 

 純狐はその声を聞き終わると教室に向かって歩き出した。

 

― ヘカーティアside ―

 

 純狐と話し終えた後、ヘカーティアはヒロアカの世界に来た。ヘカーティアが降り立ったのは、真っ暗で長いパイプが何本も伸びている部屋だ。そのパイプがつながっている人物の背後にばれないようにヘカーティアは近づき、声をかける。

 

「こんにちは。オールフォーワン。」

 

 オールフォーワンと呼ばれた人物は自分に気づかれずに背後に立った人物に動揺を隠せない。しかしその心境とは裏腹に、即座に座っていた椅子から離れると、個性を増幅した腕でヘカーティアに殴りかかる。ヘカーティアはそれを避けようともせず、真正面から受け止めた。

 

 オールフォーワンはやったか?と思い腕を引こうとするが腕が動かない。焦っているオールフォーワンに再び声がかけられる。

 

「あらあら、ひどいじゃない、思いっきり殴るだなんて。急に声をかけたことには謝るわ。でも、あいさつくらい返しなさいよ。」

 

 そう言うと、ヘカーティアは呪文を唱えオールフォーワンを拘束する。そして、オールフォーワンの目の前に行き改めて挨拶をした。

 

「初めまして。私は三界の女神ヘカーティア・ラピスラズリです。以後お見知りおきを。」

 

 オールフォーワンはまだこの変な服の女性に自分の一撃が受け止められたのが信じられないが、自分の知らない力を使う人物を怒らせるのはまずいと思い挨拶を返した。

 

「僕はオールフォーワン。初めまして女神様。今回はどのようなご用件でしょうか?」

 

「話を聞いてくれそうでうれしいわ。じゃあさっそく話しましょうか。」

 

 ヘカーティアは適当な椅子を用意し、まるでそこの主のように振舞いだす。

 

「あなた、今度USJに攻めに行くわよね?その時に連れて行く脳無の数を最低でも3体くらいにして欲しいのよ。落月純狐って生徒は知ってるでしょ?あの子なら一人で一体くらいの脳無なら倒してしまうのよ。だから、あの子の足止めに一体、誰か生徒を捕まえてくるのに一体、オールマイト用に一体欲しいのよ。できるわよね?」

 

 オールフォーワンは脳無のことを知られていることに警戒を強めるが、この状況でNoというわけにもいかない。

 

「しかし、落月純狐ですか。あれは脳無を倒せる程の力は出せないはずでは?」

 

「あら、考えてなかったのね。あれで実力の半分も出していないわよ。」

 

 オールフォーワンは戦慄する。入試の映像などを見ると表情から余裕が見て取れたのでまだ上はあるとは思っていたが、あれで、半分以下とは。本気を出せば、ワンフォーオールさえもパワーという面では超えてしまうだろう。

 

 オールフォーワンがある程度興味を持ってくれたことを確認すると、ヘカーティアは拘束を解いて帰る準備を始める。拘束から解放されたオールフォーワンはヘカーティアの個性を奪おうとするが、勿論何の効果も無い。

 

ヘカーティアはそれに気づくそぶりも見せない。さすがのオールフォーワンもこれ以上ここで抵抗するのは得策ではないと考え、その場は見送ることにした。だが、ヘカーティアが紫色のゲートを潜る直前、くるりと方向転換し、オールフォーワンの方を見る。

 

「そういえば、あなた私を殴ったわよね?私もあなたを殴らせてもらうわ。いいわよね?」

 

 そう言うと、ヘカーティアは腕を振りかぶり、オールフォーワンの腹を殴った。その瞬間、オールフォーワンに激痛が走る。

 

「今のはあなたの脳に直接痛みを感じさせるっていうもので、外傷はないから安心してね。……まあ、大抵の人なら脳の神経が焼き切れるでしょうけどあなたは再生能力とか持ってるし大丈夫よね。じゃあね、1分くらいすれば治るから頑張って耐えてね。」

 

 そう言うとヘカーティアは笑いながらゲートの中に入っていった。

 




 ここまで読んでくださりありがとうございます!

 次回、学校始まるので、いつになるか分からない。
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