進化の光 フラスコの世界へ   作:混沌の魔法使い

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第59話 龍神と剣神 その1

第59話 龍神と剣神 その1

 

駅前の広場のベンチにユーリアは腰掛け、武蔵が戻って来るのを待ちながらユウキから聞けた情報を端末を使ってクロガネに送信していた。

 

(しかし、得れた情報はさほど多くない……か)

 

潜入工作の訓練を受けているユウキでさえ、アースクレイドル中枢に潜り込む事は難しく、格納庫に置かれている機体や上官の話から推測された話が大半を占めていた。それでも文章だけではなく、ユウキが感じた物を直接聞けたのは大きな意味があった。

 

(ユウキの話ではアースクレイドルには4つの部隊が混成していて、それらの指揮権は皆バラバラということか)

 

1つは各基地からの新型奪取を主にしていた部隊――これの指揮官が全てのコロニーに住む住人の怨敵と言っても良いアーチボルド・グリムズが指揮を取っている。

 

1つは百鬼帝国の自由に動かせる戦力。明確な指揮官が居らず、その時その時に応じての部隊編成、指揮権の変化なので1番行動が読みにくい部隊――リクセントの襲撃を行ったのがこの部隊との事だ。

 

1つは龍王鬼と虎王鬼という鬼に思えない性格の2人の鬼が指揮権を持つ部隊で独立隊、連邦で言えばハガネやヒリュウ改に該当する部隊で、龍虎皇鬼と言う合体式の特機を有する現アースクレイドルの中での最大規模の部隊だそうだ。ユウキもこの部隊であり、1番多くの情報を得ているが、強敵と戦う事だけを望んでいると言う龍王鬼の性格から小手先の策は打たず、力で押し潰してくる部隊との事だ。

 

(こういうパターンが1番厄介なんだがな)

 

策を講じるのではなく、力で攻めて来る。単純だが、こういうタイプは真っ向からのぶつかり合いになる。こういう手合いほど厄介な物はないとユーリアは感じていた。1度勢いが付けば止められず、そして部隊の柱が健在ならば決してその闘志が折れることも無い。それが単騎でハガネとハガネのPT隊を相手どった龍虎皇鬼ならば簡単に撃退することも出来ず、味方を鼓舞し続ける。これほど厄介な手合いはいないだろう。

 

「そして最後はシャドウミラー……か」

 

あちら側というこちらとは違う歴史を歩んだ世界の連邦軍部隊――イングラム達が最も警戒している部隊が動き出そうとしていると聞けば、ユーリア自身の警戒も当然ながら強まる。ユーリアの視界に武蔵が人混みを掻き分けてくる姿が入ってきたのはそんな時だった……。

 

「武蔵? どうか? お、おい!? 急にどうした!?」

 

ベンチに腰掛けていたユーリアの手を掴んでそのまま走り出した武蔵。自分よりも背丈の低い武蔵に手を引かれ、少し躓きながらユーリアは武蔵に何があったのかと尋ねた時。街中に緊急警報が鳴り響いた。

 

「敵襲ッ!?」

 

「くそったれ! ゲッターを取りに行く間もねえのかよッ!!」

 

街の上空を飛んでいく百鬼獣とゲシュペンスト・MK-Ⅱの姿を見て武蔵とユーリアは声を荒げるのだった……。

街の上空を通過した百鬼獣とゲシュペンスト・MK-Ⅱの混成部隊は龍王鬼の情報通り、ハガネが防衛しているムータ基地に向っていた。そしてその大量の熱源反応はハガネ、そしてムータ基地の両方のレーダーに補足され、緊急警報が基地内に鳴り響いていた。

 

「ちいっ、やっぱりシロガネの合流は許してくれないかッ!!」

 

やっと修理が終わったグルンガストに向って走りながらイルムが盛大に舌打ちを打った。

 

「泣き言を言っている場合か!」

 

「判ってるぜ少佐ッ! それでもぼやきたくなるってもんだろッ!」

 

カイの一喝が格納庫に響く、深夜・早朝を問わないAM隊の攻撃でムータ基地の基地設備、そして本来防衛を行なうムータ基地所属のPT、AMはその殆どが大破――ムータ基地の防衛は不可能であると言う事がこの場にいる全員に判っていた。

 

「基地防衛と百鬼獣の迎撃班に分かれる事になるな……ライディース少尉とラトゥーニ少尉、それとラミアは基地防衛に当たれ、俺と、カイ少佐、イルムガルト中尉、それとブリットの4人で百鬼獣にあたる。ムータ基地の細工が終わり次第少尉達もこちらへ合流し、撤退作戦に切り替えるぞ」

