進化の光 フラスコの世界へ   作:混沌の魔法使い

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第23話 休養

第23話 休養

 

メカザウルスの波状攻撃により轟沈一歩手前のダメージを受けたハガネとそのPT隊。今彼らは海中……ではなく、放棄された基地の中にいた。

 

「まさか、こんなところに基地があるなんて知りませんでした」

 

「ワシもだよ。大尉」

 

ライノセラスが置いて行った4つのコンテナ。その内の3つはPTとも互換性のあるパーツと燃料弾薬、残りの1つは食料や水、そしてこの基地への地図であった。

 

「EOTI機関が放棄した製造基地か……」

 

スペースノア級を収容出来るドックがあることから、アイドネウス島でクロガネの最終調整が行われる段階になるまで、この基地でクロガネが製造されていたのだろう……本来ならば消耗した装備を修理出来る環境と言う事で喜ぶべきなのだが……

 

「イングラム少佐達の調査では廃棄されたという割には、設備が整っているそうです」

 

エイタからの報告にダイテツの予想は確信に変わった……無人の基地なのに、整備する設備や、PTを修理する機材が充実している。それはビアンが人類の敵に対して備えていた物だろう……少なからず今の連邦の上層部に疑惑があるのはダイテツも感じていた。本来ビアンの遺産となるべき物を使う事には少なからず罪悪感はある、自分が勝っても、負けても、人類全体の事を考えているビアン。戦争と言う道を選んだのは間違いだが、その思想と願い自体は悪ではないのだから……

 

「ハガネのステルスシェードを展開、この基地のレーダーとハガネのレーダーを同調後。各員休息に入る」

 

「了解しました」

 

本来なら休息をとっている場合ではない、DCの本隊がジュネーブに攻撃を仕掛けようとしている今は一刻でも早く、アイドネウス島に強襲を仕掛けるべきなのだろう……だが、損傷率が7割を越えたPTと主砲、副砲の殆どを失ったハガネでは任務を遂行することも出来ない。今は受けた傷を癒すしかない……

 

「艦長、もし上層部がメカザウルスの存在を認めればどうなるでしょうか? DCと和平になるでしょうか?」

 

「……そうなれば良いとワシも思っているよ、大尉」

 

だがそれはありえないのだ。なぜか必要以上に上層部はメカザウルスを認めない、それさえ認めてしまえばDCと和平を結ぶことは可能だ。今は人類同士が争っている場合ではないのだから……だがダイテツの懸念はそこではなかった

 

(武蔵が心配だな)

 

上層部は『G』と呼ばれるゲッターの存在を知っている、それとは全く異なる姿をしているがゲッターを操る武蔵。もしこの戦いの後、武蔵が上層部によって囚われたら武蔵がどんな扱いを受けるかが心配でしょうがない、やはりDCとの戦いが終われば、すぐにでも離脱させるべきなのかもしれない

 

「武蔵はどうしている?」

 

「彼ならば、やることが無いと言う事で、基地の中にあった釣竿を持ってマサキと一緒に岩場に出かけていきましたが……」

 

善意の協力者であることから、基地に居る事を強制する事も出来ない。むしろ軍属ではないからこそ、気分転換も大事だ。

 

「それならば良い。大尉、伍長から休息に入れ」

 

「は、し、しかし艦長」

 

「構わん、行け」

 

艦長が先に休むべきと言う大尉に行けと命令する。申し訳ありませんと頭を下げて出て行く、大尉と伍長を追い出した事で1人になったハガネのブリッジ。基地の防衛設備と同調しているハガネのセンサーの音を聞きながら、艦長席に背中を預ける。極東基地を出発してから、めまぐるしく戦況は変わっている。それにハガネがここに停泊している事もDCは把握しているだろう、それなのに、襲撃を仕掛けてこない。今ならば戦力はゲッターロボ、そしてサイバスターしかない、物量で押されれば降伏するしかない。だがそれをして来ない、その事に疑問を覚えるのと同時に、まさかと言う考えが脳裏をよぎる。いまだ上層部がメカザウルスが存在しないと断言できる理由としては、それしか思い当たらない。

 

「……DCがメカザウルスの日本上陸を防いでいると言うのか……?」

 

