一夏がシャアに拾われた件について   作:ロドニー

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ソロモンへ

 

 

 シャングリラに立ち寄ってから一週間、ムサシの機関部の修理は粗方が済んだのだが武装の大半は機関部の修理に伴うジェネレーターの出力低下による出力不足により、主砲のハイパーメガ粒子砲の使用が出来ないと報告を受けた束さんは主砲と副砲のみを実弾式へと変更させる。

 

 「主砲を実弾にすると55口径の20インチ砲になるのかぁ…」

 

 「大尉、副砲なんか60口径の10インチ砲ですよ…」

 

 何処かの大艦巨砲主義者が聞いたら喜びそうな会話だが、旧帝国海軍の大和型ですら45口径の46サンチ砲なのに対してムサシの主砲はそれを上回る55口径の20インチ砲だった事実に束さんでも驚きだったらしい。だが、イチカの世界では海上対空戦闘訓練のみだが、ドイツ本国で就航したビスマルクⅡ級戦艦のティルピッツⅡの存在をラウラから聞き、戦艦同士による砲撃戦で殴り合いたいたかったと口走るツキノには副艦長にして副官であるナカノ少佐が物理的に殴り飛ばして黙らせたらしい。

 

 「まぁ、対空レーザー砲だけならソロモンに向かうまでなら大丈夫かな…」

 

 「ですね…」

 

 主砲弾の補給などの少々の問題が残るが、ムサシの修理を終えたのだった。

 

 同じくモビルスーツデッキでは、サクラとアンが話し合いをしていた。

 

 「アンさん、私のブラックローズⅡを使って下さい!!」

 

 「はぁ!?

 

 サクラ、アンタの機体はどうすんのよ!?」

 

 「マウアーさんと同じく、私達は艦内勤務になりましたので…」

 

 「艦内勤務?

 

 アンタ、パイロットじゃなかった?」

 

 「鈴さんには言ったのですが、ケイトとカエデとカナデ姉妹に私は…月のものが来ないと思って調べたら…出来ちゃったので…」

 

 サクラからの暴露に驚愕するアン。

 

 無論、ヴァルキリー小隊の面々が妊娠した事になるのだがイチカが復帰以後、順番でイチカを貪り食う彼女達に引いたが、自分もイチカを夜な夜な貪り食べた一員なので藪から蛇には成りたくないし、毎晩食われたイチカが窶れ肌はカサカサになったのを見たら可哀想になったけど、心配を掛けた妊娠中以外の妻全員の相手をしたのだから仕方が無い。

 

 だが、彼女達は炊事洗濯と言った家事スキルが出来るのはサクラとケイトのみで双子姉妹はあたし程では無いが苦手気味だったりする。

 

 「はぁ…

 

 仕方ないわね…」

 

 結局、サクラのブラックローズⅡをアンが使う事になるのだがヴァルキリー小隊用に掛けたリミッターを外したり火器管制システムをアン専用に変更したりとする作業をする羽目になる束さんが徹夜になるのが確定したのだと内心では束さんに謝るアンだった。

 

 しかし、シャングリラを出港して直ぐの暗礁宙域では、連邦軍所属のサラミス改級3隻が航行している事に気付き、ムサシのメインマストにアクシズの軍旗を掲げる様に指示を出す。

 

 「攻撃して来ますかね?」

 

 「まぁ、馬鹿でなければ、アクシズだと気付いて攻撃はねぇだろうな…」

 

 たが、イチカとカミーユの願いも虚しく、アクシズの軍旗を見た連邦軍のサラミス改からジムⅢの発艦に気付いたイチカはモビルスーツデッキへと駆け込んだのだった。

 

 「イチカ、モビルスーツの数は?」

 

 「サラミス改級ならモビルスーツが6機搭載の筈だから3隻で18機だろ?」

 

 「そうなんだけど、あたしのブラックローズⅡのレーダーだと数は10機しか写ってないのよ」

 