 

ムータ基地の放棄は既に決まっていることだが、余りに本隊の襲撃が早すぎて基地の細工が終了していなかった。その細工が終わるまでは防衛をし、その後は撤退作戦に切り替えるとキョウスケは指示を出し、アルトアイゼンのコックピットに乗り込みヘルメットを被った。

 

『各員に告げる。判っていると思うが、今回の作戦は撤退作戦だ。無理に敵機の撃墜に拘らず、防衛に専念せよ』

 

出撃と同時にダイテツからの指示が下される。だがムータ基地周辺を見て、流石のキョウスケ達も顔を歪めた。

 

『これは撤退なんて出来るのか……』

 

『どうやら亡霊は鬼と手を組んで俺達をここで完全に潰すつもりのようだな』

 

ムータ基地周辺を取り囲んでいるのはゲシュペンスト・Mk-Ⅱ――そしてその後には無数の百鬼獣の軍勢。その包囲網を抜けて、離脱すると言うは誰の目に見ても不可能だった。

 

「俺とキョウスケで突破口を開く『その必要はない。カイ少佐、シロガネがこちらに向っている。シロガネと合流後、撤退へと切り替える。各員慎重に行動せよ』……了解」

 

突破口を開くといったカイの言葉を遮り、慎重に行動しろと繰り返しダイテツからの命令が下された。

 

「向ってくる相手を迎撃、ミサイルなどの飛び道具に警戒してくれ、百鬼獣と真っ向から戦うのは避けるんだ。戦況開始ッ!」

 

凄まじい勢いで迫ってくるゲシュペンスト・MK-Ⅱ。真紅に輝くバイザー型のカメラアイとその後で目を輝かせる百鬼獣――その姿は醜悪でそして恐ろしい物だった。

 

(地獄の入り口が迫っているようだな……)

 

鬼は地獄に住むという、そして地獄には亡者がいる。地獄から現れた軍勢が自分達を飲み込まんと迫ってくる――誰も口にしないが、百鬼獣の背後に地獄門が開かれていて、そこから伸びる亡者の手が自分達に向けられている……この場にいる全員が言いようの無い寒気と恐怖を感じているのだった……。

 

 

 

 

 

ムータ基地に急行するシロガネの船体が何度も何度も激しく揺れる。その振動で艦長席から振り落とされそうになりながらリーは歯を食いしばりながら指示を飛ばす。

 

「対空砲座何をしている! 弾幕が薄いぞッ!!! 左舷、主砲でアーマリオンを狙え、チャフグレネードを打ち敵の照準を乱せ! 良いか落ち着いて行動しろッ!」

 

ムータ基地へのゲシュペンスト・MK-Ⅱと百鬼帝国の襲撃を感知したシロガネはハガネの支援の為にムータ基地へと向っていたが、そうはさせまいと爆弾を抱えたアーマリオンの特攻とそれを支援するリオンの度重なる妨害を受けて、その足を完全に止めさせられていた。

 

『中佐! E-フィールドを解除しろ! あたし達が出る!』

 

格納庫からのカチーナの出撃命令を出せという怒鳴り声にリーはそれを上回る声で怒鳴り返した。

 

「ならんッ! お前達は万全な状態でハガネと合流するのだ! この場は私達の戦いだッ!」

 

『だ、だけどよ! このままじゃシロガネが轟沈するぞッ!?』

 

「沈まん! シロガネは沈まんさッ!! ぐうっ!?」

 

自爆特攻を仕掛けてくる無人機の直撃は避けたが、爆発でシロガネが大きく揺れ、艦長席から転がり落ちたリーは額にドロリとした液体が零れてくるの感じた。

 

『言わんこっちゃねえ! このままだと本当に轟沈するぞ! 早くE-フィールドを解除して、格納庫を開けろッ!!』

 

額から血を流しているリーを見てカチーナが声を荒げるが、リーは制服で血を拭い、獰猛とも取れる笑みを浮かべた。

 

「中尉、お前は人の話を聞かないな。これは私達の戦いだ。邪魔をするなと言っている」

 

『だけど!』

 

「艦長命令だ。PTに乗り待機しろ、それと機体をハンガーで固定しろ。全クルーに発令! 総員対衝撃防御ッ!!! しっかりとベルトを締め、緊急時マニュアルに乗っ取り座席に己の身体をしっかりと固定しろッ!!」

