進化の光 フラスコの世界へ   作:混沌の魔法使い

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第22話 早乙女の遺産 その3

第22話 早乙女の遺産 その3

 

子犬が変異したインベーダーの咆哮が合図となっていたのか無数のインベーダーが次々と現れる中、イングラムとカーウァイの2人が真っ先にインベーダーとの戦いを始めていた。

 

「ちっ、大型インベーダーかッ!」

 

「こんなのが何処に隠れていたんだかッ!!」

 

触手の雨をかわしながら、ショットガンやビームライフルの反撃がインベーダーを貫くが、消滅せずに即座に回復を始める。

 

「ダブルトマホークッ!!! ぐぐぐ……うわああッ!!!」

 

ドラゴンⅡの戦斧がビルごとインベーダーを引き裂き、バランスを崩したドラゴンⅡが地響きを立てて倒れこんだ。

 

「武蔵さん!? どうしたんですか!?」

 

「ちいっ! パワーがありすぎるのかッ! 武蔵! 慣れるまで無茶をするんじゃねえッ!」

 

『すまねえッ! くそ、敷島博士がいればなぁッ!!』

 

強すぎるドラゴンⅡのパワーに振り回されている武蔵に無理をするなと叫び、ブラックゲッターと真ゲッター1が空を舞う。

 

「武蔵、マニュアル操作で何とかならないか?」

 

「いや、これそんなんで、どうこうなるパワーーじゃ――ッ!」

 

立ち上がることも出来ず、その場で転がり回るドラゴンⅡにイングラムは溜め息を吐いて、R-SOWRDにMー13ショットガンを構えさせる。

 

「落ち着いて、態勢を立て直せ」

 

「そのくらいの時間は稼ごう」

 

「すんません、よろしくお願いしますッ!」

 

武蔵がドラゴンⅡを使いこなせず、倒しても倒してもインベーダー、メタルビーストが沸いてくると言う余りにも劣勢の戦いの中……突如摩天楼の中に響いた早乙女博士の笑い声と共に、上空に巨大な早乙女博士の姿が現れる。

 

「ふわぁははははははッ!!!」

 

「てめえ早乙女のジジイッ!!!」

 

自身と対峙していたインベーダーをビルの中に叩きつけながらリョウマは怒声を上げる。

 

「竜馬良くぞ生きて戻った。このくたばり損ないがッ!!」

 

「黙れ、今日こそてめえに引導を渡してやるぜ」

 

「はははははッ! 面白いッ! やってみろ、この虫けらがッ!!」

 

ブラックゲッターが早乙女博士に突撃するが、ぶつかる寸前にその姿はインベーダーに代わる。

 

「なにッ!? うわあッ!」

 

「竜馬ッ!? ぐうっ!?」

 

インベーダーの反撃で墜落するブラックゲッターに気を取られた隙に真ゲッターも凄まじい一撃をくらい海面に向かってたたき付けられる。

 

「はーははははッ! この愚か者共が! 立てッ! 集えッ! 我が同胞達よッ!!」

 

早乙女博士がニューヨークに現れ、そう叫んだ頃。世界各地のインベーダーの動きが活性化し始めていた。

 

「世界各地のインベーダーが動き出しただと!?」

 

「はい、様々な建造物を取り込みながら活動開始ッ!」

 

「ポイント1ー5-0-0に集結していますッ!」

 

「ゲッター線反応確認!」

 

「かなり強力なゲッター線反応ですッ!」

 

「ポイント1-5-0-0……太平洋かッ!」

 

「どうやら奴ら、真ドラゴンを見つけ、総力戦を仕掛けてくるつもりだぞ、私も、私もッ!! この目で真ドラゴンを見てみたい!」

 

高笑いを浮かべる敷島博士を押しのけ、隼人はモニターを確認しながら指示を飛ばす。

 

「各地の真ドラゴン捜索隊をポイント1-5-0-0に集結させろ! タワーおよび、全てのスーパーロボット軍団は直ちに出撃ッ!」

 

