純狐とヘカTのヒーローアカデミア   作:SKT YKR

46 / 55
こんばんは!

やっぱり最後が近づくと色々かけていなかったことが見つかり話が遅延する系主です。
毎回行き当たりばったりで話を作っていた着けが回ってますね。
それと、たくさんの誤字報告ありがとうございます!

バイト週5とかで入れてたら思ったよりきつかった



林間合宿後2

翌日、管理棟では多くの職員がくまを作りながら夜通し働いていた。そして朝8時、泊まり込みで働いていた職員の一人、根津が教員たちを集めて会議を開く。

 

「襲撃については、昨日のうちにある程度対応は終わった。皆の努力に感謝する。ありがとう。」

 

 根津は疲れを感じさせぬ声で挨拶をすると、止める間もなく頭を下げる。会議の始まる前には愚痴を言い合っていた教師たちも、根津が最も大変なところで働いていることを知っているため、それ以降意味も無く文句を言う者はいなかった。

 

 会議は各自持ち寄った情報や、昨日の夜に新たに分かった被害情報などを職員全体で共有する報告会から始まった。襲撃現場は夜通しで集まったヒーローや警察による捜査が行われたが、やはりヴィラン連合の足取りや行方不明の生徒たちは見つからなかった。

 

 さらに現場での個性の使用について。生徒の個性の使用は、学校の敷地内、さらにプロヒーローであり現場の責任者の一人であるイレイザーヘッドが許可を出していたこともあり、特におとがめなしであった。厳密には許可の出る前に個性を使用していた生徒もいたのだが、今回の状況を鑑みて見なかったことにされたらしい。

 

 そして最大の課題であった燃え広がった火の処理も、周辺の町に被害を与えることは無く消化に成功。消火に当たったヒーローの話では、当時生徒たちの固まっていたところをできる限り避けるような火の広がり方をしていたらしい。

 

 襲撃の終盤であったという爆発的な燃え方も、攻撃というよりもオールマイトや一部生徒たちの追撃を避けるためのようなものであると考えるのが妥当だと警官たちも語っていた。

 

「荼毘は離れた場所の炎も操ることができるのか?それは炎を遠隔で操るってのはまた別の個性であるように思えるが……。」

 

「今回の襲撃に参加していたヴィランの数が正確には分かっていないのが厄介ですね。」

 

 逮捕されたヴィランたちへの尋問もうまくいっているとは言えない。日が経っていないという事もあり、ヴィランたちが感情的過ぎてまるで話にならないのだ。

 

「情報が出るまで待機するのがよさそうね。それでこれは何?」

 

 ミッドナイトは誤字の目立つ報告書の横に並べられたプリントの束を取る。表紙には㊙という印が大きくつけられ、その下に対落月純狐と添えられるように書いてあった。

 

「ああ、それね。ほら、例の警官二人が今日の早朝狙いすましたかのように来て私に預けてきたんだよ。一応目を通してもらおうと思ってね。……こんな時だからこそ、だよ。」

 

 その内容は純狐封じ込めの作戦であった。警察は、既に純狐の現在地を特定できるネットワークを各地の交番、ヒーロー事務所の協力を得て完成。独自の連絡網を作り、大規模な通信遮断や通信基地破壊への対応。肝心の戦闘面は、純狐の戦力がいまだに不明であるため粗もあるが、大きく分けてオールマイトを戦力としてカウントしたものと、そうではないもの二つが用意されていた。

 

「戦闘計画という名の消耗戦だな。難しく書いてあるが、結局トップヒーローを軸に無理やり消耗戦に持ち込んでいるだけじゃないか。いや、確かにそれが今のところ最善ではあるのか……。」

 

 教師間で一学期の前半かなり話し合ったが、結局純狐を封じ込める手段は決まらなかった。このようにヒーローを数として立案された計画は人として受け入れがたいところがあった。

 

「あくまで最悪のシナリオですが……。私も賛成しかねますね。」

 

「前記のネットワークを活用するものが多いですね。どの程度信用できるのか確かめないと計画全体が破綻しますよ。」

 

 皆がほとんど読み終えて一息つく中、計画書の最後の方を穴が開くように見ていたオールマイトは、少し離れて書かれたある一つの文が目についた。

 

(対落月すべての計画と実行を神に一任するだと?)

