進化の光 フラスコの世界へ   作:混沌の魔法使い

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第13話 極めて近く、限りなく遠い世界から その1

第13話 極めて近く、限りなく遠い世界から その1

 

ポイントA-47に移動している間。武蔵達は隼人から送られてきた巨大な戦艦とその周りの機体のスクラップについての会議を行っていた。

 

「確かにこれはPTに酷似しているな。ここなんかは量産機特有の構造だが……これはPTではない、似て非なるシステムで構成された量産機だな」

 

120機近いPTの残骸を見て量産機の特徴こそあれど、PTではなく、別の設計理念の下開発された機体であろうと説明をするカーウァイ。それを聞いている弁慶達は改めてカーウァイ達が未来から来たと言う事を思い知っていた。

 

「でもさ、これだけ量産機がいるって何があったのさ?」

 

「だよあな。普通これだけあればそう簡単には負けないよな?」

 

空を飛べて、武装も沢山ある。それなのに何故ここまで破壊されているのか凱と渓は不思議そうな顔をしていた。

 

「考えられるのはエアロゲイターと同等の異星人の襲来だが……武蔵、お前はどう思う?」

 

「……アルトアイゼンだと思いました」

 

アルトアイゼン……その名前に不思議そうな顔をする弁慶達だが、カーウァイはその言葉の意味を正しく理解していた。

 

「タイプTの改造機か、あの紅いカブトムシだな?」

 

「ええ、あの紅いカブトムシです」

 

「「「紅いカブトムシって何だ!?」」」

 

なんで紅いカブトムシで判ると動揺する弁慶達にイングラムがPCを操作して、モニターにアルトアイゼンの姿を映し出す。

 

「カブトムシだな」

 

「カブトムシね」

 

「カブトムシだな」

 

「なんでこのデザインにしたんですかね?」

 

アルトアイゼンのデザインは旧西暦の人間にも不評だった。

 

「こいつの武器は杭打ち機とベアリング弾だ。そして破壊された機体の破壊痕と完全に合致する。だが、俺達の記憶ではアルトアイゼン……いや、キョウスケ・ナンブは俺達共に異星人と戦っていた。何故PTにこの破壊痕があるのか……そこが謎だ」

 

「敵に複製されたとかですか?」

 

「クーデターとか?」

 

考えられる物は沢山ある。今はまだ推測の域を出ないが、アルトアイゼンらしき物に破壊されたPTと言うのが事実。エルドランドを調べる事で何が起きたのかを知らなければ、どこまで言っても推測の域は出ない。

 

「判らないが、この戦艦エルドランドを調べれば何か判るかもしれない」

 

「そのエルドランドですけど、オイラ見たことないんですけど、連邦の戦艦とかなんですか?」

 

武蔵の質問にイングラムは何と言えばいいかと呟き、モニターの映像を消した。

 

「トライロバイト級と言う開発段階の戦艦として記録だけは見たことがある」

 

「記録だけ? 未来では製造されていないのか?」

 

「ああ。開発責任者が死亡した事で図面だけしか残されておらず、細かい所が判らなかった為トライロバイト級の開発は頓挫している筈だ。少なくとも俺と武蔵がいた世界ではな……」

 

「……もしかして平行世界とかですか?」

 

含みのある言葉に武蔵がそう尋ねる。イングラムはあくまで可能性の話だと告げ、判っている事は1つだと言った。

 

「少なくとも俺と武蔵、そしてカーウァイがいた新西暦の物ではないという事は確かだ、平行世界か、更に未来かはわからんが……エルドランド……黄金郷が俺達の力になるか、黄金郷の呪いが俺達に襲い掛かるか……どちらにせよ、向かうしかあるまい」

 

漸く眼下に広がった海。その先に眠る黄金郷の名を持つ存在しない戦艦……そこに何が待つのか、不安を抱きながらも武蔵達は黄金郷へ向かうしかないのだった……。

 

 

 

 

クジラよりも先にポイントAー47に到着していたタワーはエルドランド周辺の破壊されたPTなどの回収、使えそうな武器の確認などを行っていた。

 

「よく来てくれた武蔵。そしてイングラム、カーウァイ。早速で悪いが、こいつを起動させれるか?」

 

タワーに回収されていた頭部以外目立った破損の無い機体の前で隼人が声を掛ける。

 

「パイロットは?」

 

「いや、遺体も何も無くてな。ヘルメットだけが転がっていた」

 

「脱出したんですかね?」

 

「かもしれないな」

 