そしてその報告はクジラにも届いていた。

 

「何! 世界中のインベーダーが集まっているだとッ!?」

 

「はい! クジラも早急にポイント1-5-0-0に向かうように通達が来ています!」

 

古田の報告と倒しても倒しても次々現れるインベーダーに弁慶は己のミスを悟った。最初にタワーが感知したゲッター線反応とSOSシグナル……そこから何重にも及ぶ罠の網が張り巡らされていたのだと今更似ながらに気付いた。早乙女博士に強い恨みを持つ竜馬と渓は完全に冷静さを失い、ドラゴンⅡに乗り換えたばかりの武蔵は思うように戦えないでいる。

 

「ぐうっ!? くそったれめッ!」

 

そしてクジラは子犬が変化したインベーダーに組み付かれ、思うように動けず。イングラムとカーウァイは確かに歴戦のパイロットではあるが、巨大なインベーダーが闊歩する状況では完全に決め手不足に陥っていた。

 

(どうすれば良い、俺はどうすれば良い)

 

この袋小路に追い込まれ、自分が何をすれば良いのか、弁慶は必死に考えをめぐらせるのだった……。

 

 

 

 

 

ポイント1-5-0-0に向かうタワーとスーパーロボット軍団。その司令室でモニターを見つめている隼人はポイント1-5-0-0とは別に、インベーダーが集まっている場所に気付いた。

 

「もう一箇所は……ちいッ! 嵌められたッ!」

 

「そう思わざるを得ないじゃろうな……しくじったわ」

 

ニューヨークで感知されたゲッター線反応とSOSシグナルに武蔵だと思い、クジラを派遣したのは隼人だ。だが今こうしてインベーダーがニューヨークに集まっているのを見れば、そこに足止めしようとしているのは明らかだった。

 

「先遣隊からの偵察映像が来ましたッ!」

 

「メインモニターへ回せッ!」

 

ポイント1-5-0-0に真っ先に到着した先遣隊の映像がメインモニターに映し出されたとき、思わず隼人は息を飲んだ。

 

「まさか、これほどまでのインベーダーがいるとはッ!」

 

「これは不味いぞ、隼人。先遣隊が全滅する」

 

太平洋の島の空も、海も大地も埋め尽くす無数のインベーダーの姿に隼人も顔を青褪めさせ、先遣隊に一時離脱するように指示を出す。

 

「ニューヨークのクジラとは連絡がつくかッ!?」

 

「電波妨害でつながりませんッ!」

 

オペレーターの言葉に隼人は拳をコンソールに叩きつける。

 

「弁慶と通信が繋がるまで連絡を続けろッ!」

 

「りょ、了解ッ!」

 

隼人の凄まじい剣幕に半分泣きそうになっているオペレーターに溜め息を吐き、隼人は司令席に腰掛ける。

 

「敷島博士、ゲッターロボの修理はどうなっていますか?」

 

「炉心はとりあえず積み換えたが、安定稼動するには出力が足りんぞ。このまま出れば的になるだけじゃな」

 

「くっ……どうすれば良い、どうすれば良いんだ」

 

真ドラゴンの場所を見つけたのは幸いだ。だがそこは既にインベーダーによって占領され、最大戦力である筈の真ゲッター達もいない。

 

「こうなれば待つしかあるまい、弁慶達がインベーダーの包囲網を抜けてくる事をな」

 

「……そうなりますね」

 

弁慶達も馬鹿ではない、インベーダーに包囲されている現実に気付けば、向こうから通信を取ってくる可能性は十分にある。

 

「クジラに電文を送れ、その後は呼びかけを続けろッ!」

 

少しでも早くクジラが合流してくれなければ、先遣隊だけではなくタワーを始めとした本隊も全滅する可能性がある。

 

(頼む。少しでも早く合流してくれ……)

 

決戦の前に分断されてしまった、それは隼人の武蔵を助けたいと言う気持ちが大きかったのだ。それさえも利用され、こうして分断さてしまった。隼人は己のミスを悟り、少しでも早く弁慶達が合流してくれる事を祈る事しか出来ず、己のあまりの無力さに手の平から血が流れ出すほどに強く拳を握り締めるのだった……。