 

 ハッと顔を上げて声を出そうとしたオールマイトは、左隣に座っている相澤のプリントが偶然視界に入った。オールマイトと同じページを開いているようだが、その一文はどこにも見当たらない。

 

「相澤先生。ここ見てくれますか?」

 

「ん?何かありましたか?」

 

 何かしらのミスだと考え、オールマイトは相澤にその部分を見せる。しかし、相澤にはその文が見えていないのか話が噛み合わない。何か異常なものを感じたオールマイトはさらに右隣のプレゼントマイクにも見せるが、反応は相澤と同じだった。

 

(おかしい。私にしか見えないような文は個性を使えば可能かもしれないが、これ書くのに何の意味がある?)

 

 この細工を施した者として、最も可能性が高いのは例の警官だろう。この学校に指定した対象のみにその映像を見せる、若しくは対象以外にその映像を隠す個性を持つ教員は居ない。朝に手渡されたものであれば、他の者がこの会議までの間に干渉することはほぼ不可能である。

 

「相澤先生。ちょっとそのプリント貸してくれますか?」

 

 何かの罠かもしれないが、できる限り情報を集めようとオールマイトは行動し始める。まずは、これが配られたプリント全てに施されたものなのか、オールマイトが持つことをトリガーとして発動するものなのか確かめることにした。

 

(このプリントを配ったのはリカバリーガールだ。配られる順番まではこの細工を施した者も分からないはず。……しかし、相澤先生のプリントを私が持ってもやはりあの文は見えない。まさか配られる順番まで分かっていたというのか?そうでなければリカバリーガールが意図的に?)

 

 リカバリーガールを疑い彼女の方を見るが、その雰囲気を見るに特に怪しいところは無い。念のため、この部屋に最初に入っていた13号とエクトプラズムにも尋ねたが、プリントを配る際特に怪しい仕草はしていなかったと言う。

 

(こうなってしまっては犯人は分からずじまいだな。神とやら、私をどこまで翻弄させる気だ)

 

 オールマイトがそんなことをしている内にも会議は進行していく。そして今後の対応とその役割分担もある程度決まったところで会議は終わった。オールマイトも自分の仕事に取り掛かろうと席を立ったところで、根津に呼び止められる。どうやら相澤も一緒らしい。

 

「相澤先生、そしてオールマイト、ちょっと校長室まで来てくれるかい?見せたいものがある。」

 

 断る理由も無いため、二人は会議室から直接校長室に向かう。廊下を歩く中で相澤が訪ねても答えてくれないあたり、かなり重要な情報なのだろうと二人は気を引き締めた。

 

 校長室に着くと、根津は二人にソファーに座るよう促し自分のパソコンの画面を二人に見せる。そこに移されていたのは例の警官二人を親しそうに話す神獄の姿だった。

 

「本当は良くないのだけどね。こんな時だから、疑いのかかっている人を私なりに調べたのさ。これは警察から提供を受けた監視カメラの映像だね。この三人はUSJ襲撃の後からよく会っていたことが分かっている。まあ、これだけだと個人的な交流が盛んになっただけ、という見方が普通だろう。しかし、神獄さんは過去のデータが見つからないなど今まで他人との交流をほとんどしていなかった。私はそこが引っかかったのさ。」

 

 映る画像を切り替えながら根津は説明を続ける。これを会議の場ではなく二人にしか見せなかったのは、どこかにいる内通者にこの内容を知らせないためであるらしい。

 

「これに伴って私は雄英の近くでも何か無いかと映像を漁った。すると体育祭の時、観戦しに来ている神獄さんを見つけたのさ。ああ、ここで問題なのは神獄さんの隣にいる金髪の女性だよ。」

 

 根津は神獄と親しくしていたこの女性の動きがあまりにも読めなかったため、観戦券の購入情報を基に情報を仕入れようとした。しかしこの女性、観戦券を買う上での必須事項が何一つとして記載されておらず、そもそも観戦券を持っていたのかさえ分からなかった。

