私はただのカルデア職員です!!   作:与麻奴良 カクヤ

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お待たせいたしました!!!間に合わないかと冷や冷やしましたぞ……・ファイナル本能寺はノーリンゴで完走。レクエムは現在ガッポリーに苦渋の飲まされています。


795 幕間物語1「フィリネという平職員」

「行ったかい?」

 

「あぁ。カルデア内の監視カメラでも召喚部屋に向かっている姿が確認されている」

 

 

 フィリネ、立香、マシュがブリーフィングを終え、第一特異点修復直前に戦力の補強として英雄召喚を行うために管理室を出ていった直後。

 再びドアが開いて一人の英雄が戻ってきた。

 万能の天才『レオナルド・ダ・ヴィンチ』カルデアの英霊召喚例第三号だ。

 

 彼……彼女は一旦部屋を退出したと見せかけた戻ってきた。

 それは、現在カルデアのトップであるロマニ・アーキマンと密会を行うためだ。

 いや、密会と言っても、管理室には他の職員も作業をしている。

 厳密に言えば、たった今部屋を退室した三人に話を聞かれない為だった。

 

 ロマニが早速話を切り出す。

 

 

「それで?話ってなんだい?まさか、この前にフィリネ君から貰った饅頭の事で説教とかじゃないよね?」

 

「その程度で怒る訳ないさ。……ロマニ」

 

「はぁ……分かったよ」

 

 

 ダヴィンチに目線を向けられて、それまでのおちゃらけた表情から真剣な表情に早変わりする。

 ロマニはこれでも医療機関のトップで、現在のトップである責任を持つ人物だ。

 やる時はやる男だ。

 

 

「見た感じ、何か隠しごとをしている風には見えなかったよ。それ以前、カルデアに入所してからも特におかしな言動はしていない……はずだ」

 

「データベースも確認してみたが、彼女は何処出身なんだ?時計塔からここに来たこと以外何も書かれていない。ロマニなら何か聞いていないのかい?」

 

 

 仲良いんだろう?と視線を向けて来るダヴィンチに、ロマニは言葉を詰まらせる。

 確かにフィリネとは部署が違うにしては仲が良かった。

 誰とでも仲良くなれて、魔術師だろうが技術士だろうが隔たり無く接していたのをロマニは知ってる。

 近い性格で言えば、人理最後のマスターとなった藤丸立香に似ている。

 でも、魔術師らしい一面も持ち合わせている事も知ってる。

 果たしてそれを勝手に言ってもいいのだろうか?

 

 

「……ロマニ。人理の危機だ。万が一と言う事もある」

 

「……分かったよ。彼女は時計塔に在籍はしていたらしいが、時計塔に所属している家系では無かったらしい。データベースに情報が載っていない理由はそれだ」

 

「なるほどね。……珍しいね。で、どんな魔術を使うんだい?」

 

「降霊術の応用、と本人は言っていたよ。と言っても時計塔に在籍中も特出した成績を残していないらしいよ」

 

「ほほぅ。確か、カルデアには前所長から推薦されていたらしいね。どうして一介の職員のはずの彼女を推薦などで入所していると思うかい?」

 

「あはは、僕も前所長……マリスビリーから頼まれてここに来た口だからね……。事故前は積極的では無かったみたいだけど、降霊術の応用と兼ねて英霊召喚の補佐もしていたと聞いてるよ」

 

「そこだよ。彼女の魔術、降霊術の応用……突き詰めれば英霊召喚にあるのではないか?と私は思っているんだけど?実際に、人手不足で危機的状況であった召喚システムの復旧からメンテナンスまで請け負ってくれている」

 

「確かにそうかもしれない。でも、人には話したくないことくら幾らでもあるさ。そもそも家の魔術師とはそう言う者だからね」

 

「そのくらいわかっているさ。ただし今が人理の危機でなければね。無論、協力を強制したりはしない。でも、トップである私たちにくらい話してくれても良いんじゃないかな?」

 

「僕はその意見には反対だな」

 

「君自身に秘密があるからかい?」

 

 

 フィリネの秘密を聞きだすべきか、本人が話すのを待つべきか。

 そこでダヴィンチとロマニの意見は対立する。ダヴィンチは不重要を取り除いておきたい、ロマニは自身にも秘密があるから、二人はそれぞれ思うところがあるのだろう。

 

 しかし、2人がこうして話している理由はこれが本題ではなかった。

 

 

「…………この話題はここまでのようだね。で、それ以外について彼女が何かを隠している可能性は?」

 

「無い……とは言い切れないのが悲しいよ。廊下や重要な場所はともかく、個室までは見張れないからね。やはり、あの時カルデアスが感じた膨大な魔力感知……誤報の可能性は?」

 

「事件が起きた後だからそれについても考えた。でも、現状は平常に動いているカルデアスに不具合は見当たらない。何かがあったと考えるべきだね」

 

「それで初めの話に繋がる訳か…」

 

「そう。確証は無いが、彼女には英霊召喚の知識があった。もしかしたら、あの時の魔力感知は英霊召喚のせいではないか?私はそうおもうのだが……ロマニはそこのところはどう思うのかな」

 

「有り得ない話では無いが……そのための召喚陣は見当たらなかった。さらに言えば、この状況で英霊召喚に成功して申し出ない理由が分からない」

 

「彼女が人理の味方ならね。敵ならば隠しているのも頷ける。ただ、カルデアスすらも騙す英霊なんぞ、よほど強いキャスターなんだろうね」

 

「まだ敵と決まったわけじゃないだろ?僕はフィリネ君が味方だと信じているよ」

 

「はいはい。君はそう思っておけばいいさ。疑うのは私の仕事というわけで……。ではでは、私はこれで失礼するよ」

 

「はぁ…言いたい事だけ言って帰りやがったぞ!!手伝う気ゼロだな!!」

 

「レイシフトが始まったら戻ってくるさ」

 

 

 こうして、知らぬ間に疑われ始めたフィリネであった。




なお、英霊召喚を行ったこと以外は聞かれた答えるフィリネちゃん。聞かれたこと以外答えないせいで疑いが加速する!!
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