一夏がシャアに拾われた件について   作:ロドニー

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プロローグ

 

 俺には優れた姉が居る。

 

 ブリュンヒルデの称号を持つ織斑千冬だ。

 

 逆に俺はいくら努力しても周りから一切認められず、出来損ないとか姉の面汚しとか言われて近所や学校でも暴力を振るわれたりもした。

 

 そして、千冬姉に褒められたくてテストでも剣道でも頑張ったけども褒められる事は一度も無かった。

 

 千冬姉も選手として遠征が多く手元に残る仕送りは少なかったし、千冬姉には心配をさせたくも無かった。

 

 だから、剣道を辞めてバイトを始めたが、篠ノ之束の妹の篠ノ之箒から暴力を含めて猛反発された。

 

 だけど、俺にも理解してくれた人も居た。

 

 ISの生みの親である束さんは箒から暴力に曝された時には手当をしてくれたり、辛くて泣きたい時に研究室に入り浸った時には千冬姉以上に優しい姉の様に接してくれた。

 

 他にも、箒が引っ越した後に転入して来た凰鈴音を男子のクラスメイトから虐められていた時に助けて以後、親友として付き合い始めた。

 

 ただ、鈴は逆だった様でモンドグロッソの応援にドイツに向かう前日、鈴の両親が離婚して母親と中国へ帰る事になった時に

 

 「次に再会が出来たら、あたしの作った味噌汁を毎日飲みなさい!!

 

 だから……だから……あたしは一夏が好き!!」

 

 中華風では無く日本風にそして、ストレートに言いながら抱き着いて告白されたのだ。無論、俺は抱き返して鈴と付き合う事を了承した。

 

 遠距離恋愛とはなったが、鈴と連絡を取り合ったり手紙のやり取りをしたりした。

 

 そして、運命の第二回モンドグロッソに出場した姉を嫌々ながら応援に行くことになり、会場で知らない男達に誘拐された。

 

 目的は判る。

 

 千冬姉の出場の阻止だろう。

 

 俺には千冬姉の事よりも、鈴にもしかしたら逢えなくなるのではと怖かった。

 

 だから、叫び抵抗した。

 

 「離せ!!」

 

 「うるさいガキだな!!」

 

 だが、抵抗虚しく意識を刈り取られて街の郊外の倉庫に連れ去られ、倉庫内では男達から暴行を受けた。

 

 「日本政府に連絡したか?」

 

 「あぁ、これで織斑千冬は棄権するだろうな」

 

 だが、男達の企みは意味が無かった。

 

 『さぁ、決勝戦。

 

 日本代表、織斑千冬選手の入場だァァァ!!』

 

 テレビに映る千冬姉は知らなかった。

 

 この時、弟が誘拐された事実を日本政府は握り潰して女尊男卑に染まった女性利権団体に所属した女性職員から知らされて居なかったのだ。

 

 「どうすんだよ!!」

 

 「くっ、俺達まで殺される!?」

 

 「しかたねぇ。

 

 奴を殺してズラかるぞ!!」

 

 俺に向けられた拳銃の銃口。

 

 「なぁ、死ぬ前に望む事はあるか?」

 

 「じゃあ、千冬姉の決勝戦を見せてくれ」

 

 体を縛られた椅子をテレビに向けられる。

 

 そして、千冬姉は優勝したのだ。

 

 「じゃあ、約束通りに死にな。だが、最後に残す言葉だけは聞いてやる」

 

 「じゃあ、千冬姉。

 

 優勝おめでとう。

 

 そして、一度でも良いから褒めて欲しかった!!

 

 だから、千冬姉のクソったれ!!

 

 そして、鈴には愛してると」

 

 「あぁ、二人には伝えておく」

 

 パンパン…

 

 言い切ると乾いた音と共に男達から拳銃で腹や肩を撃たれて椅子から床に堕ちそうになると床に黒い穴が空き、俺はその穴に飲み込まれたのだ。

 

 

 

 

 

 試合が終わり、一夏を迎えに行くと日本政府から弟が誘拐された事を知らされた。

 

 「なっ、何だと!?

