みんなと出掛けた日曜日の翌日、束社長からのメールによりフランスからの転入生が来るのは知っていた。
その転入生は、ホワイトラビット社フランス支社のテストパイロット、シャルロット・デュノアだった。
彼女は元デュノア社の社長の娘だった。
当時の束社長が、俺が女性利権団体によって殺されたと想い復讐に駆られた事により、過去に日本で女性利権団体への報復として引き起こし、世界の女性利権団体を震撼させた『女性利権団体日本支部襲撃事件』と日本国内での『女性利権団体会員の暗殺事件』などで、日本の女性利権団体の会員をフランスへと保護すべく来日したが、宿泊先のホテルで束さんにより夫人は捕まり、フランス支部の女性利権団体の支部長だと判っていた為に殺されたのだ。
そして、束社長の復讐の矛先はフランスの女性利権団体にも向き、夫人本人の死亡と夫人によるフランス政府との癒着は束社長により報復次いでに暴かれ、デュノア社が警察による一斉摘発された後にデュノア社で夫人がしていた多額の横領が明るみとなり、企業としての信用失墜と大量の逮捕者が出た事により経営が悪化する。
しかし、束社長はデュノア社の状況を敢えて狙い、技術提供と経営のクリーン化を理由にデュノア社に協力を理由に近づき、倉持技研の時と同じ方法でホワイトラビット社が大量のデュノア社の株を買った後に買収される。
後に、デュノア社を吸収合併してフランス支社としたのだ。
無論、デュノア社社内に居た女性利権団体会員の女性社員は調べ上げた上で様々な理由で全員解雇している。
その際に、フランスの代表候補生だったシャルロットはデュノア社の不祥事により候補生を辞め、パリの女子高に通っていた所をフランス支社へ視察に来ていた束社長が女子高に現れ、シャルロットの操縦技術を高く買われてホワイトラビット社のテストパイロットとして誘われ、フランス支社のテストパイロットとして入社したのだ。
そして、入社後に本社から彼女に与えられた専用機は白式と蒼式の稼働データを元に少数が量産された先行量産型の『流星』を専用機にしていた。
ただ、テストパイロットである為、専用機カラーは認められて無い為に胸と腰回りのアーマーは蓬色に染められ、肩と腕や脚はグレーで染められた量産型ゲルググと同じカラーリングをしていた。
ただ、セシリアのブルーイェーガーは元からブルーである為、特例でセシリアのパーソナルカラーのブルーがそのまま専用機カラーに認められている。
アンから見るれば、ライトブルーとコバルトブルーの2色を専用機カラーにしているので、同色系統で整備の際にややこしいらしい。(一度だけ、ブルーイェーガー用のインディーブルーでの整備でお色直しをしていた蒼式を染めてしまった事故が在ったらしい)
流星の換装システムのパッケージにはA型とB型にC型の三種だけだが、大量のバススロットがある為に武装は彼女の好みに合わせて装備を選ばした為に関与していない。
そして、本社からのテストパイロットとして学園へと編入するのが単機強襲襲撃型の翡翠を専用機にするシャーロットだった。
無論、今は朝の訓練で企業名義で貸し切り中の第三アリーナでは、シャーロットが専用機の翡翠の慣熟訓練をしているが翡翠専用装備のショットガンは厄介極まりなく面制圧で撃つ為、俺でも肩のアーマーに被弾している状態だった。
「やっぱり、OO(ダブルオー)パックのショットガンは厄介だな!?」
「でも、装填数が5発しか無いのが不便ね」
「2丁同時に時差射撃するシャーロットには、言われたくねぇ!!」
「イチカだって、普通なら当たれば関節とかが壊れるのにギリギリで躱して、肩のアーマーだけの被害だけってニュータイプなの!?」
「そう言われてもな、見えるから仕方がないな」
弾切れになったショットガンを投げ捨てると、バックパックにマウントしてある二つのジャイアントバズーカを両手に持ちながらジャイアントバズーカを放ちイチカの白式を狙うが、イチカの熟練した回避運動とニュータイプ能力による先読みでジグザグに空中で動かれる為に躱されていたのだった。
「やっぱり⁉
隊長はニュータイプで、しかも腕が鈍っていない!?」
「ニュータイプだか分からないが、今度は俺からだ!!」
「なっ!?
きっ、消えた!?」
「俺はここだ!!」
「きゃあ!?
