進化の光 フラスコの世界へ   作:混沌の魔法使い

26 / 400
第24話 アイドネウス島の決戦 その1

第24話 アイドネウス島の決戦 その1

 

EOTI機関のドッグでその傷を癒していたのだが、アイドネウス島の方角から巨大な建造物の浮上及び戦闘反応が感知された。

 

「艦長。どうしますか?」」

 

ハガネの修復度は6割ほど、主砲、副砲の修理は半分ほどしか完了していないが、それは艦首トロニウム・バスターキャノンの調整を優先したからだ。

 

「PT隊はどうなっている」

 

この島に滞在したのは2日、機体の修復が万全でなければ出撃したとしても足手纏いになる。

 

「問題はありません、中佐。リョウトのアイデアで改良されたリオン……「アーマリオン」更に「R-1」の調整も完了しております」

 

イングラムの返答を聞き、ダイテツは決断した。メカザウルスと恐竜帝国と言う人智を越えた敵の存在、それらと戦うにはDCが……ビアン・ゾルダークの頭脳が必要だ。

 

「30分後に本艦はDCの支援の為アイドネウス島に向かって出航する! 各員発進準備を急げッ!!」

 

ダイテツの下した決断はDC及びビアンを倒せと命じられた軍人では無く、この時代に生きる一個人として恐竜帝国と戦う事だった。

 

「「「了解ッ!!」」」

 

そしてその決断を下したのはダイテツだけではなく、ブリッジにいた全員が同じ事を考えていたのだった……

 

「……やっぱりか」

 

武蔵はアイドネウス島へ向かうと聞いてゲットマシンのコックピットにいた。イーグル、ジャガー、ベアーの3つのゲットマシンを確認した。そしてその結果は3機ともゲッター線の貯蔵量が最大値寸前になっていた。昨日寝る前に確認した時は半分を切っていたのに……今は最大値寸前である。強いて言えば、炉心が不安定なジャガー号だけは7割で留まっているが、それでも十分な貯蔵量と言える。

 

「……オイラに教えてくれているんだな。兄弟」

 

今思えば炉心の調子が上がっていた時、その影には恐竜帝国がいた。そして今回は恐竜帝国との直接対決と言う事を自分に伝えているのだと武蔵は受け取っていた。

 

「武蔵、気持ちは判るがブリーフィングルームで待っていたらどうだ?」

 

「悪いけど、それは無理だな」

 

ロブの言葉にそう返事を返す武蔵。武蔵の格好は彼にとっての戦闘服である、剣道の胴にマントにヘルメット姿。いつでも出撃出来るように準備を整えていた、ロブは武蔵の姿を見て苦笑する。

 

「あの時とは大分状況が違う、アーマリオンもR-1もPTだが、特機にも負けない馬力があるんだぞ」

 

ロブの視線の先を武蔵も見る。そこにはリオンとよく似た姿をしているが一回り重厚になり、レールガンではなくゲシュペンストの物に類似した両腕、そして巨大になった肩パーツを持った機体と、ハガネが出航した時も見たトリコロールのPTの姿があった。昨日のブリーフィングで機体名は聞いていたし、整備班の自慢の機体と言うことも理解した。そしてその上で武蔵は否定の言葉を口にした

 

「それは聞いた。でもな、ロブさん。あんた達はメカザウルスの脅威ってもんを理解してない」

 

この基地で組み上げられたアーマリオンと、やっと調整が済んだR-1。確かにカタログスペック的には破格の性能なのだろう、だがそれはあくまで新西暦での話だ。こう言ったら悪いが、武蔵はまだロブ達はメカザウルスの危険性を理解していないと判断した。

 

「確かにビアンさんが開発した対メカザウルス弾頭は有効かもしれないし、調整したビームもメカザウルスには効果的かもしれないだけど、あいつらだって馬鹿じゃない」

 

対策を練って来ている可能性だってある。普段の人のいい武蔵の顔ではない、恐竜帝国と戦ってきた戦士としての顔を見せる武蔵にロブは息を呑む。その気迫は科学者であるロブにはあまりにも強すぎた

 

