進化の光 フラスコの世界へ   作:混沌の魔法使い

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第14話 予想外の再会 その4

第14話 予想外の再会 その4

 

伊豆基地でアルブレードの稼動試験が行われる2時間前、日本に向かうスペースノア級――「ハガネ」の姿があった。

 

「進路。よーそろーダイテツ艦長。後1時間ほどで本艦は日本へと到着します」

 

「うむ。順当に進んでくる事が出来たな」

 

L5戦役の後にハガネは大破したトロニウムバスターキャノン艦首モジュールに変わり、シロガネと同タイプの艦首モジュールを装着し、アイドネウス島でのゲッターロボ及び、メテオ3、ホワイトデスクロスの捜索任務に当たっていたが、レイカーからの命令で日本へと帰還するための航路についていた。

 

「レイカー司令からの報告……本当なのでしょうか?」

 

「わからん、それを確かめる為にもワシらは1度日本に戻らねばならない」

 

レイカーがハガネを日本に戻す決断をした理由――それはヒッカムでのキョウスケの発言が大きく関係していた。武蔵が口にした「鬼」と思わしき集団の出現、そしてメカザウルスに匹敵する特機の出現……極めつけにはゲシュペンスト・タイプSの出現――それらの要因が重なり、レイカーはハガネを日本に戻す決断を下したのだ。勿論それだけではなく、ダイテツとアイドネウス島で調査を行っていたアヤ、そしてケンゾウのコバヤシ親子と一部の軍人だけに知らされた特殊コンテナの中に搭載された金属片の調査も伊豆基地で行うべきと言う判断によっての帰還命令であった。

 

「何事も無ければ、日本でイルムガルト中尉達を回収後、補給を済ませ本艦もリクセント公国へと向かう。その後シロガネと共に国際会議の警護を行う」

 

名目上はリクセント公国で行われる国際会議の警護と言う名目でハガネは呼び戻されている。日本で補給を終えたら、そのままリクセントへ向かうぞと言うダイテツの言葉にテツヤは僅かに眉を細めた。

 

「久しぶりに同期に会うのは不安か?」

 

「……いえ、そう言う訳では」

 

「嘘を言うな、嘘を、顔に出ておるわ。そんなにリー・リンジュン中佐が苦手か?」

 

若い艦長だが、スペースノア級の艦長を任されるほどの手腕を発揮するリーとテツヤは士官学校での同期であった。故にシロガネと共に警護すると言うのが不安なのだとダイテツは感じていた。

 

「シロガネへの艦長への推薦を拒否したのはお前だぞ? ワシはもう、お前は艦長として立派にスペースノア級の艦長を務め上げれると思ったのだがな」

 

「そ、そんな、私はまだ艦長をやるなんてとてもではありませんが重責が過ぎます。私はもっと、ダイテツ中佐の元で艦長としての技術を学びたいと思っております」

 

「そうか……ならば、ワシが引退した後のハガネの艦長はお前だな、大尉」

 

ダイテツの言葉にとんでもないというテツヤだが、ダイテツの目から見ても既にテツヤは艦長の器としては十分だった。ダイテツと言う存在を知るからこそ、自分にはまだ早いと尻込みしているが十分に艦長としての手腕は既に持っている。

 

(……後もう少しだけ面倒を見てやるとするか)

 

自分もいい歳だからそろそろ現役引退をレイカーから勧められている。その時には、ハガネをテツヤに譲るのも悪くないと思いながらダイテツはパイプを吹かせる。

 

「リーなのですが、その私が士官学校に居た時はその神経質な性格から嫌われていたのです」

 

「ほう? そうなのか?」

 

「はい。正直リーが理想の上司に選ばれたと知った時は驚いて叫んでしまいました」

 

テツヤがそう言うのだから、きっと士官学校時代のリーは理想の上司とは程遠い性格をしていたのだろうとダイテツは笑う。

 

「何か良い経験をしたのだろう。それがリー中佐の考えを変える事に繋がったんだろうな」

 

「そうでしょうか?」

 

「そう言う物だ大尉。何かの切っ掛けで人間は簡単に変わる……よほど良い経験をしたのだろうな」

 

今までの人生観、そして人格を変えるほどの出会いがあったのだろうと笑うダイテツにテツヤは苦笑いを浮かべていたが、ハガネに響いた警報にその顔を引き締めた。

 

「エイタ! 今の警報はなんだ!?」

 

「い、伊豆基地にて熱源反応感知ッ! 伊豆基地で戦闘が行われている模様ッ!」

 

「ば、馬鹿な、伊豆基地に襲撃を仕掛けただと!?」

 

