「ムサシ、回頭急ぎなさい!!
砲撃目標、ネオ・ジオン艦隊!!」
艦長のツキノが叫びながらムサシが回頭し、追い付かれたアクシズの艦船ドックから吐き出されたネオ・ジオン艦隊へと単艦にて艦隊戦を始める。
無論、ムサシが緊急回頭した訳ではあるが、不意を突かれたラカンの艦隊は緊急回避を行いムサシからの砲撃を躱すが、後方のアクシズのドックから出たばかりの出撃したムサイ改とエンドラ級の二隻の機関部へと直撃して二隻は轟沈する。
そんな時、第一種戦闘配備に変わったのを知り、急ぎ戦闘食を大量に作り始めた矢先、厨房に居た妊娠7ヶ月を迎えばかりの鈴がお腹を抱えながら異変を起こす。
「うっぐぅ!?」
「鈴さん!?」
「破水してるわね…マウアー、早くストレッチャー!!」
「いっ、痛い…産まれる…」
「嘘!?
まさかの早産!?」
お腹を抱えて蹲る鈴の姿に慌てるマウアー。
そして、鈴の股からは破水した大量の羊水が出ている事を見ており、近くにいたケイトは鈴が破水して急に産気づいた事に気付き、マウアーにストレッチャーを持って来る様に指示を出して持って来させると、テーブルに敷かれたテーブルクロスを剥ぎ取り鈴の下に牽かせて、ケイトとマウアーが息を合わせながらクロスの両端を掴みストレッチャーへと移乗させて医務室へ搬送する。
ケイトは、看護師助手の資格があるファを呼びに行きながらも、自身にも看護師の資格がある為に鈴の出産の手伝いの為に出撃が出来ない状態になる。
ムサシのモビルスーツデッキでは、モビルスーツの出撃の準備に束さんは各機体のチェックを念入りにしながら、キャラとマシュマーがいち早くデッキに到着し、自機のモビルスーツへと乗り込む。
「えぇぇい、ハマーン様の逆賊共が!!」
「マシュマー、落ち着きな!!」
イチカはこうなる事を予測しアクシズでは出撃させず、今ようやくグレミーの反乱を知りキレたマシュマーは、自機のブラックローズⅡに乗り込み、キャラもマシュマーの暴走を抑えるために一緒に出撃する。
「あっ、二人共出撃はまだだよ!?」
「マシュマー・セロ参る!!」
「束さん、ゴメン!!
マシュマーはあたいが抑えるから!!」
束さんが気付いたが、静止を聞かずに飛び出した二人に叫ぶが出撃されてしまう。そして、マシュマーとキャラが勝手に出撃した事により、二人の出撃に慌てたネオ・ジオンサイドもモビルスーツ隊の展開が始まり状況は悪化するばかりだった。
「スペースウルフ隊出撃するぞ!!」
「了解!!」
そんな悪化した戦況の最中にもラカン率いるスペースウルフ隊がムサシを撃沈すべく出撃し、三隻の母艦から18機のドーベンウルフがカタパルトから吐き出されて出撃した二人に殺到する。
「行くぞ!!」
「落ちな!!」
ラカン達のドーベンウルフが出て来た事に気付いたキャラとマシュマーのブラックローズⅡは、出撃して来たドーベンウルフへとハイメガビームランチャーを放ち、数機を纏めて母艦ごと撃墜するが、隊長を務めるラカンや残りのドーベンウルフのパイロット達に躱される。
「おのれ、俺達の母艦が!?」
「いざ、尋常に!!」
二人の乗るブラックローズⅡの一時のエネルギー切れから回復し、ショットランサーを構えたマシュマーのブラックローズⅡはキャラのブラックローズⅡのビームライフルによる支援射撃を受けながらドーベンウルフの懐へと入りながら、頭部からランスを突き刺して撃墜し、キャラもビームライフルを放ちドーベンウルフのメガランチャーを破壊しながらビームサーベルを抜き胸部へと突き刺し撃破しながら別機体から放たれたミサイルを躱す。
「マシュマー、後でイチカ隊長の鉄拳制裁だからね!!」
「うっぐぅ…」
マシュマーはキャラからイチカ隊長の鉄拳制裁だと聞き顔を青くするが、ラカンのドーベンウルフが拡散メガ粒子砲を放ち襲う。
「落ちろ!!」
「「なっ!?」」
咄嗟に展開したビームシールドで拡散メガ粒子砲から守りビームライフルを反撃で放つが、ラカンには躱され別のドーベンウルフに命中する。しかし、ラカンはビームサーベルを握る腕を飛ばしながらマシュマーのブラックローズⅡへと斬り掛かり、マシュマーはビームサーベルで受け止める。
「貰ったぞ、小僧!!」
「なんの!!」
「だから、シャーロット中佐がその癖を注意するのだと言うのだ青二才が!!」
「グッハァ!?
イチカ隊長すいません…
ハマーン様!!