「……そうかもしれないな。すまない、俺は少し慢心していたようだ」

 

「オイラがそんなに気負うことは無いって言いたかったのは判るよ、でもそこまで心配しなくて良いですよ」

 

ゲッターと武蔵の力は大きい、だがそれに甘えておんぶに抱っこでは武蔵の負担が大きくなる。ロブが自分を心配してくれている事が判った武蔵は嬉しそうに笑ってロブに退避するように促す。

 

「退避? それはどう……うわあッ!?」

 

「奴さん達がおいでなすったのさッ!」

 

激しく揺れるハガネ、それはアイドネウス島に近づいた事でメカザウルスがこちらに攻撃を仕掛けてきたのだろう。

 

『パイロット各員及びクルーは対衝撃防御を取れ! 本艦はエネルギーフィールドを展開後、最大船速でアイドネウス島へ突入するッ!』

 

テツヤの言葉を聞いた武蔵は真剣な顔をして、ロブの方を見る

 

「ロブさん、1個頼みがある」

 

その顔を見てロブはまた貧乏くじを引きそうだと苦笑しながらも、武蔵の言葉に耳を傾けるのだった……

 

 

 

 

アイドネウス島を早朝から襲ったのはメカザウルスによる空爆だった。エルザムがパイロットスーツに着替え、総司令部に向かうとそこのスクリーンには恐竜帝国の本拠地らしき、巨大建造物がアイドネウス島から沖合い10キロの地点への浮上している光景だった。

 

「総員! 緊急出撃ッ!! 最悪の場合に備え技術者達はキラーホエールでアイドネウス島から離脱せよッ!」

 

ビアンの指示が怒声とも取れる大声で響き渡る、今までの散発的な襲撃ではない。恐竜帝国はアイドネウス島を巻き込み、ハガネ、そしてゲッターロボと戦う算段を取っていた。

 

「総帥! 日本にもメカザウルスが進行中ですがどうしますか!」

 

「そちらに回している余力は無い! 私の警告を聞かなかった連邦政府の落ち度だ!」

 

本拠地を攻められている以上アイドネウス島から日本に送れる部隊はいない、確保した連邦軍の拠点に駐在していた部隊もアイドネウス島に帰還していた為、即座に連邦軍に送れる支援部隊は存在しない。

 

「LB隊の4番、及び私の部隊の一部に手空きの者がいますが」

 

「エルザムか……その言葉の意味を判っているのか?」

 

ビアンの目が細そまる、エルザムの部隊もギリギリまで消耗している。手空きの者等存在しない、エルザムは自分の部隊の人員を割いてまで日本に応援を送るべきだと進言したのだ。

 

「……ハガネもこちらに向かっております。目的は同じ、共闘出来ると具申致します」

 

エルザムの言葉を聞いたビアンは溜め息を吐き、オペレーターに指示を出す

 

「LB4番隊のガーリオンを3機、エルザムの部隊からリオンを5機。高速型キラーホエール3番艦へと移送後、日本へ向かわせろ。エルザム、そこまで言い切ったんだ。轟沈などしてくれるなよ」

 

ビアンの指示に頷きエルザムは総司令部から駆け出していく、今こうしている間もメカザウルスの進軍は続いている。今までは空中からの襲撃だったが、海中を通ってティラノザウルスの様なメカザウルスも姿を見せて来ている。一刻も早く防衛に就いているテンペストとの合流をしなければとエルザムは格納庫へと走る

 

「少佐! ガーリオンの準備は出来ています! それと頼まれていたゲッター線コーティングのアサルトブレードの準備も出来ました!」

 

整備兵の言葉にエルザムは片手を上げ、そのままタラップを駆け上りガーリオントロンベ・カスタムに乗り込み、出撃していくのだった。

 

「遅いぞ。エルザム」

 

「すいません、ですが、頼りになる武器をもって来ましたよ」

 

ゲッター線コーティングを施された2本のアサルトブレードの内、一振りをテンペストのガーリオンに手渡す

 

「そうか、間に合ったか。遠距離から削っているのでは間に合わん、俺が突貫する。支援を頼むぞ」

 

