捕虜となった彼女達を収容する部屋へと入れさせた後、モビルスーツデッキにはノーマルスーツを着たメンバーが勢揃いして出撃命令が出るのを待つが敵は単機のみだと説明する。
無論、他のモビルスーツの襲撃に備える様にと言い、コクピットでの待機を命じてから、ブルーローズのコクピットへと滑り込む。
『一夏、無茶はしないでよね…』
「鈴、大丈夫だ。
ブルーローズ、イチカ・オリムラ出る!!」
鈴に心配させながらも大丈夫だと言って、カタパルトから射出されて出撃する。無論、リリー・マルレーンの濃密な弾幕を潜り抜けて、そのモビルアーマーは背部のメガ粒子砲をブルーローズを駆る俺に放つが、咄嗟によるマニュアルによる操作で左側のスラスターのみを吹かしてギリギリで躱す。
だが、反撃しようにもモビルアーマーの離脱速度とパイロットによる凄まじいプレッシャーに反撃ができなかったのだ。
「この、プレッシャーは!?」
『ほぅ、やはり、ニュータイプか…』
「ちぃ、早い!!」
だが、モビルアーマーによる一撃離脱は厄介だったが、こちらもブルーローズの高出力のバックパックのスラスターを全開にしながらも、進路を妨害すべくサイコミュを起動させてファンネルを猟犬の様に放つ。
「なら、ファンネル!!」
『流石にやるじゃないか』
だが、相手もニュータイプだと裏付ける様にファンネルからのビームを寸で全てを躱して行き反転しながら、変形してビームサーベルを抜き襲い掛かる。
「モビルアーマーが、変形した!?」
『なまじ、ニュータイプだけに厄介だ。
ここで、落ちてもらう!!』
「舐めるなぁ!!」
『受け止めるか…なら、これならどうだ?』
「ぐっ、シールドが!?」
『ほう、それを咄嗟に防ぐか』
ビームライフルを変形させ、ビームソードを展開させてビームサーベルを受け止めるがスラスターの推力とパワーの差にブルーローズが押される。だが、シールドクラッシュをそのモビルスーツにぶつけて距離を取ろうとするが、モビルスーツの腕から放たれたグレネードランチャーをシールドで防ぐが、シールドはグレネードランチャーにより砕かれる。
無論、ファンネルで背後から襲うが其処も読まれ、背部のメガ粒子砲で2基のファンネルが撃ち抜かれ爆散する。
『ふっ、甘いな…』
「ファンネルまでも!?
だが、これならどうだ!!」
『流石にやるじゃないか!!
アクシズの女狐の懐刀にして置くには惜しいニュータイプだな。だが、落ちろ!!』
「しまった!?」
俺の切り札とも言える、二重瞬時加速を用いて加速し、放たれたメガ粒子砲をローリングしながら躱してビームソードで敵モビルスーツの左腕を斬り裂く。だが、反対に斬り裂かれたカウンターにとビームサーベルで斬り裂かれそうになる。
モビルスーツデッキから見守るアンとシャロは、ニュータイプ同士の戦いにイチカの安否を心配する。だが、刻々とイチカがニュータイプ同士の戦いで不利になる状況にはイライラして行く。
「何も出来ないなんて…」
「シャロ、判るわよ。
でも、イチカは絶対にあたし達をこの戦いには参戦させないわよ」
「どうしてよ!!」
「それは、あたしが独立戦争でガンダムに落とされ掛けたからだと思う」
「あんた達は、それで言い訳?」
そんな二人の会話に割り込むのは、ヘルメットを脇に抱えたノーマルスーツを着た鈴だった。無論、鈴は厨房を任された責任者ではあるが、イチカと立ち並び歩む為にシミュレーターによる操縦訓練をしていた。
無論、イチカには秘密でだった。
そして、あたしやシャロに教わりながらも、鈴が持つ天才的なセンスによりスポンジが水を吸収するが如くの様に操縦技術をほぼ、新兵よりはマシな程度まで覚えたのだ。
「鈴、あたし達は待機命令受けてんのよ?」
「そうね…でも、あたしは一夏を失う事だけは、絶対に嫌よ。なら、あたしはあたしが出来る事をやるわよ」
と、あたしに啖呵を切り、キャットウォークを蹴り向かう先は、組み立て作業中のブラックローズだった。
「へっ、鈴ちゃん!?