 

カチーナの意見など一切聞かず怒鳴りながら指示を飛ばす。

 

「大気圏離脱用のオーバーブーストを行なうッ!」

 

「か、艦長!? 何をするおつもりですか!?」

 

「知れた事を聞くな! Eフィールドを展開し、オーバーブーストによる加速で包囲網を突き抜けるッ!」

 

「む、無茶ですよ!? それにオーバーブーストは大気圏離脱か、緊急時の「今がその緊急時だ! 馬鹿者ッ!!! オーバーブーストをマニュアル制御にしろ! コントロールを艦長席に回せ!!」

 

リーの考えている事は1つ。大気圏離脱用のオーバーブーストをマニュアル操縦で行い、放射時間をコントールすると言う物だった。

 

「しかし、コントロールを間違えれば……!?」

 

「良いから命令を復唱しろ! ここで押し問答をしている時間はないッ!」

 

下手をすれば地表に凄まじい被害を与え、更にムータ基地を通り過ぎるかもしれないという副官の言葉に怒鳴り付けることで封殺し、マニュアル制御の操舵が姿を見せる。

 

(……シンシア、父さん、母さん……私に力を)

 

今頃避難している妻と両親の事を思い、首から下げたペンダントを握り締め大きく息を吐いた。

 

「オーバーブースト発動! スペースノア級でのソニックブレイカーの威力を見せてくれるッ!!!」

 

艦長席に押し付けれる凄まじい重力を感じながらも、リーの両手は操舵を握り締めていた。

 

(……3……2……1ッ!!)

 

オーバーブーストを解除したが、その凄まじい加速とスペースノア級の質量――そして全力展開されたE-フィールドはそれ全体が1つの武器となり、特攻してくるアーマリオンの爆発で減速しながらも、加速を緩める事はなくアーマリオン達の包囲網を抜けてムータ基地へと真っ直ぐに突き進んでいくのだった……。

 

 

 

 

ムータ基地のはるか後方のライノセラス。そのブリッジにヴィンデルとレモンの姿があった。今回のハガネへの襲撃の指揮を取っているのはヴィンデルであり、百鬼獣とアースクレイドルで量産されているゲシュペンスト・MK-Ⅱを用いてここでハガネを轟沈させる為に指揮を取っていた。

 

「わお……シロガネの艦長さんむちゃくちゃするわねえ……こっちの艦長とは大違いだわ」

 

「なんだ。シロガネの艦長は何をした? 私の計画を狂わせる物か?」

 

ゲシュペンスト・MK-Ⅱを捨て駒にし、徹底してチャフで相手の照準を乱し、対地ミサイルで基地に打撃を与えれば後は撃墜されても良い。本命はこの後の百鬼獣とW-15と考えていたヴィンデルはシロガネにアーマリオンを差し向け、自爆による足止めをさせていたのだが、レモンの声を聞いて何か計算違いか? と問いかけた。

 

「後10分経たずムータ基地に辿り着くわよ」

 

「何? どういう事だ? シロガネの周辺に増援などは確認されていなかった筈だぞ!」

 

ヴィンデルの計算では1時間はシロガネとハガネの合流を妨げられる筈だった。それなのにそれが10分も持たないとはどういう事だと声を荒げた。

 

「オーバーブーストを使ってスペースノア級でソニックブレイカーを再現したみたい。そんなのされたらPTやAMじゃ何にも出来ないわよ」

 

「……地上でオーバーブーストを使ったと言うのかッ!?」

 

テスラドライブを臨界点まで高めればソニックブレイカーは理論上は使える。だがそれを行なうにはスペースノア級の質量が邪魔をする。それをオーバーブーストで補おうとする艦長がいるなんて想像もしてなかったヴィンデルはその顔を歪めた。

 

「W-15の出撃を早めろ」

 

「……W-15じゃなくて、ウォーダンよ。ま、貴方にはそんなことを言っても無意味だろうけどね」

 

W-15と呼んだヴィンデルに一瞬敵意の色を見せたレモンは立ち上がり、ブリッジを後にして格納庫に足を向けた。

 

「レモン、何故スレードゲルミルしか積んでいない」

 

「どうしてうちの男連中は人の話を聞かない奴ばかりなのよ。アクセルは見ているだけ、そういう約束でしょう?」

 

格納庫の前で不機嫌そうに待っていたアクセルの姿を見て、レモンは聞き分けの無い子供に諭すようにアクセルに声を掛けた。

 