「了解です」

 

翼竜型のメカザウルスならばゲッター線コーティングの弾頭で撃墜出来る。だが今上陸して来ている大型のメカザウルス相手には焼け石に水程度の効果しか期待出来ない、ならば接近して相手の頭を破壊する事で動きを止めるしかない

 

「新兵では俺の動きにはついて来れないからな」

 

テンペストのガーリオンもまたテンペスト用にカスタマイズされている、高速のマニュアル制御を前提にした各所のハードポイントに増設されたブースター、そして両肩は更に大型化され機動力と小回りが利く様に改造されている。

 

「行くぞッ! エルザムッ!!」

 

「了解ッ!!」

 

ブースターを全開にして突っ込んでいくテンペストのガーリオンを追って、エルザムもガーリオンを走らせる。両手にはアサルトブレードではなく、メカザウルス用の弾頭を搭載した小型ブレードレールガンを装備している。それはエルザムもまた大型のメカザウルスには射撃よりも近接戦闘の方が効果的と判断したからの行動だった。

 

「リオン部隊は私と少佐が弱らせたメカザウルスを狙え! ランドリオン隊、バレリオン隊は上空から降下してくるメカザウルスに注意しながら支援を怠るなッ!」

 

突貫していくテンペストの背後でエルザムが矢継ぎ早に指示を飛ばす、メカザウルスにAMで挑むのは自殺行為に等しい。その牙も爪も容易に装甲を破りパイロットを殺す、そしてそれでいて機動力はAMを超える個体までいる。決して無理をせず、連携を重視しろと指示を出す。

 

「邪魔だああああッ!!」

 

加速しながらアサルトブレードを振るうテンペストのガーリオン、その加速による一撃とゲッター線コーティングで動きが鈍ったメカザウルスの頭部に擦れ違い様にブレードレールガンの刃を突きたて、引き金を引く。頭部が吹き飛び、地響きを立てて倒れるメカザウルス。だが海上のあの拠点から次々と出撃してくるメカザウルスの姿を見て、エルザムは背筋に冷たい汗が流れるのを感じるのだった……だがエルザムもビアンも気付くことはなかった、この騒動に紛れとある2人組みがアイドネウス島に侵入している事に……

 

 

 

 

アイドネウス島のDC本拠地の一室から扉を叩く音と老人の叫び声が響く、テンザンとトーマスの件で2人と同じく謹慎処分となっているアードラーは狂ったように扉を叩きながら叫び続ける。

 

「くそお! 誰か! 誰かおらんのかッ! ワシを誰だと思っている! DC副総帥じゃぞッ!!」

 

メカザウルスの叫び声と爆発音、それはまだ遠いがアードラーを狂乱させるには十分だった。必死に扉を叩いて叫ぶが、誰の反応も無い。

 

「ええい! あの疫病神がッ! 何もかもあの武蔵と言う男のせいじゃッ!!」

 

机を蹴り上げ、肩を上下させてアードラーは何度も深呼吸を繰り返す。最初は何もかも順当に進んでいた、それなのに武蔵とゲッターロボが現れてから旗色が怪しくなった。

 

「ビアンもビアンじゃ! まだ青臭い理想論を捨ててないとは! なんと愚かな男じゃ!」

 

アードラーがDCに下ったのはビアンについていれば甘い汁を吸える。自らの権力欲を満たすことが出来、なおかつ、自分の研究の実験材料を集めることが出来ると言う旨みがあったからだ。だが武蔵が脱走してからは実験体を手にすることも出来ない上に、司令部から外される事も多くなった。最終的にはテンザンとトーマスの命令違反で軟禁処分、しかもこの処分が終われば副総帥の地位からも下ろされると聞いてアードラーは荒れに荒れていた。

 

「何故ワシらが正しい事をしたと理解出来ないんじゃ!」

 

ハガネとゲッターロボを沈めることが最優先。それなのに連邦やハガネとの協力を意味する特殊命令コード334の発令、更に部隊の再編成でアイドネウス島の防御を薄くするビアンにアードラーは不満を持っていた。なによりも重要なのは地球を支配すること、その為に日本が大きな被害を受けようが、人が何人死のうがハガネと危険因子であるゲッターと武蔵を殺す事を最優先にして何が悪い