 アンのブラックローズⅡのレーダーにはジムⅢが10機が確かに映っているが、実際の肉眼では18機がいる事におかしく思った瞬間だった。目視しながら狙撃したシャロのブラックローズⅡから放たれたビームは黒く染めらたジムⅢを四散させる。

 

 「やっぱり…イチカ、黒いジムⅢはステルス塗装が施されて居るわよ!!」

 

 「なんだって!?」

 

 ミノフスキー粒子の散布下であっても近距離ならレーダーには普通は映る。しかし、撃破直後に映ったレーダーから判断してステルス塗装仕様は明らかに特殊部隊で使う様な機体だ。

 

 無論、ステルス塗装仕様が制宙権を握るアクシズと月面都市群からしたら、いつ襲撃されるか判らない恐怖でしか無い。

 

 「アン、シャロ!!」

 

 「どうしたのよ?」

 

 ヘヴィマシンガンを放つアンは疑問に思いながらも牽制射撃をしながら通信を繋げ、シャロは疑問の答えに気付いた様だった。

 

 「イチカ、まさか…」

 

 「あぁ、支援型モビルスーツのジムⅢなら大型ミサイルが積めるな。なら、精神世界でのサイド2への核攻撃した機体は黒いジムⅢか、核搭載能力があるクラップ級かカイラム級のどちらかになる。

 

 ちくしょう!!

 

 何故、気付かなかったんだよ糞が!!」

 

 俺は、叫びながらジムⅢへと接近戦を仕掛け、ビームサーベルを抜きジムⅢを斬り裂く。

 

 アンとシャロも追従する様にジムⅢを撃墜して行くが、別働小隊のイリアとカミーユにフォウの機体もジムⅢを撃墜する。しかし、ムサシの第二砲塔跡に蓋をする装甲板上に陣取りながら71口径180ミリ対艦ライフルで狙撃を繰り返すケイトのブラックローズⅡを操縦する鈴は対艦ライフルを投棄しながらビームサーベルを抜き、自ら接近戦を挑んで来たジムⅢを四肢を斬り裂き撃破して機体の回収に向かい、コクピットを抉じ開けて答えを導き出したのだ。

 

 「一夏!!

 

 こいつ等、連邦兵じゃ無いわよ!!」

 

 「クッ…連邦軍の偽装がバレた!?」

 

 「「「「「なっ、なんだってぇぇぇぇ!?」」」」」

 

 「イーグルに星のマークはティターンズじゃない!?」

 

 「くっ、捕まる位なら!!」

 

 「大人しく、捕まんなさい!!」

 

 バッキィ…ドッガァ…チーン

 

 無論、ジムⅢのコクピットを抉じ開け、コクピット内へと中に入った鈴はパイロットの拘束を試みたが抵抗される。しかし、格闘による肉弾戦なら生徒会長の楯無さんに勝てる様になった鈴を相手には意味は無く、腹部を数発蹴り上げた上に股を開いた状態のパイロットへの金的への蹴り潰しによりパイロットは泡を吹きながら悶絶しながら気絶して拘束したのだが、股間を蹴り上げて潰す光景を見ていた俺とカミーユは何故か股間を押さえながら身悶えたのは男の性だと言って置きたい。

 

 「イチカ隊長…」

 

 「カミーユ、言ったら負けだ…」

 

 モビルスーツ隊を失ったサラミス改は反転して逃亡するが、ムサシの主砲の有効射程距離内であり20インチの連装の主砲が火を吹き主砲弾を放ちサラミス改のメインスラスターを破壊して航行不能にした上で、ランチに搭乗した海兵隊のソルジャー持ちのアマゾネス隊の突入により3隻とも拿捕に成功するのだった。

 

 勿論、海兵隊の突入による報告書には抵抗を試みたサラミス改のブリッジクルーの末路だが、フラッシュグレネードをブリッジに放り込まれた上で男性クルーは股間を蹴られて悶絶しながら気絶をし、女性クルーは相手がシーマ艦隊のアマゾネスだと気付いた段階で抵抗しようと画策する阿呆な艦長に呆れながら、命が大事だと言い切り真っ先に白旗を掲げて降伏したらしい。