それは、まだ組み立て作業中だよ!?」
「でも、動くんでしょ?」
'「うん、一応は動くよ。でも、素人の鈴ちゃんが戦場に出る場所じゃ無いよ!!」
「判ってるわよ!!
でも、一夏が危ない!!」
そして、鈴はコクピットハッチを開けて滑り込む様に入り込むとコンソールパネルを操作してブラックローズの頭部のモノアイが光る。
「あっ、もう!!
ブラックローズが動くから、作業員は退避して!!」
束さんが頭をくしゃくしゃに掻き毟りながら、作業員達を退避させる。鈴のブラックローズはゆっくりと歩みながらウェポンラックに固定された組み立てられたばかりのロングレンジスナイパーライフルを握り、モビルスーツハッチへと向かう、その時だった。
イチカが、ニュータイプの駆るモビルスーツの左腕を斬り落としたが、カウンターによる反撃でイチカのブルーローズが斬り裂かれそうになった時、あたし達三人の思いが一つになり、あたしもシャロも鈴が持って行ったスナイパーライフルを握り三人同時に叫んでいて、あたし達の専用機のコアが共鳴するかの様に正確なターゲットロックと速射を可能として、モビルスーツへとスナイパーライフルを放ったのだ。
『『『イチカは殺らせないわよ!!』』』
「みっ、皆!?」
『ぬぐぅ、敵の伏兵か!?
だが、邪魔だな!!』
そして、3つのビームはコクピットへと狙うがアンとシャロが放ったビームは躱されたが、鈴の放ったビームだけが相手のモビルスーツの右脚へと同時に直撃させて右脚が爆発して脚部を失う。
無論、伏兵のモビルスーツに気付いたパイロットはイチカへの攻撃をやめたのだった。
そして、リリーマルレーンの方を見れば、アンのブラックローズとシャロのブラックローズの2機と、何故か鈴が操縦する機体は組み立て途中のブラックローズを合わせた3機が、ロングレンジスナイパーライフルを装備して敵モビルスーツへと狙撃したのだ。
『えぇぇい、邪魔だ!!』
「このプレッシャーは何なの!?
あっ、やばいやられる!?」
だが、簡単にはやられてくれる相手では無く、ビームを当てた最もモビルスーツの操縦が素人で組み立て途中のブラックローズを駆る鈴に向かってメガ粒子砲を放ち狙う。一度は、中途半端にスラスターを吹かして回避するが、二度目に放つメガ粒子砲はコクピットへと凶弾が向かう。
『『「鈴!!」』』
『ほう、貴様の大切な女か、なら落ちろ!!』
「かっ、回避出来ない!?」
「させるかぁ!!
ファンネル!!」
『キャア、一夏!?』
『大切な女を守り切ったのか…ふむ、時間切れか…今回は見逃するとしよう…』
鈴へとメガ粒子砲が近くが、残りのファンネルを鈴との間へと割り込ませて、ファンネルを犠牲にしてメガ粒子砲を反らして鈴を守る。だが、鈴のブラックローズの右肩に当たりメガ粒子砲に飲まれて肩から腕を失い、残った2基のファンネルは爆散し、ブルーローズの機動力はかなり落ちる事になるのだが、敵のモビルスーツのパイロットは不敵な笑みを浮かべて、変形すると反転して離脱したのだった。
「見逃されたのか?」
『一夏、ごめん…』
『鈴、気にしないの。
あんたが死んだら、あたしは怒るからね』
『アンもシャロもごめん…』
『まぁ、無事で何よりよ。
鈴は戻って、あたし等に美味しいご飯を宜しく!!』
「鈴、楽しみにしてるからな」
『う、うん!!』
鈴はイチカを守れた事に安堵しながらも、モビルスーツデッキの作業要員の誘導に従い艦内へと撤退し、逆に待機していたイリアがモビルスーツハッチから出て来て予備のシールドを持参して渡す。
『隊長、予備のシールドです』
「イリア、ありがとう。
また、モビルスーツの襲撃か?」
『はい、数は8機で機種はティターンズ仕様のハイザックです』
「なら、手加減する必要はないな。アンは俺の僚機として援護。シャロはイリアと組んで僚機とする」
『隊長、私とキャラの出撃は無いのか?』
「マシュマーとキャラは母艦の護衛だ。大気圏突入前だから無闇矢鱈に出しゃばるなよ?」
『『了解』』
「ツキノ少佐、大気圏突入までのタイムリミットはどれくらいだ?」
『約10分です!!
