進化の光 フラスコの世界へ   作:混沌の魔法使い

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第7話 堕ちた剣神/狂う孤狼 その2

第7話 堕ちた剣神/狂う孤狼 その2

 

蒼いアルトアイゼン……それはアードラー率いるDC、そしてエアロゲイターとの戦いで頼もしい味方であった筈のPTの姿。だが今その姿にかつての面影は無く、孤高の狼ではなく、狂う孤狼と言うべき狂気に満たされていた。

 

「進化の使徒ォッ!!!」

 

大地を砕きながら突進してくるゲシュペンスト・MKーⅢのリボルビングステークに向かって拳を振るうポセイドン2。だがその拳が振り切られる事はなかった……。

 

「ぐっぐううッ!!! う、嘘だろッ!!!」

 

「アアアアーーーッ!!!」

 

全長も重量も上回るポセイドン2は頭2個は小さいゲシュペンスト・MKーⅢに押され、リボルビングステークの炸裂によって右腕が大きく弾かれる。

 

「我等を認めよぉッ!!!」

 

「がッ!? ぐううっ!!!」

 

がら空きの胴に5連チェーンガンの掃射が叩き込まれ、咄嗟に腕をクロスして防御に入るが容赦なくポセイドンⅡの装甲を抉る弾丸の威力に武蔵は目を見開いた。

 

「ベーオウルフッ!!!」

 

「がッ!? 邪魔をするなあッ!!」

 

グルンガスト参式の体当たりによってチェーンガンの掃射が止まるが、キョウスケは怒りを露にしクレイモアの射出態勢に入る。

 

「あぶねえッ!!!」

 

それを見た武蔵はフィンガーネットを使い、参式を絡めると高速で巻き取り参式を無理やり射程から引き離す。

 

「大丈夫ですか!?」

 

「すまん、それにしても……相変わらずの化け物めッ!」

 

少なくとも参式の体当たりで1度は重量の差でゲシュペンスト・MKーⅢの装甲は大きく凹んでいた。だが今はその凹みも修復されていた。

 

「自己再生能力……ッ」

 

「そう言うことだ。俺も幾度もあいつと戦っているが、何度倒しても再生する。いや、再生するだけならばまだ良い、より強く己を強化する……とんでもない化け物と言うことだ」

 

機械であるはずのゲシュペンスト・MKーⅢの損傷がまるでビデオテープを巻き戻すかのように再生していく姿に流石の武蔵も引き攣った顔をする。再生するといえばアストラナガン、ジュデッカと見ているが、それよりも生々しく、無機物なのに有機物のように再生する姿には流石の武蔵も驚きを隠せないでいた。

 

「悪いがこの参式には武器と言うものは殆ど搭載されていない」

 

「緊急出撃でしたしね」

 

修理とアクセル用に調整するだけでやっとだったのか、アクセルの乗る参式には機体の固定武装しかない。

 

(チェンジは出来そうにないな……)

 

1度チェンジしてダブルトマホークを渡すべきかと考えた武蔵だが、再生を終えたアルトアイゼンが再び突進してくる姿を見てそんな隙は無いと判断した。

 

「ぬおおおおおッ!!!」

 

「ぐっ! くくうっ!! アクセルさんッ!」

 

リボルビングステークの杭を両手で受け止めたまま、武蔵がアクセルの名を叫ぶ。

 

「良いぞ、武蔵! そのまま押さえていろッ! くたばれぇッ!!! ベーオウルフッ!!」

 

ドリルナックルをコックピットに叩き込もうとしたアクセルだが、ゲシュペンスト・MKーⅢは左肩のクレイモアを犠牲にしてドリルナックの被害を最小限に留め、そのままポセイドンの胴体に蹴りを叩き込みその巨体を弾き飛ばした。

 

「仕留め損ねたッ! すまんッ!」

 

「いや、これでクレイモアを1つ……マジか……」

 

今粉砕したばかりのクレイモアが一瞬で再生する。だが開いたハッチから打ち出されたのはベアリング弾ではなく、エネルギー弾の嵐だった。

 

「ぐっ……変異のスピードが明らかに上がってる!」

 

「もしかしてゲッターのせいですかね……ッ!」

 

アクセルと武蔵が見ている前で目まぐるしく変異するゲシュペンスト・MKーⅢを見て、武蔵は本能的にこの化け物を倒しきる手段を今自分達が持ってないことを悟った。

 

「こりゃ、今は勝てないですよ」

 