世界各地の連邦軍基地に正体不明のテロリストの襲撃が多発しているが、まさか伊豆基地にまで襲撃を仕掛けるとはテツヤにとっては想定外だった。

 

「驚いている暇など無いッ! 第1種戦闘配備ッ! これより本艦は伊豆基地への支援へ向かうッ!! 機関最大戦速ッ!」

 

「りょ、了解! 機関最大戦速!! 伊豆基地へと向かうぞッ!!」

 

ダイテツの一喝で我を取り戻したテツヤの命令をエイタが復唱し、微速から最大戦速に切り替えたハガネは真っ直ぐに伊豆基地を目指して進み始めるのだった……。

 

 

 

 

伊豆基地の試験場で灰色と紺色を主体にしたPTが音を立てて、ゆっくりと立ち上がった。R-1の量産の為マオ社で開発された量産に向けて製造された実験機――「アルブレード」のカメラアイが鮮やかな黄色に光る。

 

「起動完了。出力、規定値まで上昇。各部、問題なし……っと」

 

アルブレードのコックピットでリュウセイがコンソールを操作し、アルブレードのステータスを確認していると、司令室のロブから通信が入る。

 

『どうだ、リュウセイ? 実際に乗ってみたアルブレードは? お前の意見をある程度取り入れた形にはなっているはずだが』

 

SRX計画の一環として開発された事もあり、リュウセイの意見を数多く取り入れたアルブレードの感想を求めるロブにリュウセイは声を弾ませて返事を返す。

 

「シュミレーターの時より全然良いぜ! 重心がどっしりしているのがやっぱり安定感があって良いよ」

 

本来のアルブレードよりも、20%増しで重量を安定させた事で操縦の感覚が抜群に良いとリュウセイが返事を返した。

 

『なるほど、試作に向けて搭載した腰部レールキャノンと試作ブレードサイのお陰かな? 調子は良いか?』

 

「バッチリだぜ、ロブ。これで量産出来るって言うんだから驚きだぜッ!』

 

先行量産試作機と言う事で、確かにコストは高めだがそれでも量産を前提にされている機体だ。武装がいくつかオミットされたとしても、今リュウセイが乗っている機体をベースに量産されると言うことに、リュウセイは驚きを隠せないでいた。

 

『ま、そこの所はL5戦役でのSRXの活躍のおかげだな、今の段階で気になる事はあるか?』

 

模擬戦の前に気になる所はあるか? と言うロブの問いかけにリュウセイはアルブレードの腰に装備されているブレードサイを装備させて、軽く振るってみせる。

 

「うーん……重量的には前のブレードトンファーの方がどっしりとしてたかなあ? それにリーチも少し不安だぜ」

 

シュミレーションではブレードトンファーだったが、実機ではブレードサイと言う短剣になっていたのがどうも気がかりだと口にするリュウセイ。

 

『それならバックパックのモードをBTTに切り替えて見てくれ、それで大分変わるはずだ』

 

「BTTっね。っとと!」

 

ロブに言われた通りコンソールを操作すると補助アームによって背部に装備されていたアタッチメントがアルブレードの両腕に装着された。

 

「ブレードトンファー……じゃねえ? なにこれ?」

 

『試作ブラストトンファーだ。腕部に装着時はビームエッジと重量による打撃、背部に装備時はキャノンとして運用出来るらしい……な』

 

ロブもカタログを見ながらの返答なのか、言葉にキレが無い。

 

「ふーん、ま、大分いい感じそうだから俺が言う事は無いけどさ。リョウトも随分色々試してるんだな」

 

本来搭載されると聞いていた武装を変更してまで色々と試しているリョウトにリュウセイは頑張っているなあと思いながら、腕に装着させたブラストトンファーを再び背部へと装備しなおした。

 

『まぁ正式量産機「エルシュナイデ」の実験の一環と思ってくれ、とりあえず今回はブラストトンファーの射撃は無し、ビームエッジとブレードサイをメインにした格闘戦のデータ取りを頼む』

 

「了解ッ! 任せておいてくれよッ!」

 

気合に満ちた返事を返すリュウセイにその意気だとロブは笑う、模擬戦の対戦相手がリュウセイとアルブレードの前に現れる。青い巨大な特機……超闘士と名高い、グルンガストが模擬戦の相手だった。

 

「グルンガストか……キツい相手だぜ……でも、隊長相手の模擬戦と違って、特訓メニューが追加されねえだけマシかな?」

 

アルブレードよりも装甲もパワーもはるかに上のグルンガスト。正直、PTで相手をする敵では無い。だけど、ヴィレッタの駆るR-GUNとの模擬戦では無いから負けても訓練メニューが増えないから良いかと呟いたリュウセイに司令室のヴィレッタから通信が入る。

