一夏がシャアに拾われた件について   作:ロドニー

71 / 82
ソロモンでの決戦 後編

 

 

 「くっ、待ち伏せか!?」

 

 「アムロ、落とさせて貰う!!」

 

 「シャアだと!?」

 

 「私が居るのを忘れては困るぞ!!」

 

 「くっ、ハマーンまで居るのか!?」

 

 ソロモン要塞側へと退避したアムロは、シャアとハマーンの待ち伏せを食らいながらも回避と防御に徹して防ぐが、束博士が自ら製造した初期生産タイプのブルーローズMK-ⅡはHi-νガンダムと性能面では優位に立ちながらアムロを追い詰める。

 

 無論、シャアが受領したのは戦後であり、ハマーンは三つ巴の戦いで使用する前にコクピットブロックをグレミー・トトを引きずり出す為に束博士本人が解体した後に修理と組み立てに時間が掛かり戦後に受領したと言える。

 

 「シャア、何故隕石を落とした!!」

 

 「アムロ、温厚に連邦との話し合いに応じていたアクシズが報復に走った意味も判らず、連邦に与するなど失望したぞ!!」

 

 「貴様、姉様を核攻撃で殺された、私の怒りがわかるだろ!!」

 

 「核攻撃!?

 

 まさか、シャア!?」

 

 「そうだ!!

 

 妻のハマーンの姉は、連邦との食料供給問題の話し合いの最中に核攻撃で死んだのだ!!

 

 唯一の肉親だった姉を殺された妻の怒りが判るだろ!」 

 

 アムロは最大の食料の生産コロニーだったサイド2への核攻撃を知らない訳では無かった。ロンド・ベル隊だって結成された当初は元エゥーゴの連邦軍人だったブライトにより結成され、治安維持と連邦を監視する部隊だった。しかし、実際は隊員の家族を人質に連邦に与するように脅されて連邦に従うしか無かった。

 

 そして、連邦に正義など無いと言う事にもアムロは気付いていたが、ロンドンに幽閉された妻のベルトチーカと常に監視されながら過ごすチェーンを考えると保身に走ったのは自分だと気づく。だが、3機のモビルスーツは縺れ合う様にソロモン要塞の外装付近で戦い、三人はイチカが此処に加わるとすら予想はしていない。

 

 そんな最中、眩しい光と共にソロモンに接近していたゼータプラスが四散しながら核爆発を起こす。

 

 「くっ、おのれ!!

 

 ソロモンにまで核を使うか!!」

 

 「イチカくんが防いでくれたのか!?」

 

 「憎しみの光が拡がって行くだと!?」

 

 「アムロ、これを拡げてはいけない光なのは判るだろ!!」

 

 「くっ!?」

 

 シャアは此処ぞとばかりにアムロの説得する。しかし、連邦がこう成った以上は引くに引けないアムロ。

 

 「アムロ、見付けたぞ!!」

 

 「くっ、追い付かれたか!?」

 

 「「イチカ(くん)か!?」」

 

 核ミサイル装備のゼータプラスを撃墜したイチカが乗るブルーローズMK-ⅡがビームライフルをHi-νガンダムへと撃ちながら接近する。無論、アムロのHi-νガンダムはフィン・ファンネルを機体の周囲に展開してIフィールドを形成してビームを弾く。

 

 

 「哀しみを拡げる元凶のアムロだけは!!」

 

 「なっ!?