そうなるとコックピットブロックが輩出されている筈だがとイングラム達は思ったが、それを口にせず、イングラムはコックピットの中に身体を滑り込ませた。そしてそれから数分後頭部の無いPTが再起動した。

 

「どうだ?」

 

『連邦軍の機体であることは間違い無い。機体名称はエルアインス……配属されていた部隊は……不明だ』

 

謎の機体の名称はエルアインスであると言う事、そして連邦軍の機体であると言うことは判明した。だがそれ以上の情報は無いとイングラムは内部スピーカーを使って隼人達に告げる。

 

「他に何か判らないか、あの戦艦に入る方法とかはどうだ?」

 

『……ロックが掛かっている。自爆装置が起動するかもしれないから無理はしないほうがいい』

 

「そうか。ならばプランBだ、武蔵。お前の出番だぞ」

 

「え? オイラ?」

 

クジラ組みの中で自分だけが呼ばれた武蔵は首を傾げながら隼人のプランBの内容に耳を傾けるのだった。

 

「どっせーいッ!!!」

 

プランB――それは海上に浮かぶエルドランドをゲッター3のパワーで岸に引き寄せ、ゲッター2のドリルで風穴を開けるという物だった。

 

「やっぱオイラ達って脳筋だよな」

 

『脳筋じゃない、これは最終手段だ』

 

エルドランドを引き寄せながら隼人に声を掛ける武蔵。隼人はゲッター2のコックピットで決して脳筋ではないと言うが、最終的に壊す前提で考えている以上は脳筋と言われても無理は無いだろう。

 

「うっし、どうよ」

 

十分にエルドランドを引き寄せた所でゲッター3とゲッター2の立ち位置を交代する。

 

『ああ、良い距離だ。離れていろ』

 

ゲッター2のドリルで格納庫に穴を空け、ゲッター3とゲッター2の馬力で抉じ開ける。薄暗い戦艦の格納庫に外の光が差し込み、中を覗きこんだゲッター3のモニターには格納庫に保管されている機体を映し出していた。

 

「こいつはあ……R-GUN? いや、ちょっと違うか? イングラムさんに見て貰わないと判らないなあ」

 

新西暦でもみたR-GUNに似ていると感じたが細部が異なるその機体が改造機なのか、それとも量産機なのか判らないと言う武蔵にゲッター3の背後から格納庫を覗き込んだ隼人は満足そうに頷いていた。

 

『ふむ、やはり黄金郷だったか……』

 

エルドランドの格納庫にはハンガーに固定されたままのR-GUNに酷似したPTと、ゲシュペンストらしき機体が1機。そして無数のコンテナが安置されていた。

 

『武蔵、このまま俺とお前でエルドランドの中に侵入する。カーウァイとイングラムも合流してくれ、その他のメンバーは周辺の警戒。良いか、インベーダーにこの機体に寄生されるな』

 

スクラップではあるが、新西暦で製造された強力な最新鋭機の数々だ。それら全ては悉くタワーの主戦力のステルバー等を越えている、警戒を怠らず、インベーダーに寄生させるなと命令し、武蔵と隼人はエルドランドの中に乗り込んだ。

 

「……外から見ると完成品に見えたけど……こりゃあ未完成なのか?」

 

ハンガーに固定されているので完成形に見えていたが、R-GUNに似た機体は胴体部と背部の装甲が無く、内部フレームが剥き出しになっていたし、ゲシュペンストは内部フレームが存在せず外部フレームだけがハンガーに固定されていた。

 

「ここまで仕上げて未完成で放り出したとは考えられないな」

 

「何かトラブルがあって緊急脱出し、お前達のように何らかの要因でこの時代に飛ばされてきたと考えるべきか」

 

合流したイングラム達も未完成のR-GUNに似た機体やゲシュペンストを見て、自分達の考えを告げた。

 

「これR-GUNとゲシュペンストですよね?」

 

自分も知っているR-GUNに良く似ていると判断した武蔵がイングラムにそう尋ねる。だがイングラムは険しい顔でそれを否定した。

 

「違う、これはRーGUNじゃない、RWシリーズの2号機「R-SWORD」だ。俺達の世界では、俺が設計し、俺しか図面を知らない筈の機体だ」

 

「え? じゃあ、イングラムさんの世界の?」

 

「いや、俺は設計はしたが、まだそれは未完成でここまで完成していない筈だ。現にその図面を敷島博士に預けて製造を頼んだ段階だ、つまりここに存在して良い機体じゃない」

 

「平行世界のお前達の世界からやってきたと言うことか?」

 

「だろうな、技術的には俺達の世界よりも進んでいるように見えるが……大本は似たような世界だろう」

 