「いいや、ここで倒す。これがな」

 

「……良くて相打ちにしかなりませんよ、それも早乙女研究所の爆発に巻き込んでの……そんな勝ち方で良いんですか?」

 

舌打ちの後。何か策があるのかと問いかけてくるアクセルに武蔵はそんなものは無いと笑い。

 

「動力が臨界を迎えればゲッターよりも、早乙女研究所の動力を狙う筈」

 

「なるほど……時間を稼ぐ訳か」

 

「生きてれば次がありますからね、今は生き残る事を考えましょう」

 

武蔵の価値観はシビアな部分もある。死んで意味があるのなら、その命を捨てることに何の未練も躊躇いも無い。だが死んでも意味がないところで命を捨てる事は決してしない、そして逃げることにも躊躇いは無いのだ。命があれば何度でもやり直しは効く、そして武蔵にとって逃げるのは挑む事を止めることであり、再び立向かう為の準備をするための行動だ。武蔵も竜馬も隼人も諦めると言う選択肢は無い、1度逃げたとしても次は必ずその刃を、牙を相手に突き立てる――だからこそ逃げる事に躊躇いは無いのだ。

 

「良いだろう、お前の考えに乗ってやる」

 

「どうも、と言っても……死ぬ気で耐えるだけですけどね!!」

 

「はっ! それなら俺は前に出ながら耐えてやるさッ!」

 

「攻撃は最大の防御ですか、気が合いますねッ!!」

 

「行くぞ武蔵ッ!」

 

「うっす!」

 

グルンガスト参式とポセイドン2が同時に動き出す、ギャンランドの出撃準備が終わり、そして研究所の動力が臨界を迎えるまでひたすらに耐える。だが逃げと受けに回っていたら押し潰される。守る為の、時間を稼ぐ為の攻撃に出る2人。今はまだ、コックピットに付けられた臨界を告げるタイマーは何の動きも示してはいない……。

 

 

 

 

鋭い金属音を立ててタイプSが宙を舞う――いや正しくは斬り飛ばされた。神技めいた見切り、そして操縦技術で直撃は避けているが地力の差は明らかだった。

 

「身体に染み付いた操縦技術は剣鬼に落ちても健在か、ゼンガー」

 

「……眼前の敵は……全て……打ち砕くッ!!!」

 

新西暦で見た出刃包丁――いや、零式斬艦刀ではない、日本刀を器用に振るうアインスト・参式にカーウァイは操縦席で冷や汗を流していた。

 

(あの打ち込み速度……癖を知っていなければ両断されていたな)

 

カーウァイは教導隊全員の操縦の癖を完璧に把握している。それは今でも変わらない。ほんの僅かな挙動、ほんの僅かな間の外し方……それら全てからどんな攻撃が繰り出されるか、どんな動きが来るかをある程度予測できる。だからこそ、紙一重でかわす事が出来ていた。だが徐々にそれらにノイズが混じり始めていた。

 

(アインスト化か……厄介な)

 

参式を蝕む触手、それらが徐々に強くなっているのかゼンガーの意志が希薄になっている事をカーウァイは感じていた。だがタイプSでは参式を倒すだけの攻撃力が足りなかった。

 

「……ハッ!!」

 

「舐めるなッ!」

 

滑るような踏み込みからの一閃を蜻蛉を切ってかわし、空中で体勢を立て直しショットガンを叩き込む。

 

「むっ」

 

「おまけだ、こいつも持って行けッ!」

 

顔に叩き込まれ一瞬動きが鈍った参式目掛け、背中にマウントしているグランスラッシュリッパーを射出する。

 

「……ぐう……ッ! むんッ!」

 

「流石と言わざるを得ないな」

 

左右のグランスラッシュリッパーの内、右は命中し戻ってきたが左は両断され、その場に落ちて爆発した。辛うじて目で追える速度の抜刀だった。飛び道具は駄目、そして近接は重量の差で押し潰される……あくまで今回の戦いは撤退戦だ、時間を稼げばいい。距離を取ってひたすら射撃で時間稼ぎをするか、それとも近接でアインスト参式を制圧する……そのどちらを取るか、安全性を考えれば前者は明らかだった。だが、カーウァイはネオ・プラズマカッターを抜き放った。それはアインスト・参式を相手に切り込むと言う事を意味していた。

 

「部下が苦しんでいるんだ、それを見ていられるわけが無かろうッ!!」

 

「オアアアアアーーーッ!」

 