バンザァァァァイィィィィ!!」
ドーベンウルフの隠し腕でビームサーベルを抜くとマシュマーのブラックローズⅡのコクピットへとビームサーベルを突き刺し、マシュマーは叫びながらビームサーベルに焼かれ死亡し、乗っていたブラックローズⅡは爆発しながらキャラのブラックローズⅡの装甲を叩きながら膝関節を破壊して四散する。
「マシュマーのバカヤロー!!
あっ、あたいは、マシュマーが好きだと言ってないのにぃぃぃ!!」
最後までマシュマーに素直に好きだと言えなかったキャラは泣きながらマシュマーに馬鹿野郎と叫び、膝関節を破壊され損傷したブラックローズⅡはショットランサーを構えてラカンのドーベンウルフへとスラスターを全開にしながら突っ込むが、複数からのドーベンウルフの集中砲火を受けそうになるが、マシュマーを殺された怒りから左手に握るビームライフルを乱射してラカン機以外のドーベンウルフを全て撃墜する。
「あぁ、マシュマー。
あたいが今、仇を取るからね…」
「グッアッ!?
グレミー様…」
「誰だい!!
あたいの仇を奪ったのは!!」
「キャラ、落ち着きなさい‼」
「シャーロット教官…」
キャラがラカンに突撃をしようとした瞬間、ラカンのドーベンウルフはコクピットを狙撃され四散する。しかし、ラカンへとビームを放ったのは、ロングレンジスナイパーライフルを構えて放ったシャロのブラックローズⅡだった。
「こめんね、キャラ。
教官同士の問題だけは譲れないから…」
シャロが言う様に、ラカンもシャロ同様に教官仲間だったのは、キャラも二人の生徒だった為に知っていた。だから、グレミー側に付いたラカンだけは自分で殺すとシャロは決めていたのだ。
例え、仇を取られたキャラが逆上して私に襲い掛かろうとも…
だけどキャラは涙を流しながら、教官であるシャロが仇を取ってくれた事に感謝しながらもシャロ達に合流して、急に展開を始めたネオ・ジオンのモビルスーツ隊の掃討に向かったのだった。
同じ頃、ムサシの医務室では陣痛の感覚が短くなった鈴の出産が始まり、看護師助手のファと看護師の資格が有ったケイト、医師免許がある束さんの三人で立ち会いながら鈴の出産を迎えようとしていた。
「うっ、うぅぅぅぅ!?」
「鈴ちゃん、ふっ、ふっふぅだよ!!」
「一夏に元気な娘を生んでやるんだから!!
ふぅ…うっ…うぅぅぅぅ」
「束さん、お湯とタオルの準備できました!!」
「ファちゃん、ありがとうねぇ」
カートに置かれた清潔なタオルと沸かされたお湯を調整しながらファにお礼を言う。
そんな最中にも三つ巴によるモビルスーツ戦は激化の一途を辿り、ムサシの医務室にも負傷したクルーやパイロットのカナデとカエデの双子姉妹が重傷を負い担架で搬送されて来た。
「「うっうぅぅぅ…」」
「束さん!!
カナデとカエデが!!」
「全く、鈴ちゃんも出産中なのに!!」
二人同時にバウのシールドに備えられたメガ粒子砲を撃たれて撃墜され脱出はしたが、自機のモビルスーツの破片を受けた二人は背中とお腹にそれぞれ破片が刺さり瀕死の重傷だった。
無論、他の艦の医療設備なら死亡は確実だろうが、ムサシには最高の医療設備と天災の束さんが居る。
「仕方ないな。
これを使おうかな」
ドッゴォン
「「「へっ?」」」
束さんの専用機の白椿の拡張領域から取り出した液体に満たされた2機のカプセルは、IS世界では普及しつつあるナノマシンで行う人体再生による治療機器だった。担架で運んで来たマウアーとサクラは呆気に晒されながらも正気を取り戻す。
「さっさと治療するよ!!」
「「はっ、はい!!」」
束さんは二人のノーマルスーツを脱がして全裸にしてから麻酔をすると破片を慎重に引き抜き、カプセルへと投入してから二人に人工呼吸器を付けてカプセルを閉じて液体をカプセル内へと満たす。
「「すぅ…すぅ…」」
二人の呼吸は落ち着き始め、ナノマシンによる治療により徐々に傷口が塞がり始めた二人は寝息を立てながら無防備な寝顔を晒すのだった。
二人の治療が終わる頃には、鈴から赤ちゃんの頭が出始める。鈴が力みながら力を入れて行くと、徐々に赤ちゃんが出始めて頭が完全に出て間もなくして鈴の娘が産まれたのだった。
「オギャァ、オギャァ!!」
「おぉ、元気な女の子だよ!!」
「ふぅ…良かった…」
束さんにより、早産だけど産まれた赤ちゃんを受け止めれて安心した鈴は始めての出産に疲れて居たが、束さんからタオルに包まれた娘を受け取ると優しく抱き上げながら、きゃっきゃっと騒ぐ娘に無事に産まれたこと感謝する。そして、ケイトに娘を預けると鈴は気絶する様に深い眠りに着き、規則正しい寝息を立てたのだった。