 

「ええい、ワシはこんな所で死ぬ器ではないわ! 見ていろッ!」

 

服の中に隠しておいた小型端末で電子ロックを解除しようとするアードラー。既にアードラーの中でDCは終わった物、もしくは副総帥である自分が生き延びればまたいつでも復興できる。どうせメカザウルスと戦って生き残れるとは思えない、それならば自分についてくる兵士とテンザン、トーマスを連れて逃げ延びる。ドロ船に乗って沈むつもりの無いアードラーは即座に行動に出ていた。そしてそんなアードラーを見つめる異形。蟲のような姿をした何かはその黄色の瞳をアードラーに向け、暫く観察すると通気口の中へと消えていった

 

「あーあっがああ……ふう」

 

その奇妙な蟲は大口を開けた黒人の男の口の中へと消えていく。ジュネーブでシュトレーゼマンと対談に訪れていた2人組み博士はアイドネウス島に侵入していたのだ。周囲を鮮血に染め上げ、壁に叩きつけられ肉片となった兵士達の遺体の真ん中にいるにも関わらず、2人の顔には笑みが浮かんでいる。

 

「ど、どうだった?こ、コーウェン君」

 

「スティンガー君、なかなか使えそうな男だったよ」

 

口の中から不気味な音を立てながら、通気口を通ってアイドネウス島を調べていた蟲達が男の口の中に吸い込まれていく

 

「な、何者だ!?」

 

「見つかってしまったようだね、スティンガー君」

 

「そ、そうだね、こ、コーウェン君。僕に任せておくれよッ!」

 

そう言うとスティンガーと呼ばれた男の身体はコーウェンと呼ばれた男の口の中に消えていった蟲と同じ姿になり、通路を疾走していく。

 

「ば、化け物ッ! う、うわあああああッ!!!」

 

半狂乱になりマシンガンの引き金を引くが、その銃弾はスティンガーを捉える事は無く、走る途中で姿を見せたまるでクワガタのような牙がマシンガンごと男を両断し、鮮血を撒き散らす男を液体状になったスティガーが飲み込む。

 

「応援を呼ばれる前に処理出来てよかったね」

 

「う、うん、そ、そうだね。さ、早くこの島を調べようか?」

 

2人がこの島に訪れたのは、アイドネウス島に何故かゲッター線の反応があったからだ。そしてそれを調べる為に2人はこの島へ潜入していた、笑みを浮かべながら地下に向かおうとしていた2人だが、まるで金縛りにあったかのように動きが止まった。

 

『いや、その必要はない。この薄汚い亡者共が』

 

2人の耳に届いたのはとある男の声。基地の通路を緑の光が満たし、その中から下駄を履き白衣を纏った男が姿を見せる

 

「早乙女博士……おお! やはり貴方もこの世界にいたのですねッ!」

 

両手を広げ、嬉々とした表情で駆け寄ろうとしたコーウェンだが、老人から向けられる敵意の視線に足を止めた。

 

「いや……貴方は私達とは違う世界の早乙女か」

 

身体から不気味な音を立てながら立ち止まった……立ち止まらずにはいられなかったコーウェンの足元には、小さなゲッタートマホークが突き刺さっていた。そのまま進んでいれば、今の弱りきった身体では消滅を間逃れないと判断したのだ

 

『いかにも、だがお前達の事は知っているぞ、薄汚い寄生虫が』

 

「貴様! ゲッター線の使者である我らを侮辱するかッ!!」

 

「止めるんだッ! スティンガー君ッ!!」

 

早乙女の言葉に兵士を咀嚼していたスティンガーが飛び掛るが、ゲッター線の凄まじい光がスティンガーを弾き飛ばす。

 

「ぐああ、い、痛い! ば、馬鹿な!? 何故ゲッター線が我等を拒むッ!?」

 

『当たり前だ、より洗練され、本来の姿に近づいているゲッター線が貴様らを受け入れると思っているか? それならばよほど目出度い頭をしているな』

 

