一夏がシャアに拾われた件について   作:ロドニー

42 / 82
宇宙へ

 

 

 リリーマルレーンにルオ商会からの補給を済ませたが、未だに離脱用ブースターの組み立て作業は急ピッチで進められていた。無論、リリーマルレーンのモビルスーツデッキでは大破した2機のブラックローズの修理を行なってはいるが、アンのブラックローズの拡散メガ粒子砲により失った両脚は解体したブラックローズの両脚を使う事で修理が出来たのだが、ビルに突っ込んだ際の損傷した拉げた頭部はモノアイの交換作業までは手が回らずそのままだし、シャロのブラックローズはサイコガンダムに蹴られた際に歪んだコクピットハッチと胸部は装甲を外され、蹴られた衝撃で歪んだ内部フレームだけになって、修理中の2機は途中のまま放置中だったのだ。

 

 「で、そんな訳でアンちゃんとシャロちゃんには、即席で改修したアクト・ザクを使ってね」

 

 「「束さん、面倒だからって説明を作者にやらせんな!!」」

 

 スッパパァァァァン

 

 「二人共、スリッパで叩く事無いじゃんって、それ、トイレ用じゃん!?」

 

 二人揃ったトイレ用のスリッパでのツッコミに驚愕しながらも、辛うじて2機だけを改修したアクト・ザクの説明をしている。一応、アクト・ザクは納品されて直ぐにブラックローズの修理を粗諦めた束さん自ら改修作業を行い、大型のビームライフルを使っても大丈夫なレベルにする為にファンネルに使用された小型で高出力のジェネレーターの2基を直列に配置しながら交換し、空いたスペースには推進剤の為のタンクを増設と様々な装備が使用可能にする為にラックの増設をしていたのだった。

 

 そして、装備はベーシックなビームライフルとビームサーベルのみだが、重火器を好む性格の二人にセッティングを合わせてあり、ブラックローズから比べて性能は落ちるが、見た目が第一世代機でもティターンズと連邦軍のモビルスーツと比べてても一級戦線で戦っても問題の無い化物化したアクト・ザクだった。そして、アンの機体のカラーリングはライトブルーと蒼色のカラーリングで染められ、シャロのカラーリングはブラックローズと同じ赤紫と白のカラーリングに染められた独立戦争時の専用機カラーとなっていたのだった。

 

 束さんに言われるままにコクピットへと入り込むと懐かしさが広がる旧ジオン軍のモビルスーツのコクピット方式で、あたし的にはかなり扱い易い機体だった。

 

 「懐かしいわね」

 

 『そうね。

 

 じゃあ、慣熟訓練ついでに軽く模擬戦でもやります?』

 

 「それだけじゃあつまらないわね。

 

 お昼の唐揚げを賭けない?」

 

 『乗った!!』

 

 シャロの模擬戦の申し込みに軽い笑みを浮かべて、お昼のメニューを思い出して、唐揚げを賭けの材料にして模擬戦が始まったのだ。

 

 アクト・ザクはブラックローズと違い空中戦は出来ない。ドダイに乗り、両者は空中戦を行う。

 

 

 「おっ、やり合ってんなぁ…」

 

 「イチカ大佐、アン大佐とシャロ中佐はマジにやり合ってませんか?」

 

 「イリアもそう思うか?」

 

 俺とイリアは空中へと双眼鏡で見ながら、二人の模擬戦を観て、確かにマジになってやり合っているのが判る。

 

 「普通、アクト・ザクで一般兵があんな機動したら死にますよ?」

 

 「まぁ、ブルーローズ系のモビルスーツも似たようなもんだろ?」

 

 「まぁ、確かに…」

 

 だがら、教官職だったシャロの判断による合否がなければ、ブラックローズには乗せない理由だった。無論、カミーユは反省房に移動となり、鈴の監視下でブラックローズの操縦訓練をシミュレートシステムでやらしているが、本来のブラックローズの機動にはカミーユでも吐いていたらしい。

 

 「あっ、ケリが着いた様です!!」

 

 「アンが勝ったか。まあ、アンの技量じゃあ、当たり前だろうな…」

 

