今回も原作の設定と違うかもしれませんが、それでもいいと言う方だけお進みください。
カルデアの廊下を歩く一行が居ます。はい、私と立香ちゃん、マシュの三人です。
人理を修復する為、第一特異点へのレイシフト間際、立香ちゃんの戦力がマシュだけでは大変だとロマニさんが提案して、行うことになったのが英霊召喚でした。
「フィリネさんって英霊召喚の知識もあるのですか?」
「そうですよー。………と言っても、飽くまでも個人的な趣味みたいなものですから~。こんな時でもなければ役に立たない知識ですよ」
「それでも凄いです!!フィリネさんのお陰で私と先輩はもう一人戦力を用意する事が可能ですので」
「うん。そうだよ!!もっとご自分に自信を持ってください!!」
「そ、そうですか……あ、もう少しで着きます」
立香ちゃんだけでなく、マシュまでもが私の事を「凄い」と言ってくる。あの二人は知らないからそう言えるのですよ。
時計塔に蔓延る本当の天才、何代と時を重ね続けているロードの魔術回路、現在仮死状態であるAチームのメンバー、家を受け継ぐ予定だった姉……。
私よりも「凄い」人はいくらでも溢れています。そんな中で、私は私の出来る事を必死になってやっているだけですよ。
しかしマシュ。Aチームにいた頃は遠目でしか見た事がありませんでしたが、随分と印象が違いますね。あの頃はもっと淡々とした様子でしたのに……。これも、立香ちゃんと一緒に特異点Fを攻略した影響ですか?
『英霊召喚』それはカルデアでもかなり重要な施設です。人理の継続を観察する事を目的とし、異常事態が発覚した時はその排除を任務として運営されているこのフェニス・カルデア。実際に有事が起こった際は、レイシフトと呼ばれる霊子変換による移動と英霊召喚で召喚したサーヴァントを向かわせて解決していく方針でした。
その初任務が特異点Fでしたが……あんなことになるとは誰にも思いませんでした。
カルデアの主戦力の一つであることは明白。そんな重要なシステムを構築している場所が管制室から遠くにあるはずはないです。ものの数分で辿り着く私たち。
私は先頭で部屋に入りました。続いて立香ちゃんとマシュが入って…
「わぁ……!!何か雰囲気が違いますね」
「本来ならば聖杯の力を借りて行う儀式ですから。その対策や何やかんやで壁までも特殊仕様なのですよ。ちょっと調整するので待ってくださいね」
「はーい。ところで、マシュはどうやって召喚するか知ってる?」
「はい!知識だけならばレクチャーは受けています。部屋の真ん中に描かれている魔法陣に魔力を注ぎ込みながら詠唱を行う。そうすると、縁のあるサーヴァントか召喚者と相性のいいサーヴァント、また触媒を用意しているのなら、触媒に因んだサーヴァントが召喚されると聞いています」
「正解!!噂通りの博識ですね。と言っても、英霊召喚を知っている人からすれば当たり前の知識なんですよ~。カルデアに選ばれたマスター候補は当然勉強させらますから、立香ちゃんも空いてる時間で勉強ですよ。頑張ってください」
「が、頑張ります!!」
「そんなに気を張らなくても大丈夫ですよ。私如きが覚えられる知識ですし、Aチームトップだったマシュにロマニさん、天才のダヴィンチちゃんもサポートしてくれるはずですから」
立香ちゃんが気になった事に対してマシュとレクチャーしていると、調整は完了しました。既にある程度の調整は終わっていたので、ホントに最終確認みたいなものですし、このくらいなら私でも簡単に終わります。
それでは、立香ちゃんに英霊召喚に必要な詠唱を教えていざ召喚!!
英霊召喚に立ち会うのは今回が初めてです。私がキャスターを召喚したのは?あれはノーカンです。睡眠不足でテンションが可笑しかったのと、正式な英霊召喚ではありませんから。
「それでは、先ほど教えた呪文を詠唱しながらこの石をサークルに投げ入れてください」
「それは……前の特異点で拾った石?」
「そうです。所々に落ちていた虹色に光る石ですね。フィリネさん、これは一体何なのでしょうか?」
「それは単純な魔力リソースですね。現在のカルデアでは深刻な魔力、電力、人員不足が目立っています。少ない魔力を補うためにも、この石はかなり重要になっていますね。単純計算で、3個あれば一回の召喚ができるでしょう」
「へーー、じゃあ見つけたらバンバン拾った方が良いんだね!!マシュも見つけたらお願いね」
「はい!!分かりました」
当カルデアの魔力不足を補うため為にも、私が目を付けたのはこの聖晶石と呼ばれる石でした。
特異点Fから帰還した2人が拾ったこの石は、調べてみるとそれなりの魔力をため込んでいる石で、3つもあれば召喚に必要な最低限必要な魔力が備わっている事が発覚しました。
色々な場所で不足している物が多いですが、人理修復と言うカルデアの存在意義を全うする為にも戦力の増加は必須です。ロマニさんに聖晶石を英霊召喚のリソースにする案を提出すると、直ぐに承諾できました。
余りにもあっさりと承諾されたので驚きましたが、立香ちゃんは魔術師ではありませんからね。魔力も私以下に持ってないので、召喚時に必要な魔力支援はいずれにしても考えなければならない案件でした。特異点と言う普通の常識からは理解不能な場所には、魔力を貯めた石があっても不思議ではありません。
ともかく、この不思議な石を使ってカルデアの戦力を増やします。今は魔力が足りないので召喚十回分げ限度ですが、それは時間とともに解決していきましょう。
「それでは、初めての英霊召喚を開始いたします。立香ちゃんは魔法陣の前に、マシュは盾を構えてもしもの時に備えてください」
「はい!!了解しました!!」
「もしもの時って何!!?そんな状態になるの!!?」
「飽くまでももしもの時、ですよ。基本的に召喚されたサーヴァントはマスターに危害を加える事はありませんが、一部例外が居るんですよ。その時の為に備えてです」
「そうですか…良かった」
私も知識でしか知りませんしね。それに、立香ちゃんは優しい人なので、触媒もなしに召喚した場合は凶暴なサーヴァントが召喚される可能性はないでしょうから。
それではさっさと召喚を行って、私の今日の任務を終えるとしましょうか。……と言っても、この後第一特異点へのレイシフトが残っているんですけどね。
どうして準責任者なんて立場になったのでしょうか?運命様を呪いたいです。
ほら、立香ちゃんが詠唱を開始しました。
「『素に銀と鉄。 礎に石と契約の大公―――――』」
次回、鯖を召喚してレイシフトですかな?そこまで来れば後はサクサク進めていく予定です。