 

 なんだ、凄まじいプレッシャーは!?」

 

 「イチカくん、憎しみの波動に飲まれるぞ!!」

 

 「私の身体が震えているだと!?」

 

 アムロを殺すと覚悟を決めたイチカから放たれたプレッシャーはアムロの動きを鈍くさせながらもシャアはイチカに叫ぶ様に警告し、ハマーンはイチカから滲み出る怒りの波動を受けてしまい恐怖からか身体を震わせて怯えたのだ。

 

 「アムロ!!」

 

 「チィ!?」

 

 イチカとアムロとの戦いの第二ラウンドが始まったのだ。

 

 

 

 そして、鈴とケーラも敵味方の機体を撃墜しながら死闘を繰り広げていた。無論、戦うフィールドは撃沈されたネェル・アーガマの残骸の中、ビームサーベルで斬り合いビームライフルなら撃ち合いの激しい戦闘だった。

 

 「アストナージの仇!!」

 

 「当たらないわよ!!」

 

 ガンダムMK-Ⅴから放たれたマイクロミサイルをスラスターを全開にしながら回避して行き、此処ぞとばかりに鈴はメガビームスマートガンを放ち反撃する。

 

 「グッ!?」

 

 「貰ったわよ!!」

 

 「仇を取るまでは!!」

 

 「きゃあ、マジなの!?」

 

 ガンダムMK-Ⅴの左腕をメガビームスマートガンで破壊した隙を狙いビームサーベルで斬り裂こうと斬り掛かるが、ケーラの咄嗟に放った拡散メガ粒子砲を至近距離で浴びてしまい、回避したが至らずにメガビームスマートガンと一緒に右腕を失いと左脚は股から下をを失う。

 

 無論、逆襲したケーラは鈴のEX-Sガンダムの肩のアーマーを掴み、腹部のメガ粒子砲を至近距離から放とうとする。

 

 「これで終わりだ!!」

 

 「あたしは一夏と一緒に帰るまでは死ねないわよ!!」

 

 鈴がコクピット内で叫んだ時だった。

 

 『鈴はやらせない!!』

 

 「アストナージ、今逝くよ…」

 

 ALICEの叫ぶ声に無機質な音声と共にモニター一面にはALICEの文字がずらりと並び、ツインアイの色も変色して緑色だった色は赤く染まる。そして、EX-Sガンダムは自動操縦となり、膝裏のビームサーベルを抜くと逆手に握りながらケーラのガンダムMK-Ⅴの頭部からビームサーベルを突き刺し、EX-Sガンダムの下半身が離れて鈴が乗るSガンダムのコクピットとも言えたコアファイターを射出する。

 

 「へっ?

 

 アリス!!」

 

 鈴が叫ぶが、ALICEは反応しない。

 

 ALICEは、鈴の無防備なコアファイターを守る為にガンダムMK-Ⅴに抱えられ絡み合ったままのEX-Sガンダムを自動操縦しながら離れて行き、ガンダムMK-Ⅴと共にEX-Sガンダムは四散したのだった。

 

 無論、ケーラは頭部をビームサーベルで突き刺された際に、恋人の名前を呟き死亡していたのだ。

 

 『鈴、楽しかったよ…』

 

 「アンタねぇ!!

 

 あたしは絶対に許さないし、もう一人出来たらアンタの名前を付けてやるんだから!!」

 

 脳内に響いたALICEの最後の声に、鈴は顔がぐちゃぐちゃになりながら泣き叫んだのだった。

 

 暴走系モビルスーツに愛された鈴の戦いは終わるのだった。無論、ISのスペリオルもコア人格の朱雀のみが反応するのだが、ALICEを失った事によりスペリオルも展開が不能となった事を知るのはかなり後の話である。

 

 一方、アンとクェスも連邦のジェガン隊と交戦しながらもロンド・ベル本隊の艦隊へと近付いていた。

 

 「デカイだけのジムなんか!!」

 

 『はっ、早い!?

 

 ギャァァ!?』

 

 「本当、ショットランサーは便利ね」

 

 「落ちろ!!」

 

 アンがショットランサーでジェガンを何機も串刺しにしながら撃墜数を増やす一方、クェスもヘヴィマシンガンを放ちジェガンを蜂の巣へと変えて行く。それでも、残った量産型ブラックローズⅡを引き連れて旗艦を撃沈すべく突入する。

 

 「くっ、連邦の最新鋭だけに弾幕がキツいわ」

 

 「アン、副隊長!?