 頭と胴をペイント塗れにされて降りてきた、シャロのアクト・ザクとドダイだけペイント塗れだが無傷のアンのアクト・ザク。専用機カラーを認められているアンの実力は伊達では無い事をシャロに教え込んだ形だろうな。無論、今のブラックローズのカラーリングはシャロの専用機カラーが元となっているが、シャロが専用機カラーを認められたのは戦後だった事からもアンの年季が違うのだろう。

 

 「アン大佐、イチカ大佐の僚機だけに凄まじいですね…」

 

 「イリアでもアンに勝てるか?」

 

 「アン大佐がニュータイプだったら確実に負けますが、ファンネルを用いても半分の勝率しか浮かばないですよ…」

 

 そして、昼になると唐揚げ定食であり、唐揚げがどっさりと乗った皿と二三個しか乗っていない皿が二つあり、どちらの皿だかは敢えて語らない。ただ、勝ち誇る勝者と賭けに乗って負けた敗者の二人だけだと言って置こう。

 

 

 そして、ルオ商会のドックに入り3日目。

 

 ザンジバル級専用の離脱用ブースターの組み立て作業は終わり、リリーマルレーンとドッキングしてマスドライバーの専用カタパルトに接続され宇宙へと戻る準備が着実に進んでいたのだ。無論、大破したブラックローズやジュンコ少尉達のヴァルキリー小隊仕様のガザDはモビルアーマーデッキにモビルアーマー形態のまま固定済で固定作業を残すのはブルーローズとギャン改にアクト・ザクの5機だけだった。

 

 「ほら、デッキへの固定作業を急ぐよ!!」

 

 「ブラックローズ、カミーユ機の固定を急ぎなさい!!」

 

 「こっちは、マシュマー中尉のギャン改に取り掛かるよ!!」

 

 モビルスーツデッキでは、メカニックチーフの束さんが監督しながら、メカニックのモーラ中尉などがせっせとブラックローズとギャン改の固定作業に勤しむ。無論、最終的に固定する機体はイチカ大佐のブルーローズとアン大佐とシャーロット中佐のアクト・ザクと決まっていた。無論、イリアとキャラの機体はハンガーに半固定状態であり出撃は出来ない。

 

 そして、離脱用ブースターにも燃料注入作業中であり済み次第、カウントダウンしてマスドライバーから射出されて宇宙へと上がる予定だった。

 

 そんな時に、お約束とも言える襲撃と鳴り響く艦内の警報。

 

 「やっぱり、お約束かよ!!」

 

 「本当ね!!」

 

 「全くよね。私なんか、シャワー中だったから、そのままノーマルスーツに着替えたわよ!!」

 

 「なぁ、シャロ。

 

 それ、俺に聞こえる様に言う事か?」

 

 「まさか、シャロ?」

 

 「断然、ノーブラにノーパンよ?

 

 戻ったら、シャワー室でヤリましょ?」

 

 無論、妻でありながらノーマルスーツの下は裸だったシャロの事にアンと俺は、学園のとある痴女だった生徒会長を思い出しながらも呆れるしか無かったのだった。

 

 『誰が、痴女よ!!』

 

 と思い出していると、誰かがIS学園の生徒会室で叫ぶ声が聞こたらしい。

 

 

 俺達のモビルスーツがマスドライバー周辺に展開が終わり、連邦軍の6機のモビルスーツ隊がドダイ改から飛び降りながら襲撃を仕掛けるが、シャロが見た赤紫色の1機のモビルスーツに怒りを顕にする。

 

 「はぁ!?

 

 何で、私の地上戦線時代のグフカスタムが使われてんのよ!!」

 

 「あんた、落ち着きなさいよ!!」

 

 「だって、東南アジアの戦線で私のグフカスタムが大破したから破棄したのに何でよ!!」

 

 シャロが叫ぶが、赤紫色のグフカスタムは大剣を肩に担ぎながらホバー移動しながらシャロに狙いを定め、シャロに大剣である大型ヒートソードを振りかぶり振り下ろすが、シャロは軽く躱しながらもビームライフルを放つ。

 

 『貰ったわよ!!』

 

 「右から!?」

 

 『はぁ!?

