一夏がシャアに拾われた件について   作:ロドニー

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鈴の因縁の対決

 

 

 復学する為の試験当日、あたしとアンにシャロは八ヶ月ぶりの学園への復学となる試験の為に学園に来ていた。無論、イリアとフォウは編入試験の為に別のアリーナの控室で筆記試験を受けた後に実技試験を受ける予定だった。

 

 「頭が重い…」

 

 「あたしは余裕だけどね」

 

 「アン、私と鈴に気を使いなさいよね。あんたは、一年生の時はイチカと同じ主席だったから良いものの、中間位の成績だった私達には少し荷が重いわよ…」

 

 シャロに言われながらも、筆記試験がこんなにも簡単だった事には変わり無く、イチカと二人で帰って来てから束さんからみっちりとIS関連の知識を教え込まれた結果に過ぎないし、鈴は元から努力家だったのもあり気を使えとは言われても努力で全てカバーしていから何も言う事は無いのだ。

 

 ただ単に、シャロが見た目とは違い脳筋思考なのが問題だと言ってしまえば楽だが、言ってしまえば血の雨が降る肉弾戦による喧嘩は必須になるだろう。

 

 それはさて置き、あたし達が向かった第二アリーナではイリアが山田先生を相手に実技試験を始めており、イリアの高いニュータイプ能力を遺憾なく発揮できるブルーローズMK-Ⅱでは無く、旧式とも言える第二世代の打鉄を纏いながらアサルトライフルと腰に装着している柄の短いバトルアックスのみで行い、第三世代の流星改を纏う山田先生とやり合う姿は他の生徒にしたら舐めプレイだと非難が殺到するだろうが、山田先生の放つレーザーライフルを全て紙一重に躱す光景はイリアのニュータイプ能力とモビルスーツの操縦で培った技術だろう。

 

 「本当、あの戦いで成長したのは、教官冥利で嬉しいけど、打鉄が保つのか不安ね…」

 

 「確かに、あたしも打鉄での操縦訓練で何度も関節とか壊したしなぁ…」

 

 「それ、不安しか無いわよ!?」

 

 三人がイリアを見ながら打鉄が保つのか不安になるが、イリアはバトルアックスを抜きながら瞬時加速をして加速すると、山田先生の流星改のレーザーライフルへ上からバトルアックスを振り降ろして叩き斬りながら流星改の腹部を蹴り飛ばすと間髪入れずにアサルトライフルを流星改へと乱射しながら追い、再加速して追い付くとバトルアックスを上下に振りながら流星改を叩く様に切り裂き、アサルトライフルをラピッドスイッチでグレネードに換装すると流星改へと投げ付け、グレネードが流星改に当たる直前を狙いながらバトルアックスをグレネードへと投げつける。

 

 無論、バトルアックスはグレネードを斬り裂き流星改を巻き込みながらグレネードは爆発するが、グレネードを斬り裂いたバトルアックスは爆炎に紛れながら流星改へと当たり、流星改はシールドエネルギーを失いイリアの勝利となる。

 

 「イリア、えげつないわね…」

 

 「私がグフカスタムで陸戦型ジムとやり合った時みたいにやるわね…」

 

 「でも、あの動きは06タイプの動きよね?」

 

 「イリアが士官候補生だった時の訓練機は、旧式のMS-06FZのザク改だったかしらね」

 

 「道理でザクの動きな訳ね…」

 

 アンとシャロはイリアの動きを納得しながらも、三世代型量産機の流星改を旧式の二世代型の打鉄で勝つ姿は見学していた一般生徒には衝撃が強過ぎたらしく呆然する。無論、アクシズ防衛戦で初陣してから三つ巴の乱戦までを生き抜いたイリアにしたら片手間でしかないのは三人の同じ意見だった。

 

 そして、次はフォウが呼ばれてアリーナのグラウンドに出て来た姿は学園に初お披露目となるブルーローズMK-Ⅱを纏うフォウの姿だった。

 

 ブルーローズ自体は、2学年以上の生徒間ではイチカの専用機として有名ではあるのだが、本来のブルーローズとは違う、ブルーローズの後継機のブルーローズMK-Ⅱの姿にどよめきながらも、別の席で見ていた生徒会長はイチカとの模擬戦を思い出して顔を真っ青にしていた。

