鬼滅の雨   作:ほにゃー

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裁判

炭治郎と禰豆子ちゃんに加えて、俺までも拘束の上で鬼殺隊の本部へと連行されることになった。

 

取り合えず、抵抗することはせず日輪刀を、少女へと渡し、大人しく拘束される。

 

てか、今気づいたが、この少女、最終選別の時に居た子だ。

 

そんなことを思っていると、隠の人たちがやって来て、少女は隠の人たちと一言二言話す。

 

その後、本部がある場所を知られるわけにはいかないとの事なので、即効性の眠り薬を飲み、頭に袋を被せられた。

 

本部の場所までは隠の人が運んでくれるらしい。

 

(ゔ……薬が効いてきた……本当に即効性なんだな…………)

 

薬で意識が朦朧とし始め、俺はそのまま眠りについた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「さっさと起きろ!馬鹿弟子!」

 

「うごっ!?」

 

師匠の怒号が聞こえたと思ったら、後頭部に強烈な鈍い痛みを感じた。

 

それで目を覚ました俺が見たのは、こぶしを握り締めご立腹な師匠が居た。

 

「し、師匠………!」

 

「那田蜘蛛山で何かあったのかは聞いている。そして、お前が何をしたのかもな」

 

やっぱり知ってるか…………

 

「師匠、その、ここは一体………?」

 

「産屋敷家。鬼殺隊当主の屋敷だ。これからお前は裁判を受けることになる」

 

「分かりました………そうだ、炭治郎!師匠、炭治郎は!?炭治郎は無事なんですか!?」

 

「落ち着け。今、屋敷でお館様と他の柱とで裁判を行ってる。お館様からお前が目を覚まし次第、お連れしろとの事だ。着いて来い」

 

師匠に言われ、師匠の後を継いでいく。

 

もちろん、手は縄で縛られたまま拘束されている。

 

屋敷の一室を出て、師匠は庭へと出る。

 

するとそこには、師匠以外の柱の方が膝をついていた。

 

そして、体中が傷らだけの柱の人に組み伏せられる形で、炭治郎もいた。

 

「お館様、“雨柱”曽良山弦常、及び継子の打鉄辰二、参りました」

 

師匠がそう言い、師匠と俺の登場に他の柱が見てくる。

 

そして炭治郎は驚いた表情で俺を見ていた。

 

「おや、目が覚めたんだね」

 

気分が心地よく高揚するような声で、俺に話しかけてきたのは、顔面上部の皮膚が変質している男性だった。

 

「初めまして、辰二。気分はどうかな?あの眠り薬は即効性はあるけど、効果が切れると気分が悪くなるんだけど」

 

「あ、いえ……大丈夫です。お心遣い感謝します」

 

「お館様、申し訳ありませんが竈門炭治郎とその妹、禰豆子の裁判の経過をお教えください」

 

「ああ。今し方、禰豆子の容認が決まった所だよ。さて、ひと段落付いたし、次は辰二、君の番だ」

 

お館様に言われ、師匠に連れられ前に出る。

 

「辰二、私が答えてもらいたいのは一つだ。何故、君は禰豆子を庇ったんだい?」

 

「え?」

 

「那田蜘蛛山で、君は禰豆子を斬ろうとしたしのぶの継子、カナヲの鬼滅行為を妨害した。今でこそ、禰豆子の存在は私が容認しているが、あの時点では誰も禰豆子のことを知らなかった。なのに何故君は、禰豆子を庇ったんだい?」

 

「それは………今から、三年ほど前のことです。私は、修行の為に雨屋敷へと向かっている途中でした」

 

俺はゆっくりとお館様に理由を話した。

 

「あの時、私は路銀も底をつき、空腹と疲労感で動けませんでした。そんな所を、彼が、炭治郎が助けてくれました」

 

そう言って俺は炭治郎を見る。

 

「その時約束したんです。必ずこの恩は返すと」

 

「ふむ、つまり、君はその恩を開けすために、禰豆子を守ったっと言うことかな?」

 

「………それは、少し違います」

 

俺が否定すると、お館様は驚いた表情をする。

 

背後からも僅かに殺気を感じた。

 

まるでお館様の言葉を否定するのかっと言いだけな殺気だ。

 