あぁ、負けちゃった」
瞬時加速とリボルバーを織り交ぜたジグザグの加速でジャイアントバズーカの狙いが付けられず、バズーカを投棄してレーザーサーベルを抜き、斬艦刀を構えながら来るイチカを迎え撃とうとするが、イチカの瞬時旋回加速で目の前から姿を消され、死角からの斬艦刀で斬られてシールドエネルギーを失ったのだった。
朝の訓練を終えて、シャワー室では嫁三人の突入があって妻達の身体を洗わされたり、朝食を食べに行けば食堂をピンク色空間に染め上げ、他の生徒が甘い空間に耐え切れずにホットしか無かったブラックコーヒーを一気飲みをして、口内を火傷する惨事の中で朝食を済ませたのだった。
クラスに四人で仲良く向かうが、途中でシャーロットは編入生である為に職員室へ向かい、俺達は別れて教室へと向かったのだ。
山田先生と千冬姉が教室に入り、SHRが始まった。
「皆さん、このクラスに三人の転入生が入りますね」
「では、入って来い」
教室に入って来たのは、フランス支社のテストパイロットのシャルロットと本社のテストパイロットで妻のシャーロット。
そして、銀髪で眼帯をする少女は軍人だと一目で判る。
「始めまして、僕はホワイトラビット社フランス支社のテストパイロットをしてます、シャルロット・デュノアです」
とシャルロットが自己紹介して、シャーロットが自己紹介をしていた。
「始めましてかな?
私は織斑シャーロット。
元軍人ですが、ホワイトラビット社本社のテストパイロットを努めています。一応、イチカの妻の一人ですので、イチカに手を出したら痛い目に遭わせますのでよろしくね」
シャーロットの暴露に生徒達が絶叫する。
『さっ、三人目の織斑君の奥さん!?』
「スタイルで、負けたァァァァァ!?」
「何、あの大玉スイカみたいな胸…」
「あっ、奥さんであるアンさんの方が胸、小さ…ひっぃ!?」
アンは口走った山谷さんに半ギレしていたようで、瞬時に近づきへカートⅡの銃身を腿に置き、銃口を山谷さんの頭にゴットリと当てて向けていた。
「誰が、誰の胸が小さいですって?
今なら、特別に対物ライフルで12.7ミリの鉛弾をプレゼントするわよ?」
「すっ、すみませんでした!!」
山谷さんがアンにジャンピング土下座をして謝るのだった。無論、シャーロットは自慢の胸を腕で抱きながら揺らし、アンをこれでもかと挑発していたのだ。
シャーロットからの挑発に青筋を何本も浮かべ、ブチ切れる寸前に千冬姉が止めに入り修羅場は回避されたのだ。
「アン、私もシャーロットに胸のサイズで負けて悔しいのが判るが、そこまでにしろ。全く、シャーロットも胸をアンに向けて揺らして挑発するな。
では、ラウラ挨拶しろ」
「はっ、教官!!」
「織斑先生だ」
「ラウラ・ボーデヴィッヒだ」
続きを聞こうと興味深々のクラスメイト。
「あの〜、以上でしょうか?」
山田先生が心配しそうに質問して、ラウラが答えた。
「以上だ」
ズッゴォォと、クラスメイトが一斉にコケるがドリフのコントの様に息が合っていた。
そして、ラウラは俺を見付けたのか、睨みながらズカズカと歩み寄る。
「き、貴様が織斑一夏か!!」
「あぁ、そうだが?」
「私は、貴様が教官の弟だとは認めない!!」
確かに、ラウラはこの一言で千冬姉の狂信者だと判る。
「勝手に言っていろ。
俺は俺で、織斑先生は織斑先生の想いも理想もある。
その前に、お前から『認めない』と言われるのはお門違いも甚だしいし、自分を持たないお前に言われる筋合いは全く無い」
「なっ、何だと貴様!!」
ラウラは顔を真っ赤にして激怒する。
「そして、軍人としては沸点が低過ぎるのは問題だ!!
直ぐに死ぬぞ?
一から教練部隊で精神強化も含めてやり直せ!!」
「なっ、何を!!