思い当たる節はある、共闘を受け入れてから出撃したリオンやバレリオンの弾頭はメカザウルスにも有効打を与えていた、それは明らかにPTの武装よりも大きなダメージを与えていた。ビアンはもしかすると、対メカザウルス用の装備を既に開発し、海中や空中から進撃してくるメカザウルスを水際で食い止めているのではないだろうか? それは連邦では日本を護る事が出来ないという判断であるのと同時に、本艦に追撃がこない理由と考えれば実につじつまの合う内容だった。

 

「ワシだ。ダイテツだ、オオミヤ博士に繋いでくれ」

 

『どうしましたか? 中佐』

 

コンテナ2つ分も用意されていたPTとも互換性のある銃弾……それの分析をオオミヤ博士に頼む必要がある。

 

「PTの整備で忙しいと思うが、至急DCから提供された銃弾の分析を頼みたい」

 

『了解ですが、普通の銃弾のように思えるのですが?』

 

「……もしかすると対メカザウルス用の弾頭の可能性がある。それだけでも良いから調べて欲しい」

 

『!わ、判りました。すぐに分析を始めます』

 

慌てた様子で返事を返すオオミヤ博士に頼むと告げ、目を閉じる。生まれてしまった迷い、そして疑惑……それらを抱えた今、どうしてもDC……いや、ビアンと戦う事に疑問を覚えずにはいられない、だがレイカーや極東支部の人間が人質に近い以上ワシ達は進むしかないのだ……

 

 

 

 

 

「戻ったのか、シュウ・シラカワ」

 

「ええ。今戻りました」

 

司令部で指揮を取るビアンが振り返る。そこにはいつも通りの笑みを浮かべたシュウの姿があった……ビアンは1度指揮を頼むと副官に告げ、椅子に腰掛ける

 

「アードラー副総帥で無くていいのですか?」

 

「……冗談はやめてくれ、あの男が本当に私の思想を理解していると思うか?」

 

アードラーは技術者としては優秀だが、その考え方は根本的な所でビアンとは乖離している。それはテンザンやトーマスに出したと言う指示を聞けば一目瞭然だ、あの2人同様メカザウルスを日本に送り込む作戦を前提で組む。そんな男に指揮は取らせられないとビアンは断言した、現にアードラーはコード334……すなわち、メカザウルス出現による、連邦との一時停戦を無視した2人への監督不行き届きと言う事でアードラー派の兵士は全員が独房に入っている、勿論その中にはテンザンとトーマスの姿もある。

 

「それで戦況はどうなのですか?」

 

「……全体的な消耗度は4割。ゲッター線コーティングをした特殊弾頭が効果を出している」

 

メカザウルスの日本侵攻は行われているが、それはダイテツの予想通りDCによって水際で食い止められていた。だがその代償として、ハガネのアイドネウス島へのルートに割く防衛部隊は解散となっている為ハガネはDCからの妨害は無く、アイドネウス島へと辿り着くだろう。

 

「計算は狂いそうですね、ビアン博士」

 

「……そうなるだろうな」

 

数十回に及ぶメカザウルスとの戦いで、メカザウルスからDCは完全に敵として判断されている。そのおかげか、キラーホエールやリオンを索敵に出せばメカザウルスは航路を変更してリオンを襲撃するようになった。だがそれは日本は守れているが、DCが連邦とメカザウルスの両方から襲われると言うことであり、DCの疲弊度は爆発的に上昇している。

 

「貴方の思惑通りには行かない様子ですね……」

 

「それも仕方あるまい」

 

再三地球連邦政府及び、連邦に停戦を申し入れている。だが地球連邦はそれを受け入れることは無い上にビアンが流したメカザウルスとの戦闘記録もビアンの改変した物と云うことになってしまっている。

 

「アイドネウス島でメカザウルスとも戦いになるのではないですか?」

 

「……そうなるだろうな。だがハガネのクルーは話が判る、三つ巴とはならんだろう」

 

アイドネウス島に巨大な影が近づいている。恐らくそれがメカザウルス……いや、恐竜帝国の拠点なのだろう。海中や海上から出現するメカザウルスが多いのも、海上拠点で動き回っているとなれば説明がつく

 

「ビアン総帥、エルザム少佐が帰還許可を求めています、弾薬の消耗度及び、AMの消耗度が危険域に到達しているそうです」

 

