一夏がシャアに拾われた件について   作:ロドニー

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最強の悪戯ガール、台湾娘の襲来!!

 

 

 第三アリーナの整備室。

 

 俺はセシリアとの模擬訓練の後に白式のスラスター関係の不調に気付き整備をしていた。

 

 「うわぁ!?

 

 やっぱり、スラスターがまた焼けてたか…」

 

 ウインチで下ろしたBC-OC型のバックパックユニットのスラスターがガラス状に溶け見事に焼けていた。

 

 無論、予備パーツは幾らかあるが、スラスター関係の予備が心許なく束さんに報告してからでは無いと製造して送っては貰えない。仕方なく、同型のスラスターが在るB型のスラスターを外して代用する。

 

 そして、白式の反応速度が、俺の反応速度に付いてこれない事もあり、関節パーツとスラスター関係のパーツの補充のついでに束さんには報告していた。

 

 反応速度が遅れる為に関節を酷使して、更にスラスターを酷使して度重なる整備難という悪循環の状況を解決すべく束さんが手立てを考えているらしく、後に『マグネットコーティングをすれば良いんじゃねぇか』っとまさか、アムロ・レイのG3ガンダムに用いられた技術が解決の糸口になるとはまだ知らない。

 

 『イチカ、ゴメン。

 

 2次移行したら解決できるから…』

 

 脳内に済まなそうに語り掛けて来るのは白星。

 

 彼女も自分が、俺の反応速度に付いて行けない事に戸惑いを見せている。何故なら、経験値は俺の宇宙世紀での記憶を読み取り十分だと言っていたが、戦い慣れしている俺の熟練度に対してもだが、俺から読み込んだ記憶に白星自身の回答が出せないらしい。

 

 「白星、気にするな。

 

 何とか、腕でカバーするさ」

 

 『ありがとう////』

 

 その後パーツを取り外したB型ユニットをコンテナに収納して会社へ送るように手配して、白式の整備を終わらせたのだ。

 

 そして、整備室の片隅のハンガーに鎮座するのは日本の代表候補生の更識簪の専用機で、ホワイトラビット社が倉持技研から引き継いで束さんが完成させた打鉄弍式だった

 

 だが、誰かの侵入を知らせる警報が鳴った直後に打鉄弍式が在るハンガーの前で言い争う二人の少女。

 

 一人は判る。

 

 入学初日に現れた痴女の更識楯無。

 

 「誰が、痴女よ!!」

 

 俺の思考を読んだのか痴女は突っ込む。

 

 「だから、痴女じゃ無いわよ!!」

 

 「俺は何も言っていないが?

 

 だが、あの部屋はホワイトラビット社の設計及びデザイン担当の俺の部屋でもある。

 

 つまり、手荒に痴女を確保した理由は会長なら判るな?」

 

 「うっぐぅ、織斑先生にこっ酷く言われたわよ…

 

 また、何度も痴女って!!」

 

 「織斑くん、私は更識簪。

 

 簪でかまわない。

 

 でも、お姉ちゃんが痴女って言われてるけど、どうして?」

 

 「お願いだから、簪ちゃんには言わないで!?」

 

 生徒会長が懇願するが、簪の耳にこっそりと報告。

 

 「あのな、入学初日に水着エプロンで俺達の部屋に侵入してた」

 

 「えっ、お姉ちゃんが!?

 

 へぇ、お姉ちゃんがね…」

 

 簪が姉を見る目が氷点下に下がって行くのが判る。

 

 「まさか、一夏くん話したの?」

 

 「えぇ、話しましたが、何か?

 

 人の部屋に勝手に無断侵入しておきながら、入学祝い用に作った夕食のディナーに出すスープと冷蔵庫に冷やして置いた前菜の真鯛のカルパッチョも食べ、それだけでは足らずにミューゼル先生からの入学祝いで貰って3人で冷やして飲もうとしたフランス産の高級シャンパンまでも飲みましたからね」

 

 「うわぁ…お姉ちゃん、流石に酷い…」

 

 「その事は織斑先生に叱られ、更に織斑先生から報告された虚ちゃんに実家のお母さんに報告されてから自宅に呼ばれた挙げ句に叱られたのよ!!」

 

 「お姉ちゃん、今更だけど織斑くんは同級生の二人と結婚してるから家族サービスに作ったディナーを食べるのは流石に不味いよ。だから、ハッキリ言って駄姉と呼ぼうかな?」

 

 「えっ、簪ちゃん!?」

 

 「駄姉、うるさい。

 

 私に『何もしなくて良い』って言っときながら、私の交友関係を調べたり、完成した私の専用機を受領しに来たと思ったら、侵入ブザーが鳴って振り向いたらお姉ちゃんがストーキングしてるし、いい加減にうるさい!!」

 

 キレた簪が痴女にハッキリと言う事態に、俺までもタジタジになる始末。そして、姉の楯無は、目尻に涙を溜めていた。

 

 「ぶぇぇぇぇぇん!?

