一夏がシャアに拾われた件について   作:ロドニー

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鈴の大岡裁きと大天災の大暴走

 

 

 宇宙世紀0084年7月、先に起きた宇宙世紀0084年4月に起きたティターンズの主導の元に連邦軍を主力としたジオン残党狩りを目的とした奇襲によるアクシズへの襲撃をかけた『アクシズの攻防戦』でティターンズと連邦軍を撃退し、ハマーンが率いるアクシズの地球圏への帰還を早める結果へと終わり、襲撃に対する報復に起きた『ルナツーの攻防戦』とも言われた、アクシズの三艦隊を主力とした艦隊と連邦軍のルナツー守備艦隊を主力にしたティターンズとの戦いは、ルナツーへの奇襲に成功したアクシズが、連邦軍とティターンズの艦隊とモビルスーツ隊を駆逐してルナツーを制圧され、連邦軍とティターンズの敗北に終わる。

 

 そして同日同時刻、摂政のハマーンがアクシズ艦隊の本隊を率いて、三艦隊によるルナツー侵攻と同時にソロモンへと奇襲して侵攻。

 

 ソロモンはハマーンが率いるアクシズ艦隊により陥落してソロモンはアクシズの手に墜ちる。

 

 そして、ソロモンを基点としたルナツーへの補給航路や、ソロモンからアクシズへの輸送航路が復活する事になり、アナハイム本社があるグラナダへの輸送航路までも完成し、ティターンズと連邦軍はアナハイムのモビルスーツ製造技術がアクシズへと流出し、製造技術が向上する悪夢を味わう事になる。

 

 そして、逆にアナハイムもアクシズの独特のモビルスーツ技術やサイコミュ技術が入り、モビルスーツ技術が恐竜的進化をする意味に技術陣は大いに喜んでいた。

 

 そして、篠ノ之束博士とヒカルノ博士の偶然の産物とも言えた『サイコフレーム技術』も帰還したイチカ達により、今伝えられようとしていたのだ。

 

 

 

 今、制圧されたルナツーはデラーズ艦隊とシーマ艦隊が入り守備隊となり地球侵攻への足掛かりとし、シーマ艦隊の旗艦アカツキはミネバ・ザビの命令によりソロモンへと向かっていた。

 

 無論、月面都市のアンマンにて、戦力の拡充作業中の反連邦組織のエゥーゴのパイロットなどを指導するシャア・アズナブル中将も、ソロモンに一時帰還する様にミネバ・ザビから命令を受けてソロモンへと帰還していた。

 

 ソロモンに召還された理由は、イチカとアン、それにシャーロットの3名の異世界からの帰還の報告をシーマ准将から受けた、幼くも総統のミネバ・ザビの勅命により、3名が謁見する事になったからに他ならない。

 

 だが、現在のアカツキ艦内はシーマ閣下を一睨みの凄みだけで黙らせ、新たに産まれた若き女帝により艦内は娘の1件が要因により氷点下まで冷え切り、艦内のクルーや待機中のパイロットまでもが怯えながら仕事をしていたりと何時もとは空気が違っていたのだ。

 

 「さて、正妻で妻である、あたしに何か申し開きはある一夏?」

 

 「いえ、何もございません…」

 

 「そう、ならシーマ閣下はあるの?」

 

 「あたしは娘が幸せなら!!」

 

 「閣下、別にあたしは妻の一員には認めても構わないわよ?

 

 でも、ナツキの事をもっと考えなさいよ!!」

 

 只今、イチカとシーマ閣下の二人はシーマの私室にて正座で座らされており、凄まじい凄みを出しながら、ソファに座る正妻である鈴にピシャリと言われて黙らせて二人を睨んでいたのだ。

 

 無論、余罪であるナツキちゃんを作って産まれた経緯は、イチカとシーマ閣下の両名から聞き出し、浮気に当たるかは結婚前だった事で無罪だった。

 

 だが、シーマ閣下を妻の一人として迎えるかと言う『妻会議』では、条件付きでの賛成の鈴と反対するアンとシャロにより否決された。だが、シーマ閣下は親権だけでもイチカにして欲しいと願ったのだ。

