混迷する三つ巴の戦いは、佳境を迎えようとしていた。無論、アクシズとエゥーゴの連合軍とティターンズにネオ・ジオンのモビルスーツ隊は何処に行っても乱戦となり沢山の生命が花火の様に散らしていた。
「貴様の様な危険なニュータイプは生かしておけんな!!」
「アクシズの女狐が何を言うか!!」
ハマーンのブルーローズMK-Ⅱは俊敏性と高い機動力を活かしながらシロッコのジ・オを翻弄しながらファンネルとビームライフルからビームを放つ。
「ニュータイプのなり損ないのシャアも似たような存在ではないか!!」
「私は確かにニュータイプのなり損ないだろう。だが、人の革新を気長に見守ろうと一切しない貴様の存在自体が危険なのだよ!!」
シャアは叫びながらナイチンゲールのビームトマホークを抜き、ハマーンの援護射撃を受けて斬り掛かりるが、ビームサーベルで受け止められて攻撃は通らない。
そんな、3機のニュータイプ同士の戦いはアクシズの要塞施設を破壊しながらの戦いとなる。
そして、イチカもアンとシャロのブラックローズⅡの援護を受けながらグレミーのサイコガンダムMK-Ⅱと戦う。
「貴様が居なければ!!」
「自分の不幸を人のせいにしてんじゃねえよ!!」
ビームライフルをハイパービームサーベルへと変形させ、サイコガンダムMK-Ⅱの肩から腕に掛けて斬り裂き右腕を破壊する。
「ぐっ!?
貴様はどうだと言うのだ!!」
「俺だって、最初は不幸な連続だったさ!!
だがな、グレミーの様に悲観すらしなかったし、みんなとの出会いが在ったからこうして居られんだよ!!」
「うるさい、うるさい、うるさァァァい!!」
拡散メガ粒子砲を躱しながら背後へと周り、バックパックへと斬り掛かりIフィールド発生装置を破壊する。
「だから、てめぇはガキなんだよ!!」
「Iフィールドが!?」
「様子がおかしいな?」
「うわァァァァ!?」
「ちぃ、暴走かよ!?
アン、シャロは巻き込まれるから退避しろ!!」
「「了解!!」」
グレミーが錯乱した影響でサイコミュシステムが暴走したサイコガンダムMK-Ⅱは敵味方関係なく拡散メガ粒子砲を放ち破壊を撒き散らす。
「アハハハ!!
消えろ、消えろ、消えて無くなれぇぇぇ!!」
錯乱し、破壊を撒き散らすサイコガンダムMK-Ⅱはシャア達が戦う方へと移動しながら拡散メガ粒子砲を放ち、アクシズで就航したばかりでムサシと砲撃戦を展開していたサダラーンのブリッジを撃ち抜く。
無論、ブリッジを破壊されたことにより指揮系統が破壊されたサダラーンはムサシからの一斉射撃をくらい轟沈する。
「ちぃ、味方までも攻撃をすんのかよ!!」
イチカは被害が大きくなる前にグレミーのサイコガンダムMK-Ⅱを落とす決意をしてブルーローズMK-Ⅱでは初めて行う二重瞬時加速に不安に思いながらも、ハイパービームサーベルのリミッターを斬る直前に切る様に白星に頼み、二重瞬時加速を行ったのだ。
「俺はグレミーともしかした友になれたかも知れない。だが、嫉妬してミネバやハマーン様を殺すなら!!」
「消えた!?」
イチカは叫びながら二重瞬時加速を行い、サイコガンダムMK-Ⅱの頭上へと行くとハイパービームサーベルを振り下ろしてサイコガンダムMK-Ⅱを頭から胴へと斬り裂くとサイコガンダムMK-Ⅱは縦に真っ二つになり、グレミーはコクピット内で叫ぶ事なく即死してサイコガンダムMK-Ⅱと共に大爆発を起こしてサイコガンダムMK-Ⅱは四散したのだった。
「グレミー…俺はグレミーの様にはならないからな…」
イチカは呟きながら、アン達に合流する為に移動する。しかし、アンとシャロのブラックローズⅡを見付け合流しようとする。
「「イチカ!!」」
「二人共無事だったか…えっ、アン?」
「アン?」
「あっ……イチカ…」
アンのブラックローズⅡが急に脱出ポッドを吐き出した後にビームが直撃して四散する。それは、ビームライフルのビームが直撃する寸前にコア人格の蒼が脱出装置を発動させてアンを脱出させていたが、アンはISコアの生命維持装置が働いて気絶する様に眠らせていたのだった。