早乙女の挑発にスティンガーは異形の姿から人型へと戻る。だが、その額には大粒の汗が浮かんでおり疲弊しているのが良く判る。スティンガーを庇う様にコーウェンが前に出る

 

「なるほど、ゲッター線が随分と濃いと思っていたが、なるほどなるほど、ここには世界の門があるのですな? そして貴方もまた死んだ、私とスティンガー君があの忌々しい乱暴者と真ドラゴンに殺された後に月で目覚めたように」

 

答えを求めるように早乙女に言葉を投げかけるコーウェンだが、早乙女はくだらないと言いたげに鼻を鳴らす。その姿は2人が知る早乙女ならば絶対にしない仕草だった。

 

『そんな物は知らん、お前達にも興味は無い……だがここはお前達のいた世界とは違う。これ以上進むというのならば……』

 

早乙女が両手を広げるとゲッター線の光の中からゲッターが姿を見せる、その姿はゲッター1に似ている。だがその姿はより洗練されていて、凄まじい威圧感に満ちていた

 

「素晴らしい、それが貴方達の世界のゲッターか、素晴らしいとは思わないかい? スティンガー君」

 

「も、勿論だよ、コーウェン君! この素晴らしい力の脈動ッ! なんとも素晴らしいッ!」

 

『不愉快なおべっかは良い、私の機嫌を損ねないうちにこの場から去れ、そうすれば今回だけは見逃そう』

 

「おお! 流石世界は違えど早乙女! その慈悲の心に感謝するよ。ではいずれ! また我らが本来の姿と力を取り戻した時にお会いしましょう!」

 

2人はまるで泥水のような姿に変化し、逃げるように通気口の中に消えていく、暫く周囲をうかがっていた早乙女だ。2人の気配は完全に無い事を確認すると現れた時と同じ様に光の中へと消えて行くのだった……恐竜帝国、メカザウルスだけではない、武蔵のいた世界とは異なる歴史を歩んだ世界からの滅びの使者もまた、フラスコの世界で暗躍を始めているのだった……

 

 

 

 

徐々に海面に沈んでいくマシーンランドの中。バットはいらつきを隠せない素振りで、己以外いない司令部でメカザウルスの指揮を取っていた。だがそれも限界が近い、司令部のモニターがレッドアラートを始め、脱出を促してくるからだ。

 

「まだか、まだ来ないのかッ!!」

 

これだけ派手に動いているのに何故ゲッターが現れないとバットは叫ぶ、今アイドネウスに進撃しているメカザウルスは先遣隊であり本陣はまだ動かしていない。だがそれもいつまでも続けれるわけではない、沈んでいくマシーンランドの中で早く来いと苛立つバットの視界にオレンジの戦艦が姿を見せる。それはこの時代でゲッターロボが母艦としている戦艦の姿だった

 

「やっと来たかぁッ!!」

 

バットの目が爛々と輝き、即座に攻撃対象の変化の指示が飛ぶ。それに従いDCの兵器を襲っていたメカザウルス達が反転し、ハガネへと向かう。

 

『どけどけッ! 邪魔だッ!』

 

エネルギーフィールドで護られたハガネの艦首からゲットマシンが飛び立ち、エネルギーフィールドを内部から突き破り大空へと飛び立つ

 

『チェーンジッ!! ゲッタァァァーッ!!!』

 

メカザウルス・バド、ゼンⅠがゲッターチェンジを阻止しようと迫る。だがその程度の動きではゲットマシンに追いつくことは出来ない。これがキャプテンが乗り込んでいれば別だが、所詮は電子頭脳制御と言う所だ。バド3体とゼンを振り切り、遥か上空でゲッターチェンジするゲットマシン。

 

「お前達では力不足ッ! ゲッターロボを倒すのはこの私だッ!!!」

 

マントを翻し格納庫へ走るバット。恐竜帝国最後のメカザウルス……いや、ギガザウルス・ゴールを駆ってゲッターロボと戦う。それだけがバットの最後の願いであり、そして恐竜帝国の幕引きはゲッターによって与えられるべき物であると言うバットの偽りの無い気持ちだった。