 

 ソレを躱す!?』

 

 「これで、落ちろ!!」

 

 『ツッ!?』

 

 だが、グフカスタムのパイロットも高い技量の持ち主だったのか、滑走路をホバー移動しながら体を捻る事でビームライフルのビームを躱して離脱する。

 

 「シャロ!!」

 

 「アン、私は大丈夫よ!!」

 

 無論、アンやイチカにもモビルスーツ隊が襲い掛かり、少数だが高い技量のベテランパイロットだけにアンはスラスターを全開にダブルビームサーベルを展開しながら突っ込んで来たジム・ストライカーカスタムにビームサーベル同士の鍔迫り合いに追い込まれ、イチカはスラスターを吹かして乱射されるビームライフルとビームキャノンを躱しながらも4機の現地改修型のジム・カスタム3機とジム・キャノンⅡに囲まれながらも、マイクロミサイルとビームショットライフルを放ち距離を取る。

 

 「こいつ等、独立戦争の経験者かよ!?」

 

 「イチカ、あのエンブレムってまさか!?」

 

 「あぁ、ア・バオア・クーで俺とアンで戦った連中だな」

 

 『バニング隊長!!

 

  この2機のパイロット、間違いないぜ!!

 

 ア・バオア・クーの追撃戦で、厄介なゲルググのパイロットだ!!』

 

 そして、ジム・カスタムのパイロットの声で疑問から確証に代わり、ア・バオア・クーで戦った『不死身の第四小隊』の連中だった。

 

 そして、シャロと戦うグフカスタムもシャロは誰がパイロットか確信する。

 

 「まさか、この身体を捻って躱す癖は……」

 

 『お姉様のこの機体で!!』

 

 「イヴなの!?」

 

 『へっ?』

 

 グフカスタムは攻撃を寸で止め、グフカスタムのコクピットハッチが開き、ヘルメットを脱ぐと金髪ツインテールの少女が出て来る。無論、私もコクピットハッチを開けてヘルメットを取りパイロットを見ると、やっぱりイヴだったのだ。

 

 「お姉様!?」

 

 「イヴだったのね…」

 

 イヴは東南アジアの地上戦線では同じグフカスタムを駆り、私のストッパー兼僚機として暴れた小隊の副隊長機だった。無論、私がソロモンに転属後は隊長になったが終戦までのイヴは知らなかった。

 

 まさか、連邦軍のパイロットとして現れたのだから驚くしか無い。

 

 「お姉様が生きてた!?」

 

 「イヴ、私を勝手に殺さないでくれるかな?

 

 しかも、私の黒歴史のグフカスタムに乗って来んな!!」

 

 私が叫ぶと同じくして、アンはジム・ストライカーカスタムに左腕を斬り裂かれながらも撃破してパイロットがコクピットから脱出した所を手で掴み捕縛し、イチカはジム・カスタム1機を両脚を斬り裂き撃破するとアンと二人で援護射撃しながらジム・キャノンⅡの頭部にビームライフルを放ち撃破していたのだ。 

 

 「バニング大尉!!」

 

 「その声はウラキか!?」

 

 そして、遅れて来たウラキ中尉のゲルググ改にバニングのジム・カスタムは驚きながらも攻撃を辞め、ウラキ中尉に説得されて俺達に降伏したのだった。ただ、撃破されたジム・ストライカーカスタムのパイロットだったジャックはウラキ中尉の先輩だったが撃破された際の衝撃で負傷していた。

 

 パイロットだけは捕虜として、リリーマルレーンに回収して、モビルスーツは台湾の部隊へと送られる事となり、シャロの黒歴史のグフカスタムはイヴを回収してからビームサーベルでめった切りにして破壊していたらしく、艦内に戻って来たシャロは息を切らしていたらしい。

 

 「あぁ、イチカにバトルジャンキーだってバレた…」

 

 「まさか、お姉様の薬指の指輪は……」

 

 まさか、シャロが射撃より近接戦闘が得意だった事に俺は驚いたが、イヴがシャロが結婚した事にショックで椅子からひっくり返りながら気絶した事に、同情しながらマシュマーとキャラは『やっぱり、シャーロット教官が結婚出来た事に普通は驚くよな』と呟いたが最後でシャロに鉄拳制裁を食らったのは言うまでもない。

 

 そして、俺達の機体がハンガーに固定が完了すると、リリーマルレーンに取り付けられた離脱用ブースターは火を吹きながらマスドライバー上で加速しながら大気圏を離脱し、宇宙へと戻ったのだった。

 

 

 

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。