 

 貴様、試合前に知っていたな!!」

 

 一夏の誘拐の情報を握り潰したのは女尊男卑に染まり切った私を担当した日本政府の女性職員の指示だと知り、ピット内で指示した女性を見つけると記者達が居るにも関わらずに歩み寄ったのだ。

 

 「貴様、一夏が誘拐されたのを黙っていたな!!」

 

 そして、一夏が私のせいで面汚しとか暴行を受けた事実を女性の一言で全てを悟った。

 

 「別に千冬様の面汚しが消えt「貴様!!」へっぶらぁ!?」

 

 女性職員を全力で殴り飛ばした。

 

 「貴様、私の唯一の家族を!!」

 

 「ぎゃあ!?ゆ、赦して…」

 

 記者に見られる事すら構わすに、胸倉を掴み何度も何度も女性職員の顔が血塗れになるまで殴ってしまった。

 

 警備員に止められるまで殴り続けた結果、女性職員は瀕死の重症だった。

 

 しかし、私と女性職員のやり取りを記者達が一部始終をテレビカメラで録画したまま世界に中継していた事で、一夏の誘拐事件を日本政府が握り潰した事実がメディアに流された事により日本政府の世界での信用は地に落ちる事となった。

 

 特に女性職員が所属した日本の女性権利団体は顕著でブリュンヒルデの織斑千冬を敵に回してしまったのだ。

 

 この1件で一夏を自分の弟の様に溺愛していて怒らせてはいけない天災である篠ノ之束は誘拐事件を徹底的に調べ上げ、誘拐犯を捕まえて尋問して自白により繋がりがあったのが日本の女性権利団体だと判ったのだ。

 

 そして、一夏を亡き者にしようとした報復で亡国機業の元実行部隊で過激派に敗北して拾われて束の部下になったスコールとオータムにM(織斑マドカ)の手により、日本の女性権利団体のメンバー全員が暗殺または抹殺されたのだ。

 

 キレた束の報復は続き、日本の女性権利団体の日本支部はMの駆るISの襲撃により壊滅し、日本政府は怒らせた篠ノ之束の恐ろしさに震撼したのだった。

 

 無論、千冬の家族を警備していたドイツ軍にまでマスコミによるメディアで叩かれて責任追及が及んだ事は言うまでもない。

 

 そして、織斑千冬は日本政府を信用出来ないとして現役を引退する事になるが、親友でIS学園の同期だったドイツの国家代表のクラリッサに頼み黒兎隊を出して貰い誘拐された一夏を探すが例の倉庫にあった大量の血痕から一夏がいた事が解ったが見つかるには至らなかった。

 

 大量の血痕が在った状況から日本政府は騒ぎを収拾したいからと一夏を勝手に死亡扱いとした。

 

 空の棺桶が日本に帰り葬儀が挙げられたが、千冬本人もそうだが、恋人の鈴も一夏の遺体が無い理由から生きていると信じ葬儀には参加しなかった。

 

 そして、弟の探索を協力したクラリッサにお礼をする為にドイツに渡りクラリッサの部下を指導する事になったのだ。

 

 

 

 そして、一夏はと言えば出血したまま気絶してサイド7の軍事施設に繋がる通路にて椅子に縛られたまま浮かんでいた。

 

 

 「シャア少佐、例の新型があるコロニーでは?」

 

 「ジーン、潜入して調べてみるとしよう」

 

 ジオン軍のシャア・アズナブル少佐が率いる小隊がドズル中将の命令により連邦の新型を製造する工廠を探す為にサイド7のコロニー内へと侵入する。

 

 エアロックを外して通路へと侵入。

 

 「シャア少佐、重症で気絶した少年が!!」

 

 「何と!?

 

 かなり重症ではないか!?

 

 ジーンは少年に宇宙服を着せて先にムサイに戻りメディカルルームに連れて軍医に治療を。

 

 私はもう少し潜入調査をする」

 

 「シャア少佐、了解であります」

 

 ジーンにより救助されシャア少佐の命令によりムサイのメディカルルームへ運ばれた俺は、一命を取り留めたのだった。

 

 シャア少佐も潜入調査に成功し、連邦が開発した新型を工廠内にて発見したのだ。

 

 そう、連邦の新型機RX-78-2ガンダムが工廠内にて組み立て作業中だったのを偶然にも発見したのだ。

 

 その知らせは直にドズル中将へと報告され、ムサイ級巡洋艦が七隻とチベ級重巡洋艦が二隻が宇宙要塞のソロモンから派遣され、サイド7は二日もせずに連邦軍を駆逐して占領したのだった。