イングラムはそう言うとR-SWORDの足元のPCの前に腰掛け、キーボードを操作する。すると戦艦内部のマシンアームが動き出し、装甲の無い部分に装甲を取り付け作業をける。

 

「動力はトロニウムではない、それに装備もいくつかオミットされてる。これは……恐らく、量産型なのだろうな、だが俺が動かせる機体だ、ありがたく貰っていくとしよう」

 

「正式に完成していない筈の機体の量産機……か。なるほど、面白い」

 

「ああ。面白いな、この戦艦は名前の通り、俺達にとって黄金郷だろう。今内部構造をダウンロードした、ここは格納庫ではなく、製造プラントのようだ。このまま格納庫に向かおう、そしてブリッジで情報を回収する。と言うのはどうだ?」

 

「異論は無い、この戦艦の中の貴重な情報をすべて貰う事にしよう」

 

イングラムと隼人が悪い顔をして奥へ奥へと進んでいく、その後ろをカーウァイと共に歩きだす武蔵。

 

「隼人は昔からあんな所が?」

 

「頭良いですからね。IQ300の天才とか言われてましたし、何か琴線に触れたんじゃないですか?」

 

早く来いと自分達を呼ぶ声に返事を返し、武蔵達は小走りでエルドランドの奥へと向かう。

 

「キキキキ」

 

武蔵達の姿が製造プラントから消えると壁に張り付いていた透明化していたインベーダーが浮き上がるように姿を見せ、壁の上を高速で這いまわり、海の中へと姿を消した事を周辺を警戒しているロボット部隊も、歩兵部隊も誰1人気付くことはないのだった……。

 

 

 

 

 

エルドランドに侵入するゲッター3とゲッター2を見つめていた黄色の瞳。それと視覚共有していたコーウェンとスティンガーはにやにやと楽しそうな笑みを浮かべていた。

 

「うーん。未来からの漂着者かぁ、これは私達が失敗したと言う事かなあ?」

 

「そ、そうかもしれないね。だ、だけど別の世界からの漂着者と言うこともありえるさ」

 

ポイントA-47に突如現れた戦艦と無数の破壊された人型機動兵器はインベーダー達も確認していたが、小さなインベーダーを配置するだけでまずは情報収集と言う事で動かないでいたが、小型のインベーダーで情報収集を終えた今。コーウェン達は同胞の新しい肉体に丁度良いと動き出そうとしていた。

 

「まぁ待て、コーウェン、スティンガー」

 

「早乙女博士、何故止めるのかな?」

 

「な、何故止めるのかな?」

 

背後から早乙女博士に止められ、その目を不機嫌そうに歪めるコーウェンとスティンガー。だが早乙女博士は穏やかな笑みを浮かべた。

 

「折角真ドラゴンを見つけたというのに、その情報は要らなかったのか?」

 

「し、真ドラゴンを見つけたのかね!」

 

「さ、流石早乙女博士!」

 

真ドラゴンを見つけたという報告に喜色を浮かべるコーウェンとスティンガー。そんな2人に諭すように早乙女博士は言葉を続けた。

 

「真ドラゴンは南海の火山の中に眠っている。そちらを2人に任せたい」

 

「なるほど、漂着者は早乙女博士が動いてくれると言う事ですな?」

 

「正確には逃げ帰ったゴールとブライを送りつけるつもりだが、ワシも勿論現地へ向かう。ここは役割分担で効率化を行おうではないか」

 

南極でブラックゲッターとゲッター3のコンビに叩きのめされ、命からがら逃げ帰ったゴールとブライを使いエルドランドを強奪すると聞いたコーウェンとスティンガーは満足そうに頷いた。

 

「判ったよ、ではあの箱舟は任せるよ」

 

「う、うん、任せるよ」

 

真ドラゴンの居場所を聞いたコーウェンとスティンガーは即座に早乙女研究所を後にした。残された早乙女博士の瞳の色は狂気的な赤ではなく、穏やかな黒い瞳だった。

 

「……武蔵よ。ワシがお前にやってやれることは殆ど無い。お前は再び旅立たねばならぬ」

 

【そうだ。武蔵に希望を託すのだ】

 

【父さん……頼んだよ】

 

ゲッター線に満ちた早乙女研究所。その中に響く無数の声……純度の高いゲッター線の洗礼でインベーダーに喰われている早乙女博士は己の自我を取り戻し、そしてインベーダーの意識はゲッター線によってその身体の奥深くに眠らされていた。

 

「じゃが、これもいつまでも持つまい」

 