必ず、3分前には艦にお戻りください!!』
艦長から言われ、イチカ達のモビルスーツ隊は迎撃すべく散開して行く。無論、ティターンズのモビルスーツからしたら新型機を相手にするのだからたまったものでは無く、次々とやられて行き火球へと変わる。
「落ちろ!!」
『グッワァァァ!?』
『甘いわよ!!』
ビームライフルを放ち直撃させてハイザックを撃破する。アンの重火器好きは変わらないがロングレンジスナイパーライフルから比較的に取り周りの良いジャイアントバズーカを放ち、ハイザックを撃破していた。
刻々と大気圏突入へのカウントダウンは始まっており、ティターンズのハイザック隊による猛攻は止む気配はない。だが、イリアのブルーローズ二号機と戦う1機のハイザックが高度が低かったのか、引力に引かれて大気圏へと落ちる。
『熱い!?
しまった、高度か!?
グッワァァァ!?』
『高度を気にしないからそうなるんだ!!』
そして、落下したハイザックは大気摩擦により炎上してバラバラになりながら落ちて行って爆発し、パイロットの絶叫共に四散したのだった。
「時間切れだ!
各機、母艦へと戻れ!!」
『『『了解!!』』』
指示の基、アンやシャロにイリアは母艦へと戻るが、2機のハイザックの諦めが悪いのか俺へと襲撃しながら群がる。
『隊長機さえ、落とせば!!』
「引力が怖くないのか!?」
『貰ったぜ!!』
「ちぃぃ!!」
『グッワァ!?
しまった、アメリアァァァァ!?』
ビームソードを展開して、ハイザックのヒートホークを受け止めて大気圏へと蹴り飛ばす。
無論、ハイザックは先程のハイザックの様に大気摩擦で焼かれ落ちて行くのだった。
『カクリコン!?
貴様!!』
「さらばだ!!」
『逃げんのか!!
チクショォォォ!!』
ハイザックは叫びながらも追撃を辞めて反転する。無論、引力に引かれない様にスラスターを全開にしながら母艦へと戻る。
無事に着艦すると、皆が出迎えるが待機室のシートへと急ぎ座りながらシートベルトを締めて大気圏突入をしたのだった。
「イチカ、地球が綺麗だね」
「本当だな。
だから、束さんは憧れたのかも知れないな」
「じゃあ、ISが開発された目的って?」
「あぁ、この蒼く綺麗な地球を見たかったのかな」
さりげない、アンとの会話。
そして、束さんが求めた夢の答えが、大気圏から見える地球だったのかも知れない。
「あっ、アン!!
ちゃっかり、イチカの隣をってイリアまで!?」
「シャーロット教官でも、ここは譲れませんよ?」
いつの間にか隣に座り、俺の腕に絡もうとするイリアと先に座られた事に抗議するシャロのじゃれ合う姿に少し笑ってしまう。
「あっ、こらぁ!!
イチカは妻子持ちなのよ!!
イリア、離れなさい!!」
「無論、断ります!!
イチカ隊長は私達の女性隊員の共有財産です!!」
そうイリアは言い切り、妻であるアンとシャロを挑発する姿は、あの時の三人を思い出し微笑ましい姿ではあるが、この後は必ずと言っても構わない修羅場が待っているのはお約束だった。
そして、捕虜達の女性パイロット達を乗せたままでの大気圏突入をしたのだが、ティターンズの執拗な攻撃により突入進路がずれたらしくて、連邦軍の勢力下であるオーストラリア近辺へと降りる事になったのを知ったのは突入した後だったのだ。
無論、台湾の宇宙港に居座る連邦軍への奇襲を前提だった事もあり、正面から連邦軍を駆逐しないといけない戦いになるとはまだ知らなかった。