 

 これにより、連邦はサイド7で製造中の新型機を全てジオン軍に鹵獲される事となるが、連邦軍の本拠地のジャブローに新型機の設計図が運び込まれて新型機が製造されていたとはまだ知らなかった。

 

 サイド7占領後、ムサイでソロモンに運ばれた俺はソロモン基地内の医療施設へと搬送されて入院となり、目覚めた所で病室のベッドで尋問を受けたのだ。

 

 「私が尋問するとしよう」

 

 「しかし、少佐!?」

 

 「大丈夫だ」

 

 シャア少佐は病室へと入り

 

 「キミの名前を教えて貰おうか?」

 

 「織斑一夏です」

 

 「ほう、一夏くんは名前からして地球のアジアの極東地域の生まれかな?」

 

 「えっ、極東地域?」

 

 「極東地域が判らないのか。

 

 なら、何故コロニーの通路に?」

 

 「ドイツで誘拐されて拳銃で撃たれて、黒い穴に落ちるまでしか判らない」

 

 「旧世紀のドイツとなると、やはり…」

 

 シャア少佐は俺がこの世界の人ではない事に気付くが、シャア少佐は俺にある提案を出したのだ。

 

 「一夏くんには、身分を証明する手段が無い。なら、ジオン軍の士官学校に通ってみないか?

 

 私とドズル閣下の推薦なら、身分も誤魔化せるだろう」

 

 「何故、そこまで?」

 

 「何故と聞かれても、一夏くんを見ると努力を諦めない様に感じたからさ」

 

 どの道、宇宙と地球での戦争中なのだ。

 

 地球に戻ったとしても野垂れ死によりはマシだと俺は思い、シャア少佐の提案を受けたのだった。

 

 

 

 それから、俺はソロモンからサイド3に渡り士官学校へと入学して、名前もカタカナ表記に直しイチカ・オリムラとして様々な訓練や勉強をしたのだ。

 

 ただ、凄く嬉しかったのは努力すればする程、周りの士官候補生から認められて行き気付けば士官学校の主席となっていた。

 

 士官学校では一人の少女と出会った。

 

 彼女の名前はアン・フリークス。士官候補生で俺とは同い年だった。

 

 彼女はアメリカ移民系で元イギリスだった場所では貴族の娘だったらしい。ルウムの戦役でコロニーがシドニーに落ちたらしくて、その時に仕事で来ていた両親が落ちたコロニーに巻き込まれてシドニーで亡くしたらしい。

 

 そして、両親が亡くなり地球での地上戦闘が激化してしまい、ジオン軍が占領したジブラルタル宇宙基地まで避難したが、難民が乗るシャトルに乗りサイド3へ渡って亡命して食べて行く為に士官学校に入学したのだ。

 

 そして、彼女との出会いは最悪の一言だった。

 

 彼女は当初は男装して士官学校に入学していた。

 

 士官学校は寮に入る事になるのだが、男女関係なく二人一組として部屋割りがされる。

 

 その時に部屋に一緒になったのが、何時も授業でライバル視して来るアンだったのだ。

 

 元同室だったヒューズは、MS-06F型での暗礁地域での操縦訓練で岩礁に激突して死亡したために、代わりに来たのがアンだったのだ。

 

 寮での部屋では各自が炊事に家事をしなければならなかったが彼女は家事炊事と壊滅的で、全て俺が得意だった為にしていたが、訓練が終わり部屋に戻りシャワーを浴びようとしたらボディーソープを補充していない事に気付いたのだ。

 

 この時、アンが男装を解きシャワーを浴びていたとは知らなかった。

 

 「あっ、やべぇ。

 

 ボディーソープを補充するのを忘れてた

 

 あっ……」

 

 「へっ?」

 

 浴室に新しいボディーソープを持ち込むとシャワーを浴び終えて出て来た一糸纏わぬ姿のアンと鉢合わせしたのだ。

 

 今でも覚えているが片手に収まるサイズの形が綺麗な双丘と彼女の髪と同じプラチナブロンドの秘所は忘れられない。

 

 「あっ、ゴメン!!」

 

 「ツッ////!?

