進化の光 フラスコの世界へ   作:混沌の魔法使い

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OG2編・序
OG2編・序 プロローグ 極めて近く限りなく遠い世界へ


OG2編・序 プロローグ 極めて近く限りなく遠い世界へ

 

どこまでも暗い闇の中から悲しそうな情勢にも似た声が響いていた……

 

「……ここは……違う……私は……過ちを犯した……探さなければ……『門』を開く『鍵』を……そして……創造主の下へ……」

 

壊れた機械のように繰り返し呟かれる言葉。永遠と続く、女性の嘆きの声。闇の中で反響を続けれる声が突如霧散した……闇を照らす翡翠の3つの輝きによって……。

 

「……感じる……これは……この……波動は……進化の波動……おお……おおおお……変わる。やっと変わる」

 

その輝きを見て女の声を発する、異形の球体は歓喜の声を上げながら、闇を切り裂き進み続ける3つの光を見つめ、狂ったように笑い出す。

 

「新たな進化……私は……創造主の……望み通りの姿に変わる……帰れる……創造主の下へ……」

 

闇の中で異形の球体は狂ったように笑い続ける。その瞳は決して見逃さないと言わんばかりに3つの光を見つめ続けていたのだった……。

 

 

荒廃した大地の中を駆ける青いバイザー型のカメラアイをしたPT……量産型ゲシュペンスト・MK-Ⅱと呼ばれる機体の中で男は歯を食いしばり、逃げる事しか出来ない己を恥じていた。

 

(情けない、情けない……俺は一体何を見ていたんだ)

 

男は一個小隊を預かる少佐だった。だが何も出来なかった……戦いの中不運にも崩れた大地の中に落ちた事で幸運にも命を繋ぎとめた。だがそれは自分が率いる部隊と引き換えに繋がった命だった……

 

「化け物共めッ!」

 

数ヶ月前に突如現れた黒光りする身体を持つトカゲのような異形……それをきっかけに世界は変わった。だがそれは自分達が所属する部隊が掲げる世界の変革とは異なる物だった……。

 

人も、無機物も関係無しに喰らい仲間を増やしていく異形。それは人類を滅亡させるだけの力を秘めた未知の生物だった……

 

そしてそれに対抗するように現れた蔦のような体組織を持つ、異形の群れ……

 

異形同士は互いに争い、そして思い出したように人間を喰らい同胞へと変えていった。

 

「何もかも腐りきった世界のせいだッ!」

 

思い出すのは世界が変わった悪夢のような1日……。

 

異星人の襲来によって1度は支配された地球。それを取り返す為に男は命を賭けて戦った……。

 

英雄と讃えられた事も1度や2度ではない……。

 

しかし戦いが終われば、政治家や上層部はあの苦しかった戦いを、人が人として扱われなかった異星人の統括下の事を無かった事にした。

 

戦いの中でしか生きれない……確かに男はそう言う部類の男だった。

 

だがそれでも根底には地球を護りたいと言う強い決意と願いがあった……

 

牙なき者を護りたいと言う心があった。

 

緩やかに腐敗し、自分達を除け者にしていく世界……。

 

異常者だと罵られ、もう地球は狙われることが無いと言い続けた世論……。

 

「その結果がこれだッ! 何が、何がッ! 永遠に続く平和だッ!」

 

政府は地球を護る為に大規模なバリアで地球を包み込む事を計画した……。

 

男が所属する部隊の隊長はそれに反論した、戦うことを放棄すれば、剣を捨てれば後悔する事になると訴え続け処刑された。

 

それを不服とし、反乱を起こしたのは確かに……確かに罪だ。しかし隊長が処刑されるほどの悪を行ったと言うのか……?

 

それを認めることが出来ず、再び男達は立ち上がった。

 

だがそれは政府の計画を止める為の反乱だった……。

 

しかし戦力の差は埋めきれず……男達の隊は敗残兵となった……。

 

戦いの中でこそ、人は進化し、発展すると言う永遠の闘争を掲げる「ヴィンデル・マウザー」には確かに思うことがあった。

 

その永遠の闘争が理想の世界か? と言えば、男はそうではないと思った。

 

だが、永遠の平和をうたい地球を封じる事を選んだ連邦には従いたくなかった。

 

地球を愛した隊長の意志を継ぎたかった。だから男は再び「シャドウミラー」の名を背負った。

 

