一夏がシャアに拾われた件について   作:ロドニー

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帰還への序章 臨海学校への旅立ち

 

 

 先の『女性権利団体モノレール襲撃事件』では、ISを使った国内の事件の中では三番目になる死者一名重軽傷者100名を超える最悪な事件として世界に報道された。

 

 その被害者の多数は、学園の臨海学校への買い出しに向かった1学年の生徒と遊びに行く途中の上級生達ばかりだった。無論、妻のシャーロットや額を切った鈴も被害者として含まれていた。

 

 そして、日本政府は壊滅している女性権利団体に対して団体の解体命令並びに内閣の強行採決により、女尊男卑を禁止とする『男女権利平等法』が採択されて可決した。だが、生き残った女性権利団体が猛反発したが、束さんによる女性権利団体狩りを再度行う事をホワイトラビット社が発表して女性権利団体の女性会員達を恐怖のドン底に突き落としたのだった。

 

 無論、今回の犯人達にISを引き渡した女性権利団体の女性会員が所属していたIS委員会にもメスが入り、引き渡した女性会員達はアメリカへと逃亡して逮捕までには至らなかったが、女性権利団体の権力が最も強いアメリカと女性権利団体による度の過ぎた女尊男卑の撲滅をしようとするホワイトラビット社との対立は酷く激化し、大規模な争いとなるのは明白だと世界中に緊張が走る状態となる。

 

 

 そんな事件が起きたと言うのに学園の臨海学校は中止には成らずに、更識の護衛部隊と民間警備会社に偽装したホワイトラビット社の私兵部隊が護衛する事で行く事になった。

 

 特に軽傷だった、鈴とシャロは本社へ搬送されて俺が使ったナノマシン再生医療による治療で、鈴のパックリと切った額の傷口は綺麗に治り、シャロは検査の結果は軽い脳震盪だと判り安堵する。

 

 大破したアンの専用機だが、蒼式は本社へと運ばれて修理を受ける事になるだろうと思っていた。

 

 元が白式の量産機である為に修理は容易で流星のパーツと予備パーツの交換で直すかと思ったのだが、蒼式はデータ回収の役目を終えた様にコアだけを回収して第七格納庫で生産中の新型機に蒼式のコアを組み込んでいたのだ。

 

 無論、新型機にコアを移植し、アンのパーソナルデータを打ち込みながら束さんの前に運ばれたナノマシン治療用カプセルの中身には、多数の被弾から内臓損傷や骨折をしたアンが全裸で入れられて治療中で、頭だけをカプセルから出されて未だにお説教中だった。

 

 「ねぇ、聞いてるかな?」

 

 「束さん、誠にすいませんでした」

 

 「別に謝罪は要らないんだよ!!

 

 アンちゃん、いっくんがもしも来なかったら何してたか、束さんに判るように説明してくれるかな?」

 

 「内臓もやられて、利き腕も骨折してたので一機だけでも道連れに…」

 

 「特攻でもしようとしてた?

 

 アホなの?

 

 馬鹿なの?

 

 ねえ、いっくんに言った『あたしは死なないから』って嘘なの?

 

 何か言え!!」

 

 「束さん、アンに言い過ぎだ!!」

 

 「いっくんは黙ってて!!」

 

 束さんの凄まじい剣幕に言い返す事が出来ない俺と敵機を道連れに特攻をしようとしてたアンは、束さんに徹底的にお説教を受けたのだ。勿論、束さんのお説教の後も鈴とシャロによるお説教と続き、お説教が全て終わる頃には日が暮れていたのだった。

 

 帰りには、会社によって用意された学園へと向かうバスには、モノレール襲撃事件で重軽傷を負った生徒達や一般客には特別処置として、全員がナノマシン治療による治療を受けて学園に帰る為に生徒達も同伴して乗っていた。

 

 

 

 そして、臨海学校当日。

 

 複数のバスに揺られて、臨海学校で泊まる旅館へと向かった。車内では、アンは気落ちしたまま俯いているのは束さんや鈴とシャロに叱られた事を引きずっていた。

 

 「アン、気にすんな」

 

 「そうですよ。私が怒ったのは、イチカを置いていこうとした事だけであって、単機で戦った事じゃないわ」

 

 「うん。でも、あたしはイチカを置いていこうとしたし、鈴に連絡を頼んで置きながら救援が来るのさえも待たずにいて、遅延戦闘をすれば良かったと頭の隅から抜けてたし、あんな風に命の大切さを判らない連中に頭に血が上っていたから…」

 

 「まぁ、それよりもさ、アンが無事で良かったさ」

 

 「イチカ…」

 

 アンは俺の肩に頭を乗せて甘える。見ているシャロも甘えたそうに見ているが、アンに譲り後で鈴と一緒に甘えようと考えていたらしい。

 

 『あの座席、甘過ぎる…』

 