 

 簪ちゃんに嫌われたァァァァァァ!!」

 

 ハッキリ言われ、泣きそうだった楯無は完全に泣いてしまい、泣き叫びながら整備室から走って出て行ったのだった。

 

 確かに、ホワイトラビット社関係の専用設備が入っている第三アリーナの整備室には防諜対策で関係者に配られるカードを持たない関係者以外が入ると警報が鳴るようにしてある。

 

 簪は事前にカードをマドカから渡されている。

  

 「一夏くん、お姉ちゃんが色々とごめんなさい」

 

 「いや、気にしてないが打鉄弍式は簪的にはどうだ?

 

 もし、駄目なら調整する様に手配するけど?」

 

 完成した打鉄弍式の感想を簪に聞く。

 

 「うん、文句無しの完成度だよ。

 

 マルチロックシステムはターゲットを個別に狙いも付けやすいし、48連ミサイルポッドが90連マイクロミサイルポッドに増えただけでなく、開発中の第四世代機の技術を用いた展開装甲でマイクミサイルを内蔵型になっているお陰で誘爆する心配も無くなってる。

 

 武装だって、春雷が荷電粒子砲の予定だったけど、代わりに小型で強力な折畳み式のレールガンに装備されてたり、実体の振動型の薙刀が片刃なのが不満だけどレーザーナギナタになってて満足かな」

 

 「ごめんな、本来はツインレーザーナギナタの予定だったけど、技量が低い人が扱うと自分を斬る事故が有ったから片刃だけにしたんだ。もし、良ければだけど、俺の専用機に装備されてるツインレーザーナギナタを使ってみてから考えてみないか?」

 

 確かに、ツインレーザーナギナタの元となったツインビームナギナタは、ア・バオア・クーの学徒兵が慣熟訓練で使用した際に自機のゲルググを斬り事故死している。

 

 その話を踏まえたホワイトラビット社のヒヤリ・ハットで、この案件は問題視されて技量の低い人には使わせない形にしたのだ。逆に訓練をして使用が出来るなら装備を許可している。

 

 無論、専用機を納品する国家代表選手や代表候補生にも当て嵌められた案件だった。

 

 そして、代表候補生の更識簪の専用機にはレーザーサーベルを当初予定していたが、本人の強い要望により片刃仕様のレーザーナギナタを装備したのだ。

 

 そして、簪が纏う打鉄弍式は俺の白式に装備されているツインレーザーナギナタを使う事にしたのだ。

 

 「くっ、難しい!?」

 

 バトンの様に振り回すナギナタ。

 

 しかし、簪の姿はぎこち無かった。

 

 「じゃあ、俺が見本を見せる」

 

 予備のツインレーザーナギナタを使い、振り回しながら的を遠心力を利用しながら切り裂いて行く。

 

 「うん、やっぱり一夏くんの言う通りに片刃にする。

 

 だけど、私的には悔しいからツインレーザーナギナタが使える様に訓練をしたいから訓練用のツインナギナタを送ってくれると助かる」

 

 「判った。

 

 社長に言って、送って貰うよ」

 

 簪の打鉄弍式は片刃のレーザーナギナタに決まり、日本代表候補生の簪に納品したのだった。無論、追加注文された訓練用のツインナギナタも無償でセットにしたのだ。

 

 

 そして、翌日。

 

 職員室に千冬姉のお弁当を届け終わり、3人で仲良く歩きクラスに入ると二組に転入生が来る事に騒いでいた。

 

 「一夏、あたし的に嫌な予感がするわね」

 

 「鈴、どうして?」

 

 「鈴らしくない」

 

 「ほら、一夏が中学の時にあたしの家だった中華料理店に…」

 

 その先の言葉が続かないのは、鈴の目先に映る一人のツインテールの少女を見て固まっていたからだった。

 

 俺にも見覚えが有った。

 

 「鈴、まさか?」

 

 「あぁ、やっぱり来たわね…」

 

 「イチカ、鈴どうしたのよ?」

 

 アンは、何故と首を傾げるが、俺と鈴の二人には迷惑この上ない史上極悪の悪戯ガールにしか見えないのだ。

 

 その少女の悪戯は、土砂降りで濡れた為に少女にお風呂に入るように言われて向かったら鈴が入浴中だったり、逆も然りだった。

 

 そして、鈴へのラッキースケベを誘発して何度殴られたか途中から数を数えるのさえ辞めた位に酷かった。

 

 「あっ、お姉ちゃん!!」

 

 「一夏、あたし帰っても構わないわよね?」

 

 「いや、無理だと思うぞ?」

 

 「「どうしてよ?」」

 

 アンと鈴は気付かない。

 

 何故なら、台湾から来た鈴の従姉妹の凰乱音は瞬時加速をした様に鈴に抱き着こうと廊下を走っていたのだ。

 

 「ゴッフッ!?」

 

 「「鈴!?」」

 

 やはり、猛スピードで来た乱音に鈴は抱き着かれ、肺から空気が抜けた様に鈴はダメージを受けたのだ。

 

 「わぁぁぁい、お姉ちゃんだ!!