今早乙女研究所に満ちるゲッター線と今の地球に満ちるゲッター線は別物だ。この場所を出れば再び早乙女博士の意識は体に寄生しているインベーダーとの奪い合いになる、そうなれば早乙女博士は思うようには動けなくなるだろう。そしてこの早乙女研究所も外見こそは廃墟だが、本来はこの世界に存在する早乙女研究所ではなかった。

 

「……ゲッター線よ。武蔵をこの場所へと導いてくれ、そしてワシの遺産を、最後のゲッターロボを武蔵へと託してくれ、これがワシが武蔵にしてやれる最後の事なのだ……」

 

輝きを増していくゲッター線。その光は徐々に地下へ地下へと消えていく、そしてコーウェンとスティンガーでさえも気付かない早乙女研究所の地下深くでハンガーに固定されたゲッターロボでも、真ゲッターでも、そしてドラゴンでもない、全く違うゲッターロボの瞳が力強く光り輝くのだった……。

 

 

 

 

 

製造プラントから、格納庫に移動した武蔵達はそこのハンガーに安置されていた3体のPTを見て言葉を失っていた。カラーリング、そして細部は異なるが、その姿に武蔵とイングラムは見覚えがあった。いや、見覚えなんて物じゃない、肩を並べて戦った機体がそこには安置されていた。

 

「これ、Rシリーズ?」

 

「……そうだな。パワードパーツもある、驚いたな。Rシリーズをこんな所でも見るなんてな……」

 

リュウセイ達SRXチームの機体と酷似した4体のPTそれがハンガーにしっかりと固定されていた。

 

「武蔵、Rシリーズとは何だ?」

 

「新西暦のゲッターロボみたいな……3体が合体して巨大なロボットになるんだ」

 

「ほう……時代は違っても考える事は同じと言うことか、ではあの機体は? R-SWORDと言っていたが、Rシリーズと言うわけではないのか?」

 

「あれは武器に変形するRWシリーズの銃撃機だ、製造プラントに合ったのはR-SWORD……名称どおり剣に変形するPTだ。Rシリーズのサポート用の機体で支援機と指揮官機の2パターンが存在する」

 

突破力を求める場合最も適しているのは機体の巨大化だ。巨大な機体による一点突破……そう言う面ではゲッターロボとSRXは酷似したコンセプトと言えるだろう。

 

「エルアインス、エルツヴァイ、エルドライ、そして量産型R-GUN……なるほど、Rシリーズのドイツ語呼びか」

 

PCを操作し、機体の情報を確認していたイングラムが機体の名称を知り、囁くように呟いた。

 

「じゃあ、これって平行世界のリュウセイ達の?」

 

「いや、違う。これは……量産型SRXの1体。3セット製造されたうちの1セットだ。動力は……トロニウムではないが、プラズマジェネレーターでもない、新しい動力のようだ。詳しくは俺でも判らんが、少なくともトロニウムに近い出力は確保出来ているようだ」

 

量産型SRXなんて言う話は新西暦で聞いたことも無かった。つまりこのエルドランドはSRXが完成した世界から漂着した機体だということが判明した。正式に完成していない機体を量産するなんて馬鹿げた話はない。SRアルタードが完成した世界であり、RWのR-GUN・R-SWORDの量産型と共に採用された世界と言うことになる。端末を操作し、持ち込んだメモリにエルドランドの情報を吸い出しながらイングラムは己の考察を口にしていた。

 

「じゃあ、このエルドランドって……」

 

「ああ、量産型SRXを運用する為の母艦と言うことになるかも知れないな」

 

製造プラントが搭載されているのも出撃ごとに細かい調整や修理が必要なSRXの為の装備と考えれば辻褄はあう。

 

「これは使えるのか?」

 

話を聞いていたカーウァイがLシリーズを見上げながら尋ねる。イングラムはコンソールを操作して機体カタログを確認し、首を左右に振った。

 

「使えはするが、T-LINKシステム……つまり念動力が使えなければゲシュペンスト・タイプSよりも相当性能は劣るぞ、使うなら武装をゲシュペンスト・タイプSに流用した方が安定感がある筈だ」

 

量産型ではあるが、T-LINKシステムを前提に3体とも組み上げられている。念動力者ではないカーウァイではその機体性能を十分に引き出すことは出来ないとイングラムは判断し、パワードパーツと汎用武器を回収し、タイプSに流用した方が良いだろうと助言した。

 

「……頼めるか?」

 

「ああ、ロボット班に機体と共に武装を回収して貰おう。調整はタワーとクジラでやろう」

 

「そうだな、この機体がインベーダーに回っても困る。ここはきっちり回収しておくか」

 