ガッ!?」
激怒し、キレたラウラは手を平手に振りかぶり、俺を平手打ちしようと振り下ろすが、逆に俺はラウラの腕を掴み上げて自分に引っ張ると、ジオンの軍隊式格闘で肘打ちを条件反射で鳩尾に打ち込んでいたのだった。
ラウラは鳩尾に肘打ちを受けた影響で、床に崩れ落ちる様に倒れて気絶してしまい、一連の騒動にクラスメイトも俺が初めて女性に手を出した事に騒然とするが、俺が軍人だった事実を本音を含めて数名の生徒が気付く事態となった。
「何で、私のクラスは問題児が多いのだ…」
俺とラウラの一悶着に頭を抱えてしまう千冬姉と、教練部隊での出来事にデジャヴを感じたシャーロットが千冬姉を慰めるように言う、何とも珍しい二人のやり取りが起きるのだった。
「織斑先生、ご愁傷様です」
「シャーロットは軍人で教導部隊の教官だったな…」
「はい、私も問題児達(マシュマーやイリア、キャラなど)ばかりでしたので、今の事態には経験が有りましたので織斑先生の気持ちがわかります。ですが、一目で見て解りましたが、問題が起きる前に二人で話し合う事を提案します」
「やっぱり、ラウラにも技術面だけでなく、精神面も教えるべきだったか…だが、お前達三人が一夏の嫁で、ある意味では助かる…」
山田先生がラウラを医務室へ運ぶ最中、千冬姉とシャーロットは教官同士だった共通点に親近感を抱き、山田先生が戻るまで意見交換をしていたのだった。
1時限目と2時限目は2組との共同の技術の授業だった。だが、ラウラは気絶したまま医務室で寝ている為に参加していない。
ジャージ姿の千冬姉から、鈴とセシリアが呼ばれる。
「二人には模擬戦の相手をしてもらう」
「あの、織斑先生、お相手は鈴さんですの?」
「セシリアが相手なら、またフルボッコにしてやるわ」
「ヒッィ!?」
毎回、第三アリーナでは鈴とセシリアで模擬戦をするのだが、紅式のコアとの同調率が高すぎる為に鈴に秒殺され、ある意味のトラウマをセシリアに与えてしまっていた。
「鈴、セシリアを怯えさせるな。
二人の相手はお前らではなく、山田先生が行う」
キィィィィィン
空気を裂く音に上を見上げれば制御不能になったラファールを纏う山田先生が、俺がいる場所に落ちて来たのだった。
「イチカ、あたしが殺るわ!!」
「アン、字が違う!?」
アンは部分展開したロングレンジレーザーライフルを構えるとラファールに向かって狙撃したのだ。
「きゃあ!?」
『マジで、山田先生を撃ちやがった!?』
生徒からのツッコミをさて置き、レーザーはラファールを纏う山田先生にヘッドショットを食らわして撃墜し、軌道がズレた事でアリーナの隅っこへと墜落して強制解除された山田先生は目を回しながら気絶していたのだった。
「アン、見事な射撃だった。
「えっへへ」だが、一夏とお前達全員と模擬戦するか、一夏と一対一で模擬戦をするか嫌な方を選べ」
「うっなぁ!?」
「どうだ、嬉しいだろ?」
「全然、嬉しくない!?」
結局、アンは俺との一対一の模擬戦を選び、二人での模擬戦となる。
シャーロットは隊長だった俺と副隊長だったアンのガチの模擬戦に、まだまだ二人には遠いなと悟り、シャルロットは技量の違いを見せ付けられて、説明をする事すら忘れて千冬姉から出席簿アタックを食らっていたのだった。
結局、二人の模擬戦はアンが意地を俺に見せ付けて、六割のシールドエネルギーを削るが、力及ばずに斬艦刀で一閃されて負けたのだった。
「二人共、やり過ぎだ!!」
「「キャウン!?」」
無論、白熱し過ぎてガチの模擬戦に発展した為に白式は中破し、蒼式も同じく中破になっては千冬姉は呆れ、怒られた俺とアンだった。
放課後は、第三アリーナの整備室で壊れた部品を予備パーツで交換して修理したが、白式用の関節のパーツが足りなくて蒼式用の関節パーツを代用して直したのだった。
だが、放課後で対峙した例の機体と戦い、蒼式用の関節では耐え切れなくて白式が大破する要因になるとは知らなかった。
修理を終えた二人は、第三アリーナのグラウンドに出て、動作確認をしたりして異常が無いかを確認していた。