 

 現在、この様に二人を睨み腕を組みながらソファに座る鈴とソファの後ろにはアンとシャロが立ち、正妻の鈴とシーマ閣下の二人で話し合い揉めたのだ。

 

 「もし、イチカがまた向こうに戻るなら、ナツキを連れてって欲しい。ナツキはニュータイプとして高い能力がある。なら、戦争にニュータイプの娘を利用されて死なす位ならイチカ達の世界で静かに暮らせた方が幸せさね。だから、親権をイチカにして欲しいのさね」

 

 「あんたは、それでも母親なの!!

 

 確かに、一夏から聞いた話だと、ニュータイプは戦争に利用されるわよ。でも、ナツキちゃんの母親への想いはどうなのよ!!」

 

 「鈴は、イチカからあたしが一年戦争で何をしてきたか位は聞いてるだろう?」

 

 「無論、聞いてるわよ!!」

 

 「あたしは、あの苦しみからイチカに救われたさね。だが、他人からしたら未だにあたしは毒ガスでコロニーの住人を大量虐殺をして手を血に染めた罪人さね。母親として娘の幸せや未来を願うなら、日陰者のあたしの側にいたら、イチカの過去の様に迫害されて不幸になるさね。なら、イチカの側に預けて鈴が教育をしてくれたら、あたしはそれだけで、充分に幸せなのさね」

 

 「あんた、それは違うでしょ!!

 

 ナツキの願いは母親が居て、父親のイチカが居たほうが幸せに決まっているでょうが!!」

 

 「アン、ややこしくなるから、あんたは黙ってなさい!!」

 

 「ヒッィ!?」

 

 鈴の一睨みと気迫にアンは小さな悲鳴を上げながら押し黙る。

 

 「全く、話を戻すわ。シーマ閣下、親権は望み通りに一夏に持たせるわよ。

 

 でも、現在の責任がある立場では妻に迎え入れるのも許されないし、周りが経験豊富な指揮官は絶対に手放さない。なら、閣下が軍人として退役した後に、あたしの正妻権限で妻の一員として迎える。

 

 これなら、どうかしら?」

 

 鈴の大岡越前の大岡裁きの様な正妻の鈴の結論には、シーマ閣下は静かに涙を流しながら首を縦に振り、後ろでは猛反対と騒ぐ妻の二人も納得してナツキの親権はイチカとなるが、シーマ自身も軍を退役したら妻として迎えられた事に安堵していたのだった。

 

 そして、ナツキの名前はナツキ・ガラハウから織斑ナツキとして妻達三人に迎えられたのだった。

 

 そして、ソロモンに向う途中だが、シーマ閣下からモビルスーツを格納するデッキへと案内され、アクシズで組み上げられたイチカとアンの専用機の機体が受領する事になるのだが、モビルスーツの格納デッキから女性の悲鳴が上がる。

 

 『イヤァァァァ!!私のガンダムがぁ~!?』

 

 「ニナ開発担当技士、何の騒ぎだい!!」

 

 悲鳴を聞いたシーマ達がモビルスーツデッキへと急ぐと、イチカの受領予定だった機体のモビルスーツの装甲が全て外されて内部フレームだけとなり、つなぎ服姿の茶髪の女性が身体よりもでかいレンチを持ち、1機のモビルスーツを解体していたのだ。

 

 「閣下、イチカ中佐のモビルスーツが、中佐と来た女性に解体されました…」

 

 「何だって!?」

 

 そう、解体した犯人は束さんだった。

 

 「やあやあ、いっくんにシーちゃんじゃん」

 

 「束さん、何してるんですか!!」

 

 「何をって、いっくんのモビルスーツを完成型にするんだよ」

 

 「だからって、私のガンダムを解体しないで下さい!!」

 

 「だってアレさ、貰った図面を全部見たけど試作機の領域で未完成じゃん。

 

 そんな、未完成で搭載されたサイコミュすら不安定な機体なんて大天災の束さんからしたらガラクタ同然だよ。

 

 そんな機体でいっくんには乗せられないし、未完成だなんて理由で死なせたくもないし失いたくもない。

 

 だから、シャロちゃんが乗ってたリゲルグにみたいな見た目にして、フレームだけだった機体の装甲だけを偽装して隠して在ったんだよね?

