進化の光 フラスコの世界へ   作:混沌の魔法使い

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第131話 暴虐の超機人/闇からの呼び声 その6

第131話 暴虐の超機人/闇からの呼び声 その6

 

伊豆基地へと戻る前にある程度の応急処置を行なう為に無人島に停泊しているダイテツ達は、応急処置が終わるまでの間ビアンとの話し合いを続けていた。

 

「伊豆基地に鬼はいないと言うのか?」

 

「ああ、イングラム少佐が確認に向かっているので間違いない。鬼はいないが、鬼の指示を受けている人間はいるだろうな」

 

鬼自体はいないが、鬼の官僚か、上層部に指示を受けているダイテツやレイカー達を面白くないと思っている軍人の妨害は行なわれているだろうといいビアンは深刻そうな表情で呟いた。

 

『オペレーションプランタジネットが間近に迫っていると言うのに……仲間内で足の引っ張り合いをしているというのか……』

 

『ふうむ……わからない話ではありませんな、オペレーションSRWの時も同じでしたからね……しかし、問題はそこではないと私は考えますが、ビアン博士のお考えはどうですかな? 例えば、先日ホワイトスターを脱出したブライ議員に関してとか?』

 

仲間割れに心を痛めているリーだが、ショーンは別の可能性を危惧していた……百鬼帝国の指導者である可能性が高いブライが地球へと戻って来ている事に関して何か掴んでいる情報はないか? と問いかける。

 

「ブライ議員がブライ大帝であると言う前提になるが、これは極めて不味いと言える、地球に戻ってきたという事は本格的な侵攻に乗り出せる準備が出来たと考える事が出来るからな」

 

ビアンに変りグライエンが眉を細めながら話し始める。今まではホワイトスターにいたから問題を先送りに出来ていたが、地球に戻って来た事で散発的だった百鬼帝国の侵攻が激しさを増す可能性があるとした上でグライエンは最悪のシナリオを口にした。

 

「インスペクターと手を組み、オペレーションプランタジネットに横槍、あるいは後で手を引いてくる可能性が高い。そうなるとハガネ、シロガネ、ヒリュウ改はその指示に従わなければならないが……」

 

『敵が罠を張っている中に一切抵抗できない状況で乗り込む事になりますね』

 

「その通りだ、仮にその指示に従わなければ反逆者に仕立て上げられる事になるだろうし、何よりも伊豆基地のレイカー達が人質にされる可能性もある」

 

命令に従えば罠の中に飛び込む事と同意儀であり、命令に刃向かえばインスペクターの内通者へと仕立て上げれる。そして更にはレイカーやレイカーが保護している民間人もろとも伊豆基地、いや日本全体が人質にされる可能性もある。

 

「八方塞がりだな……どうしたものか」

 

『仮に私達が捕まった場合クロガネだけで救出は流石に無理ですよね……』

 

クロガネとビアン達は連邦に関係の無い戦力だが、鬼がビアンの姿を使っている以上表立って動けない。そしてプランタジネットの作戦中に囚われた場合に救出に動くとしてもクロガネだけでは厳しいだろうという中、グライエンが手を上げた。

 

「君達はオーダーという組織を知っているかね?」

 

「オーダー? 反連邦組織の何か?」

 

『私は聞いた覚えはありませんが……副長はどうですか?』

 

『いえ、私もありませんね』

 

ダイテツやレフィーナが困惑気味に返事を返す中、リーだけが別の反応を見せた。

 

『私は聞き覚えがありますが……昔話のような物だったと把握しております』

 

「そうか、リー中佐は中国の出身だったな、超機人の伝承と共にある程度は民間にも話が残っているか……」

 

オーダーという謎の組織、そして民間伝承と聞いてますますダイテツ達は困惑した様子を見せた。

 

「グライエン議員。お言葉ですが、何を仰りたいのか判りかねるのですが?」

 