「ああ、見ているだけだ。戦場でな」

 

「……縛り上げるわよ。この馬鹿」

 

極度の疲労で動ける状態ではないのに機体に乗ると言うアクセルをレモンは本気で睨みつけた。

 

「ベーオウルフは俺が倒す」

 

「そう、それはいいわよ? でも万全にしてからにしなさいな。あんまりいう事を聞かないと、薬で動けなくするわよ」

 

「……駄目元で聞いただけだ、そう怒るな」

 

レモンが怒っている事を悟ったアクセルは駄目元で聞いただけだと誤魔化すようにいうと、逃げるように歩き去った。

 

「何が駄目元よ、馬鹿」

 

機体があれば今にも飛び立っていきそうだった。それほどまでにアクセルはベーオウルフ……いや、キョウスケ・ナンブとゲシュペンスト・MK-Ⅲに敵意を燃やしている。

 

「なんであっちとこっちは違うって認めないのかしらね」

 

レモンは呆れたように呟いた。だがそれはアクセルだけではない、ヴィンデルにも向けられた言葉だった。イングラムから話を聞いていたレモンは当然この世界に来てすぐキョウスケとエクセレンの事を調べた。そして軍の上層部も調べた――カーウァイの処刑に賛同した高官も軍人もいなかった。確かにイージス計画は勧められていたが、それ以上に抗う為の戦力を作っていた。例を挙げれば切りは無いが、少なくともヴィンデル達を邪魔者と考えた物は誰もいなかった。それなのにヴィンデルは永遠の闘争を掲げ続け、鬼とも手を組んだ。アクセルはありもしない可能性を警戒し、そしてこの世界にはいない相手を憎み続けている。

 

「私も人の事を言えないけどね……あの2人は輪に掛けて酷いわね」

 

新しい人間を作ろうとしている自分も普通では無いが、それでも臨機応変という言葉は知っているつもりなんだけどねと呟いて、レモンは格納庫に足を踏み入れた。

 

「ウォーダン、どう? 新しい貴方の機体は気に入った?」

 

白亜の巨人を見上げているウォーダンにレモンはそう声を掛けた。アースクレイドルで研究されているマシンセルを投与され、変異したグルンガスト参式がもしかして気に食わないのではないか? と思い声を掛けるとウォーダンはゆっくりと振り返った。

 

「レモン様、気付けず申し訳ありません」

 

「ううん、気にしなくていいわ。予定よりも出撃が早まりそうだけど……大丈夫かしら?」

 

「問題ありません。直ぐにでも出撃出来ます」

 

アースクレイドルのメインコンピューターとリンクする事で、あちら側よりも遥かに安定したウォーダンを見てレモンは小さく微笑んだ。

 

「そう、じゃあ頼んだわよ」

 

「はい、必ずやご期待に応えて見せましょう。メイガスの剣として……」

 

その口振りは以前にも増してゼンガーに近づいた。だが調整を手伝っているレモンには判っていた、W-15でも、ゼンガーでもない。ウォーダンとしての何かが芽生えようとしている事を知っていた。

 

(あの反応はエキドナと同じ……貴方は私に何を見せてくれるのかしらね。ウォーダン)

 

品定めする自分と、そしてどんな結果になろうともウォーダンを受け入れようと考えている自分――母としての愛と、科学者としての興味。相反する感情が自分の中に逆巻いているのを感じながら、レモンは笑みを浮かべた。

 

「ウォーダン、ハガネを攻撃するって事はどういうことか判っているかしら?」

 

「敵は倒す、それだけです」

 

「良く考えてみて、貴方がハガネに攻撃すればどうなるかって」

 

考えることを放棄したウォーダンに考えろという自分は、もしかしると楽園からアダムとイブが追い出される理由になった蛇ではないか? という考えが一瞬脳裏を過ぎった。考えさせること、それはヴィンデルが望む兵士ではない。だがレモンが望む存在は己で考える者だった。

 

「……武蔵」

 

「そう、武蔵がきっと貴方の前に立ち塞がる。思いっきり戦ってきなさい、勝っても負けてもいいわ。全力を尽くしてくるのよ」

 

「御意」

 

スレードゲルミルに乗る込むウォーダンを見送り、気密室に足を向けるレモン。まず間違いなく武蔵とゲッターロボは現れる――分析結果などではない、レモンの勘と言ってもいい。ヴィンデルの作戦は失敗する――そしてそれを妨げるのはゲッターD2と武蔵だ。