 

『そんな心構えでは困るわね。良いわ、無様な結果になれば、訓練メニュー2倍よ』

 

「うへえ……やぶへび……が、頑張ります!」

 

自分の呟きによってとんでもない事になったとアルブレードの中でリュウセイは小さく溜め息を吐いた。

 

『よし、データ取得準備完了。2人共、始めてくれ』

 

「了解! イルム中尉。行くぜッ!」

 

「遠慮はいらんぞ、リュウセイ。思いっきり来いッ!!」

 

『……日本の連邦の要、伊豆基地……どれほどのものか確かめさせてもらうとしようか』

 

伊豆基地に迫る悪意に気付かず、アルブレードとグルンガストによる模擬戦の火蓋が切って落とされるのだった……。

 

 

 

 

 

弾丸のような勢いで突っ込んでくるアルブレードの突進を振るった拳で受け止めながら、イルムはグルンガストのコックピットで冷や汗を流していた。

 

(思いっきり来いとは言ったが……まさかここまでとは……)

 

L5戦役の後からリュウセイがどれほどの実力をつけたかと言うのを確かめるつもりだったイルムだが、想像以上にリュウセイの技量は上がっていた。

 

『オラオラオラオラッ!』

 

ブラストトンファーによるビームエッジと強固な材質による打撃。そしてR-1の構造を継承しているからこその抜群の瞬発力……、特機であるグルンガストだからこそ致命傷は避けれているが、並みのPTでは一瞬で行動不能に陥っていただろう。

 

(OK、納得した)

 

何故自分が試験の相手に選ばれたか、その理由を悟りイルムはコックピットの中で小さく息を吐いた。

 

「少しばかり本気で行くぜッ!」

 

『うおっ!?』

 

ノーモーションからの前蹴りをバク宙で回避するアルブレードにそこまで出来るのかよとイルムは驚いた。流石に模擬戦なのでファイナルビームや計都羅喉剣は使えないので打撃や蹴りに攻撃は制限される事を差し引いても、アルブレードは強かった。

 

『せやぁッ!』

 

「そんなんじゃあ、グルンガストの装甲は抜けないぜッ!!」

 

鋭く早い突っ込みからのブラストトンファーの一撃をグルンガストの強固な装甲で防いだ瞬間――模擬戦のプログラムに応じて、右腕使用不能のレッドアラートが灯る。

 

「やられた……ったく、随分と小技を覚えてくれたもんだぜ」

 

肘の関節に突き刺さっているブレードサイにイルムは関心半分、呆れ半分の溜め息を吐いた。

 

『行くぜッ!!』

 

右腕がルール上使えなくなったグルンガストの右側から突進してくるアルブレード。攻撃のノリは以前のまま、しかし相手の弱点を見極める観察眼と小技を使いこなす操縦技術――半年で恐ろしいほどにレベルアップしているとイルムは感心した。

 

「なぁッ!?」

 

『へっへ、グルンガスト相手に正面から突っ込むなんて真似はしないぜッ!』

 

スライディングでグルンガストのまたの間を潜り、回し蹴りを叩き込むアルブレードにグルンガストは前のめりにたたらを踏んだ。

 

「何時までも思い通りにはいかないぜ!」

 

『ぐっ!? 流石イルム中尉だぜ!』

 

バックブローを喰らい吹き飛んだアルブレード、今度はアルブレードの左腕に使用不能のアラートが灯る。

 

「リュウセイの奴、随分と腕を上げましたね」

 

「……武蔵の事があったからね」

 

リュウセイの中で武蔵の事を整理するまでは相当の時間が掛かった。そしてリュウセイの出した結論は自分が弱かったから、武蔵もイングラムも失ったという答えにつながった。生きていると信じている、だがそれとこれとは話は別なのだ。今度は最後まで一緒に戦えるように、リュウセイは己を鍛え続けた。それがアルブレードの操縦に活かされている。

 

「アルブレードにT-LINKシステムがついていたら流石にイルムガルト中尉でも劣勢でしたね」

 

「そうね、リュウセイの成長は操縦技術だけじゃないしね」

 

PTの操縦技術が上がるに連れて、それに追従するようにリュウセイの念動力は成長を遂げている。仮にアルブレードにT-LINKシステムが搭載され、その念動力を攻撃に活かす術があったのならば、イルムガルト相手でもリュウセイは勝利を収めていただろう。

 

「おおっと、なかなかやるじゃないかリュウセイ」

 