 そんな空間をクラスメイト達は甘ったるく感じるが、先日の襲撃事件で助けて貰ったのもあり、箱で持参した缶のブラックコーヒーを飲むだけで一同は我慢していた。

 

 

 旅館に着くと、ホワイトラビット社の関係者だけは別室へと通された。

 

 「よし、集まったな。

 

 今日からお世話になるから、迷惑を掛けないようにしろ。それと、ホワイトラビット社の関係者は別室となるから、仲居に付いていくように」

 

 「なんで、俺達が?」

 

 「あたしも知らないわよ。

 

 シャロは何か聞いてる?」

 

 「鈴さん、私は何も聞いてないわ」

 

 「もしかして、あたしかな?」

 

 「アンは気にし過ぎだ。

 

 セシリアやシャルに簪とラウラまでだからな…」

 

 廊下を歩き、案内されたのは別棟の広間だった。そして、広間にはホワイトラビット社私兵部隊の各部隊の隊長と副隊長が揃っており、中にはブラックラビット隊の隊長のクラリッサさんの姿まで在った。

 

 そして、上座に掲げられた横断幕には『織斑君、学園防衛中隊の隊長就任おめでとう!!』と掲げられクラッカーが一斉に鳴ったのだ。

 

 『一夏君、隊長就任おめでとう!!』

 

 「「「「「「???」」」」」」

 

 一斉に首を傾げる一同とニヤニヤ顔の各隊長を務める女性隊長や副隊長達。無論、隊長達とは顔馴染みばかりで、多数の女性パイロットにジオン軍式の魔のフィジカルトレーニングをやらせて振り落としをしたのは記憶に新しいし、全員揃ってクリア出来たのはブラックラビット隊だけと散々な結果でも在った。

 

 そして、広間に入って来たのは束さんだった。

 

 「いっくん、学園の専属防衛中隊。名付けて、オリムラ中隊。オリムラ中隊の復活と隊長就任おめでとうなのだ!!」

 

 差し金は束さんだったらしい。それと、あの中隊の復活にはアンもシャロも内心は複雑でも喜んでいた。

 

 束さんが学園長とあの取り引きをした内容は、訓練または新兵器の試験の為にアリーナをイベント以外では貸し切りにする代わりに、学園からの要望は学園防衛と護衛の専属の部隊の派遣だった。現在の社会的には、アメリカとの対立関係にあり刺激しない為にも会社の私兵部隊を出す訳には行かず、学園に居る俺を隊長とした部隊を作れば対外的に問題が無く、配備が出来ると踏んでの事だった。

 

 無論だが、学園の教師部隊とは指揮系統は別で、指揮権は学園長と俺にあるらしい。

 

 「その前に各隊長に集まって貰ったのはね、配備するオリムラ中隊の隊員を各部隊から同級生位の年齢のパイロットを引き抜く為の会議だったんだよ。

 

 いっくんを部隊長として中心に副隊長にはアンちゃんがなって貰って、シャロちゃんに鈴ちゃんには小隊長を勤めて貰うからね。

 

 各隊から引き抜きで、最も近い年齢が多かったブラックラビット隊からは副隊長のラウラちゃんと同い年のサラ、マリア、ケイトの三人を転属していっくんの部隊に配属。

 

 特にサラとマリアにケイトは臨海学校後には、学園へと編入は決定としてるけど、パンサー隊からもジュンコとヒカリを予定していたけど、少数精鋭の部隊だから断念だね。

 

 だから、代わりにテストパイロットからは、シャルちゃんやセシリアに簪ちゃんにマドカちゃんの総勢11名の一個中隊だよ。

 

 後は、今は名前は明かせないけど、学園の生徒で訓練中のテストパイロットの三人が夏休み明けにテストパイロットから転属するからね」

 

 「俺が隊長なのは判りますが、機体はどうするんです?俺の機体のスピードだとついて行くのに無理があるが?」

 

 「それは、心配無用なのだよ。

 

 既に、オリムラ中隊用にいっくんのブルーローズのサイコミュの非搭載型で、ジェネレーターを強化したタイプを生産してあるから、明日には皆に配備予定なのだ。

 

 それから、学園組の君達には待機状態の専用機を渡して貰ってコアを移植してから、明日には引き渡す予定だよ」

 

 手渡されたブラックローズの仕様書を読んだが、既にブルーローズの簡易量産型でブルーローズの余剰パーツと新規パーツから組み上げられた4.5世代型のブラックローズが完成していたらしい。

 

 サイコミュを搭載しない代わりに強化型のジェネレーターを搭載しており、ブルーローズでは出力不足で搭載を断念した大型で高出力のビームライフルが搭載可能だった。

 