 

「学んで来なさいウォーダン、武蔵、イングラム、カーウァイと戦いなさい、そしてゼンガーとも戦うの。きっとその先に貴方自身があるわ」

 

開かれた格納庫から飛び立つスレードゲルミルを見送るレモン。その瞳の奥には蛍のように輝くゲッター線の輝きがあるのだった……。

 

 

 

 

 

 

ヴァルキリオンでクロガネ、もしくはバン達が乗るライノセラスに合流するつもりだったユーリアと武蔵。だが半分も行かないうちにそれは不可能だと決断せざるを獲ない状況になっていた。

 

「駄目だ。敵の包囲網が厚過ぎる……単騎でのこの包囲網を抜けるのは不可能だ」

 

「やっぱり……ですか」

 

ヴィンデルがムータ基地でハガネの戦力を完全に奪う計画を立てていた。どこに向おうが数十機のゲシュペンスト・MK-Ⅱとアーマリオンの混成部隊が待ち構えており、場所によってはハガネの支援に向おうとしていた連邦の部隊と戦っている者もいた。

 

「武蔵、これを被っておけ」

 

「……何をするつもりですか?」

 

2人乗りに改造されているユーリアのヴァルキリオンは他のヴァルキリオンと比べて大型で、装甲も厚い物となっていた。武蔵にヘルメットを渡し、自分もヘルメットを被りヴァルキリオンの設定を弄るユーリアに武蔵が何をするつもりかと尋ねる。

 

「この距離ならムータ基地に行ってハガネの脱出支援をする方が確実だ。単騎でうろうろしていては撃墜されるリスクしかないからな」

 

隊長としての立場から最も正しい選択――ユーリアは単独での離脱、ライノセラスからの応援を待つ、そしてハガネと合流の3つから最も確実で安全な選択を選んだ。

 

「済し崩しでハガネと合流することになるかもしれないが……」

 

「良いですよ。行きましょう、どっち道レフィーナさん達とダイテツさん達が合流すればオイラの事はばれますし、早いか遅いかの違いなら早い方が良い」

 

ヒリュウ改で堂々とレフィーナ達と話をしたのだ。何時ヒリュウ改が地球に降下してくるか判らないが、武蔵の事がバレるのは時間の問題だ。そう考えれば、早くばれても、遅くばれても大差は無く、安全を考慮するならハガネと合流するべきだと武蔵も判断した。

 

「ならこのまま包囲網を抜けてハガネに合流する。武蔵、射撃の心得はあるか?」

 

「問題ないですよ、ゲットマシンで戦う為にバルカンとかレーザー射撃の訓練はしましたから」

 

「良し、それならバックパックの射撃を任せても良いか?」

 

「大丈夫です、任せてください」

 

武蔵が射撃ユニットの操縦桿を握り締めたのを確認してから、ペダルを踏み込み徐々にヴァルキリオンの動力の出力を上げていくユーリア。

 

「飛ばして行くぞ、パイロットスーツ無しだから負担があるが……」

 

「心配ないですよ。ゲットマシンと比べれば快適なもんです」

 

「ふっ、それもそうだな。では行くぞッ!!!」

 

出力を上げた事でヴァルキリオンの反応に気付いた百鬼獣とゲシュペンスト・MK-Ⅱが動き出し、その時に僅かに生まれた隙間にヴァルキリオンを超低空飛行で滑り込ませ、そこから加速しゲシュペンスト・MK-Ⅱと百鬼獣の追撃を振り切ってムータ基地へ向うユーリアと武蔵。連邦、シャドウミラー、百鬼獣、そしてビアンが率いる真のDC――すべての陣営の戦力がムータ基地へと集う。新西暦に入って最初の大きな戦いが今正に始まろうとしているのだった……。

 

 

 

第60話 龍神と剣神 その2へ続く

 

 

 




今回は戦闘開始前のデモなので少し短めです。次回は戦闘描写メインで頑張って行こうと思います。そしてスレードゲルミルとゲッターD2やグルンガストとの戦いも書いて行こうと思います。それでは次回の更新もどうかよろしくお願いします。

なお私が小説を書く際に資料としていたサイトが消失し、情報収集に若干の難が出て、シナリオ部分が不安定となる可能性がありますがお許しください

視点が変わる時にそのキャラの視点と言う事を表記するべきか

  • サイドまたは視点は必要
  • 今のままで良い
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