「あの時、炭治郎は恩を返す代わりに、いつか家族に会って欲しいと言ったんです。…………那田蜘蛛山で、どうして禰豆子を庇ったのかは、あの時は分かりませんでした。でも、今になって禰豆子が炭治郎の妹だと知り、庇った理由が分かりました。俺は、無意識のうちに、禰豆子が炭治郎の妹なんだと知ったんです。俺はまだ、炭治郎から直接家族を紹介してもらってない。それは、炭治郎との約束を破ることになる。俺は、炭治郎との約束を果たすために、禰豆子を庇ったんです」

 

お館様を、真っ直ぐ見つめ、俺は言う。

 

「………なるほど。君が禰豆子を庇った理由はよく分かった。だが、禰豆子は鬼だ。禰豆子を庇ったことで、禰豆子が誰かを襲った時、君はどう責任を取るつもりかな?」

 

お館様の言葉は最もだ。

 

容認されたとは言え禰豆子は鬼。

 

人を襲わない証拠はない。

 

なら、俺の責任の取り方は決まってる。

 

「その時は、禰豆子の頸を斬り、俺は腹を斬ります。それが、俺にできる責任の取り方です」

 

そんなことをしても意味がないのは分かっている。

 

でも、今の俺が思いつくのはこの程度しかない。

 

「………なるほど。うん、よく言ったね。手紙を」

 

するとお館様はにっこりと笑って、隣に居た少女に手紙を取り出すように言う。

 

「これは、元柱の鱗滝左近次様から頂いたものです。他の柱の方々は知っていますが、雨柱様と継子様の為に今一度読み上げさせて頂きます」

 

内容を聞いて俺は驚いた。

 

禰豆子は人としての理性を持ち、飢餓状態でも人を喰わず、そのまま二年以上も人を喰っていないとのことだ。

 

そんな鬼がいたなんて…………

 

そして、俺はその手紙の先を聞き、更に驚いた。

 

「“もしも、禰豆子が人に襲い掛かった場合は、竈門炭治郎及び、鱗滝左近次、冨岡義勇が腹を斬ってお詫び致します”……以上が手紙の内容となります」

 

「つまり現時点で禰豆子の為に、炭治郎以外に元柱と現柱、計三名の命が懸けられている。そこに加えて君も命を懸けた。そして、実弥が体を張って禰豆子が人を襲わないことを証明した。禰豆子を容認するには十分すぎる証明だ。すまないね。君の覚悟を見たくて、つい意地の悪いことをしてしまったよ。許してほしい」

 

「い、いえ!お館様が謝ることはありません。どうか、頭を上げてください!」

 

頭を下げてくるお館様に、俺は土下座してそう言う。

 

「なら、俺も同様の責任を取ります」

 

すると隣に居た師匠がそう言い出した。

 

「俺も禰豆子が人を襲った時、俺も辰二と共に腹を斬ります」

 

「なっ!?師匠、何言って!?」

 

「お前の隊律違反は、師匠である俺の指導不足だ。なら、俺も同様の責任を取るだけだ」

 

「やれやれ、弦常も意地が悪いね。これで、辰二は一歩も引けなくなってしまったね。さて、炭治郎、辰二。禰豆子の事は容認されたけど、それでも禰豆子の存在を快く思わないものもいるだろう。君たちは証明しなければならない。禰豆子が鬼殺隊として戦えること、役に立てることを。十二鬼月を倒しておいで。そうしたら、皆に認められる。炭治郎の言葉の重みは変わってくる。そして、辰二も彼らの為に助力を惜しまないことが必要だ。できるね?」

 

お館様がそう聞いてくる。

 

「はい!必ず禰豆子が認められるように、助力を惜しみません!」

 

「俺も!俺と禰豆子は鬼舞辻無惨を倒します!必ず!悲しみの連鎖を断ち切る刃を振るう!」

 

「今の炭治郎にはできないから、まずは十二鬼月を一人倒そうね」

 

「………はい」

 

冷静に言い返され、炭治郎は顔を赤くする。

 

柱の何人かも、笑いを堪えている。

 

「柱たちは抜きん出た才能がある。血を吐く様な鍛錬で、自らを叩き上げ死線をくぐり、十二鬼月をも倒している。だからこそ、柱は尊敬され優遇されるんだよ。炭治郎も口の利き方には気を付けるように」

 

「は、はい……」

 

「それと実弥、小芭内。あまり下の子に意地悪しないこと」

 

「……御意」

 

「御意……」

 

「炭治郎の話はこれで終わり。下がっていいよ。それでは、柱合会議を始めようか」

 


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