オペレーターからの報告にビアンは顔を歪める。エルザムほどの腕であっても、危険域まで消耗している。メカザウルスは新西暦の常識を遥かに超える強敵であった、生物でありながらその力は特機に値する。敵の戦力は全て特機で編成された大部隊となれば、その脅威度は明白だ。

 

「エルザム少佐の帰還要請を了承する。エルザム少佐が帰還後、キラーホエール31~33番及びLBの1~2番隊を出撃させろ」

 

蓄えていた資材も兵力も確実に消耗している、だが人類を、地球を護ると言う思想に集い集まったDCの兵士の士気は高い。その士気の高さとAMの性能、そして対メカザウルス弾頭が性能に劣るAMでのメカザウルスとの同等な戦いを可能にしていた。

 

「ビアン博士、貴方も休むべきですね」

 

「……む、大丈夫だ」

 

立ち上がろうとしてふらついたビアンを支えるシュウ。ビアンは大丈夫だと頭を振り、再び立とうとするが、目の下の深い隈はビアンの疲労度を如実に表していた。

 

「その有様では恐竜帝国だけではなく、ハガネを見極めると言う事すら達成出来ないですよ? ご心配なく、私が暫くの間グランゾンで出ましょう。少しでいいので休むべきですよ」

 

「……しかし」

 

シュウに言われても渋るビアン。だが司令部にいる兵士の殆どに言われれば、それを拒否する事も出来ない。

 

「判った、3時間だけ休ませてもらう」

 

しばし仮眠を取らせてもらうと言ったビアンはふらふらの足取りで司令室を後にした。

 

「では暫くの間よろしくお願いします。交戦している場所で部隊が押されている場所はどこですか?」

 

ビアンが休んでいる間に戦うと言ったシュウの言葉に、オペレーターは上ずった声で返事を返しながら救援要請が出ている部隊の捜索を始めるのだった……

 

「ふう……」

 

汗を流し、ベッドに横になったビアンは天井に向かって深く溜め息を吐いた。人間同士がこのまま争っていれば人類は恐竜帝国によって蹂躙されるだろう。本来ならば、ビアンが敗れたとしても自分を破った部隊が地球の守護者になる。人類に危機感と、地球を護る刃を見出すための戦争……だが今の情勢はビアンの思惑から遠く離れ始めている。

 

「どうするべきか……」

 

考えていたプランを修復するべきか……しかし、もう修正が効かない所に来てしまっている。せめて、地球連邦政府がビアンの話を聞いて、そして和平を認めれば話が変わるがそれすらも難しいだろう。ビアンは頭を悩ませながらも疲労には勝てず、その意識は深い闇の中に落ちて行った……

 

『ほう、随分と早くこの場所に来たな』

 

夢の中でビアンは翡翠の光に包まれ、そしてそこで白衣を着た老人と出会った。だがその眼光は鋭く、そして老人とは思えない力強さに満ちていた

 

『ふふふ、そう身構えるな。ビアン・ゾルダーク……ワシはちょっと、そう少しだけお前に助言をしてやろうと思ったのだ。ゲッター線の声に耳を傾けろ、そうすれば真理が判る。ワシよりも早く、ゲッター線の真実に辿り着こうとしているお前ならば判るだろう』

 

白衣の老人が両手を広げると、巨大な戦艦のようなゲッターが姿を見せる。そしてそのゲッターから放たれた光がビアンを飲み込むのだった……

 

「はっ!」

 

強烈な閃光を前に両手で顔を庇ったビアン。目を開くと真っ白い天井が見える……ゆっくりと身体を起こし時計を見ると部屋に入ってから2時間ほど経過していた……

 

「メモ……メモをしなければ」

 

奇妙な夢の中で見た何か、それをメモしなければならない。ビアンは奇妙な使命感に突き動かされ何かの図面を描き出す……それはメモと言うにあまりに緻密、そして完成しきった図面だった。それを書ききったビアンは電源が切れたように机に突っ伏し、眠りに落ちた。

 

『ははは……さすが新西暦最高の科学者……あの一瞬でこれだけを感じ取ったか』

 

翡翠の光が満ち、ビアンの私室に早乙女博士が現れる。ビアンの腕の下から抜き出した図面を見て笑い出す、そこには早乙女の目から見ても、完璧と言えるゲッター炉心の図面があるのだった……