「白式は大丈夫みたいだな。
アンはどうだ?」
「大丈夫ね。
でも、休みの時に本社に整備に出した方が良いかも」
「そっか。
やっぱり、関節の磨耗が早いな…」
無論、貸し切り中の第三アリーナにはホワイトラビット社のテストパイロットや企業代表などが訓練に勤しんでいた。
鈴はやはり、EXAMを使い熟すためにフィジカルトレーニングを重点的にしていてアリーナの客席周りの廊下を周回しながら走り込み、シャーロットはスコールさんからラピッドスイッチを教わりながらIS関連の技術を学んでいた。
無論、テストパイロットのセシリアは近接戦闘を、シャルロットは流星の慣熟訓練をしていた。簪もだが、二人の訓練に混ざりながら訓練している。
そんな時に黒いISを纏う乱入者が現れたのだ。
ズッドォォォン
腹に響く、両肩のレールガンからの砲撃。
「きゃあ!?」
最初に狙われたのは、セシリアが纏うブルーイェーガーだった。シャルロットと苦手な近接戦闘訓練中で無防備に近い形で不意打ちを食らい直撃していたのだ。無論、セシリアは衝撃により気絶して強制解除されるが、シャルロットが抱えた為に無事だった。
「あれ、ドイツでトライアル中の第三世代機のシュヴァルツェア・レーゲン!?」
シャルロットが気付き叫ぶ。
「ふん、ホワイトラビット社の機体など大した事は無いな」
「あんた、ホワイトラビット社の関係者以外立入禁止なの判っててやったの!!」
そして、乱入者に叫び、キレたのはアンだった。
「アン、それは!?」
アンは、蒼式の拡張領域から出したのは、追加武装として見送られた高出力のレーザーバズーカだった。
「アン副隊長!?」
「それ、貰うわよ!!」
無論、武装はそれだけで無く、翡翠が瞬時武装装備訓練中に出したウェポンズフリー状態のチェーンマインを二重瞬時加速して翡翠から奪い取り、リボルバーで更に加速する。
「丁度いい、私と戦え織斑一夏!!
朝の仕返しだ!!」
「お前は、ラウラ・ボーデヴィッヒか!?」
だが、乱入者はプラズマ手刀を展開して、瞬時加速で俺が纏う白式へと突っ込む。その、乱入者がラウラ・ボーデヴィッヒだと判った瞬間だった。
「少しはやる様だな!!」
「本当に沸点が低いな!!」
斬艦刀をコールして展開し手刀を受け止める。
「貴様!!
なら、これはどうだ!!」
「ちぃ、AICか!?」
白式が急に動けなくなったのは、ドイツで開発中だったAICだと気付く。だが、第三アリーナにはホワイトラビット社関係者が多数いる事を失念していたラウラは、シュヴァルツェア・レーゲンに急に絡み付いた物に気付くのが遅れたのだ。
「あたしを忘れんじゃ無いわよ!!」
「なっ!?」
そう、アンだった。
アンはシャーロットからチェーンマインを奪うと、俺からのプライベートチャンネルから指示を聞き、囮となった俺がAICに拘束された瞬間を待っていたのだ。
「食らいなさい!!
チェーンマインよ!!」
「不味い!?」
「無駄よ!!」
「グッワァァァァァァ!?」
シュヴァルツェア・レーゲンに絡み付いたチェーンマインの握り手に付いている起爆トリガーを引き、チェーンに付いている対IS用爆弾が一気に爆発する。
無論、対IS用の爆弾の為に効果は抜群で、絶叫を上げるラウラ。
「コレは、お釣りよ!!」
「なっ!?」
アンが情け容赦無く、レーゲンにレーザーバズーカをぶっ放し、レーゲンをズタボロにしたのだ。
だが、ラウラはふらりとズタボロのレーゲンを立ち上がせて叫ぶ。
「まだ、私は負けてない!!
レーゲン、私に力を寄こせ!!」
そんな時に白星と誰かの声が俺の頭に響く、白星が悲鳴を上げたのだ。
『この記憶を貰って行くわよ!!
独りぼっちのご主人の為に!!』
『いっ、嫌ァァァァ!?
レーゲンコアにアクセスされて、イチカの悪夢の記憶がァァァァ!?』
「グッワァァァァァァ!?」
白星の悲鳴と同じくして、ラウラは絶叫を上げながらレーゲンは液状になり姿を変えたのだ。
「まさか、アイツかよ!!」
そう、目の前に現れたのは、俺達の部隊を壊滅させた連邦の白い悪魔が現れたのだった。