 

 「シーマ閣下、このやり方ってさ海賊じゃねぇ?」

 

 「しっ、仕方ないさね…」

 

 スラスターを破壊した上でのサラミス改への制圧を指揮をしたシーマにイチカは海賊のやり方だと言いながらもサラミス改から物資を補給した… ようだ。 おそらく発見されても海賊に襲われたと判断されるだろう。

 

 しかし、強奪した大量の物資をムサシへと移す作業を見守るシーマは強くは否定出来ず、イチカからのツッコミにタジタジになるのだった。

 

 だが、俺も追従しながら行った調査によりサラミス改の重厚に閉ざされた弾薬格納庫は束さん必殺のクラッキングにより開けられたが、内部を確認した後に直ぐに格納庫を閉じてムサシへと下艦する様に下命する。

 

 「ムサシへ戻り次第、サラミス改を撃沈処分しろ!!」

 

 「どうしたのよ?」

 

 「MK-85の弾頭が積まれていた」

 

 「MK-85ですって!?」

 

 アンですら、俺が見た格納庫に積まれた物の重大さに気付く。しかし、連邦軍が核兵器を保管する4大拠点は前大戦でアクシズが全て制圧した筈だった。

 

 ルナツー…いや、有り得ない。

 

 トリトン基地…モビルスーツ隊を失った後の第四次降下作戦で制圧済みだ。

 

 ジャブロー…核兵器は制圧後にルナツーへと移送したから、先ずは有り得ない。

 

 シベリア基地…ジャブローと同じく有り得ない。 

 

 「クソ、何処だよ…」

 

 悪態を付きながら悩むと、シーマが更なる可能性を示唆する。

 

 「イチカ、木星の衛星開発のテラフォーミング用の核弾頭の可能性はあるんじゃないのかい?」

 

 「いや、木星だと尚更有り得ない!?」

 

 「イチカ、三つ巴の戦いではティターンズに属したジュピトリスは未撃沈なんだろう?」

  

 「あぁ、ア・バオア・クー海戦にはジュピトリスが参加すらしていなかったから撃沈出来なかった」

 

 「やはりさね。

  

 これは、あたしの独立戦争からの経験から言わせて貰うさね。

 

 テラフォーミング用なら地球圏を何百と壊滅出来る大量の核が木星へと運び込まれた古い記録があるさね」

 

 「まさか…核の出所は木星圏か!?」

 

 「あり得る話だろうさね。

 

 取り逃がしたジャミトフの狸爺すら三つ巴では、イチカが倒したシロッコとのパイプが在るんなら、木星圏からジュピトリス経由で核の入手は可能さね。

 

 まぁ、この先の話し合いは政治も絡み合うさね。

 

 なら、ハマーン様とシャアを混ぜる必要があるさね、ソロモンでじっくりと話し合おうじゃないさね」

 

 シーマの睨み通り、再度調査した核は前世紀に製造された古い核弾頭だった事が判り、4大基地に管理された核弾頭の登録ナンバーと照らし合わせたが4大基地の核では無い事まで判る。

 

 しかし、ジャミトフの行方は未だに不明であり、ジュピトリスの行方は木星圏へと向かっている事以外は判ってはいなかったのだ。

 

 「イチカ、ソロモンに戻りモビルスーツの補充とムサシの完全な修理が必要さね」

 

 「あぁ、分かったよ。

 

 ツキノ、ソロモンへ帰投する!!」

 

 本来ならソロモンへの帰還をせずにジュピトリス追撃をしたかったが、モビルスーツも無いしムサシの再修理の必要性からソロモンへと帰るしか無い。

 

 だが、この出来事が数年後に起こるアクシズと木星圏のコロニーとの全面戦争になる前哨戦だとはイチカ達は気付かないで居たのだった。

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