 

 

 

 

 

武蔵とマサキが並んで釣竿を振るう。武蔵の足元のバケツには魚がひしめき合い、マサキのバケツは空っぽだ。

 

「なんでこの距離で俺は1匹も釣れないんだ?」

 

「さぁなぁ? お、また来た」

 

投げ込んだウキが沈み、武蔵が竿をあおると穂先が海面に突き刺さる。武蔵はなれた素振りで竿を操作し、魚を釣り上げる。

 

「昼飯か、夕食か……どっちにせよ今日は新鮮な魚になりそうだな」

 

鼻歌交じりでバケツの中に魚をほり込む武蔵。再び餌をつけて、海に仕掛けを投げ入れようとした武蔵にマサキが意を決した表情で声を掛ける。

 

「お前の話を聞いたけどよ、後悔とかないのか?」

 

「あん?」

 

予想外の言葉に武蔵は振り返る。マサキの顔の顔は苦しそうに歪んでいた、聞いてはいけない事を聞いたという罪悪感を感じているのは確実だった。

 

「ないな、オイラは何十回、何百回だって同じ選択をする。同じ道を選ぶよ」

 

あの時はそうするしかなかったと武蔵は考えている。リョウがゲッターを操縦出来ず、恐竜帝国の大襲撃が迫っている。だが時間を稼げば、早乙女博士が、リョウが、隼人が何とかしてくれる……

 

「確かにオイラのやったのは無責任なことだったかもな」

 

皆ならなんとかしてくれる、そう思って何もかも押し付けた上に死んだ。意識が途絶える瞬間、通信機越しに聞こえたリョウの自分を呼ぶ声、隼人の慟哭の叫び……それは一瞬だったが武蔵の耳にこびり付いていた。

 

「それでも、それでもだ。大事な仲間には死んで欲しくなかったんだよ、オイラは」

 

大事だから、大切だから死んで欲しくなかった。それが武蔵の偽りのない気持ちだった、勿論、恐竜帝国が憎かったと言うのも無い訳ではないが……ゲッターで特攻する時はそれよりもリョウや隼人、それにミチルさんや元気、早乙女博士に死んで欲しくないという気持ちが何よりも強かった

 

「……恐竜帝国は強い。オイラが全部倒したと思ったのに、まだしつこく生きてやがった」

 

3人乗りのゲッターならまだしも、今の単独操縦のゲッターでどこまで行けるかと言う不安は少なからず残っている。

 

「恐竜帝国を倒すのはオイラの使命さ、オイラがやらなきゃいけない」

 

「おいおい、1人で全部何もかも背負う必要はないだろ?」

 

聞こえてきた声に振り返ると、イルムやリュウセイが同じように竿を担いで岩場にやって来ていた

 

「なんだよ。聞いてたなら、早く合流してくれよ」

 

「いやいや、気分転換に来てそんな重い話をしてたら隠れるだろうが」

 

イルムの言葉はごもっともである。マサキがそんな話を切り出すことが無ければ、イルムもリュウセイもすぐ合流していただろう。

 

「話は聞いてたけど、何もかも1人で全部背負うことはないと思うぜ?」

 

リュウセイの言葉に武蔵は笑いながら仕掛けを海の中に投げ入れる。

 

「判ってるよ、だいたいオイラなんておっちょこちょいでドジで間抜けってよーっく皆に怒られてたんだぜ?」

 

口ではそう言いながらも楽しそう武蔵、その笑顔はとても幸せそうであり、そして楽しそうな様子だ。

 

「まぁ、オイラが言いたいのは後悔なんてしてないから、そんなに腫れ物を扱うような態度じゃなくて良いって事だ」

 

武蔵の話を聞いて距離感を掴めないでいたリュウセイ達に武蔵はそう笑いかける。正直な話過ぎた話なので、それを気にして距離を取られるのは武蔵にとっても本意ではなかった。それがあったからこそ、武蔵はマサキの問いかけに答えた。近くに誰かが近づいてきているのを感じ取っていたから

 

「そりゃ悪いな、どう接すればいいか判らなかった」

 

「仲間でいいだろ? メカザウルスと一緒に戦うさ」

 

