一夏がシャアに拾われた件について   作:ロドニー

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グリーン・ノア襲撃 前編

 

 「貴様!!

 

 よくもグレミー様を!!」

 

 ビュン、ビュン

 

 「うるさいなぁ、筋肉髭達磨は黙っててくんない?」

 

 「なっ!?」

 

 バッキィ、ドガァ

 

 「グッハァ!?

 

 ガッ…」

 

 アクシズの高官のグレミー・トトが束さんにより殴られ吹き飛ばされた事に激怒したのは護衛のラカン・ダカラン大尉だったが、マジギレした束さんの相手になる事なく篠ノ之流鉄扇術で抜き放ったレーザーガンを鉄扇で受け止め弾きながら誰も居ない壁へと撃たれたレーザーを逸して肉薄するとラカンの腹部を蹴り上げ、鉄扇を瞬時にたたむと背中へと打ち付けて床に激突させて意識を奪う。 

 

 「いっくん‼

 

 ちょっと、この蛆虫達の艦船を制圧して来るね!!」

 

 「「「束さん!?」」」

 

 「束大尉!?」

 

 「イチカくん、彼女を止めなくても?」

 

 「閣下、キレた束さんを止めるのは無理ですね…」

 

 「では、私が殴られたのは束大尉の手加減なのか…」

 

 無論、タダで終わる束さんでは無く、俺やシャア閣下達の静止を聞かずにアクシズから補給で来ておりグレミー・トトが乗艦していたアクシズの最新鋭のエンドラに単身で乗り込みクルー全員を一通りボコり意識を奪いながら十数分でエンドラを制圧。カプセルに寝かされていたり、モビルスーツの操縦訓練中だった千秋(プル)の残りの姉妹達全員を保護して来る始末だった。

 

 『侵入者!?』

 

 「邪魔、蛆虫!!」

 

 バッキィ、ドガァ、ボッゴォ

 

 「「「「ギャァァァ!?」」」」

 

 「侵入者を取り押さえろ!!」

 

 「邪魔だから」

 

 バッキィ

 

 「ガッ!?」

 

 「あっ、妹ちゃん達を見っけた!!」

  

 「「「お姉さん誰?」」」

 

 「あっ、強化人間達が!?」

 

 「へぇ、千秋ちゃん達の妹ちゃん達を強化人間にしたんだ…」

 

 「「「「「「「へっ?」」」」」」」

 

 「少し、頭を冷やそうか…」

 

 ズッガァァァァン

 

 「「「「「「「ギャァァァァ!?」」」」」」」

 

 

 「あっ…エンドラを制圧したみたいですね…」

 

 「あっちゃー…束さん、本当にやっちゃったよ…」

 

 「私としては、彼女が味方で良かったと思うがな…」

 

 「束さんはシャア閣下が敵対しなければ味方ですよ」 

 

 「久しぶりに束さんのマジキレを見たわよ…」

 

 エンドラから聞こえて来る束さんの怒りの叫び声とクルー達の断末魔の叫びを聞きながら五人で束さんの事を呆れながらも、シャア閣下はモビルスーツ戦ならどうにか出来ると思うのだが、肉弾戦による制圧戦だと勝てる見込みは無いと思うと背筋に冷や汗が流れ落ち束さんが味方だった事に安堵する。

 

 「やっほー!!

 

 いっくん、妹ちゃん達を全員助けて来たよん♪」

 

 エンドラの乗降口から手を振りながらロープに巻き付けて姉妹が寝かされている4つのカプセルを引き摺り、三人の少女達の手を繋ぎながら降りてきた束さんは上機嫌だった。

 

 そして、姉妹達全員は束さんの軽い診断と六夏と三春の二人から採取した血液の解析結果と同じく姉妹達全員を強化人間にするために薬物が投薬されていた事が判り、束さん流の解毒療法と対処療法により普通の少女に戻す事に成功する。無論、カミーユからもファに恋人としての正妻の座を奪われたがファと和解して二人目の恋人に収まり第二夫人の道を選んだ、フォウへの強化人間の解除をお願いされて妹達同様にフォウも普通の少女に戻ったのだが、ニュータイプとして覚醒していた事にフォウ自身が驚いたのは言うまでも無かった。

 

 そして、父親となるイチカと鈴やアンにシャロなどの妻達は束さんが救助して保護して来た姉妹達の名前を頭を抱えながら考える羽目になり、春夏秋冬を入れた名前に決まったのだった。(後に成人したイチカは24姉妹の父親として両方の世界でスーパーダディと呼ばれたらしい)