「うむ、私も眉唾というよりかは、ゲッターロボを調べている内にいくつかの昔の記述を見つけてな。その中にオーダーという組織があり、悪の超機人と戦ったという話を聞いたことがあるのだ」

 

『鯀王達と戦った人間がいたと言うことですか……実在しているのならばありがたいですが』

 

『正直疑わしいですな』

 

龍虎王の伝説の前後の時期の組織ではどう考えても新西暦まで存続していないだろうと渋い顔をするショーン。事実ショーンの反応が最も正しいのだろうがビアンとグライエンは違っていた。

 

「それに関してなのだがマイヤーからそんな話を聞いたことがある。バラルという組織の復活に備え、地に潜り戦い準備をしている者達がいるとな。そしてバラルに関しては余り詳しい情報はないのだが……悪の超機人を操っていた組織のような物らしい」

 

『らしいとはまた随分とあやふやですなあ、ビアン博士』

 

「それに関しては申し訳ない。私の責任だ。なんせゲッターロボと同格の暗部だ、当事者くらいしか詳しい話は知らないし、当事者の子孫でもその伝承が正しく伝わっていないそうだ」

 

グライエンの口振りだとまるで当事者の子孫がクロガネに乗っているような口振りに聞こえた。

 

「まさかクロガネにそのオーダーの子孫とやらがいるのか?」

 

「いる。エルザムだ、オーダーは世界各国の技術者やパイロットを集めていたらしくてな、ブランシュタイン家もオーダーに所属していたそうだ。ただエルザムは詳しい事を知らないと言っていたがね……かつてブランシュタイン家を出て行ったエルザムの従兄弟がバラルとオーダーに関して詳しかったらしいが……現在は消息不明。所在地がわかっているのは百鬼帝国に下ったアーチボルト・グリムズと連邦の監視下にあるグリムズ家。そして後1つ……トウゴウ家だ」

 

『トウゴウ? もしやそれはリシュウ先生の事ですか?』

 

「その通りだ、リシュウ・トウゴウもオーダーの生き残り、いやその艦長を務めていた男の子孫だ。トウゴウ氏をテスラ研から救出出来れば……オーダーとの橋渡しが出来るやもしれん」

 

未知の戦力、いや存在するかも怪しいオーダーだが……超機人が存在するのならばという淡い期待がダイテツ達の中に生まれた。

 

「プランタジネットの前に救出が出来ればそれも戦力として数えれるかもしれないな」

 

「実際はそこが一番の問題だが、最悪の場合は我々が救出に動く、戦力的には百鬼帝国にも引けを取らないはずだ。不安はあると思うが、ダイテツ達はプランタジネットに集中してくれ」

 

自分達が最悪の場合に備えるから目の前の戦いに集中してくれと告げたビアンにダイテツ達は頷き、情報交換を続けるのだった……。

 

『Guten Tag(グーテン・ターク) リシュウ先生。お加減はどうですかね?』

 

「あいも変わらずお調子者じゃな、お前は」

 

一方その頃インスペクターに制圧されているテスラ研ではリシュウの元にある男からの通信が繋げられていた。

 

『ふふふ、暗くなっても悲観的になっても同じでしょう? なら僕は明るい方がいい』

 

「ブランシュタインの名を捨ててから随分と明るくなったの?」

 

『今の僕はバロンと名乗っておりますのでリシュウ先生もそう呼んでくださいな、それで今の状況はどうですかな?』

 

「状況は良いとは言えんが悪いとも言えん。インスペクターの指揮官は自分の機体が無く動ける状況ではない、だが無人機が山ほどおるわい」

 

『ふぅーむ、それでは僕とフェイだけでは救出は無理そうですね。せめて鋼機人が使えれば……チャンスはありそうですがね』

 

「あれは封印されておるからな」

 

