いっくんが立ち直って、ソロモンの束さんのラボに新型機の受領へと来た姿は、アンちゃんに蹴り飛ばされたらしく目の周りには青タンがある姿だった。
「束さん、来ましたよ?」
「アレ?
目の周りをどうしたのかな?」
「まぁ、夫婦喧嘩みたいな物ですよ…」
「束さん、ご心配を掛けてすいません!」
「アンちゃんは、体力が回復するまではモビルスーツへの搭乗は禁止ね」
「そっ、そんな!?」
「当たり前じゃん。今度のモビルスーツは生半可なモビルスーツじゃないし、復帰仕立てホヤホヤのアンちゃんには危険過ぎるからだ〜め」
無論、白星ちゃんが人体再生をしてくれたお陰でアンちゃんは早く復帰を果たしたが、束さんが新型のモビルスーツへと乗せる殆甘くない事をきつく言い、トレーニングルームで落ちた体力を回復させてからにしろと追い返す。
「じゃあ、いっくん達のモビルスーツからだね」
アンちゃんと鈴ちゃんを除いたメンバーをモビルスーツデッキへと案内しながら、新型機がハンガーに固定されている格納庫へと連れて行く。
「うっわぁ、小さいモビルスーツ!?」
「サクラ、でも見た目はブラックローズのまんまだよ?」
「ケイト、見た目は小さなブラックローズだけど、バックパックも形状が変わっているし、小型になっている点ではブラックローズ以上に機動性がかなり上がってる様に見えるわ」
「マジすっか、クリスさん」
「私もクリスと同じ意見だと言えるわ」
「はいはい、ケイトとサクラは静かにしてね。サクラが言ったように見た目は小さなブラックローズだけどね、ブラックローズの後継機のブラックローズⅡだよ」
束さんがブラックローズⅡの説明が始まり、アンへと言った様に生半可なモビルスーツでは無い事がはっきりと判る。何より、ブルーローズ系モビルスーツの後継機だけに機動性はブラックローズの倍はあり、武装でも高い攻撃力がある事に一同は驚きを隠せない表情をする。
「今度は、いっくん達のNT専用機だよ。この機体はブルーローズMK-Ⅱでファンネルの威力の向上と超高出力のジェネレーターよるハイパーメガビームランチャーを装備した機体だよ。無論、ハイパーメガビームランチャーはブラックローズⅡにも装備されているから、慣熟訓練の時に使用して確認してね」
オリムラ中隊で所属のニュータイプである俺やイリアにカミーユとフォウの4人は茫然となるしか無く、慣熟訓練でも高い機動性に振り回されるのかと溜息しか出なかった。だが、慣熟訓練を行う為にノーマルスーツへと着替えに向かおうとすると馬鹿達がやって来たのだ。
「おぉ、何と素晴らしいモビルスーツだ!!
ラカン、全て我らがモビルスーツ隊に接収するぞ!!」
「ハッ、グレミー様!!
この、モビルスーツを…グッハァ!?」
グレミー・トトがラカンへとモビルスーツを接収する様に命令して、ラカンがブラックローズのカラーリングをするシャロのブラックローズⅡのコクピットハッチへと手を伸ばした瞬間、シャロが床を蹴り自機のブラックローズⅡへと行き、ラカンの顔面を蹴り飛ばす。
「何で、私達が受領したモビルスーツを取られないとイケないかな?」
「貴様!!」
「うるさい盗人!!」
バッキィィィ
「やらせるかよ!!」
「グッァ!?」
無論、他の俺達の部隊の隊員達も同じく、グレミー・トトの配下達とモビルスーツを奪われまいと蹴り飛ばし、カミーユはオーギュストの腹部と顔面へと正拳突きを入れた後に、あまりの痛さに蹲るオーギュストに回し蹴りを後頭部に入れ、オーギュストはブルーローズMK-Ⅱの胸部装甲とカミーユの脚に挟まれる様に蹴られて悶絶しながらモビルスーツデッキを漂う。
「「私達のモビルスーツを奪わせるな!!」」
「「「「「イエス・マム!!」」」」」