大上段から振り落とされる参式斬艦刀目掛けネオ・プラズマカッターを振るう。参式斬艦刀は実体剣、そして、ネオプラズマカッターはエネルギー剣……本来は鍔迫り合いなど出来るわけが無い。

 

「ッ!」

 

「ゲシュペンストは私の手足と知れッ!」

 

プロトタイプの時からゲシュペンストを駆ってきたカーウァイはゲシュペンストの武装全てを完全に把握していた。その特徴も、性質もだ。ネオ・プラズマカッターはエネルギー剣だが、理論的には戦艦に搭載されるE-フィールドと同じだ。刀身に負荷がかかり、シールドブレイク……実体を持たないエネルギーはほんの数かだけ物質化するタイミングそれはほんの数秒のシビアなタイミングだが、その一瞬だけエネルギーは結晶化し、物質として扱える。そしてその瞬間ならば実体剣と同様に扱える。その一瞬を利用し、参式斬艦刀を弾き、握りこんだ拳を突き出す。それはアインストコアを捉え、不気味に脈打つアインストコアに細かい亀裂を走らせる。

 

「が、ガアアア……」

 

その拳は参式の胸部に形成されようとしていたアインストコアを捉える。糸の切れた人形のようにギクシャクと後退する参式を睨みながら、プラズマカッターの切っ先を参式に向ける。

 

「私の部下は返して貰おうか、アインストッ!!」

 

世界は違えど、ゼンガーはカーウァイにとって大事な部下であると言うことに変わりはない。そして参式の胸部の赤黒いコアがアインストのコアであるのならば、それを砕けばゼンガーを取り戻せる可能性は十分にある。カーウァイはそう考え、出力も装甲も圧倒的にタイプSを上回るアインスト参式に接近戦を挑むのだった……。

 

 

 

 

一方その頃ギャンランドの防衛をしているイングラムとエキドナの2人は格納庫から出撃してきたグルンガストを交え、漸く劣勢から互角に押し返すことが出来ていた。

 

「打ち砕く、ブーストナックルッ!!!」

 

踏み込みながら放たれた鉄拳がナイトの顔面を打ち砕く、それを見た瞬間。イングラムはR-SOWRDを走らせ、地面から顔を出したグラスを踏みつけて跳躍させる。

 

「そこだッ!」

 

「!?!?」

 

頭部の鎧が再生する前に、鎧内部にショットガンを叩き込み、その中心にあるコアを打ち砕いた。だがR-SOWRDの着地地点には無数のグラスとボーンが存在しており、着地する前に集中砲火を受ける寸前だった。

 

「シャドウランサーセット、行けッ!!!」

 

だがそれは上空から飛来したプロトアンジュルグの放ったエネルギーの槍の嵐でその場に縫い付けられる。

 

「いいフォローだ」

 

着地と同時に肩部に搭載されているステルスブーメランを投げつけ、拘束されているボーンの頭部を断ち切るR-SOWRD。

 

「あらかた片付いたが……」

 

「まだまだ沸いてくるようですね」

 

ギャンランドに組み付いているアインストは今の出最後だったが、地面から生えて来る様に出現するアインストには流石のイングラムも顔を歪めた。

 

「一刀……両断ッ!」

 

「舐めるなよ。ゼンガーッ!!」

 

光にしか見えない一刀をスライディングでかわし、立ち上がると同時にショットガンを参式の背中に打ち込む。

 

「ぬううッ!!」

 

「そんな攻撃にあたってやるほど私は暇ではないッ!」

 

回転させた背部のドリルで体当たりを仕掛ける参式だが、タイプSはナイトを踏みつけ飛び上がり、参式の頭を飛び越すと反転し再びショットガンを打ち込み着地とフルパワーのブラスターキャノンを放った。

 

「ぐうううッ!?」

 

「「「!?!?」」」

 

大出力のそれは参式を後退させ、その周辺にいたアインストも巻き込み消し飛ばす。

 

『そろそろエネルギーも推進剤も不味い。今はまだ何とかなるが、長くは持たんぞ』

 

有利に立ち回っているがそれは推進剤もエネルギーもふんだんに使っての物だ、そんな戦い方をしていればエネルギーなどの枯渇も時間の問題だ。更にフルパワーのブラスターキャノンを惜しげもなく使用していることもあり、胸部の砲身も焼きつき始めていた。

 

「オメガブラスターッ!!!」

 

「当たらん!」

 

「良いや、当たってもらうッ!!!」

 