 

 無論、束さんの手により残りのエルピー計画の少女達全員の救出の報告をシャア閣下から受けた新総統のハマーンはソロモンに居る時は最高技術責任者となり数々の新技術を開発を続け、強化人間にされ戦死した箒との一件から強化人間を研究する事やそれを研究する研究者達すらも忌み嫌う束さんとの敵対を避ける為にアクシズ内での強化人間の研究並びに製造を固く禁じる事を命令するのだが、グレミー・トトが率いるニュータイプ至上主義者達はハマーンと束さんに対して反発し更に内部で敵対する事になる。

 

 後にアクシズとエゥーゴの連合軍とティターンズと連邦軍の連合軍に宇宙要塞アクシズを不法に占拠し掌握したグレミー・トトとニュータイプ至上主義者達の反乱軍を率いてネオ・ジオンと名乗り、三つ巴によるゼダンの門での決戦になるのは更に先の話である。

 

 

 モビルスーツや軍需物資の補給とパイロットの慣熟訓練などの一連の日程の工程を消化し、アーガマの艦長にはソロモンからムサシに乗り込みアンマンに送り届けたブライト・ノア大佐が抜擢されて艦長になり、ラーディッシュにはアーガマの艦長の予定だったヘンケン中佐が艦長を務める事になる。ラーディッシュには最新鋭の量産型モビルスーツで不死身の第四小隊仕様の灰色のマラサイ4機とリックディアス2機が一般兵用に積み込まれ、アーガマにはシャア閣下の専用機にしてブルーローズ改(束さんの改修のやり過ぎにより半サザビー化している)を原型に再設計して発展し開発されたナイチンゲールにカミーユのNT専用機仕様のブラックローズ改、ウラキ中尉とキース中尉にアポリー中尉とロベルト中尉にはリックディアスが配備され積み込まれていた。

  

 そして、アンマンのドックからは艦隊旗艦としてアーガマを先頭に出撃し、ムサシとラーディッシュがアーガマに追従する形で出撃したのだ。

 

 

 

 

 ムサシの食堂では、アクシズに大尉として復帰を果たしたイヴがシャロとアンを交えてティータイムを楽しんでいた。

 

 「まさか、お姉様がイチカ隊長と結婚しているなんて驚きましたよ…」

 

 「イヴ、喧嘩なら買うわよ?」

 

 「まぁ、あたしもだけどね?」

 

 「喧嘩を売ると言うよりも十代で結婚が羨ましいなぁって、乙女な思考ですよ」

 

 「えっ、イヴにはミツル中尉が居たじゃない?」

 

 「あぁ、彼とは戦後に北欧系移民の女と浮気をしたから別れましたよ。で、別れた序に彼の金的を蹴り潰してやりましたけどね」

 

 二人はイヴの元彼の金的を蹴り潰した話を聞きながらも、どうしてイチカの周りには肉食系女子しか居ないんだろうとつい思ってしまう。そして、もしもイヴも妻の仲間入りを果たしたイリアと鈴に嘆願中のジュンコとケイト達のヴァルキリー小隊の連中も同様にイチカに惚れて妻の仲間入りでもして、イヴが浮気だとイチカを責めたりして蹴り潰したりしたら、太くて気持ち良い物が二度と味わえなくなるとある意味恐怖する。

 

 そして、アンとシャロはアイコンタクトをしながらイヴだけは絶対に認めないと心に誓ったのだった。

 

 

 アンマンから出撃してからは、ティターンズや連邦軍とも遭遇する事無く順調に航海を進め、ティターンズの宇宙軍の基地化したサイド7のコロニーへの監視をしながらもティターンズとの最前線とも言える制圧した旧連邦軍の宇宙要塞のルナツーへとムサシだけが入港してルナツー守備隊への補給物資を降ろしてから再度出港し、サイド7のコロニー群のグリーン・ノア1へと暗礁宙域を利用しなから近付く事に成功する。

 

 暗礁宙域に待機するアーガマとムサシにラーディッシュからは、この作戦の総隊長機とも言えるシャア閣下のナイチンゲールがアポリー中尉とロベルト中尉のリックディアスを引き連れてアーガマから出撃し、ムサシからはイチカのブルーローズと僚機のアンとシャロのブラックローズ改を合わせた6機のモビルスーツ隊が先行しての強行偵察を実施したのだ。