機体のダメージレベルが70%を越えた所で模擬戦終了のアラートが響き、イルムが通信でリュウセイに賞賛の言葉を投げかける。

 

「そりゃもう、隊長に厳しく鍛えられてっからね」

 

リュウセイが調子に乗ったと気付いて、ヴィレッタがすぐに通信を繋げる。

 

『まだまだよ。力任せで相手を押し切ろうとするクセが直っていないわ、今回はイルムガルト中尉がアルブレードの様子見をしていたからの勝利だと知りなさい』

 

リュウセイが天狗にならないように注意をするヴィレッタにリュウセイはアルブレードのコックピットで呻いた。

 

『R-1との違いを素早く把握し、それを踏まえた適切なモーションを取りなさい。マニュアル操縦が出来るようになったのは褒めてあげるけど、モーションデータを使わなくて良いって事じゃないわよ』

 

リュウセイの努力もそしてその才能も認めた上でヴィレッタは厳しい言葉を投げかける。司令室で聞いていたロブとアヤは揃って肩を竦める中、リュウセイが引き攣った声で返事を返す。

 

「りょ……了解。ちなみに今のは何点?」

 

『55点ね。妥協点はクリアしているけどまだまだよ、特別訓練の追加ね』

 

「ええっ!? ト、トホホ……大分良い線言ったと思ったのに……」

 

リュウセイとヴィレッタのやりとりを聞いて、イルムはグルンガストのコックピットで苦笑いを浮かべた。少なくとも武装をフルにこそ使っていないが、それでもイルムは本気だった。リュウセイが調子に乗らないようにしても厳しいなと肩を竦めていたが、次の言葉に思わず笑みを浮かべた。

 

『でも、さっきの踏み込みのタイミングはいい感じだった。次もその調子で頑張るのよ』

 

その不器用な褒めの言葉はイングラムに似ていて、イルムは思わず懐かしくなって笑ってしまった。

 

(ったく、今頃何処で何をしているのやら)

 

イルムもリュウセイ達と同じで武蔵とイングラムの死を信じていない。むしろ殺しても死にそうに無いイングラムが生きているなら早く出て来いよとまで思っていた。コックピットの中でリュウセイの成長具合を体感した側として、次はもう少し本気になるかなと考えているとグルンガストのレーダーに微弱な反応があった。

 

(なんだ? 今確かに熱源反応が……気のせいか?)

 

身体を起こして再索敵を行う中、試験場にロブの声が響いた。

 

『さて、リュウセイ。現時点での感想は?』

 

「そうだな……プラン通り、テスラ・ドライブと肩部シールドユニットを付けたらいいバランスになると思うぜ。上手く行ったら、晴れてエルシュナイデって呼んでも……」

 

リュウセイが最後まで言い切る事無く伊豆基地に警報が鳴り響いた。

 

「くそっ! 嫌な予感が大当たりかよ! リュウセイ! 訓練モードから戦闘モードに切り替えろ!」

 

「りょ、了解!!」

 

何か強烈な嫌な予感を感じ、イルムはリュウセイに戦闘モードに切り替えるように指示を出すのだった……。

 

 

 

 

 

 

 

アルブレードとグルンガストが戦闘モードに切り替わった頃。司令室は混乱に陥っていた……何せ警備網を抜けて敵機が突如出現したのだ。混乱するなと言うのが無理な話であった。

 

「最終防衛ライン上に所属不明機を多数確認しましたッ!」

 

「最終ラインッ!? 何故そこに至るまでレーダーで感知出来なかったッ!?」

 

オペレーターの報告にサカエが怒鳴り声を上げるとオペレーターは必死にコンソールを操作しながら報告を上げる。

 

「そ、それが先程まで全く反応が無く……ッ! 突如最終防衛ラインに熱源反応が出現したんですッ!」

 

その報告を聞いてサカエの脳裏を過ぎったのは、今までの新型奪取事件の事だった。何処の基地もレーダーに反応が無く奇襲されたと聞いていたが、まさかレーダーの類が充実している筈の伊豆基地までもその存在を感知出来ないとは想定していなかった。

 

「総員、第1種戦闘配置。対空迎撃システム、作動。PT部隊を緊急出撃させろッ!」

 

司令室が浮き足立つ中、レイカーの冷静な命令で司令室に僅かに平静が戻る。

 

「よもや、この伊豆基地へ仕掛けてくるとはな……他の基地の事を言えないな」

 

「他の新型奪取と同じでしょうか? まさかここまでとは……」

 

現れるまで存在を発見できず、そして目的を達成すれば速やかに撤退する。その手並みをまさか、レイカー達自身が体験するとは思っても見なかった。

 