ゲシュペンスト・MK-Ⅲはグルンガスト参式、そしてゲッターD2を相手に互角以上に戦っているが、武蔵の絶妙なアシストでフィンガーネットに絡め取られオメガブラスターの射軸に投げ込まれる。

 

「……ふ、ふはははははッ!! まだだ!!」

 

高出力のビームに焼かれ、その装甲が溶け落ちるが着地する頃には完全に再生していた。

 

「ちい、化け物め」

 

「判ってた事ですけど、結構厳しいですね。アクセルさん、エネルギーは?」

 

「……半分を切ったな。おいッ! レモン! まだなのかッ!!」

 

『後ちょっと……よっし! タイマースタートッ!』

 

漸く、コックピットに搭載されたタイマーが動き出す。360秒……永遠にも等しい6分間だなと苦笑する。

 

「フォローはする。ヴィンデル、センターを頼む」

 

『了解した。エキドナ、お前は上空からトドメを刺せ』

 

『了解しましたヴィンデル大佐』

 

互いに互いを出し抜く隙を窺っているが、今は協力するしかない。歪な協力関係だが、今この時だけはイングラム達とヴィンデル達は協力し合い日本脱出の為に力を合わせるのだった……。

 

 

 

 

 

ゲシュペンスト・MK-ⅢはゲッターD2を狙う。その性質が判ってからは武蔵が防御と支援を担当し、アクセルがゲシュペンスト・MK-Ⅲへと攻撃を繰り出していた。

 

「邪魔をするなあ。アクセル……アルマーッ!!!」

 

「ぐっ……チィッ!!」

 

右肩から射出されたエネルギー弾の嵐が参式を捉えて右腕が肩から破壊され落下する。

 

「アクセルさん!」

 

それを見て武蔵が即座にアクセルのフォローに入るが、ゲシュペンスト・MK-Ⅲはそれを狙っていたのか、即座に反転しポセイドン2の突進をその両手で止める。

 

「進化の使徒ぉッ!!」

 

「くっぬぬうう……この馬鹿力ぁッ!!!」

 

ブースターを全開にして押し返そうとする武蔵だったが、ポセイドン2の推進力を上回る加速をしたゲシュペンスト・MK-Ⅲに徐々に、徐々に押し込まれる。

 

「押せええッ! MK-Ⅲッ!!!」

 

がっぷり四つにつかみ合ったポセイドン2とゲシュペンスト・MK-Ⅲだが、キョウスケの雄叫びと共にポセイドン2の巨体が浮かび上がり、そのまま浅間山に叩きつけられる。

 

「ぐっ! くそ!! 喰らえッ!! ゲッターキャノンッ!!!」

 

「無駄だぁッ!」

 

至近距離からのゲッターキャノンがMK-Ⅲの頭部の右半分、胴体の左上部、そして肩を抉るがそれらの損傷は瞬く間の間に回復する。それは戦い始めてからの1番の再生速度だった、そしてそれは武蔵にあったある予感を確信へと変えていた。

 

「やっぱりゲッター線が影響しているのかッ!」

 

明らかにゲシュペンスト・MK-Ⅲの回復能力が増している。今とさっきまでの回復能力の差……それを武蔵なりにある程度予測がついていた。

 

「ベーオウルフゥッ!!!!」

 

「駄目だ! アクセルさんッ!」

 

ポセイドン2がゲシュペンスト・MK-Ⅲを押さえている間に参式が背後に回りこみ、ドリルナックルを背後から叩き込もうとする。それを見て、慌てて静止する武蔵だが、アクセルの勢いは止まらなかった。

 

「何ィッ!!」

 

「甘いな! アクセル・アルマアアアーーッ!!!」

 

「やっぱりだ! こいつッ! ゲッター線を吸収してるッ!」

 

背部のブースターで浮かび上がったゲシュペンスト・MK-Ⅲは自らの足を犠牲にした。それを見て、自爆と言う言葉が一瞬2人の脳裏を過ぎったがそうではなかった。粉砕された両足が寄り強靭に、より強固になって再生する。ゲッターに触れているからか、それとも周囲のゲッター線を吸収しているのかは判らない、だがこうしてゲッターD2を触れているゲシュペンスト・MK-Ⅲの回復力は明らかに異常な物になっていた。そしてそれは回復だけではなく、恐ろしい速度での進化を促していた。

 

「これが狙いかッ!! ぐはっ!!」

 