 

 これがいつもの大会なのであれば、管理体制が甘かったとして納得できただろう。しかし、今年はUSJの事件直後であったこともあり、警備体制には万全を期して、観戦者にも個人情報を使うかもしれないという注意をしてまで危機管理に徹しての開催である。

 

「落月君を始め、そのご両親と神獄さん、そして金髪の女性に例の警官二人……この辺りはあまりにも不可解な点が多い。私はこれらの映像から、この人物たちの軸は神獄さんではないかと思う。だが、もし何かあると仮定すると何がしたいのかは全く分からない。そこで落月君をよく知る二人にこの話を聞いてもらったというわけだ。何か気づいたことなどあれば言ってほしい。」

 

 ある程度想定していたとはいえ急に展開が進んでいるため、相澤は話について行くだけで精いっぱいであった。それとは対照的に、オールマイトはここ数日ずっと考えていたことであり根津の話を新しい情報として取り込んでいく。

 

「私も神獄さんを神だと疑い始めては居たのです。詳しくは話せませんが、根拠もあった。ですが、そうだとすると相手が何をしたいのか全く分からないのです。ヴィラン連合に力を貸しているのであれば、オールフォーワンからさえ自由を勝ち取る力を我々に回せばいい。」

 

 ナイトアイがこの話を秘密にしてほしそうだったという事もあり、彼の名前は伏せて話す。根津はオールマイトの話を聞き静かに今までの情報と絡めながら考えていった。

 

(これらの混乱はやはり落月君が姿を現したあたりから始まっている。神の情報の初出はUSJだったか。その後……未知の物質の検出や明らかに異常性能の脳無の出現。オールマイトの話を聞く限りそれほどの実力を持つ神はどちらの陣営に味方する気も無いわけか……)

 

 この時点で根津の考えは二つになっていた。一つは新たな陣営を作り、この世の覇権を握るというもの。もう一つは強大な力を持つ愉快犯であるというものである。そして、新たな陣営を作るにしては人数と動きが小さすぎることから、後者の方の可能性が高いと根津は結論付ける。

 

 だが、愉快犯だとするとオールマイトの言うように何がしたいのかが分からない。戦いたいわけでないのはこれまでの動きで読めるが、政治に干渉するわけでもなく、軍備を増強している様子も無い。

 

 煮詰まってきたため根津はいったん考えるのを休もうとお茶を振舞って背もたれに深く腰掛ける。そしてなんとなく映像を見返していると、とあることに気が付いた。

 

(この金髪の女性、あのブラックボックスの時どこにいた?それに昼休み中も見当たらない。いや、昼休み中は神獄さんと落月君も見当たらないな)

 

 偶然席を離れていた、と考えれば説明はつくが、根津はどうしても気になってしまう。体育祭中、この女性が見当たらないのは基本的に純狐が教師たちに監視されていないときだからだ。

 

(昼休み中に落月君がいなかったというのは、その後のクラスメイト間で噂になっていたとミッドナイトが話していたな。今考えればおかしな話だ。あれだけの生徒がいる中誰も見ていないだなんてありえない)

 

 根津の思考は加速していく。そしてUSJでの戦闘やブラックボックス後の純狐の様子、そして保須での出来事などを改めて俯瞰的に見ると新たな可能性が生まれてきた。

 

(まさか……彼女たちの目的は落月君を潰すことか?いや、潰すにしては戦力が中途半端すぎる、だとすれば……)

 

 純狐の動きを妨害し、それを観戦して楽しむ。確かに強大な力を持つ純狐を妨害することはやりがいもあるし、ヒーローサイドの一人勝ちを防ぎ混乱を長く続かせるという意味でも便利だ。途方もない力を持つ愉快犯としてこれ以上ないことではないか。

 

「根津校長。お取込みのところ申し訳ないのですが、これを見て頂きたい。」

 

 根津が手を止めて唸っているところにオールマイトが声をかける。丁度考えがある程度まとまったところであったため、根津はすぐにパソコンから目を離してオールマイトの持つ書類に注目した。

 