 

 「こちら、イチカ。

 

 グリーン・ノア2には目標を視認出来ず」

 

 「こちら、アン。

 

 同じく、グリーン・ノア2の軍港には停泊中の艦船を複数視認。艦種はアレクサンドリア級が三隻、サラミス改級が四隻、マゼラン改級が二隻となります」

 

 「了解した。

 

 アン大佐はイチカ大佐と合流されたし」

 

 アンのブラックローズの指の付け根から射出したワイヤーから伸ばしたカメラを回収しながらミラー裏からカメラで偵察するイチカのブルーローズへと合流する為に移動する。

 

 「こちら、ロベルト。

 

 グリーン・ノア1にて強奪予定の目標を発見し視認した」

 

 「同じく、シャーロット。

 

 グリーン・ノア1の造船ドックにて破壊目標を視認。一隻の艦艇の完成度は視認する限りでは9割方完了して、艤装段階だと推測する。他にも、三割方建造段階の同級艦も二隻を視認」

 

 ロベルト中尉が撮影に成功した、グリーン・ノア1へとワイヤーを伸ばしたカメラからは飛行訓練中の黒いガンダムMK-Ⅱが2機が訓練を行う映像がリアルタイムでシャア閣下のナイチンゲールへと転送されてシャア閣下にも緊張が走る。そして、同じくしてシャロも父親仕込みの侵入術でエアロックからブラックローズを降りてコロニー内部へと侵入して、コロニーのシャフトの通気口から造船ドックの上部へと向い撮影に成功して破壊目標とする建造中のドゴス・ギア級の建造数の把握に成功したのだった。

 

 「カイからの情報よりも建造数が多いな…」

 

 シャアはジャーナリストで協力者のカイ・シデンからの情報を元にドゴス・ギア級の建造数は一隻だけと思っていたのだがシャロからの偵察の結果、建造数は三隻と数が多い事に一抹の不安が過る。

 

 それでも、ムサシ級と同等以上のメガ粒子砲による火力とグワジン級以上のモビルスーツの艦載数を誇り戦局を左右しかねないドゴス・ギア級の破壊とシンボルと成り兼ねないガンダムMK-Ⅱの奪取は成功させなくてはいけない。 

 

 「引き時だな…」

 

 瞬時に嫌な予感が過り、強行偵察部隊の撤退を支持を出して母艦へと戻る選択をしてシャア達は母艦へと戻ったのだった。

 

 

 同じ頃、グリーン・ノア1のコロニー内部では、ジェリド中尉機のガンダムMK-Ⅱとエマ中尉機のガンダムMK-Ⅱが飛行訓練中だった。

 

 「クソ!!

 

 カクリコンの仇を討ちたいのに何で飛行訓練なんだよ」

 

 「ジェリド中尉、私語を謹みなさい」

 

 「くっ、口煩いエマ中尉かよ」

 

 「それよりも、カクリコン中尉の一件は相手が悪過ぎだと認識しなさい」

 

 「ニュータイプが相手だって理解してるさ。だがな!!」

 

 「熱くなり過ぎると事故りますが?」

 

 「何だと!?」

 

 ジェリドが叫ぶのと同じくして、ガンダムMK-Ⅱはバランスを崩してティターンズの士官が利用する事務所へと墜落する。

 

 ズッガァァァァン

 

 「誰が堕ちてきた!!」

 

 「ジェリド中尉だとよ」

 

 ジェリド中尉のガンダムMK-Ⅱは事務所の壁を寄り掛かるようにして破壊してしまう。多数の怪我人は出るが、死者が出なかったのは幸いだと言える。

 

 「こりゃ、参ったなぁ…始末書もんだぜ…」

 

 「熱くなり過ぎて、無茶な操縦した結果ですよ」

 

 「だが、居住区は全て撤去したから問題は無いだろ」

 

 「…」

 

 エマは思う。

 

 転属前だったから知らなかったが、居住区の撤去と言うよりも住民の強制排除をしたが正しい。そう、文字通りに物理的排除。

 

 反発する住民を虐殺したのだと理解した時、ティターンズの在り方に疑問を懐く結果となった。

 

 それを知ってしまった以上は、ティターンズに居る意味は無いし、反逆罪で逃亡中のブライト・ノア元中佐の判断が正しいと思えて仕方無かったと思うエマだった。

 

 

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