「目標群、包囲網を……そんなッ!? 司令部の目の前に熱源出現ですッ!」

 

オペレーターが悲鳴にも似た……いや、事実悲鳴だったのだろう。突如熱源が現れ、海を割って現れた巨大な影にレイカーは信じられないと言う様子で呟いた。

 

「……鬼ッ!?」

 

『『『グゴオオオオオオオーーーッ!!!』』』

 

司令室の窓を全て粉砕する凄まじい咆哮が鬼の口から放たれ、レイカー達は吹き飛ばされ後方の壁に叩きつけられてその意識を失うのだった。

 

「な、なんだよあれ……鬼?」

 

「そうにしか見えねえな……んだよ、メカザウルスの仲間か?」

 

牛のような巨大な角を持つ「百鬼獣 牛角鬼」

 

細身で鳥を思わせる姿をした「百鬼獣 鳥獣鬼」

 

ハワイでも出現した「百鬼獣 豪腕鬼」

 

を見てリュウセイとイルムは顔を顰めた。その姿や形は違うが、どこか恐竜帝国の尖兵だったメカザウルスを思わせる姿をしていたからだ。

 

「リュウセイ、気をつけろよ。こいつら……新型機奪取とかそういう奴じゃねえぞ」

 

「……判るぜ、イルム中尉……こいつらやべえッ!」

 

肌に突き刺さるような強烈な殺気、そして獲物を目の前にした獣のような眼光。それら全てが自分達を殺しに来ていると言うことが判っていた。リュウセイにもイルムにも油断は無かった……足りなかったのは百鬼獣に対するリュウセイ達の理解だった。

 

「ガアアアアーーーッ!」

 

「え?」

 

「リュウセイッ!!!」

 

海中にいた牛角鬼が一瞬で間合いを詰めて、その巨大な角をアルブレードのコックピットに突き刺そうとしていた。それは殆ど一瞬の出来事……イルムの自分を呼ぶ声が遠くに聞こえ、コックピットに向かって振るわれる巨大な角がスローモーションに見える中、リュウセイはどこか他人事のように自分が死ぬんだと言うのを感じた。

 

【ガオオオオーーーンッ!!!】

 

「ぎゃああああーーーッ!?」

 

だがリュウセイを貫く筈の死神の鎌はアルブレードを貫く事は無く、獣の雄叫びと苦しみに悶える鬼の叫び声が響く中――漆黒の獣がリュウセイとイルムの間を駆け抜けて行くのだった……。

 

「アヤ! 出撃準備! 急ぎなさい!」

 

「りょ、了解!!」

 

「そ、そんな……あの機体は……何故ッ!?」

 

司令車にいたヴィレッタとアヤがパイロットスーツに着替え、それぞれの機体に乗り込もうとしている時。ロブの驚愕の声に乗り込む前に司令車のモニターに視線を向け、ヴィレッタとアヤの手からヘルメットが音を立てて落ちた。それだけ、リュウセイを救ったPTの姿は衝撃的な物だった……。

 

「あ、ああ……そ、そんな……嘘……」

 

「あ、R-GUN!? いや……違う、何だあの機体はッ!?」

 

司令車のモニターに写されていたPT……R-GUNに酷似した漆黒のPT――「R-SWORD」のカメラアイが目の前の光景を信じられないでいるアヤ達の目の前で禍々しさも感じさせる赤い光を放つのだった……。

 

 

 

第15話 予想外の再会 その5へ続く

 

 




リュウセイ達の危機にR-SWORD登場。次回はイングラムが伊豆基地に到着するまでの話を書いて行こうと思います。そして伊豆基地での百鬼獣戦ですね。ここら辺は完全オリジナルの話になりますが、本来のゼオラやアラド達の部分はまた今度に回したいと思います。それでは次回の更新もどうかよろしくお願いします。

PS

アルブレード(IF)はエルアインス+ビルドラプター・シュナーベルをアルブレードに混ぜた感じで考えていただければ幸いです。


特別な理由がなくても最新話を投稿してもいい、自由とはそういうものだと思う。

といいつつ、理由があるとすれば……うん、この1週間就職活動してましたが、面接にすら進まない。

10社以上爆死したかなあ……メンタル維持の為に執筆していて、投げる気分になった。

そんな感じです。

しかも私の住んでいる地方でも非常事態宣言が視野に、もう詰むかも知れないと言う恐怖をひしひしと感じている混沌の魔法使いなのでした。

視点が変わる時にそのキャラの視点と言う事を表記するべきか

  • サイドまたは視点は必要
  • 今のままで良い
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