乗れるパイロットの居ない機体だからこのままエルドランドに残して行ってもと思うが、インベーダーに寄生されSRXがゲッター線で稼動するなんて事になれば目も当てられない、タワーとクジラの倉庫の肥やしになる可能性もあるがそれでも危険性を考えイングラムと隼人はRシリーズの回収を決めた。

 

「良し、このまま俺達はブリッジに向かおう。ロボット部隊が回収してくれるだろう」

 

調査を終えた区画を外で待機しているロボット部隊に伝え、隼人達は更に奥を目指そうとした、この端末である程度の情報を回収したが、機密情報はブリッジか艦長室でなければ入手できない。エルドランドに何が起こったのか、それを知る為に奥の電子扉に足を向けようとした隼人達はその場を飛び退いていた。その直後電子扉の前に鋭い刃が何十本と突き刺さり、隼人達を殺そうとした物が現れた。

 

「「「「キシャアアアッ!!」」」」

 

エルドランドの装甲の隙間から姿を現したインベーダーの強襲をかわし、ハンドガンを構える隼人はインベーダー目掛け銃弾を撃ち込む。

 

「インベーダーッ! 馬鹿な外の警戒は、くそっ! 撤退するぞッ!!」

 

「ちいっ! 最悪の展開だ、武蔵ッ!」

 

投げ渡されたメモリを受け取り、武蔵は片手でハンドガンを握り、Rシリーズに組み付こうとするインベーダーの背中を撃つ。だがインベーダーは止まらず、開けっ放しのコックピットの中に飛び込んだ。

 

「くそ、動き出したら勝ち目は無い。引き返すぞッ!」

 

インベーダーは隼人達に目もくれずRシリーズの装甲に飛び込んだ。おぞましい音を立てて変質していくRシリーズを見て最悪の展開になったと舌打ちし、隼人達は慌てて製造プラントへと引き返す。

 

「武蔵! 量産型R-SOWRDの装甲の組付けが完了した。俺はそれで出撃する!」

 

外から響く戦闘音に警護隊の包囲網を抜けてインベーダーがエルドランドに組み付いたという事は明らかだった。幸いにもゲシュペンストのスペアパーツと、R-SOWRDのある製造プラントはゲッター3とゲッター2のゲッター線に満たされていたため、インベーダーの侵食は無かったようだ。昇降機でR-SOWRDに乗り込むイングラムの声に武蔵は振り返ること無く返事を返した。

 

「判りましたッ!」

 

武蔵はゲッター3に乗り込み、隼人とカーウァイもそれぞれの機体に乗り込む。敵の数が多い以上戦力は少しでも多いほうが良い、量産型とは言え、Rの名を冠する機体だ。少なくともこの世界のロボットよりも劣るとは武蔵も思ってはいなかった。

 

「くそッ! 思ったよりも早い! 武蔵、隼人。そこのコンテナを持って脱出してくれ!」

 

背後から響く音にインベーダーがLシリーズを完全に掌握したと理解したイングラムは武蔵と隼人にPT用の武装コンテナを持ち出してくれと叫んだ。

 

「私は装備をいくつか装備してから出撃する! 先に行けッ!」

 

「了解!」

 

「ちっ、やはり黄金郷に呪いはあったなッ!」

 

PT用の装備が格納されたコンテナをゲッター3とゲッター2がそれぞれ持ち、ゲシュペンスト・タイプS、そしてR-SOWRDはコンテナを開きビームライフルやビームサーベル等の換装装備を可能な限りそれぞれの機体に装備させ、エルドランドを飛び出した。

 

「馬鹿な……ゲッターGだとッ!」

 

「それだけじゃねえッ!! ゴールとブライまで居やがるッ!!」

 

エルドランド、そしてクジラとタワーを襲撃していたのは、南極でつけた傷を全て癒したゴールとブライ、そしてインベーダーとメタルビーストの大群、そしてゲッタードラゴン、ライガー、ポセイドンの姿なのだった……。

 

 

 

第14話 極めて近く、限りなく遠い世界から その2へ続く

 

 




シャドウミラーでエルアインスが運用されていたのなら、量産型Rシリーズは既に仕上がっているはず。なら量産型SRXもあるよなっ!って感じでエルドランドには量産型SRXの運用母艦となってもらいました。次回はゴール&ブライ、量産型ドラゴン、ライガー、ポセイドン、Rシリーズと量産型R-GUNと言う余りにもハードモードでお送りしようと思います。それでは次回の更新もどうかよろしくお願いします。

視点が変わる時にそのキャラの視点と言う事を表記するべきか

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