 

「帝王ゴール様、そしてガレリィ、死んで行った我が同胞達よッ!! このバットに力を貸してくれッ!!!」

 

ギガザウルス・ゴールに乗り込んだバットの背中に、何本ものコードが突き刺さり、食いしばった口から紫の血が零れる。

 

「うっぐう……この程度の痛みが何だというのだッ!!」

 

ギガザウルス・ゴールを稼動させるには、爬虫人類の生体電気が必要であった。それは本来ならば1人では到底賄うことの出来ない膨大なエネルギーだが、バットは執念とも言える意地でギガザウルス・ゴールの起動に成功した。バットの命を燃料として消費するかのように……

 

「はっはぁ……待っていろぉッ! ゲッタァ……ロボォッ!!!」

 

血涙を流すバットの視線の先にはゲッター1が、空を舞う姿を見て獰猛な笑みを浮かべるのだった……

 

 

 

 

 

 

アイドネウス島でDC、ハガネ、そしてゲッターロボと恐竜帝国との戦いが始まろうとしていた時。日本近海にも僅かながらメカザウルスが出現していた

 

「ちいっ! ここは俺に任せてお前達は離脱しろッ!」

 

緑のゲシュペンストMK-Ⅱを駆るカイが、部下達に逃げろと叫ぶが、それは余りに遅すぎた

 

「貴様らぁッ!!!」

 

上空から飛来したメカザウルス・バドの放つ火炎弾、それにより離脱しようとしたメッサーが全て撃墜され、火の玉となって墜落していく。その姿を見てカイは操縦桿を握り締め、メカザウルスへと駆け出そうとした。だがそれは自身の目の前に打ち込まれた銃弾によって止められた。

 

「何者だ!」

 

銃弾の放たれた方にゲシュペンストを反転させる。そこには太陽を背にしたメタリックパープルのカラーリングが施された異形のゲシュペンストの姿があった。

 

「その紫のカラーリングッ! まさか! ラドラ! ラドラなのか!?」

 

カイの言葉に呼応するように、紫のゲシュペンストのカメラアイが輝き、背中のバーニアで飛翔し、両手に構えたM-13ショットガンでバドを撃ち落す

 

「使え、カイ。この銃弾ならばメカザウルスにも効果が出る」

 

手にしていたM-13ショットガンをカイのゲシュペンストに向かって投げ付け、ラドラは異形のゲシュペンスト・シグとメカザウルスを向かい合わせる。

 

「メカ……ザウルス? なんだ、ラドラ。お前……こいつらを知っているのか? それに軍を退役して、教導隊まで抜けて今まで何をしていたんだ」

 

「備えていたのさ。人類に牙を向ける……外敵と戦うための備えをな」

 

ゲシュペンストのコックピットでラドラは苦笑する。かつての同胞と……いや、かつての半身と言えるメカザウルス・シグの姿を見たからだ。

 

(だが、今の俺はキャプテンではない)

 

かつて恐竜帝国のキャプテンとして、メカザウルス・シグを駆りゲッターロボと戦ったキャプテンラドラはもういない。今ここにいるのは人間に生まれ変わり、人の本当の強さを知った人間の元教導隊のラドラだ

 

「行くぞ! カイッ!!」

 

ゲシュペンスト・シグの両手首から帯電する3つの爪が姿を見せる

 

「行き成り出てきてそれか! お前も変わらんなッ!! 今までどこにいたのか、後で説明しろ」

 

「気が向いたらなッ!!!」

 

3体のメカザウルス・バド、そしてメカザウルス・シグ。元教導隊の2人と、メカザウルスとの戦いもまた時と同じく始まるのだった……

 

 

 

第25話 アイドネウス島の決戦 その2へ続く

 

 




今回はここで一区切りとします。次回はオリジナルのメカザウルスが出ることとなります、原作の面影は微塵も無いアイドネウス島編は後4つほど続けていこうと思います。それでは次回の更新もどうかよろしくお願いします

視点が変わる時にそのキャラの視点と言う事を表記するべきか

  • サイドまたは視点は必要
  • 今のままで良い
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。