今は永遠の闘争を掲げているヴィンデル大佐もそれに従う、「アクセル・アルマー」も「レモン・ブロウニング」も政府の計画を止めれば、その過激な発言を納めると男は考えていた……。

 

だが敗走し、政府の計画を止める事が出来ず発動した地球を護るバリア。それは、暴走し、化け物達をこの世界に無尽蔵に呼び寄せる異空間と化した……。

 

そこからは地獄だった、化け物達に追われ、狩られる……既に地球の支配者として人間は脱落していた。

 

化け物同士の地球の支配権の奪い合い、人間は蹂躙されるしかなかったのだ。

 

「うぐうっ!? くそったれッ!!!」

 

「「「「キシャアアアーーッ!!」」」

 

上空から自身を追い立てる無数の黄色い目玉を持つ異形の触手によって右肩を切り落とされ、背中のブースターを一基破壊された。

 

「あいつら……楽しんでやがるッ!」

 

殺そうと思えば一瞬で殺せるのに、こうして態々追いたて、恐怖をあおり逃げ惑う様を見て楽しんでいる……男にはそうとしか思えなかった。

 

「友軍シグナル……応援かッ!」

 

コックピットに響き渡る友軍機のシグナルに男は助かったと一瞬表情が明るくなった。だがその表情はすぐ曇る事となった……。

 

地響きを立てて、男の進路を塞いだのは男が駆る量産型ゲシュペンスト・MK-Ⅱと同型機……だった物だ。

 

「いや、違うッ! これは……あいつらかッ!!」

 

「「「静寂なる世界の為に……」」」

 

蔦のような生物に寄生された無数の量産型ゲシュペンスト・MK-Ⅱ……。その中から一糸乱れず聞こえる声に舌打ちを打った。

 

「くそ、これじゃあレモンの言ってたことを空論って笑えないじゃないかッ!」

 

残された左腕でビームライフルを構える、だが前門のアインスト・ゲシュペンスト・MK-Ⅱ、後門のインベーダー……男「バリソン・ロックフォード」の命運はここで尽きたと言っても過言ではなかった。

 

(私は思うのよ、政治家や上層部の考えって急におかしくなったでしょ? 誰かに操られている……そうは思わない?)

 

酒の席で頬を赤らめながら言った、シャドウミラーの技術顧問の言葉に何を馬鹿なと笑ったのは自分だ。

 

(すまねえな。あの世にお前が来たら謝るぜ……間違ってなかったってよ、いや、そうは言い切れないか?)

 

確かにレモンの発言は正しかっただろう、だが今永遠の闘争に拘るあいつらはどうなんだよと思いながらバリソンはアインストに寄生されるのも、インベーダーに食われるのもごめんだと自爆装置に手を伸ばした――その時、男の視界に影が落ちた。

 

「なんだ、ありゃあ……」

 

突如視界を過ぎったのは不恰好な3つの戦闘機……思わずその姿に目を奪われ、次の光景には素直に絶句した。

 

『チェェエエエンジッ!!! ポセイドンッ!!!』 

 

「おいおいおい……マジか……」

 

3つの戦闘機が巨大な特機になり、脚部のブースターで空を飛びながら、胴体の装甲をパージする。

 

『ゲッタァアアア……サイクロンッ!!!!!』

 

そこから放たれた暴風が自身を追い立てていたインベーダーを容赦なく飲み込み、そして切り裂き絶命させる。

 

『ターゲットロックッ! デッドエンドシュートッ!!』

 

「……は、はは……俺は夢でも見てるのか? ありゃあ……R-SOWRDじゃないか……」

 

僅かに生き残った人間達の希望……量産型SRX計画で開発され、アインストとインベーダーの襲撃によって姿を消したトライロバイト級「エルドランド」に収納されていた型番の登場にバリソンは目を見開き……。

 

『究極ゲシュペンストキィィックッ!!!』

 

自身の目の前を過ぎった漆黒の流星に薙ぎ払われ、爆発していくアインスト・ゲシュペンストに声を上げて笑った。それはありえない機体だったからだ……しかし、それでいて、男達……バリソンを含め、シャドウミラーにとっては絶対の象徴だった。

 

「ゲシュペンスト……タイプSかよ……おいおい、俺は夢でも見てんのか……なぁ隊長……カーウァイ隊長……ッ!」

 