無論、撃墜されたのはマシュマーやカナデとカエデの双子姉妹だけでは無かった。
「落ちなさい!!」
『グッアッ!?』
『貰った!!』
「きゃあ!?」
クリスとイヴと組みながらティターンズからのモビルスーツ隊と交戦していたエマもバーザムからのビームライフルの直撃を受けて左腕が吹き飛び、援護しようとしたイヴが乱入して来たネオ・ジオンのオーギュストが乗るドライセンからのビームカノンを受けて撃墜され、イヴは脱出装置を使い脱出する。無論、クリスが脱出ポッドを回収してエマがドライセンを撃破すると、お互いを支援しながら戦線を離脱してムサシへと向かう。
イチカ達も同様で、アクシズへと向かったイチカ達はグレミー・トトが乗る修理されただろうサイコガンダムMK-Ⅱと複数のバウと交戦状態になる。
「グレミー・トト!!」
「やはり来たか、特異点が!!」
サイコガンダムMK-Ⅱと交戦するイチカのブルーローズMK-Ⅱ。そして、取り巻きたる複数のバウと交戦するアンとシャロにキャラのブラックローズⅡ。
「イチカ、見付けたぞ!!」
「ジェリドか!!」
「まさか、カミーユかよ!!」
可変モビルスーツのバウンドドックを乗るジェリドは、カミーユ機のブルーローズMK-Ⅱをイチカ機と勘違いをして襲い、フォウのブルーローズMK-Ⅱがカミーユを支援する。
「貴様が、ギレン閣下の兄弟仲を直さなければ!!」
「逆恨みかよ!!」
「ハマーンを殺してリーダーに成れたものを!!」
サイコガンダムMK-Ⅱは全身からの拡散メガ粒子砲やビーム砲を放ちイチカを狙う。無論、イチカへの直撃コースのビーム砲はビームシールドで防がれ、逆にイチカが放つビームライフルと展開したファンネルのビームはIフィールドで防がれてお互いに膠着状態となる。
「チィ!?」
「ビームなど無駄だ!!」
「イチカへは行かせないわよ!!」
『グッァァァァ!?』
「グッ、ミサイル!?」
イチカの背後をシャロとアンが守りながら、アンがヘヴィマシンガンを放ちバウを撃破し、シャロは乱入して来たティターンズのハイザックを遠距離から狙撃し撃破するが、キャラも二人を支援していたが右脚部を失っていた事により、バウが落とされ間際に放ったミサイルを受けてしまう。
「キャラ、急いで脱出しなさい!!」
「教官、脱出ポッドが故障して…」
それが、キャラの最後の言葉となり、キャラのブラックローズⅡはミサイルの直撃で歪んだ内部フレームにより脱出不能となる。そして、キャラのブラックローズⅡは再度のミサイルの直撃でキャラ脱出する事なくブラックローズⅡは四散するのだった。
「キャラァァァ!!
あんた達、私の教え子をよくも!!」
シャロの叫びも虚しく、シャロは泣きながらもヘヴィマシンガンを乱射してバウを撃墜して行く。そして、アンも乱入するティターンズのモビルスーツのバーザムと交戦を始める。
「カミーユ!!」
「ジェリド、母さんの仇だ!!」
「三対一じゃあ、分が悪いぜ!!」
「カミーユ、熱くなり過ぎるな!!」
「なら、行けファンネル!!」
イリアに忠告され、冷静さを取り戻したカミーユはファンネルを展開し、それに倣う様にフォウとイリアもジェリドのバウンドドックへとファンネルを使う。
「チ、チクショォォ!!」
そして、ジェリドのバウンドドックへと殺到したファンネルはビームの雨を降らしてジェリドの機体へと襲い掛かり、ビームの雨を受けたジェリドのバウンドドックは四散する。ジェリドはコクピット内で叫びながら機体の爆発と一緒に焼かれながら蒸発したのだった。
ゼタンの門側でも、ハマーンが乗る純白のブルーローズMK-Ⅱとシャアが乗るナイチンゲールが組む二人とジ・オに乗り、エゥーゴとアクシズのモビルスーツを撃墜して行くシロッコとの戦いとなる。
だが、シロッコは宇宙要塞のアクシズ側へと誘導しながら戦い、ゼタンの門へとぶつかるのは時間の問題だと思うが、アクシズ側でもネオ・ジオンと戦うオリムラ中隊を見付けて、自軍のバーザムと戦うアンの乗るブラックローズⅡへと狙いを着けてビームライフルを放つ。
「あの時の死に損ないが落ちろ!!」
「当たらないわよ!!」
咄嗟に気付いたアンが、シロッコのジ・オから放たれたビームを躱し、サイコガンダムMK-Ⅱと戦うイチカのブルーローズMK-Ⅱ側へと退避し、シロッコはアンのブラックローズⅡを見失うのだったが、追い付いたシャアとハマーンからのファンネルから回避行動を取らなければならず、シロッコは苦虫を噛んだ表情で悔しがるのだった。