 

 無論、生徒会長がブルーローズに惨敗した思い出が原因で顔を真っ青にするのも納得が出来る状況をフォウは作り出していた。

 

 「ねぇ、あたしは目が悪くなったのかな?」

 

 「鈴、どうしてよ?」

 

 「何か、私から見たらブルーローズMK-Ⅱが何機にも見えるんだけど?」

 

 「「えっ?」」

 

 アンと鈴の2人が一斉にアリーナのグラウンドに目を向ければ、ブルーローズMK-Ⅱが何機に見える様に思える状況だった。そして、部分展開したハイパーセンサーのレーダーでも同じ状況になり、あたしから見えた最低の数でも、ブルーローズMK-Ⅱが5機位に映る状況に試験官はショットガンを放つが弾はブルーローズMK-Ⅱを陽炎の様に突き抜ける。

 

 「ざっ、残像!?」

 

 「私は早くカミーユとイチャイチャしたいの!!

 

 邪魔するな!!」

 

 色ボケに目覚めたフォウのイチャ付きたい本音の叫びに、あたし達は一斉にズッコケながらも質量のある残像を残すほどの高機動戦闘にフォウが本気だと判る。

 

 無論、一気に懐に入り込みながらバックパックから展開した伸縮式のハイメガビームランチャーを展開して至近距離から放ち、試験官の纏う流星改は損傷レベルがF以上の大ダメージを受けながらグラウンドに流星改のパーツをばら撒き、アリーナの壁へと吹き飛んだのだった。

 

 実技試験後のフォウはピットへと急いで戻り、ピットにて会社関係者として入り見学していたカミーユへと抱き付きながら唇へのキスを強請り、勝ったご褒美にキスをカミーユからして貰って居たのだった。そして、彼氏いない歴イコール実年齢の試験官だったボロボロの教師は二人のラブラブ空間をグラウンドから目の当たりにして、試験と言う試合にも女としてもフォウに完全に敗北して四つん這いになりがら血の涙を流したらしい。

 

 

 そして、アンとシャロがブラックローズⅡを纏い、アンは試験官のナタル先生とシャロは試験官の巻紙先生とそれぞれと模擬戦を行い、フォウに刺激されたのか二人揃って本気で行いナタル先生は至近距離から懐に入られショットランサーを食らって敗北し、シャロはブラックローズⅡの高い機動性能をフルに使いながらヘヴィマシンガンを放ち牽制しつつ、巻紙先生が挑発でキレたのを機に乱れた機動をする巻紙先生にハイメガビームランチャーを直撃させて勝利する。

 

 そして、あたしの模擬戦の番となる。

 

 あたしが選択した、スペリオールの換装パーツはEXパッケージだった。ブースターパッケージでは、狭いアリーナでは持て余す機動力が問題だと気付き、高火力のEXパッケージを選んだのだ。そして、イーリスさんは接近特化のカスタム仕様のブラックローズ。アン達のブラックローズⅡと比べ火力は低いがブルーローズシリーズ特有の高い高機動能力は侮れないし、何より接近特化と言えば、以前にあたしが使っていたブラックローズの接近特化型に近いだろうと思っていた。

 

 「鬼に金棒って、正にイーリスさんにお似合いよね…」

 

 「じゃあ、あの続きを楽しもうじゃねぇか?」

 

 真正面に飛ぶ、イーリスさんが纏うブラックローズに一瞬、あたしは身震いを覚える。武者震いの類いでは無く、一種の恐怖だと理解する。

 

 「最悪、アレを使うしか無いわね…」

 

 『絶対に駄目だよ?』

 

 朱雀があたしが何を切り札に使うのかが判り、駄目だと念を押して駄目出しする。だが、それだけあたしではイーリスさんに勝てる見込みが薄いのだと理解はしてはくれてはいる。

 

 「なら、火器管制は任せたわよ朱雀」

 

 『任された』

 

 専用機がスペリオールになってからは、複雑な火器管制は朱雀に任せている。あたし一人が扱い切れる訳が無いのは理解しているからだ。

 

 スタートのブザーと共にイーリスが大型ビームソードを抜き接近戦を仕掛けてくる。

 

 「よそ見とは余裕じゃねぇか!!」

 

 「くっ!?」

 