 

 馬鹿、イチカァァァァ!!」

 

 ベッチィィィィン

 

 「グッハァ!?」

 

 無論、着替え終えたアンからはビンタを貰ったのは言うまでもない。

 

 それからだが、女だとバレてからはアンは男装を辞めて、女性用士官服になった。

 

 それから、三ヶ月が過ぎたアンは俺と同じく主席となりMS戦闘で技量を競う仲となった。

 

 そして、鈴には悪かったがアンと付き合う事になった。

 

 何故かと言えば男装していたのが悪いのだが、元貴族とはいえアンの全裸を見たのだから男として責任を取れとの事だったが、士官学校でトップ争いで競い合う内にお互いが惹かれ合ったのだろう。

 

 アンには元の世界では鈴と付き合っている事実を話したら

 

 「もし、元の世界に戻っても彼女を大事にしなさい。

 

 あたしは二番目でも構わないから。

 

 それが、貴族の女としての矜持だからね」

 

 俺が元の世界に彼女がいる事を認めながらも、アンは俺と一緒にいる事を望んだのだ。

 

 この戦争も中盤になり士官学校を主席で卒業した俺とアンはコンビを組んだのだ。

 

 最初は士官候補生として、ジョニー・ライデン少佐率いる部隊へ配属された。

 

 配属先の部隊では、ルナ2と地球との間の航路で行っていた通商破壊作戦だった。

 

 主席で卒業した二人に用意された機体はベテランパイロットが欲しがるMS-06R-1高機動ザクで、それを駆り通商破壊作戦に従事した。

 

 この作戦での撃墜数はアンと俺でルナ2に向かう補給艦のコロンブス級八隻と護衛のサラミス級巡洋艦三隻を共同でを撃沈し、量産機のRMG-79ジムをアンは39機を俺は42機を撃墜した。

 

 無論、隊長のジョニー・ライデン少佐は俺達の倍を撃墜して、キシリア閣下のエースパイロットばかり集めたキマイラ隊へと異動となった。

 

 この活躍で俺達二人も大尉へと二階級特進して昇進し、ドズル中将指揮下の宇宙要塞ソロモンへと転属となった。

 

 俺とアンには専用機として自機へのカラーリングを認められた上で先行量産機のYMS-14B高機動型ゲルググを受領したのだ。

 

 俺の専用機のカラーリングは頭部と腕と腿は白で塗装され胴体と脚はグレーで染められたのだが、シン・マツナガ大尉と似たカラーリングだったらしくて大尉と間違えられたりした。

 

 アンの専用機の高機動型ゲルググのカラーリングは頭部と手足がライトブルーに染められ、胴体はインディーブルーで染められたのだ。

 

 武装だが、俺の専用機はグフのヒートソードを巨大化させた斬艦刀とビームライフルが装備され、アンの専用機にはジャイアントバズーカとビームライフルが装備されていた。

 

 ソロモンに配属され、慣熟訓練が終わった頃に連邦軍がソロモン攻略戦を始めた。

 

 無論、俺とアンはドズル閣下の命により、左翼にラテーケンバズーカを背中に背負い手には90ミリマシンガンとサイドスカートに予備マガジンを大量に装備させたリックドム隊の12機を率いて展開した。

 

 そう、地上の戦線からベテランパイロットを集めた俺達二人の配下のオリムラ中隊だった。

 

 この時だが、アンはいつの間にか名字をフリークスからオリムラと変えていた。

 

 彼女に聞くと

 

 「当然、イチカの女ですからオリムラにしたから」

 

 と俺とドズル閣下の前で胸を張り言い切り、閣下が豪快に爆笑したのは有名な話になってしまった。

 

 連邦軍のマゼラン級戦艦とサラミス級巡洋艦からの艦砲射撃と大量のミサイル攻撃に曝されるが、俺達の中隊は落伍する機体は一切無かった。

 

 

 そして、ジムやボールがコロンブスから吐き出され俺達へと襲い掛かる。 

 

 「全機、迎撃開始!!