そして、エマとクリスがヴァルキリー小隊の面々の陣頭指揮を取りながらメカニック達のスパナやバールを奪い、グレミー配下の一般兵へと襲い掛かり、バールやスパナで配下達をタコ殴りにして片付けて行くが、大事な事なので書き記すが彼女達全員がイチカの妻達であり、鈴とアンがIS学園で千冬姉監修で組んだホワイトラビットの私兵部隊で使われた織斑流フィジカルトレーニングの三分のニを3日でクリアした女傑達で、IS世界でなら専用機を与えられるまでに鍛えられていた。
その中でも、エマとクリスの二人は軽々とフィジカルトレーニングの全てのメニューをクリアしており、シャロを混ぜた三人掛かりで束さんと正面から組み手が出来るまでに成長していたりする。
「くっ、このモビルスーツさえ奪えれば!!」
「全く、諦めの悪いクソガキだね!!」
「なっ、瞬時に解体だと!?」
「とっと降りろクソガキ」
グレミーがハマーン様専用機にした純白のカラーリングがされたブルーローズMK-Ⅱのコクピットへと滑り込むが、床を蹴り飛んで来た束さんがコクピットハッチを瞬時に解体してグレミーの首根っこを掴み引き摺り出すと、片腕で引き摺り出された事に驚愕の表情をしながら束さんを見るが、そんな驚愕の表情をしている間に束さんの必殺の往復ビンタを食らい顔が誰なのか判らなくなる位に腫れ上がり、鉄パイプで一般兵と格闘するアンへと蹴り飛ばす。
「ほい、アンちゃんにパス!!」
「グッァァァァ!?」
「ちょっと、束さん危ないわよ!!」
ベッキィ
「グッハァ!?」
アンが叫びながら反応して、飛んで来たグレミーへと鉄パイプをフルスイングしてグレミーの腹部を叩き、シャロへと叩き飛ばす。
「ちょっと、アン!?」
ベッキィ
「グッェ!?」
「もう、束さんに返すからね!!」
「アンタが娘達に仕出かしたお釣りよ!!」
サッカーのパス回しの様に飛ばされたグレミーはシャロへと飛んで行き、シャロの背中へとダイブする瞬間にシャロの背中への裏拳が顔面へと入り、グレミーは鼻骨が砕けて鼻から大量の出血を出しながらシャロの拳をズルズルと滑り落ちながらも、シャロが束さんへと蹴り戻したのだった。だが、グレミーは束さんに戻る事は一切無く、千秋達と手を繋ぎながらメカニック達への弁当を工廠へと届けに来た鈴が床と壁を蹴りながらグレミーへと飛び蹴りを構えたまま飛んで行く。
「必殺、スゥゥゥパァァァァイィィィナァァァズゥゥゥマァァァキィィックゥゥゥ!!」
「鈴、それは作品的に駄目だ!!」
俺が数人のグレミー配下の一般兵を殴り飛ばしながら鈴へとツッコミを入れるが、グレミーの腹部に鈴の脚が刺さりながら、モビルスーツデッキに気絶して漂うラカンとオーギュストを巻き込みデッキの床へと三人纏めて叩き付け、グレミーは目を見開いたまま白目になりながら気絶し、ラカンとオーギュストは二人してグレミーの下敷きとなって泡を吐きながら再度気絶をしたのだった。
「ふぅ、妊婦にはいい運動になったわね」
「「「「「何処がいい運動だ!!」」」」」」
と一斉に妻達がグレミー達三人を片足で踏み付ける鈴へとつかさずにツッコミを入れ、鈴は弁当をモビルスーツデッキにあるメカニック用の保温箱へと入れ終わるとクリスとエマに両脇を固められてソロモンの自宅へと連行され、モビルスーツデッキに漂うグレミー達を含む配下達は、アンとシャロが懐かしい海兵隊仕様のアサルトライフルを担ぎながらエンドラへと向かい、エンドラのクルー達と銃撃戦を繰り広げた後にエンドラを再び制圧して戻り、サクラ達にロープで巻き付けられたグレミー達をエンドラへと放り投げ、自動操縦にしたエンドラはソロモンから単艦でアクシズへと戻るのだった。
そして、そんな騒ぎの後にはオリムラ中隊全員による慣熟訓練が執り行われ、廃艦予定のムサイへハイパーメガビームランチャーを放ち威力を確認した後、一撃で轟沈するムサイを見たイチカは射撃後に数秒だけブルーローズMK-Ⅱが動けなくなる欠陥を束さんへと報告して、報告を受けた束さんはハイパーメガビームランチャーの威力調整とエネルギー効率の再調整に数日は徹夜になる事に落胆したのだった。