 

 あの事件でお姉ちゃんの安否が判らなくて、心配したんだよ!!

 

 馬鹿!!

 

 阿呆!!

 

 珍竹林!!

 

 あっ、お胸ちっちゃ!!

 

 胸は私の勝ちだ!!」

 

 「胸は余計よ!!」

 

 何とも、ほのぼのする姉妹の様なじゃれ合う二人。

 

 「あっ、忘れてた。

 

 お姉ちゃん、初恋の人と結婚おめでとう!!」

 

 「うっなぁ!?

 

 あっ、あんた、それを今更言うわけ!?

 

 でも、ありがとう乱」

 

 「えっへへ」

 

 真っ赤に照れている鈴は優しく乱音を抱き締めて、再会を喜んだのだった。

 

 だが、知らない。

 

 この後に屋上にて、この少女が史上二番目に酷い悪戯を敢行する事を俺達三人は知らかった。

 

 1限目からは二組と合同の共同訓練だった。

 

 箒は反省房から出所して授業に参加している。

 

 「よし、先ずは武装の展開だ。

 

 セシリアから展開してみろ!!」

 

 「はい、ですわ」

 

 「うむ、アレから精進したようだな。

 

 だが…」

 

 セシリアがレーザーマシンガンを素早く展開するが、レーザーマシンガンの銃口は展開する紅式の鈴の頭へと向いていたのだ。

 

 「銃口を人に向けて展開するのは直す様に」

 

 「へっ?」

 

 「セシリア、そんなにあんたは死にたい訳?」

 

 「ヒッィ!?

 

 鈴様、もっ、申し訳ありませんでしたわ!?」

 

 鈴も自衛の為に左腕をセシリアに向ける。

 

 無論、左腕の内蔵型のグレネードランチャーが撃てる状態でだった。セシリアは鈴に直ぐに謝り事なきを得たのだった。

 

 それから、武装を展開したり空中に上がってから地上10センチに急停止したりと充実した授業だったが、箒が山田先生のインカムを奪って俺に怒鳴っていたが、千冬姉に拳骨を食らっていたのだった。

 

 そして、昼食になり屋上にて食べる事になった。

 

 俺は鈴とアンに弁当を渡す。

 

 「やっぱり、お昼もイチカの料理よね♪」

 

 「アン、あんたはあたしに喧嘩でも売ってるの?」

 

 「だって、鈴だって美味しい筑前煮が作れるのにお弁当に入れてくんないじゃん」

 

 「あれは、夕飯よ。 

 

 アンも少しは料理を覚えなさいよ」

 

 「いや、アンには無理だな。

 

 劣化版の千冬姉だ」

 

 「「えっ?」」

 

 乱音とセシリアが家事が出来ないアンと千冬姉に驚く。無理も無いが、アンは元はお嬢様だ。

 

 お嬢様だった時は爺とメイドが全てをしていた為に覚える機会が全く無かった。

 

 「お姉ちゃん、一夏にあーんしても良い?」

 

 「あんたはあたしと一夏の妹なんだから別に構わないわよ」

 

 鈴が乱音に許すと

 

 「セシリアさん、ソレを貰うね」

 

 セシリアが隠していたバスケットからサンドイッチを出すと俺にあーんしていた。

 

 「はい、お兄ちゃんあーん」

 

 「うん………ムッグゥ!?」

 

 サンドイッチを食べた俺は気絶したのだ。

 

 「あんた、一夏に何を食わしたのよ!?」

 

 「えっ?

 

 コレだよ?

 

 はい、お姉ちゃんにもあーん」

 

 「全く、仕方ないわね

 

  うっ、ムッガァ!?」

 

 乱音の必殺のお姉ちゃんプラスに上目遣いにより心がノックダウンして、サンドイッチを食わされた鈴も顔を真っ青になり終いには黄土色へ顔が変色して気絶したのだった。

 

 そして、アンも可愛い義理の妹が出来た嬉しさから、乱音のあーん攻撃によりサンドイッチを食わされて、俺達と同じ運命を辿ったのだった。

 

 「何故、私の料理で気絶しますの?」

 

 「食べてみたらわかるかもね」

 

 「そうですわね。

 

 むっ!?

 

 ウッガァ!?」

 

 「よし、悪戯成功!!」

 

 最後に残った、セシリアには自分が作ったサンドイッチを味見する様に言葉巧みに食べる様に仕掛け、セシリアもサンドイッチを味見して気絶した三人の仲間入りを果たしたのだった。

 

 無論、セシリアには、今後一切料理を作らない様に社長命令が下り、セシリアが料理禁止と成ったのは言うまでもない。

 

 そして、最後の悪戯に乱音は、気絶した四人の額に『肉』と書いて逃げたのだが、マドカにバレて捕まりシメられたのは別の話。

 

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