シャドウミラー隊の創始者にして、地球を制圧したインスペクターの多数の指揮官機を単独で撃破した英雄――しかし政府に刃向かい処刑された……カーウァイ・ラウ少将と共に見せしめに爆破されたゲシュペンスト・タイプSの姿に困惑し、思わずオープンチャンネルで叫んでいた。

 

『……私を知っているのか? お前は誰だ?』

 

タイプSからの返答は肯定であり、記憶に残るカーウァイ少将の声にバリソンはここまで逃げ回っていた事の疲労が爆発し、コックピットの中で意識を失うのだった……。

 

 

 

 

沈黙した量産型ゲシュペンスト・MK-Ⅱの周りをポセイドンⅡ、R-SOWRD、タイプSが囲む。

 

「なぁ、カーウァイさん。名前呼ばれてたけど知り合い?」

 

「……いや、知らないと思うのだが……」

 

何故自分の名前を知っているのか判らないと困惑するカーウァイ。武蔵もそうだよなあっと呟いた。

 

「それよりも、なんでインベーダーがいるんだ? それに訳の判らない化け物もいる」

 

「そうだな……気になるところではあるな。俺達は……元の世界に戻ったんじゃない、また別の世界に辿り着いたのかもしれないな……」

 

「インベーダーと化け物と人間が戦う世界に?」

 

「……そうなるのかもしれん、何にせよだ。この世界の情勢を知る者に早く出会えたのは紛れも無く幸運だ。コックピットから引きずり出して話を聞こう」

 

「となると、順番で周囲の警戒か」

 

インベーダーだけではなく、正体不明の化け物もいる。そんな状態でそれぞれの機体から出るのは自殺行為に等しい、少なくとも誰か1人は警戒しなければならないだろう。

 

「あ、じゃあ、オイラが一番最初にやりますよ」

 

武蔵が一番最初の警戒を買って出て、再びポセイドンの中に乗り込む。

 

「何故インベーダーがいるのだろうな」

 

「判らない、少なくとも……俺達が居た世界ではないとは断言出来るが……少なくともだが同じ様な年代なのは間違いない」

 

「そうか、しかし……となるとこの荒廃しきった大地は何なんだ……」

 

「判らない。ただ1つだけ言える事がある……ここはインベーダー達と人類の生存競争を行っている世界と言うことだけだ」

 

あの世界で見た蒼いアルトアイゼンとSRX達の戦い……少なくともあの映像と関係する世界と言う事は判っている。

 

「現在地も、何がどうなっているのかも判らない……か」

 

「この男が起きたら聞いて見るしかあるまい、話を聞いた上でその後の方向性を決める事にしよう」

 

脱出キットを枕にして眠る男を背後に、イングラムとカーウァイの2人は救難キットの中から取り出した鍋でスープを作り始めるのだった……

 

どこか判らない場所でなにかが大きく脈打つ音が響く……。

 

「進化……の……使徒……我ら……こそ……正当なる……進化の……後継者……」

 

脈打つ音が激しくなり、脈うつ肉塊と繋がっている蒼いアルトアイゼンの目が紅く輝いた。

 

「……進化の光を我が手に……そして静寂なる世界を……ッ!!!」

 

闇の中に響くその声は間違いなく……キョウスケ・ナンブの声なのだった……。

 

 

 

 

第1話 歴史の差異に続く

 

 




向こう側の世界はあんまり細かい描写が無いので豪快にアレンジ、原型? はは、ありませんが何か? 次回はわかめ×2+マッドと会わせて行こうと思います。それでは次回の更新もどうかよろしくお願いします。



おまけ



現在判明している、進化の光フラスコの世界への向こう側の情報はこうなります。

シャドウミラー創始者は「カーウァイ・ラウ」少将。

カーウァイ・ラウ少将とゲシュペンスト・タイプSは「向こう側」の英雄&英雄機。

イージス計画(?)に反対し、それを止める為に決起するも大敗。反逆者として処刑およびタイプSの破壊。

イージス計画は失敗し、インベーダーを多数呼び込むワームホールとして今もなお拡大中。

インベーダー出現に伴い、アインストも活性化。

その結果がアインスト・インベーダー・人類の生存競争真っ只中。

視点が変わる時にそのキャラの視点と言う事を表記するべきか

  • サイドまたは視点は必要
  • 今のままで良い
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