鬼滅の雨   作:ほにゃー

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同期の剣士

“音柱”宇随天元

 

元忍で、その界隈じゃ名を馳せた有名人らしい。

 

師匠からそう聞いたときは、忍なんてまさかっと思ったが、どうやら本当らしく、大柄な体躯の割に俊敏で、気配も消せて、毒にも耐性があるとのことだ。

 

「いいか?俺は神だ!」

 

こんなことを言ってても、凄い人らしい。

 

「まず最初はそれをしっかりと頭に叩き込め!ねじ込め!俺が犬になれと言ったら犬になり猿になれと言えば猿になれ!猫背で揉み手をしながら俺の機嫌を常に伺い、全身全霊でへつらうのだ! そして!!もう一度言う!俺は神だ!」

 

ドヤァって感じの効果音が似合いそうな顔をする宇随さん。

 

本当に凄い人なんだろうか?

 

いや、まぁ、柱なんだから実力は確かなんだろう。

 

そんなことを思ってると、隣に居た炭治郎が手を挙げた。

 

「具体的には何を司る神なんですか?」

 

いや、それ聞かなきゃいけないことか…………

 

「いい質問だ。お前は見所があるぞ」

 

何のだよ………

 

「派手を司る神……謂わば祭りの神だ!」

 

「俺は山の王。よろしくな、祭りの神」

 

そんな宇随さんに、伊之助もそう言い返した。

 

「何言ってんだお前……気持ち悪い奴だな」

 

いや、貴方とどっこいどっこいだから……………

 

「花街までの道中に藤の家があるから、そこで準備を整えるぞ。付いて来い」

 

そう言い、頭の髪飾りがジャラっと音が鳴る。

 

音が鳴った瞬間、宇随さんの姿は消え、気が付けば遠くを走っていた。

 

「はや!?もうあの距離!胡麻粒みたいになっとる!」

 

「これが祭りの神の力………!」

 

「いや、違うぞ。あの人は音柱の宇随天元さんと言ってだよ」

 

「何悠長にしてんだよ!追いかけないと!」

 

「三人とも急げ!置いてかれるぞ!」

 

俺達四人は慌てて、宇随さんの後を追い走る。

 

藤の家に着くと、宇随さんともう一人、隊士の人が待っていた。

 

「神明さん!」

 

「え?打鉄?どうしてお前が?」

 

その人は神明さんだった。

 

「神明さんこそ、どうしてここに?」

 

「天元に頼まれて藤の家で色々準備してたんだよ。そっちこそどうしてここに?」

 

「宇随さんの任務に同行しに来たんです」

 

「なんだって?必要なのは女の隊士のはずだぞ?」

 

「でも、女性の隊士無理矢理連れていかれそうだったから」

 

「…………おい、天元。ちょっと来い」

 

そう言うと、神明さんは宇随さんの首根っこを捕まえて、俺達から離れる。

 

何かを話し合ってると、いきなり神明さんは宇随さんの頭を叩き、怒っていた。

 

なんか「アホ柱」って聞こえた。

 

ちなみに叩いた瞬間、善逸が「え?あの人、柱だよね?あの先輩、上官を容赦なく叩いてるよ?え?なんなの?あの人何なの?」っと青ざめた表情で、俺の袖を引っ張って聞いてきた。

 

暫くすると、神明さんは宇随さんを引っ張って戻って来た。

 

「お前ら、この天元が迷惑をかけたな」

 

「いえ、ところで宇随さんの任務って」

 

「それについては中で話す。付いて来てくれ。ほら、天元。お前もさっさと中に入れ」

 

家の中に案内され、藤の家の人におもてなしを受けていると、宇随さんが任務の内容を離し始めた。

 

「遊郭に潜入したら、俺の嫁を探せ。俺も鬼の情報を探る」

 

「とんでもねぇ話だ!」

 

その話を聞くなり、善逸は大声を上げた。

 

「ふざけないで頂きたい!自分の個人的な嫁探しに部下を使うとは!」

 

「「はぁ!?何勘違いしてやがる!俺の嫁が遊郭に潜入して、鬼の情報を探ってるんだよ!定期連絡が途絶えたから俺も行くんだよ!お前達には、その手伝いをしてもらうって言ってんだ!」

 

「………そう言う妄想をしてらっしゃるんでしょ?」

 

「クソガキが!!」

 