オーダーとバラルの戦いで使われた妖機人のコアを流用した機動兵器――鋼機人は妖機人になる危険性を秘めた機体であり、現在は封印状態にあるが、それでももし起動させる事が出来れば新西暦の最新鋭機に匹敵するポテンシャルを秘めた機体でもあった。だが肝心の鋼機人がどこにあるかはリシュウも知らない、今もどこかで封印されているのか、それとも既に妖機人になっているのかも分からないというのが現状だ。だがバロンに渡す剣は密かにリシュウの手によって作り出されていた。

 

「ポイントXX-ZZ01410じゃ。妖機人のコアは使っておらんが、何とか復元した鋼機人はそこに眠っておる」

 

トウゴウ家、アーチボルド家、ブランシュタイン家に伝わる資料を元にリシュウが復元した鋼機人は世に出る事無く、政府の圧力によって封印された。リシュウもそれを受け入れたが、それはパイロットがいなかったためであり、パイロットが現れたのならばそれを封印したままにするつもりは微塵もなかった。

 

『複製と言う事ですか、流石リシュウ先生』

 

「オリジナルの場所はワシも知らん、じゃがゲッター合金や新型エンジンでオリジナルに匹敵する力は与えれた筈じゃ。なんとかして取りに来い」

 

封印こそされているが、極秘裏にエンジンを改修し、ゲッター合金で装甲の強化も施されているので封印されていると言うのは建前で地下の格納庫に保管されていると言ってもいい状況だった。ここのところは官僚の変更によって杜撰な管理に変わった事で出来るようになった事だが、リシュウにとっては完全にプラスに動いていた。

 

『了解です。どうせエルザムたちが動くでしょう、その時に僕達も動きましょう。では先生もお気をつけて』

 

その言葉を最後に通信機は沈黙し、リシュウは馴れた手付きでその通信機を再び解体する。

 

「鋼機人は先生が随分と前に作った特機でしたね?」

 

「うむ。そうじゃジョナサン。あれは失われた時代とゲッターロボと同じ位の厄ネタでな、作ってすぐに封印したあれじゃ」

 

「なんでそんなものを?」

 

「ご先祖様の言いつけと言っておくかの」

 

にかりと笑うリシュウにジョナサンは肩を竦め、同じ様に笑いテスラ研の情報を纏める作業を再開する。

 

(あやつが動いたという事はバラルが動き出したのか? ここでは情報がまるで手にはいらん、今どうなっておるんじゃ)

 

バロンはバラルが関係しなければ動かないと静観を続けていた。それが今ここで動き出したと言う事はバラルが再び動き出した事を示唆しており、リシュウは飄々と笑う顔の陰で激しい焦燥感を抱いているのだった……。

 

「と言う訳で、フェイ。次の目的地は北米です」

 

ジープの運転席に座っていた金髪で丸眼鏡をしたどこと無くエルザムとライに似た容姿の青年が振り返りそう声を掛けるが、その青年の目の前に広がったのは足の裏だった。

 

「何がというわけだ、このすっとこどっこいッ!! 全然違う所じゃねえかッ!」

 

「あいたッ!?」

 

怒声と共に顔を蹴られた青年――バロンは大袈裟に痛いと呻き、ジープの後部座席でたって辺りを見回していた女性はブーツを履きながら助手席に腰を下ろす。

 

「もうちょっと丁寧に扱ってくれませんかね? 僕は考古学者で貴女と違って頭脳派なんですよ」

 

「ブーツを履いてなかっただけ感謝しな、あと遠回しにあたしを脳筋って言うなエセ貴族」

 

男勝りの口調にチャイナドレス、風に靡く三つ編みと誰が見ても美人なのだが、その目付きと口調の悪さが全てを台無しにしていた。

 

「いや僕は正真正銘の貴族なんですけどね……まぁ家を捨てたので関係ありませんが……それよりもフェイ、もうちょっとおしとやかに「やかましい、とっとと車を走らせろ」ふぐっ!?」

 

裏拳を叩き込まれ呻いたバロンはわかりました、判りましたよと呟きながらキーを回しジープを走らせる。この短いやり取りでバロンとフェイと呼ばれた女性の力関係が明らかになった。

 