 

 

 

 

自由の女神の頭上に現れた早乙女博士にブラックゲッターと真ゲッター2が接近すると、その姿は突如消え去った。

 

「なにッ!?」

 

目の前で早乙女博士が消えたことに困惑する竜馬、その時インベーダーに襲われているクジラから弁慶の声が響いた。

 

『皆聞いてくれッ! こいつは罠だ! 真ドラゴンが太平洋に出現、インベーダーも殆どが太平洋に向かってるッ! 竜馬達は早く太平洋に向かってくれッ!』

 

「で、でも、親父ッ! そのままだとクジラがッ!」

 

『馬鹿野郎ッ! 状況を読み違えるなッ!!』

 

インベーダーに組み付かれているクジラを見て、助けに向かおうとする真ゲッター2を押しとめるように弁慶の一喝が響いた。

 

『こっちは心配するんじゃねえッ! イングラム達も武蔵さんもいるッ! 俺達も後でクジラと共に向かう! だから先に行けッ!』

 

「……親父」

 

「先に行く、追いついて来いよ。武蔵、弁慶」

 

『おう! 先に行ってろッ! すぐに追いつくぜッ!』

 

『オイラ達の分も残しておけよッ!!!』

 

声を張り上げる武蔵と弁慶にこれ以上竜馬達は何も言えず、インベーダーの包囲網を振り切ってニューヨークから飛び立っていった。

 

「竜馬達は行ったか……それで正直どうなんだ?」

 

「はッ! インベーダーなんぞに食われてたまるかッ!」

 

「それだけ空元気が出せれば大丈夫そうだなッ!」

 

クジラに張り付いていたインベーダーはR-SOWRDとタイプSによって引き剥がされたが、インベーダーは今も増え続けている。

 

「くそッ! こうなったらッ! オープンゲットッ!! うがあッ!?」

 

ドラゴンⅡの姿が爆ぜ、ゲットマシンに分離するが武蔵の苦悶の叫び声が周囲に響き渡る。

 

(うぐぐううッ!!!!)

 

初代ゲッターロボとは比べ物にならない、その推進力に顔を歪めながら武蔵は必死に操縦桿を握り締める。

 

(ドラゴンもライガーもオイラには扱いきれないッ! それならこいつに賭けるしかないッ!!!)

 

余りにも桁違いの加速に意識を飛ばしそうになりながら武蔵は訓練もなしで、しかもインベーダーに追われながらのゲッターチェンジを強行した。

 

「武蔵さんッ! 団六! 古田ッ! 武蔵さんの援護だッ! ありったけの弾薬をぶち込めッ!!」

 

「了解ッ!」

 

「ッ!!!」

 

クジラに僅かに搭載されているミサイルとマシンガンが火を噴き、ゲットマシンを追いかけているインベーダーを背後から撃ち貫き墜落させる。

 

「全く、無茶をする男だッ!!」

 

「ふっ、ゼンガー達に良く似ている」

 

ビルの上に飛び乗ったR-SOWRDとタイプSの両手に持ったM-13ショットガンが火を噴き、インベーダーの包囲網が僅かに緩まった。そしてその隙を武蔵は見逃さなかった。

 

「チェェェンジッ!!!  ポセイドォォォンッ!!!!!」

 

一瞬で包囲網を抜けポセイドンⅡにチェンジし地面に着地する。そしてそのままインベーダーを睨みながら、操縦桿とペダルの感覚を確認して笑みを浮かべた。

 

(これなら行けるッ!)