 咄嗟にスラスターを全開にしながらもメガビームスマートガンを放ち牽制。そして、距離を取りながらリフレクターインコムとインコムを放ち展開する。

 

 「そんなもん当たるかよ!!」

 

 「甘いわよ!!」

 

 「おっと、危ねえ!?」

  

 「躱した!?」

 

 インコムのビームガンを躱すが、リフレクターインコムにはビームを反射させる能力がる。ビームカノンやメガビームスマートガンを放ち、イーリスのブラックローズをビームの檻へと閉じ込めるが、イーリスが甘くないのは判り切っている。

 

 「前よりは強くなった見てぇだが!!」

 

 「不味い!?」

 

 リボルバーイグニッションブーストで一気に加速され、イーリスさんの握るビームソードにメガビームスマートガンを切り裂かれ、メガビームスマートガンを投棄して直ぐに爆発する。無論、武器はそれだけじゃない。

 

 「当たれ!!」

 

 バックパックの四連メガビームカノンを放ち、リフレクターインコムで反射させてイーリスさんのブラックローズの右の脚部に当てる。脚部は破壊には成功するが、イーリスさんの獰猛な笑みが更に深みが増した事に気付き、スラスターを全開にしながら距離を取りながらメガビームカノンとビームカノンを放ち追撃する。

 

 「あぁ、めっちゃ楽しいじゃねぇか!!」

 

 「嘘……ビームソードを引き換えに無傷ですって!?」

 

 予備のビームサーベルを抜き、迫るイーリスさんのブラックローズに恐怖を抱きながらも膝のアーマー裏のハイパービームサーベルを抜き、ビームサーベルを受け止める。

 

 「チィ、なんて出力のビームサーベルだよ!?」

 

 「野生動物の直感!?」

 

 「褒め言葉だぜ!!」

 

 「グッハァ!?」

 

 しかし、ハイパービームサーベルで受け止めた筈なのにビームサーベルを更に抜きながらX状にしてイーリスは鍔迫り合いを攻め、スキを狙いあたしのお腹へと蹴りを入れる。これが、妊娠中だったらと思うと彩芽がどうなっていたか恐怖するが、あたしは今は産後だった。

 

 だが、お腹を蹴られた事にスペリオールの何かがあたしの思いに賛同し、システムに何かが起こった。

 

 『私もこの子気に入っちゃった。だから、力を貸してあげるね…』

 

 少女の声共に網膜に映るモニター一面に映し出される『ALICE』の文字と同時にあたしの頭の中が急にクリアに成りながらもイーリスさんの動きが全て見える状況。

 

 そして、朱雀以上に火器管制を素早く行いながら、状況に必要な装備の選択と射撃位置の選択までが全てALICEが行う。そんな最中でもスペリオールは赤いオーラに包まれ、まるで一夏のニュータイプの優しい波動には似つかないが、激情な感情の彼女いやALICEのニュータイプの波動に飲まれて行く。

 

 『やっぱり、この子にも素質が在るんだね!!

 

 あぁ、嬉しいな!!

 

 私のニュータイプの力を継げる者に出会えるだなんて、素敵過ぎるわ!!』

 

 ALICEが歓喜しながら喜び、あたしの何かが目覚めたのだった。

 

 

 その後、あたしの記憶は一切が覚えて無く、結果的にはイーリスさんが敗北したとしか判っていなかった。

 

 

 

 アリーナの客席から鈴の模擬戦を見ていたが、赤いオーラに包まれた後の動きはイチカやフォウにカミーユと言ったニュータイプによる攻撃そのものだった。特にイリアは覚醒した頃の自分に似ていると言いながらも、激情な感情に飲まれそうになると言いながら恐怖し、フォウは鈴を見ながら『強制的にニュータイプに覚醒させられたのね…』と悲しそうにしていた。

 

 「アンさん、俺は鈴さんのニュータイプの波動嫌いですよ」

 

 「カミーユ、あたしには判んないけど?」

 

 「いづれ、判りますよ」

 

 フォウが自身のお尻をカミーユの手を掴みながら触らせ、それが見えているあたしから言えば、カミーユには何の説得力は無いが、鈴がスペリオールの何かによって覚醒したとしか言え無かった。

 

 だが、三人とも復学の為の試験は合格を果たしたのは言うまでも無かったのだ。

 

 

 

 

 

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