武蔵にとってはもう既にDCは敵ではない、恐竜帝国が現れた以上。人間同士の争いなんてくだらないと武蔵はそう思っていた、だけど武蔵のように割り切れないのが軍属であるイルム達だ。

 

「まぁそれも難しそうだなあ」

 

渋い顔をしているイルム達に武蔵はそう笑い、ウキが再び沈み込んだタイミングで竿を大きくあおるのだった……

 

 

 

 

 

 

恐竜帝国は武蔵の特攻によってニューヨークで一度は滅びた。だが何の因果か何百年も先の未来でバット将軍は目覚めた……それもバミューダトライアングルと呼ばれる地で、そしてマシーンランドに1度ゲッターの進入を許した事で放棄した筈の元第4ブロック……そう、メカザウルス製造工場で目を覚ましたのだ。

 

「おおう、おおおお……バットォ、見るが良いッ! 我らが帝王「ゴール様」はいまだ健在なりぃぃッ!!」

 

「ああ……そうだな。ガレリィ」

 

メカザウルス製造工場の奥に眠る巨大メカザウルスを前にバット将軍は臣下の礼をとる。それを見てガレリィは唾を飛ばしながら叫ぶ、バットよりも遥か過去で目覚めたガレリィは既に発狂していた。そう自らが作り上げたメカザウルスを「ゴール」と思い込み、臣下として仕えながらも、その身体を作り続けるという矛盾。その知性の何処かで既にゴールが死んでいると認めながらも、それを受け入れることが出来ず発狂した。

 

「壊すのだ! ゲッターロボを! 我らが怨敵をッ!!」

 

「判っている、判っているともガレリィ」

 

そして未来にゲッターロボが現れた事で更にその症状は進んだ。2重人格とも言える状態に陥っていた、絶対的君主であるゴールを殺したゲッターを許すことが出来ず、自らが作り上げたギガザウルス・ゴールを君主とあがめ、正常な時にメカザウルスを製造し、ゴールを強化する。そんな日々を永遠と繰り返していたのだ、だがそれも終わる。元第4ブロックに備蓄されていたメカザウルスを製造する化石も使い果たした、反マグマ原子炉も経年劣化でその役割を終えた。つまりもうこれ以上メカザウルスを製造する余力は恐竜帝国には無い、今アイドネウス島に航路を取っているがそれは最後の戦いを挑む為の移動だ。

 

「ガレリィ……お前も疲れただろう。もう休め……」

 

バットは腰のベルトに差したナイフを抜き放ち、ガレリィの首を引き裂く、噴水の様に溢れ出る鮮血を浴びながらバットの目から涙が溢れていた。

 

「くっははは……すまんのう……介錯……感謝するぞ」

 

「構わんさ。先に逝っていろ、私もすぐに逝く、ゲッターと共にな」

 

「ふ、ふ……ふはは……そ、そうともよ……我らの死は憎むべき……ゲッター……に……」

 

事切れたガレリィの亡骸を抱き上げるバット。既にガレリィの肉体は死に、マグマ原子炉のエネルギーで延命していたに過ぎない。そのマグマ原子炉が機能を停止すれば、ガレリィもまた死ぬ。だからこそマグマ原子炉の機能不全で苦しみながら死ぬ前に、バットの手によってガレリィの命は潰えた……その僅かな間に本来の性格を取り戻して。バットはガレリィの亡骸を抱え、メカザウルス・ゴール。そして最後に製造された100体近いメカザウルスの群れを見る。マシーンランドはもう幾ばくも無く沈む……即ち其れは恐竜帝国の滅亡を意味している。だが何の意味も無く死ぬことなど許されない、勝っても負けても恐竜帝国は滅ぶ。ならば怨敵に勝利し滅ぶか、それとも怨敵に破れ滅ぶか。それだけが恐竜帝国最後の生き残りバットに残された選択だった。

 

 

アイドネウス島での最大の決戦はもうすぐ傍まで迫っているのだった……

 

 

第24話 アイドネウス島の決戦 その1へ続く

 

 




今回はインターバルとなりました、恐竜帝国は滅ぶギリギリと言う状況でした……次回はもう少しだけインターバルの話を続けて、アイドネウス島は原型がないくらいオリジナル要素を入れて行こうと思います。それでは次回の更新もどうかよろしくお願いします

視点が変わる時にそのキャラの視点と言う事を表記するべきか

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