 

 グッワァ!?」

 

 「ビームシールドを展開しなさいって、言ったばかりでしょ!!」

 

 「落ちなさい!!」

 

 「なっ、真正面にモビルスーツだと!?

 

 そっ、総員退艦せy…」

 

 ラー・カイラムからの凄まじい弾幕に狩られた量産型ブラックローズⅡは四散する。無論、クェスはハイパーメガビームランチャーをクラップ級のブリッジの真正面から放ち撃沈する。

 

 「仕方無いわね!!」

 

 アンもラー・カイラムへと突入しながら、ショットランサーをウェポンラックに固定して代わりに装備したビームライフルを放ち対空レーザー砲を破壊する。

 

 「くっ、右舷弾幕薄いぞ何やっての!!」

 

 アンのブラックローズⅡに取り付かれたラー・カイラムの艦長のブライトは対空要員に叱咤しながら叫び、弾幕は更に一層激しくなる。

 

 「激しい弾幕だなんて嬉しい歓迎ね!!

 

 でも、あたしには当たらないわよ!!」

 

 「アン副隊長、支援するわ!!」

 

 クェスが再チャージしたハイパーメガビームランチャーを放ち、前部主砲を破壊しながらアンのブラックローズⅡを援護射撃で数基の対空レーザー砲を破壊する。

 

 「このまま、ブリッジを狙うわよ!!」

 

 アンは対空レーザー砲をビームライフルを乱射して破壊しながら上昇すると、ハイパーメガビームランチャーを構えたままブリッジの真上へと降り立つ。

 

 無論、投降を呼び掛ける為だった。

 

 「ブライト艦長、聞こえてるかしら?」

 

 「この声は、オリムラ中隊の副隊長のアン大佐か!?」

 

 「あら、覚えていて嬉しいけど、三つ巴の戦いでは味方だったよしみで投降して欲しいけど?」

 

 「投降しなければ、どうだと言うのだ?」

 

 「ブリッジにハイパーメガビームランチャーをぶっ放すに決まってるじゃん♪」

 

 ブライトは、ブラックローズⅡの固定武装である伸縮式ハイパーメガビームランチャーの威力は、前回の戦闘でも目の当たりにしており、クラップ級が一撃で轟沈する威力はクェスが先程も実証していた。

 

 そして、ブライトは決断したのだ。

 

 「くっ、降伏する…」

 

 ブライトは降伏を受け入れ、アクシズに投降する。無論、ラー・カイラムは武装解除に応じたが、数隻のクラップは抵抗したが撃沈されてしまい、艦隊の残存した1隻のクラップ級も量産型ブラックローズⅡにブリッジを囲まれ降伏したのだが、最前線で戦うイチカやアムロ達にはブライトが降伏した事実が届かずに戦闘が継続していたのだ。

 

 「させるか!!」

 

 「チィ!?」

 

 4機のモビルスーツの戦いは佳境を迎え、シャアとイチカが交互にアムロを攻め、ハマーンは後方からビームライフルでアムロを狙う。しかし、Iフィールドを展開されていては攻撃が通らず三人には焦りが出始める。

 

 それでも、イチカは切り札とも言えるハイパーメガビームランチャーをHi-νガンダムへと放つ。

 

 「アムロ、貰った!!」

 

 「これなら!!」

 

 「やったのか!?」

 

 「イチカくん油断するな!!」

 

 「まさか!?」

 

 アムロの咄嗟の判断により、ハイパーバズーカを囮にIフィールド内に残して離脱し、バズーカの爆発の誤認によりアムロを撃墜したと思ったのだがアムロをバズーカの爆発により見失う。

 

 「バズーカが囮!?」

 

 「貰った!!」

 

 「まだだ!!」

 

 「ちぃ、ビームシールドか!?