「さっきの会議で話した対落月君用のものか。これがどうかしたのかい?」

 

 ページを軽くめくって確認する根津の反応を見て、オールマイトはやはり、と声を出す。そして、自分にしか見えない一文があることを明かし、根津にそのことを相談した。

 

「うーん、僕もこんなことのできる個性は聞いた事が無いな。いや、聞いた事が無いだけで存在はしているのかもしれないけれど……。」

 

 根津の結論はオールマイトのものと一致した。顔を上げると、オールマイトはまだ話したいことがあるようだ。

 

「私は先程言ったように、神獄さんが神なのではないかと疑っています。そして、例の警官二人と神獄さんが頻繁に会っていたという事からこのプリントの細工も彼女が関わっていたのではないかと思うのです。」

 

 確かにそう考えると点が線でつながるな、と根津は納得する。しかし、やはり決定的な情報が足りない。ここでいくら考えたところで神獄イコール神という式は成立しえないのだ。

 

(そう、イコールにはならない。だがここまで情報が集まれば、仮想敵のような存在として見ておくのが吉だ)

 

 長年の経験からそう結論を出す根津。オールマイトの話も情報源は分からないが、プリントの件の不可能を可能とするような物言いを聞く限りナイトアイの予知が関係しているのではないかと推測する。そして、もしそうだとすれば自分たちでは対策の打ちようがない。あくまで直近の課題である生徒奪還を邪魔されないように動くだけだ。

 

「よし、神獄さんの動きは今まで以上に警戒するようにしよう。神に関する話題はここで終わりだ。次は落月君について話そうか。」

 

 根津はそう言うと若干顔を下げた二人を見て、まずはオールマイトに話しかける。

 

「話せない理由があるならさっきの神の話題の時のように話さなくてもいいけど、できる限りの情報共有はしておきたいな。三人しかいないわけだし。」

 

 オールマイトは目に見えて慌てながら、純狐の去り際の言葉のことを話すか悩んでいた。あの襲撃の後、クラスの皆の確認をするときに純狐のことに付いても訪ねて回ったが、誰もその行動を把握してはいなかった。無意識のうちに今回も彼女が何とかしてくれるだろうと考えていたところもあったのかもしれない。

 

 オールマイトはそこで去り際の言葉が自分以外誰かに知られたくないことなのではと疑い、今まで黙秘していたのだ。もしこの学園内にスパイがいるのであれば、純狐の行動を妨害してしまう可能性もあった。しかしこの部屋にいるのは自分に近い位置にいた3人のみ。根津の言うように一人で抱え込むよりも相談した方がいいに決まっている。

 

 オールマイトは一分ほど考えた結果、二人に襲撃最後の純狐の行動を明かすことにした。二人とも驚いてはいたが、どこか分かっていたことのような表情を相澤は浮かべていた。根津はそれにも気づき、オールマイトの話が終わると今度は相澤に向かって話しておきたいことは無いかと尋ねる。

 

 そこで相澤も今まで黙秘していた合宿中の純狐の言葉について話した。襲撃最後の言葉とは違い、何かを意図していたわけでは無いだろうが、相澤の心に残った言葉であることには違いなく、何かのヒントになるかもしれない。

 

 二人の話を聞いた根津はまず感謝の言葉を伝えると、気分転換として校内を散歩してくると言い席を外した。

 

「……やっぱり、あいつの考えは全く読めませんね。」

 

「だが、何かの意思に基づいて行動しているのは確かだ。相澤君の話を聞く限り彼女は、他人の意思を尊重する、としか言っていない。その言葉を信じるとすれば彼女が我々の敵となる可能性は低いだろう。私はそう信じている。」

 

 オールマイトの言葉に相澤は同意する。

 

「まあ、私たちにできるのは次の手を考えるだけだ。これは校長も分かっていることだとは思うが、何としても神と呼ばれる存在と連絡を取ることが必要だな。もし神獄さんが神だとすれば、神獄さんとしてではなく神という立場の者として話をしなければならない。」

 

 このまま黙っていると空気が重くなってしまいそうだったので、オールマイトは何とか話を続けようと現状確認をする。相澤はオールマイトの話を聞き、いかにして神と話すかを考え出した。