 

 ねっ、シーちゃん?」

 

 「ちぃ、癪だけど博士の言う通りさね」

 

 「えっ!?

 

 ブルーローズの設計図はシャア大佐に渡した筈よ!!

 

 まさか…」

 

 「ニナちゃん、そのまさかなのだよ」

 

 束さんが自分の胸の谷間に手を入れてゴソゴソと漁り、取り出した三冊の分厚い本はRX-78GP-05ブルーローズの図面と向こうで束さんが解析して取り出したのが、ブルーローズの図面を元にアクシズのスタッフがジオン形の技術で書き上げられたAGX-005ブルーローズの図面。そして、俺の専用機ブルーローズのサイコフレームを利用した内部フレームの図面を入れた内容の3冊を取り出したのだ。

 

 更には、専用機のブルーローズによるサイコミュシステムの稼動データやファンネルによる戦闘データを出し惜しみ無しで、束さんの胸元から出しまくりニナさんが可哀相になる位なデータまでも出したのだった。 

 

 「本当なら、大天災の束さんを利用してブルーローズを完成させた張本人のシャアって奴を一発ほど殴りたいけど、いっくんの命の恩人だから見逃す。

 

 でも、ニナちゃんの設計が優秀で、高い拡張性と高い発展性を兼ね備えた機体だったから、大天災の束でも完成させられたかな。

 

 だから、ニナちゃんはブルーローズの設計に自信を持っても構わないよ」

 

 「束博士、ありがとうございます」

 

 「束博士、待ちな!!

 

 そのインゴットはまさか!?」

 

 「シーちゃん、これ貰うね」

 

 そう言うと、束さんは何処から出したのか大量の袋に入るチップを取り出して行き、フレームだけとなったブルーローズのフレームを一つづつ外しては形に取り、ルナツーで撃破されただろうモビルスーツから回収し、それらはインゴットにした希少合金のガンダリウム合金アルファだった。

 

 無論、アクシズへと持ち帰り解析予定の新金属なだけに流石のシーマでも、そのインゴットを見て慌てるが既に遅く、束さんが出したIS用のパーツ製造機でガンダリウム合金アルファを量子変換させて取り込み、大量のチップを混ぜた合金を型に流し込む姿を見て、シーマは『ハマーン様に絶対に叱られるさね…』と呟き真っ白になっていたのだった。

 

 そして、ニナさんも束さん一人でモビルスーツのパーツを製造して行く光景に『一人製造工場だわ…』と大天災ぶりに度肝を抜かれ、一時間もしない内にブルーローズの全てのフレームとコクピット周りの構造までもサイコフレームに作り変える人間離れした事をやり遂げたのだ。

 

 その後の事だが、二人は意気投合して束さんが向こうで培った技術とニナさんから聞き出して実践した技術の双方を合わせながら、モビルスーツデッキではブルーローズの完成型の製造をアカツキ所属のメカニックを総動員してまでも作業に当たり、ソロモンに着く2日前には組み立て作業が終了し、ISの武装だった変形機構の付いたビームソード付きビームライフルを既存のエネルギーパックの規格に合うように製造したり、三人の機体にそれぞれの専用機だったコアを使える様にしたりと大暴走する大天災とニナさんの二人。

 

 そして、『もう、ヤケクソだ!!』と叫び、ルナツーで回収したガンダリウム合金アルファを全て使っても構わないと許可を出したシーマ閣下。

 

 この、混ぜるな危険な三人の運命的出会いにより、AGX-005ブルーローズが完成したのだった。

 

 そして、ブルーローズのモビルスーツの分類はサイコミュ搭載高機動型重モビルスーツ・ブルーローズと大天災により命名され、シーマ閣下が書いた書類によりアクシズに正式登録されたが、余りのコストパフォーマンスの悪さから量産される事が無いイチカ専用のモビルスーツとなったのだった。

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