 

 なら、これなら!!」

 

 「ビームシールドが!?」

 

 バズーカを囮に離脱したアムロは、ブルーローズMK-Ⅱの頭上からビームライフルを放つがビームシールドにより阻まれる。アムロは咄嗟に防がれた事に舌打ちしながらも、ヘッドバルカンを放ち肘に着いているビームシールドの発生させる円形の発生装置を破壊してビームシールドを無効化する。

 

 「これで撃墜する!!」

 

 「しまった!?」

 

 アムロのHi-νガンダムがビームサーベルを抜きながらイチカのブルーローズMK-Ⅱを斬り裂こうとした瞬間に奇跡が起きる。 

 

 『イチカをやらせない!!』

 

 「えっ、ミチル…」

 

 「サイコフレームの共鳴だと!?」

 

 ミチルとジュンコの魂の残滓とも言えた思念と共にサイコフレームが共鳴してブルーローズMK-Ⅱを優しく包み込み現れたオーラ状の二人の女性いやミチルとジュンコが、アムロのHi-νガンダムが振り下ろしたビームサーベルを手で払い弾く。

 

 『イチカ、チャンスよ』

 

 「あぁ、ミチルにジュンコ…」

 

 だが、イチカのブルーローズMK-Ⅱには、アムロとの激戦の煽りで損傷して既に武装がビームサーベルしか無かった。だが、イチカはフットペダルを踏み込み加速させるとHi-νガンダムの頭部へと殴り付けて頭部のアンテナがへしゃげて曲がり、更に腹部へと蹴り飛ばしながらコクピットハッチを歪ませ、シャアもハマーンもチャンスだと攻撃に加わる。

 

 「アムロだって、分かるだろ!!」

 

 「あぁ、シャアとイチカが言いたい事は分かるさ!!」

 

 「だったら、あのティターンズの非道だって、貴様が引き篭もらなければ、地上はある程度の問題は解決出来た筈だ!!」

 

 「ハマーン、それはエゴだよ!!

  

 ニュータイプはそんなに便利な人種じゃない!!

 

 ただの人だよ!!」

 

 「アムロはそうやって、逃げるのかよ!!」

 

 シャアとハマーンの攻撃を躱したアムロだったが、予備のビームサーベルを抜いたイチカが突っ込んで来たがてビームサーベルで切り裂くよりも、Hi-νガンダムの頭部を蹴り飛ばしてメインカメラのツインアイが砕ける。

 

 「くっ、メインカメラをやられたからって!!」

 

 「くっ、モノアイが!?」

 

 「確かに、戦うのが嫌で引き篭もったさ!!

 

 シャアにもイチカにも判るだろ!!

 

 ニュータイプはオールドタイプにしたら排除される対象だって!!」

 

 「グッ!?」

 

 「イチカくん、機体の損傷が酷い、下がりたまえ!!」

 

 無論、アムロも負けじとバルカンを放ち、ブルーローズMK-Ⅱのモノアイを破壊するがサブカメラに変わったが、アムロは連続して攻撃してビームサーベルで左腕を斬り裂く。

 

 「シャア閣下、断りますよ。

 

 アムロ、だからって俺は人類に失望なんかしていないし、妻や子供達の未来が守れるなら!!」

 

 シャアから撤退しろと言われたが拒絶し、アムロのHi-νガンダムへとビームサーベルを構え突貫する。

 

 「グッ!?

  

 脱出するしか無い!?」

 

 そして、Hi-νガンダムをビームサーベルで斬り裂くが、アムロは咄嗟の判断で脱出装置を使い、球体の脱出ポットを射出して脱出したのだ。

 

 「逃がすかよ!!

 

 アムロには、妻のアンとシャロに独立戦争で殺したミチルの事を謝って貰うからな!!」

 

 「しまった、捕まった!?」

 

 しかし、脱出した瞬間にビームサーベルを投げ捨てたイチカに捕まり、アムロはソロモンへと連行されたのだった。

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。