 ブラックローズの装備はブルーローズのファンネルを除いて基本装備が同じで、専用のビームソード付きビームライフルや腰のアーマーには予備のビームサーベル。専用のシールドにはミサイルランチャーとビームライフル用のエネルギーパックのカーリッジを通常装備とし、オプションには大型ビームライフルや狙撃用のビーム兵装型のロングレンジスナイパーライフルや実弾系のマイクロミサイルやジャイアントバズーカまでもが用意されていたのだった。

 

 むしろ、俺のブルーローズよりも武装が豊かで羨ましい。

 

 無論、カラーリングは俺のブルーローズに被らない様に副隊長機はパーソナルカラーで塗られ、他は赤紫と白の色合いで統一された機体だった。

 

 「凄い性能ね…展開装甲が普通にある…」

 

 「だから、高速機動訓練が僕達に追加されたんだ…」

 

 「えっ?私は高速機動訓練はありませんでしたわよ?」

 

 「だって、セシリアの元ブルーティアーズは高速機動戦闘にも対応出来るって、セシリアは言っていたよね?」

 

 「忘れておりました、

 

 確かに、100時間ほどイギリスで訓練しましたわね…」

 

 「あたしらは、元がね…」

 

 「アン、確かに…」

 

 「あぁ、嫌な思い出だな…」

 

 ジオンの士官学校での訓練を思い出し、遠い目になる三人。

 

 確かに、あの高機動対G訓練は何度も吐いた記憶があり、同期で同室だったアンも俺と同じ運命を辿った事だけは記しておく。だが、訓練を乗り越えた事でベテランパイロットでも欲しがるMS-06R-1高機動型ザクを卒業後に最優先で受領出来た理由だった。

 

 「三人共どうしたのよ?」

 

 「いや、ジオンの士官学校の嫌な思い出だ…」

 

 「訓練兵時代に何回もトイレで…」

 

 シャロも、同じ訓練を受けていたらしくソロモンで転属して来た時に聞いた話では、地上でグフに乗る前は大気圏に突入する物資を積んだ連邦のシャトルを狙う為に先行量産機のNMS-10のヅダを受領して、地上に転属になる一ヶ月ほどシャトルを落していたらしい。

 

 「シャロ、その先は言わなくて良いわ。あたしも高速機動訓練を受けた理由が何となく理解できたわ」

 

 隊長達と学園の防衛体制について簡単な協議をした後は解散となり、別館に割り当てられた部屋へと移動すると同室なのは妻達三人だった。

 

 無論、妻達三人は俺が居るにも関係なく裸となり旅行用のバッグから出すのは、レゾナンスのマークが入るビニール袋には会社から無償で貰った水着を出して着替え中だった。

 

 何故、無償かと言えば事件に巻き込まれて水着が買えなかった生徒には、レゾナンスの水着のカタログを渡して水着を選んで貰い、会社払いで無償提供した水着だった。

 

 もちろん、妻達の水着はカタログから選ばされたのは言うまでもない。

 

 「イチカ、どうかな?」

 

 いち早く着替えを終えたアンの水着はライトブルーのワンピース型の水着だった。

 

 「可愛いぞ」

 

 「ふふふ、ありがとう♪」

 

 「一夏、あたしは?」

 

 「動きやすさを重視してるし、凄く似合ってる」

 

 鈴もスポーティで動きやすさを重視した赤いスポーツブラに似た上と黒い下の水着だ。

 

 「当然!!」

 

 「最後は私ね」

 

 「「はい、アウト!!」」

 

 「えっ、何でよ!?」

 

 「シャロ、マジでやりがった!?

 

 俺的には眼福だけどな、ブラジル水着はアウトだ!!」

 

 そう、シャロが着替えた水着は胸の先とお股の秘所を三角の布で隠しただけの紐水着だった。それに、胸の上下運動でズレて胸の先が見えているのでアウトだった。

 

 「あんた、イチカに選んで貰った水着はどうしたのよ!!」

 

 「じょ、冗談よ…」

 

 「ガッルルル…」

 

 「鈴、唸らない」

 

 「キュゥゥン…」

 

 「危うく、鈴が猛犬スズになる所ね…」

 

 「誰が、猛犬じゃあ!!」

 

 「そうやって、尻尾を振る時点でよ」

 

 「アン、せめて猫にしなさいよ!?」

 

 アンと鈴の漫才はさて置き、水着を着替え直したシャロの水着は薄緑色のビキニに白いセパレートをした水着だった。勿論、軍の訓練で引き締まった身体は、同じく引き締まった身体のアンにも負けていない。

 

 「どうかな?」

 

 「あぁ、見惚れてた…」

 

 「「ぬっぐぐぐ…」」

 

 「ほら、行くぞ」

 

 「「きゃあ」」

 

 「むっ、アンも鈴も狡い!!

 

 なら、私はこうだ」

 

 「ぬっわぁ!?」 

 

 悔しがる二人の腰を抱き寄せて宥めるが、シャロは背中に抱き着き三人仲良く浜辺と向かったのだ。

 

 

 

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