 

 ニ機一組で援護をやり合いながら迎撃」

 

 「イチカばかりにカッコ付けさせるんじゃないわよ!!」

 

 二人の号令にリックドム隊がニ機一組で散開してジムやボールを撃墜して行く。

 

 当然、中隊長機の俺が一撃離脱戦法を用いてジムを斬艦刀で切り裂き、ボールは蹴り飛ばして撃墜数を増やしていく。副隊長機のアンも今回ばかりはビームライフルを装備しないで可動時間を少しでも増やすべく90ミリマシンガンを装備しながら俺の背中に迫り来る連邦軍に乱射して撃墜数を増やしたのだ。

 

 「せやぁぁぁ!!」

 

 「イチカには負けないんだから!!」

 

 戦闘も佳境に入り、俺達の中隊は撃墜された機体は無いがボロボロで弾薬とエネルギーが乏しくなり始めた為に、補給と軽い修理が出来るだろうと踏んだ一番近い艦隊はシャア大佐の船のザンジバルだった。

 

 「アン、一度シャア大佐の船に撤退だ!!」

 

 「そうね、弾薬も推進剤も心許ないから同じ意見よ。

 

 オリムラ中隊、撤退するわよ!!」

 

 『了解!!』

 

 各機がお互いの自分のペアを護りながら戦線離脱し、近かったシャア大佐のザンジバルへ着艦する。

 

 「あれは、シャア大佐のゲルググS型!?」

 

 左肩からバッサリ斬られ腕を失って小破したシャア大佐専用のゲルググS型がハンガーに鎮座して修理を受けていた。

 

 ガッコン

 

 「「?」」

 

 振り向けば、ジャックのリックドムが着艦した時の負荷に耐え切れなくて膝の関節が壊れ膝から下の足がハンガーに落ちた音だった。

 

 「隊長、俺のリックドムが…」

 

 「まあ、ドンマイ…」

 

 中隊の機体が全機ハンガーに入り、隊員は待機所へと向かうが、俺とアンはハンガーにララァ大尉専用のプロトタイプジオングが無い事に気付く。

 

 「アン、シャア大佐に嫌な予感がする」

 

 「何でよ?」

 

 「だって、ララァ大尉の機体が無い」

 

 「まさか…」

 

 俺とアンはザンジバルのシャア大佐の自室へと急いだ。そして、案の定自室のベッドの縁に座る大佐が居たのだ。

 

 「シャア大佐!!」

 

 「イチカくんか、助けた時以来だ。

 

 アンくんとは上手くやっていて安心したよ」

 

 「俺達の事より、ララァ大尉はどうしたんですか!!」

 

 「ララァなら……戦死した」

 

 「「へっ?」」

 

 間抜けた声を思わず出してしまうが、大佐が担当した宙域は確か……

 

 「ララァは私をガンダムの凶刃から庇い、コクピットをビームサーベルで貫かれたのだよ」

 

 「そっ、そんな…」

 

 アンは俺の腕を掴み、ララァが戦死した事に泣き出してしまった。

 

 アンとララァ大尉は凄く仲が良かった。

 

 大佐もだが、ソロモン配属になってからはダブルデートもしたりした。

 

 そして、休暇でリゾートコロニーへ四人で行った時には、湖畔の大佐の別荘では大佐とララァ大尉に士官学校で独自にブレンドしたバーベキューソースを漬け込んだスペアリブを御馳走したりした。

 

 「まさか、あの時の少年兵!!」

 

 「イチカ!?」

 

 アムロ・レイと名乗った少年兵を思い出したのだ。

 

 「そうだ。

 

 彼に落とされたのだよ。

 

 だが、君達では彼を落とせない」

 

 「どうしてですか大佐!!」

 

 「アンくん、君はもう少し冷静になった方が良い。

 

 彼はララァ以上のニュータイプだ。

 

 イチカくんを悲しませる様な判断をしないで欲しい。

 

 愚かな私の様にな」

 

 「くっ」

 

 「大佐はソロモンから撤退するのですか?」

 

 「私は宇宙要塞ア・バオア・クーに撤退する」

 

 まだ、膠着状態なのにどうしてだろうと考えていた。

 

 「未確認だが、連邦軍がソロモンにソーラーシステムを使った。

 

 ソロモンが落ちるのは時間の問題だ。

 

 それに、ドズル閣下はビグザムで迎撃にでたが、彼等に落とされたのだよ」

 

 「閣下まで!?」

 

 「アン、落ち着け」

 

 「それでは?」

 

 「君達のオリムラ中隊も私の部隊に再編入して、ア・バオア・クーに撤退する」

 

 俺達は最終決戦になるだろうア・バオア・クーへと撤退したのだった。

 

 

 

 

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