 

「今までの動きを見る限り、神は好戦的ではないですよね。何らかの条件があるのかもしれませんが、オールフォーワンから自由を勝ち取っているあたり意図的に戦闘を避けているだけでしょう。そうだとすれば十分に話し合いの余地はある。……ダメもとで神獄さんに連絡とってみますか?」

 

「うーん、それが今私たちのできる最善のことかもしれないな。ある程度仕事が片付いたタイミングで連絡してみるか。」

 

 これから何をするかの指針がとりあえず決まったところで、根津が走りながら校長室に帰ってきた。何かあったのだろうかと二人は不安を抱えながら報告を待つ。

 

「二人とも、敵のいる場所……正確に言えば落月君の居場所が分かったよ!」

 

 ここ一日悪い報告しか聞いていなかった二人はまた悪い報告だと勘ぐっていたため、最初は根津の言葉が信じられないようだった。そんな二人を無視して根津は椅子に座り説明をする。

 

「彼女、攫われたときに自分のスマホを持っていたらしいんだ。そしてそのスマホから位置情報を入手できた。最初は神獄さんからの情報だったから疑っていたが、エクトプラズマと警察経由で通信会社に直接尋ねた結果、その情報は正しいことが分かった。彼女が去り際に言っていた大丈夫というのはこのことだったのかな。」

 

 一瞬オールマイトの方を見て笑顔を浮かべる根津。相澤もなる程といった顔をしている。その後、この情報を基にした作戦を考えるために根津は校長室に籠り、二人は自分たちの仕事に戻った。

 

 急な吉報に喜ぶ二人とは違い、オールマイトはまだ純狐の発言が腑に落ちないでいた。しかし今は明後日の謝罪会見の準備をするので精いっぱいであったため、そのことについて深く考えることは無かった。

 

 そして日も落ちた頃。朝と同様職員会議が開かれ、明日の記者会見の予定やヴィラン連合基地の襲撃の予定などが話し合われた。教師の中には、純狐の位置情報送信の件を疑問視する者もいた。しかし二週間ほど前から行われていた警察の捜査でもその付近の廃ビルが怪しまれており、この情報はほぼ確定であるとされた。

 

 朝の書類の件もあって警察を全面的には信頼しきれていないオールマイトと相澤だったが、この情報がオールマイトの旧友である塚内からのものであると知らされ、疑いは薄れた。

 

 その後は緊急性の高い仕事をしていた者は現場に帰り、オールマイトと相澤から得た情報から根津が考察したことが共有された。勿論、誰がどの情報を話したのかなどは明かされず、全体的な内容も疑いによる内部分裂を起こさぬよう取捨選択がなされていた。

 

― ヘカーティア side ―

 

「さあタイムアップが近づいてきました。私が直接支援したヴィラン側が若干有利か?だがヒーローたちも根津の活躍によって凄まじい追い上げだ。」

 

 テレビ画面にオールフォーワンと根津達二つの映像を映しながらヘカーティアは愉快そうに笑う。その傍らでは、クラウンピースがよく分かっていないながらも盛り上がりを感じて面白がっていた。

 

「皆さん頑張ってますねー。でも明日の夜が制限時間ですよね。答え合わせはしてあげるんですか?」

 

 クラウンピースの質問に対し、ヘカーティアはどうしようかと首を傾げる。どうやら特に考えてはいなかったらしい。

 

「まあ、その時になって考えるわよ。盛り上がりに欠けていたらいっそ私がめちゃくちゃにしてあげるのもありかもね。」

 

「それあっちの世界の人からしたらとんでもない迷惑ですよ。」

 

 干渉している世界とは違いゆるゆるのヘカーティアサイドの住人達。様々な思惑が渦巻く最終決戦は着々と近づいていた。

 

― side out ―

 




読んでくださりありがとうございます!

地道に考えていた最終回付近の話ですが、伏線ともいえないような会話を多数入れたせいで膨らみまくってます。
ここの発言結局何だったのか、などあればごめんなさい。

次回!教員サイドの続きと生徒サイド、純狐サイドについて
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。