 

元々武蔵はゲッター3のパイロットだ。ゲッター1や2はそれこそ付け焼刃の操縦技術しか持ち合わせていない、だからこそドラゴンの操縦に手間取っていたが、ゲッター3の後継機たるポセイドンならば話は違った。

 

「ゲッタァアアサイクロ……うおおおおおッ!?」

 

「なッ!? こっちにッ!?」

 

「ぐおおッ!?」

 

だが操縦出来るのと、ポセイドンⅡの圧倒的なパワーをコントロール出来ると言うのは別問題だった。ゲッターサイクロンのパワーを抑えきれず、地面を削りながら後方に吹き飛ばされていくポセイドン。イングラム達はそれに気付いたが、勿論対応しきれる訳も無くポセイドンに弾き飛ばされ、ビルにたたき付けられる。

 

「つ、つつう……す、すいませんッ!」

 

「ぐっ、構わないと言いたいが、これ以上は厳しいぞ」

 

「駆動系がやばいな……」

 

質量もパワーもまるで異なるポセイドンに弾き飛ばされたR-SOWRDとタイプSは行動不能に陥っていた。

 

『今アンカーを射出する、それに掴まれッ!』

 

クジラからアンカーが射出され、それぞれがそれに掴まりクジラへと回収されていく、その姿を見て武蔵は強く操縦桿を握り締めた。強い力を手に入れたが、このままでは助けをするところではなく、自分が皆を傷つけるという事に気付いてしまったのだ。だが、今はこの力を使わないわけには行かない。

 

「弁慶ッ! このままクジラで離脱しろッ!」

 

『武蔵さん!?』

 

「見ただろッ! オイラじゃまだこいつを扱いきれねえッ! 何時巻き込むかも判らないッ! 早く離脱してくれッ!」

 

雪崩のように襲ってくるインベーダーを殴り、蹴り、時に持ち上げ投げ飛ばすポセイドン。だがそのパワーは凄まじく、腕を振り上げるだけでビルを砕き、地表に足がめり込んでいる。

 

『でも!』

 

「大雪山おろしで全部ぶっ飛ばす! ゲットマシンの回収準備をしててくれッ!」

 

『ぽ、ポセイドンの腕は伸びないんですよ!?』

 

「オイラに良い考えがあるのさッ!! フィンガーネットッ!!!!」

 

両腕から射出したフィンガーネットがインベーダーを包み込むのと同時にポセイドンは腕を振り上げた。

 

『団六! 緊急ブーストッ!』

 

「おうッ!!!」

 

簡単な話である。腕が伸びなければ変わりの物を伸ばせば良い、ポセイドンの腕部に組み込まれているフィンガーネット。それは武蔵にとってはゲッターアームの延長に過ぎなかった。

 

「うおおおおおおッ!!! 大ッ! 雪ッ!! 山ッ!!!!」

 

ポセイドンがフィンガーネットを伸ばしたまま両腕を振り回す。それはビルを砕き、その計り知れないパワーで空中を飛んでいるインベーダーも、ビルと一体化したインベーダーも、何もかも等しく巻き込み、吸い寄せていく。

 

「うおおおッ! 団六ッ! 古田ぁッ! 何かに掴まれッ!!」

 

「や、やばいですよ!? これ絶対巻き込まれますッ!!!」

 

緊急加速でギリギリ大雪山おろしの範囲から逃れたが、それでもその凄まじいパワーはクジラの装甲を軋ませていた。

 

「……これが早乙女博士の遺産」

 

「凄まじい物だな。ゲッターロボの強さを知っているつもりだったが……本当につもりだったのだと思い知らされた気分だ」

 

街並みだけではなく、アメリカの大地を砕き、巻き上げていく大雪山おろしにイングラム達は戦々恐々するしかなかった。どす黒い竜巻はありとあらゆる物を飲み込み破壊し、切り裂いていく……その中心でいつの間にか足のブースターで浮遊していたポセイドンの中で武蔵はトンデモナイ事になったと思いながらも、ここまで来たら最後まで行くしかないと覚悟を決めた。

 

「おろぉぉしッ!!!!」

 

海面に向かって叩きつけられたフィンガーネット。その動きに沿うように竜巻も海へと向かい、アメリカの大地を完全に砕き、海面を殆ど吹き飛ばしながら真っ直ぐに海を切り裂いていくのだった……。

 

 

 

 

 