「シャロ、アンを連れてムサシへ戻れ…」
「イチカ?」
「俺は、シロッコを殺さなくてはいけなくなった」
「ちょっと、イチカ一人じゃあ無理よ!!」
「シャロ、隊長命令だ。アン大佐を連れ、ムサシへと帰投しろ」
「隊長命令だなんて酷い!!」
「アンを頼む」
「必ず、戻ってね…」
シャロは泣きながら、命令を否定しようとするがアンを頼むと言い、シャロから離れながらアンのブラックローズⅡのショットランサーを握りシロッコのジ・オへと向かったのだった。
「アン、このショットランサーを借りるからな…」
シャロがムサシへ向かっていた頃、サダラーンを撃沈したムサシの第二砲塔がドゴス・ギアからの砲撃により主砲塔の側面装甲を撃ち抜かれ吹き飛ぶ。
「くっ、被害状況知らせ!!」
「主砲の第二砲塔が全損し、主砲塔内に居た者は全員戦死!!」
「第二カタパルトに直撃被弾し、負傷者多数!!」
「ムサシ、回頭急き、アンチビーム爆雷投下を!!」
ツキノ中佐は、何としてもムサシを沈めまいとクルーへと檄を飛ばし、ドゴス・ギアへの反撃を試みる。
「主砲準備良し!!」
「ドゴス・ギアに撃ち返しなさい!!」
ムサシの第一砲塔のハイパーメガ粒子砲がドゴス・ギアへと放つ。無論、バスクが艦長を務めるドゴス・ギアではアンチビーム爆雷を投下して防御に徹するが、ツキノの意地の一撃とも言えたハイパーメガ粒子砲はドゴス・ギアの格納庫を撃ち抜き、モビルスーツデッキではモビルスーツの誘爆により大火災を発生させる。
「ヌッオッ!?
被害知らせ!!」
「前部右舷格納庫に直撃被弾し、大火災発生!!」
「おのれ!!」
バスクが叫ぶの束の間、シーマが直接指揮するアカツキからの主砲の砲撃がブリッジ下へと被弾する。ツキノは好機と判断して一斉回頭した後に第一砲塔と第三砲塔からのハイパーメガ粒子砲による一斉射撃を指示する。
「今が好機。
一斉回頭!!」
「了解!!」
「全主砲、一斉射撃しなさい!!
撃てぇぇぇ!!」
「ぬぉぉぉぉ!?」
前部の生き残った主砲と後部の主砲が一斉に放たれ、ドゴス・ギアは六条のハイパーメガ粒子砲が突き刺さりながら内部で大爆発を引き起こして、ブリッジに居たバスクは床下から来た爆発の炎に焼かれながら死亡してドゴス・ギアは轟沈する。しかし、沈む直前に放たれたメガ粒子砲はアカツキのブリッジ付近と機関部に直撃して、被弾した煽りでブリッジ内にも艦内の破片が降り注ぎ、数名のクルーは装甲板の下敷きになり即死し、シーマも爆発の煽りでお腹に細い鉄パイプが突き刺さり瀕死の重傷を負う。
「シーマ様だけでも脱出させろ!!」
「ラッセル、あんた死ぬ気かい!?」
「お嬢の為に生きてくだせい。ユキナ、シーマ様をムサシへ連れて行け!!」
「ラッセル、あたしは「シーマ様、失礼!!」ユキナアンタ…」
そして、ユキナがシーマの意識を首への当身で刈り取り、ランチへと乗りシーマや多数のクルーが退艦した後、アカツキは大爆発を引き起こし、ラッセルはムサシに向かい敬礼をしながらアカツキの大爆発とともに焼かれて戦死し、逃げ遅れた多数のクルーと一緒に四散したのだった。
無論、ムサシへと移乗したシーマは医務室へと搬送され、双子姉妹同様にカプセルへと入れられ治療を受ける事になるのだが、ブリッジで再会したユキナとツキノが姉妹だった様で未だにイチカへと思いを告げないでいる駄姉に対してキレた妹のユキナとの殴り合いによる肉体的会話での姉妹喧嘩になるのは別の話だったりする。
シャロと別れたイチカは、ブルーローズMK-Ⅱを加速させながらシャアとハマーンの二人と戦うシロッコへと向かっていた。無論、アンへと狙撃し殺され掛けた事だけではなく、以前に殺されたジュンコへの仇を討つつもりでもあった。
「シロッコ!!」
ニュータイプ3人の戦いにイチカも参戦し、シロッコのジ・オへとヘヴィマシンガンを放ち牽制する。
「ちぃ、なり損ないのニュータイプが増えたか!!」
「ニュータイプなんて、どうでも良い!!