「はぁ~、落ち着け天元。それに、我妻もだ」

 

神明さんは宇随さんの隣に置いてあって箱を手に取り、中から束になった手紙を取り出す。

 

「これが天元の嫁達からの手紙だ。天元の嫁達は、天元と同じ忍、つまりくノ一だ。並大抵のことじゃやられるような人たちじゃない。そんな人たちからの連絡が途絶えた。となると、連絡ができる様な状態じゃないと考えるのが妥当だ」

 

「……ん?神明さん、今、嫁達って言いました?」

 

「ああ、天元には嫁が三人いるんだよ」

 

「なんで嫁が三人もいるんだよ!?ざっけんな!」

 

「嫁、もう死んでんじゃねぇの?」

 

善逸と伊之助がそう言った瞬間、二人は宇随さんに思いっきり腹を殴られ悶絶した。

 

「だから、こんなに手紙が多いんですね。……あの、手紙では来るときは極力目立たぬようにって何度も念押してあるんですが、具体的にはどうするんですか?」

 

「そりゃまぁ変装よ。不本意だが地味にな。弦常の継子以外のお前たちには、あることをして潜入してもらう」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

宇随さんの作戦とは、炭治郎、善逸、伊之助の三人が、嫁が潜入している各店に潜入するものだ。

 

だが、男として潜入するのは無理なので、三人には女装してもらい、宇随さんが各店に三人を売り込みに行く。

 

俺はと言うと、身長が高いから女装は無理があるとの事だ。

 

その為、俺と神明さん、そして宇随さんは昼間は待機か情報収集をし、夜は各店を見張ることになった。

 

「神明さん、聞きたいことがあるんですけど」

 

「ん?なんだ?」

 

情報収集をし、神明さんと昼餉を食べていると、俺はふと気になったことがあり、神明さんに尋ねた。

 

「神明さんと宇随さんって仲良いんですか?」

 

「別にそんなんじゃねぇよ。俺と天元は同期ってだけだ。同じ年に最終選別を受けた」

 

「そうだったんですか」

 

「実はな、俺が最終選別を受けた年は、志願者がかなり多かったんだ。百人とまでは言わないが、五十人近くは居た」

 

「そんなに………」

 

「そして、生き残ったのは俺と天元含めて、たった三人だ」

 

その言葉に、俺は手を止めた。

 

五十人近くいて、生き残ったのはたった三人って……………

 

「鬼殺隊の最終選別での死亡率は志願者の数が多くなるにつれて高くなる。人数が多いとその分人口密度は高くなるし、鬼は餌となる人間と遭遇しやすくなる。さらに、七日間の内に他の志願者と仲間意識や友情が芽生え行動を共にして、一緒に襲われたり、食われた仲間の仇を討とうと返り討ちにあったりもする。事実……俺も同じ育手の下で修業した兄弟子や弟弟子を殺され、仇を討とうと返り討ちにあった」

 

「………それで、どうなったんですか?」

 

「決まってるだろ。天元だよ。俺はアイツに助けられたんだ。アイツはスゲーよ。少しアホだが、柱としてアイツはやるべきことはやる奴だ。だから、あまり誤解しないでやってくれ」

 

「え?」

 

「女性の隊士を無理矢理連れて行こうとしてたんだろ?普段のアイツならそんなことはしない。ただ、今回は自分の嫁達が危険かもしれない状況だった。焦りからついあんな無茶しちまったんだ。アイツは嫁達をなによりも大事にしてる。だから、誤解しないでやってくれな」

 

そう言って神明さんは席を立つ。

 

「ここは奢ってやるよ。じゃ、お先に」

 

ささっと代金を支払って神明さんは店を出る。

 

「やっぱり仲良いんだな」

 

そんなことを思いながら、俺も食事を終わらせ店を出た。

 




番外編で読みたい作品のアンケートをします。

理由としては、今のタイミングじゃないと、暫くシリアスが続くのでネタをやるなら今しかないと思ったからです。

内容は

キメツ学園ネタ

柱合会議の時点で辰二が既に柱だったらと言うIF

辰二が鬼になっていたらのIF

辰二が女性だったらのIF

となります

読みたいと思うものに票を入れてください

番外編で読みたい作品

  • キメツ学園での辰二
  • 辰二が既に柱になってる
  • 辰二が鬼になってる
  • 辰二 女Ver

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