ポセイドンⅡがアメリカ大陸を跡形も無く粉砕した頃。太平洋の火山島ではある変化が起こり始めていた……。

 

「なんだ、何が起きている!?」

 

空も海も大地も埋め尽くしていたインベーダーが突如破裂し、液体へと変化していく。その異常な光景に隼人は息を呑んだ。

 

「ゲッター線はどうなっている!?」

 

「こ、この数値は……火口を中心にゲッター線の異常増加を確認ッ!」

 

オペレーターの声に敷島博士は何が起きているのかを正確に感じ取っていた。

 

「隼人ぉッ! 全軍撤退じゃッ!」

 

「敷島博士何をッ!?」

 

「ゲッター線の異常増加、この量はインベーダーでさえも耐え切れんッ! これに耐え切れるとするのならばッ!!『うおおおおおーーーッ! 早乙女のジジィイイイイッ!!!!』あいつらしかありえんッ!」

 

ニューヨークのインベーダー包囲網を突き破って太平洋に来た真ゲッターとブラックゲッターでギリギリこのゲッター線を中和出来ていた。それ以外の機体ではゲッター線に被爆する。

 

「全員タワーに一時帰還! 急げえッ!!」

 

「うあ……」

 

隼人の帰還命令と同時に真ゲッターのコックピットで號が胸を抑え、額から冷や汗を流していた。真ドラゴンの起動キーである號は火口の中の真ドラゴンに反応してしまっていた。

 

ゴウッ!!!

 

「な、なんだ!?」

 

「何が起きてやがるッ!?」

 

「「「「ギャアアアアアアアーーーッ!!!」」」」

 

突如火口から伸びたゲッター線の柱。それはインベーダーも、ロボット軍も関係なく飲み込み消滅させ、火口の噴火と共にマグマの中から異形の影が姿を見せた。

 

「な、なんだあれは……」

 

「何と言うことだ……こんな進化が合ったとは……美しい……だが、これはあまりにも本来の進化とは掛け離れている……これでは破壊神ではないかッ!!!」

 

蛇のような長細い胴体、その先にあるのは真ドラゴンの頭部と異常なまでに肥大した両腕……ゲッターロボ系列の機体とは到底思えない禍々しい姿に敷島博士と隼人は息を呑んだ。

 

『ふはははははっ!! 篝火は灯った。地球を我らインベーダーの安住の地とする為にッ!!』

 

『『今こそ力を使うときッ!!!』』

 

『『『ゲッタァアア……ビィィィムッ!!!』』』

 

早乙女博士、コーウェン、スティンガーの3人の声が周囲の海域に響き渡り、それと同時に真ドラゴンの口から放たれたゲッタービームが周囲を薙ぎ払った。タワーへと撤退しようとしていた機体を容赦なく飲み込み、消滅させるそのゲッタービームの威力にロボット軍は恐怖した。

 

「ステルボンバー、バトルモードッ! ステルボンバーが殿を務める! 早く撤退しろッ!」

 

ロボット軍の切り札であるステルバーの強化・発展機ステルボンバーが勇敢にも真ドラゴンへと挑んだ。

 

「力の差も判らぬ愚か者めがッ!!」

 

『『ゲッタービームッ!!!』』

 

「「う、うわあああああッ!?」」

 

だが虎の子であるステルボンバーもゲッタービームには耐え切れず、数秒の放射を耐えるので手一杯で太平洋の海へと散った。

 

「ふはははっッ! わーははははははッ!!!」

 

早乙女博士の笑い声が響く中。その声を遮るように竜馬の怒声が響き渡った……。

 

「調子に乗ってるんじゃねええッ!!!」

 

「今度こそ、逃がしはしないよッ!!」

 

真ゲッターが真ドラゴンに向かった瞬間。號は再び胸の痛みを感じ、強引にゲッターを操り真ドラゴンから離脱する。

 

「うおおおッ!!!」

 

ブラックゲッターが真ゲッターの影から飛び出し、ゲッタートマホークを背中に突き立てる。だがダメージが殆ど無いのか、真ドラゴンは身体を伸ばし、ブラックゲッターを振りほどこうとした。