PTとしてではない、特機としてのゲシュペンスト・MK-Ⅲへと変異する為にあえてゲシュペンスト・MK-Ⅲは参式の攻撃を受けたのだ。

 

「ぐっ、ぐぐぐううっ!?」

 

蹴りを叩き込まれ吹き飛ぶ参式と足の力が増した事で更に浅間山に押し込まれるポセイドンⅡ。

 

「さぁ! 我等を認めよ! 新たな種と! 進化の光の意思を継ぐ者として認めるのだッ!!」

 

前と同じく自分達を新たな命として認めろと叫ぶキョウスケ。その狂ったような声に武蔵はうんざりしていた、知人の声なのに、それは全くの別物……そして狂気を帯びていれば、誰だって嫌気が刺す。

 

『武蔵ッ! 俺達はギャンランドに乗り込んだッ! 何とか隙を窺ってこっちに乗り込め! 爆発に巻き込まれるぞッ!』

 

イングラムからの通信を聞いた武蔵はキョウスケへを変貌させたアインストへの苛立ちを込めながら、ポセイドン2のペダルを力強く踏み込んだ。

 

「何言ってるか……わかんねえよッ!!!」

 

背部のブースターを吹かし、凄まじい勢いでヘッドバッドをゲシュペンスト・MK-Ⅲの頭部に叩き込む。質量の差で大きく凹む頭部、それに伴いセンサーアイとアンテナが纏めて拉げる。それはこの戦いの中で武蔵が見つけ出したゲシュペンスト・MK-Ⅲの弱点だった。粉砕すれば即座に再生されてしまうが、拉げさせる等の方法でダメージを与える事でその再生速度は格段に落ちる。そのまま脚部と背部のブースターを全開にして飛び上がったポセイドン2はフィンガーネットを射出する。

 

「フィンガーネットッ!! 撤退しますよ!」

 

「ぐっ……くそ……勝負は預けるぞ! ベーオウルフッ!!」

 

「……くっ、ここまでかッ!」

 

参式、そしてタイプSがフィンガーネットに掴まり、ポセイドン2はフルパワーでブースターを吹かし、2機を持ち上げたまま浮上したギャンランドに乗り込む。

 

「そのままコックピットに掴まってて、喋ると舌を噛むわよ! ブーストドライブ起動ッ!」

 

この場にいる友軍機を全て回収したギャンランドはブーストドライブを起動し、早乙女研究所上空から一気に離脱する。

 

「……進化の光……逃がしは……」

 

「……逃がしはしない……その力を我が手に……」

 

高速で飛び去るギャンランドを追走しようとしたゲシュペンスト・MK-Ⅲとアインスト参式だが、背後の研究所から凄まじいゲッター線反応を感知した。そしてキョウスケ……、いや、キョウスケに憑依しているアインストはある判断を下した。

 

「なるほど、あれを護ろうとしていたのか……ふふふ……はははははッ!」

 

この劣勢でも諦めずに戦っていたのはあのゲッター線を護ろうとしていたのだと、だがこれ以上は無理だと判断したので撤退したと考え、ポセイドン2よりも濃度の濃いゲッター線を得ようと研究所の壁を突き破り内部へと侵入する。それは本来のキョウスケならば絶対に行わない、愚かな手段だった。アインストに寄生され、まともな思考回路ではないからこそ、この明らかに罠と判っている中に自ら飛び込んでいったのだ。

 

「おお……これぞ進化の光! 我らの新たな進化が今ここにッ!!」

 

「……進化……我らこそ、新たな生命ッ!!」

 

動力炉に満ちる豊潤なゲッター線。それを浴びてゲシュペンスト・MK-Ⅲが、グルンガスト参式が、そして無数のアインストが変異を始めると同時に……早乙女研究所の動力全てを担っていた動力炉は火花を散らし、早乙女研究所は周囲にゲッター線の証である翡翠の光を撒き散らし、浅間山周辺を跡形も無く消し飛ばすのだった……。

 

 

 

第8話 敗走 へ続く

 

 




がっかりウルフにアインスト化で思考回路が残念だったので明らかな罠に突っ込み爆発。勿論生きておりますが、何とか離脱は出来たと言う感じで、今回も負けイベントでした。アニメ、ゲームで明らかに思考回路がおかしくなっているので、ここまであからさまな罠にも引っかかるかなと思って書いたので、違和感とかを感じるかもしれませんが温かい目で見ていただければ幸いです。それでは次回の更新も胴かよろしくお願いします。

視点が変わる時にそのキャラの視点と言う事を表記するべきか

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