俺はただの織斑一夏で、女性達の不幸を呼ぶお前だけは!!」
「イチカくん、無茶をするな!!」
「私とシャアで、奴を片付ける!!」
「行けぇぇファンネル!!」
二人の静止を聞かずにファンネルを展開しながらシロッコのジ・オへとファンネルが襲い掛かるが、反転し回避行動を取るシロッコのジ・オの機動力と重装甲に阻まれ、ファンネルでは効果がない。それは、シャアとハマーンも理解しており、近接戦闘を強いられていた事からも理解できる。
「なまじ、ニュータイプだけに厄介だが、このジ・オに無駄だよ。さあ、消えろ、ニュータイプのなり損ない!!」
「ビームなんか!!」
シロッコのジ・オが放つビームライフルをビームシールドで防ぎ、逆にハイパーメガビームランチャーを展開して、ジ・オへと放つ。そして、回避行動しながらもシロッコのジ・オの右腕とビームライフルを一緒に吹き飛ばし、シロッコは攻撃を当てられジ・オを損傷させた事にイチカに対してキレて叫ぶ。
「いい気に成るなよ、なり損ないが!!」
「私が居るのを忘れては困るな、シロッコ!!」
「そろそろ、落ちて貰うぞシロッコ!!」
「クッ、ハマーンとシャアが居たのを忘れていたか、だが!!」
「「ぬっわぁ!?」」
「貰ったぁぁぁ!!」
二人から放たれたビームライフルを躱しながら、シャアのナイチンゲールを掴み、ハマーンのブルーローズMK-Ⅱへと投げ飛ばし、イチカが左手に抜いて斬り掛かるビームサーベルをスカート下の隠し腕が抜いたビームサーベルで受け止める。
「甘いと言っているだろうが!!」
「くっ!」
ビームサーベルを受け止められた時、三人の女性の声が聞こえたのだ。
『一夏、最後まで素直に成れなかったのは済まなかったが、私の思いと力を使え』
「箒なのか!?」
『イチカの頼れるお姉さんである、私も忘れたら嫌だよ?』
「ミチル!?」
『イチカ、私の死に何時まで気に止むな。私はイチカに抱かれた事と私を妻に迎えてくれた事に幸せだったぞ。だから、私達の力を使ってくれ…』
「ジュンコ、ありがとう…それに箒もミチルも…」
三人の思いを受け止めると、ブルーローズMK-Ⅱは赤紫色のオーラに包まれながらサイコフレームと共振して、シロッコのジ・オにもブルーローズMK-Ⅱから放たれたオーラに包まれる。無論、このオーラはシャアとハマーンにも包まれていた。
「シャア、なんと暖かく優しい波動なのだ…」
「これが、私の求めた暖かさなのだというのだな…」
「そうか、なら私達はこの暖かさを何時までも守らないといけないが、悪くはないものだな」
シャアとハマーンは、この暖かさの真の意味を理解して二人の行く末を見守る事にするのだった。
「なっ、何だ!?
ジ・オが動けないだと!?」
「シロッコ、これで終わりだ!!」
ブルーローズMK-Ⅱで瞬時加速でシロッコのジ・オへと懐に入り込み、ショットランサーをコクピットへと放つ。
「グッハァ!?
だが、私一人では死なんぞ!!
イチカと言ったか、貴様の魂も一緒に連れて行くぞ!!」
「なっ、何だ!?
何なんだ、宇宙(そら)が広がっていく…」
『一夏をやらせないぞ!!』
「ぐっ…死人の魂が邪魔をするな!!」
咄嗟に箒の魂が一夏を庇うが、シロッコの思念に邪魔されて箒の魂は消されたのだ。
『ねぇ、イチカ、返事をしてよ!!』
「…あっ…あっ…」
『イチカ、嘘…嫌ァァァァァ!!』
コクピットの中でグッタリとしたまま動かないイチカを白星は人化して揺するが、イチカの瞳孔が開いたまま動かない事に気付き、白星は悲鳴を上げたのだった。
その後だが、イチカは補助席に移した白星が操縦するブルーローズMK-Ⅱは中破したムサシへと帰投を果たしたが、イチカを出迎えに来たアンとシャロはイチカの精神崩壊を白星から聞き泣き崩れる。
無論、妻達全員へと広まるが、出産を終えた鈴が泣き崩れる妻達全員に平手打ちを食らわせて一喝する。
「一夏が死んだ訳じゃないでしょうが!!」
「そうだよ。束さん達といっくんはIS世界に戻り次第、クーちゃんによるワールドパージで助けるから!!」
鈴さんと束さんの一言に妻達はくよくよして居られないと立ち上がり一段と結束を強める結果となる。
そして、三つ巴による戦いはアクシズとエゥーゴの連合軍の勝利となるが、ティターンズの指導者のジャミトフはシャトルにて逃亡して行方不明となり、アクシズはグレミー・トトによる反乱による煽りで多数のベテランパイロットや艦船を失う事となる。
そして、イチカ達が乗る中破したムサシは、暗礁宙域を航行しながら本拠地のソロモンへと向かう途中、いきなり消えて行方不明となったと後方15000を離れて護衛していたキマイラ艦隊のモビルスーツ隊隊長のジョニー・ライデン大佐はヤマシロに座乗するハマーンへと報告し、探索部隊を編成して探したが発見には至っていないのだった。