 

「號ッ! 號ッ! どうしたのッ! 早く竜馬さんの援護にッ!」

 

「う、うあ……うあああ……」

 

「號ッ!? うっ!?」

 

何度呼びかけても反応を示さない號。渓も何度か呼びかけているとその脳裏に真ドラゴンから伸びた触手に絡め取られている號の姿が浮かび上がった。

 

『號ッ! 渓ッ! どうしたッ!? 何があったッ!!!』

 

「凱! 號が危ないッ! ゲッター……ううっ!?」

 

凱の呼びかけで正気に戻った渓はジャガー号からゲッターを分離させようとした。だがその瞬間真ゲッターが急に動き出し、渓と凱は操縦席にめり込むように吹き飛ばされた。

 

「俺が! 俺が護るぅぅッ!!!」

 

半狂乱になった號が真ドラゴンへと向かう。だが早乙女博士はそんな號を鼻で笑った。

 

「今の貴様に何が出来る。南海の藻屑と散れェッ!!!」

 

「「「う、うわああああッ!?」」」

 

真ドラゴンから放たれた高出力のゲッタービームに飲み込まれ、真ゲッター1は装甲から火花を散らしながら頭から真っ逆さまに墜落していった。

 

「うおおおおッ!! 舐めるなァッ!! ゲッタービィィムッ!!!」

 

竜馬は真ドラゴンに向かってゲッタービームを放ったが、その瞬間信じられない事が起きた。真ドラゴンの装甲が真紅に輝き、ブラックゲッターのエネルギーを吸い取り始めたのだ。

 

「な、何ッ!? うおおおおッ!?!?」

 

強引にエネルギーを吸い取られ、装甲からオイルを撒き散らしながらブラックゲッターも真ゲッター同様頭から海面に向かって墜落していった。

 

「はっははははッ! これで終わり……「ダブルトマホークブーメランッ!!!」うがああッ!?」

 

早乙女博士が高笑いし、己の勝利を確信した時。上空から飛来したダブルトマホークが真ドラゴンの翼を根元から引き裂いた。

 

「くそッ! 間に合わなかったッ! 弁慶ッ!」

 

『了解ッ! アンカー射出ッ!!』

 

それはニューヨークでの戦いを終えたドラゴンⅡとクジラだった。クジラから射出されたアンカーが真ゲッターの両肩を掴み海面から引き上げる。

 

「竜馬、掴まれッ!」

 

「弁慶かッ! 助かるッ!」

 

ブラックゲッターから脱出した竜馬は、牽引用のローブにぶら下がり降下してきた弁慶の手を掴みクジラへと回収される。

 

「な、なんだ。何が……うわッ!」

 

「ぐぐぐううッ! まさか、まさかこんな事がッ! ぬわあッ!!」

 

太平洋上空に武蔵と早乙女博士の困惑した声が重なり、真ドラゴン、ゲッタードラゴンⅡから放出された膨大なゲッター線が太平洋上空を眩いまでの緑に染め上げるのだった……。

 

 

第23話 真実 へ続く

 

 




世界最後の日編ももうすぐクライマックスとなります。真ドラゴン、ゲッタードラゴンⅡの共鳴によって何が起きたのか、そしてこれからどうなるのかを楽しみにしていてください。

そして活動報告にも書きましたが、連続更新やります

毎日18時に更新したいと思います。朝から書いて夕方に仕上げる……8時間は余裕であるから書き上げれるはず。

最終話まで後5つ……私は止まらないから、読者の皆様も止まらないで最後までお付き合いよろしくお願いします。

なんでそんな時間があるかといいますと……うん、もうコロナ増えすぎて、就職活動1回諦めて失業保険貰おうかなとか思い始めて、家にいるからです。

コロナの影響でかすぎるよ……

視点が変わる時にそのキャラの視点と言う事を表記するべきか

  • サイドまたは視点は必要
  • 今のままで良い
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