「それで鋼機人は?」

 

「テスラ研の近くに眠っているそうなので取りに来いとリシュウ先生が言ってましたよ、但しオリジナルではなくレプリカですが」

 

「それでも良いぜ、AMよりかはマシだろうからな、今度こそバラルのクソ仙人共をぶっ殺してやる」

 

「ええ、その通りですよ。あいつらの存在は害悪です、人間の可能性を閉ざしますからね」

 

旧西暦から存在したオーダーは今やたった2人。それでもその目に不屈の闘志を宿し、中国の荒野を駆け抜けていくのだった……。

 

 

 

 

 

クロガネの格納庫では鋭い打撃音が何度も響いていた。その内一際大きな打撃音が響き、それに遅れて呻き声が上がる。

 

「脇が甘い、踏み込みの速度が落ちているぞ。カイ」

 

「はいッ! もう1本お願いしますッ!」

 

「良し、来い。やはりお前はゼンガー達よりも根性がある」

 

拳を握りこみボクシングスタイルのカーウァイと左手を前に構え、右拳を握りこんだ空手の構えを取るカイの組み手が再び始まる。

 

「カイ少佐も元気だねぇ……これで10回目か?」

 

「恩師にも会えればああもなるでしょう」

 

カイからすればカーウァイは死んだ恩師だ。それが目の前にいてこうして組み稽古が出来る。汗だけではなく、目元に光る雫を見てヴィレッタは小さく笑った。格納庫では機体の修理が終わるまで待っている者が多く、カイとカーウァイの組み手を見ている者、あるいはクロガネのハンガーに固定されているビアンの作った機体を見ている者――様々な者の姿があった。

 

「こ、これがネオゲッターロボ……頑張れば俺でも乗れねえかなあ……」

 

「リュウセイ……無茶はしないほうがいいと思うよ?」

 

その中でもリュウセイはネオゲッターロボに強い興味を示し、目をキラキラと輝かせネオゲッターロボを見つめラトゥーニに窘められていた。僅かな自由時間を各々の方法で楽しむ中、アイビスは久しぶりにスレイと会っていた。

 

「スレイ……大丈夫? 何か疲れてない?」

 

「……アイビス、クロガネはいい環境だ、私よりも腕の優れたパイロットが山ほどいる。常に勉強だ」

 

「そ、そうなんだ。あたしのほうもレオナさんとかユーリアさんに色々と勉強させて貰って……っと」

 

スレイに投げ渡されたヘルメットを受け取りアイビスは困惑した表情を浮かべる。

 

「そこまで言うんだ。1回付き合え、どこまでお前が飛べるようになったか見てやる」

 

挑発するような言葉にアイビスは1回きょとんとしたが、次の瞬間には明るい笑みを浮かべていた。

 

「良いよ、見せてあげる。武蔵に色々と教えてもらったんだ、新しいマニューバを見せて上げるよッ!」

 

「それは楽しみだが、見せる前に撃墜されてくれるなよ」

 

シュミレーターに乗り込むスレイとアイビス。モニターに映し出される模擬戦をトロイエ隊のメンバーから逃げてきたレオナが見つめる。

 

「お疲れさん、まああれだな。随分と愉快な仲間だな」

 

「……昔はあんなのじゃなかったんですけどね」

 

少し見なかったうちに女子高のノリになっているトロイエ隊にレオナは深い溜め息を吐いていた。色恋に興味津々で、でも出会いが無いクロガネという閉鎖空間と言う事でかつての仲間の色恋に興味があるのが判るが余りにもひどいとレオナは感じていた。

 

「お前から見てスレイとアイビスはどうだ?」

 

「そうですね、スレイは前よりも順当に技術を身につけていますわ。それに対してアイビスはゲットマシンの挙動を組み込んだ奇をてらった戦術、どっちがイニシアチブをとるかで変ると思いますわ」

 

クレバーな戦闘を続けるスレイ、それに対してビックリ箱のように手札を変えるアイビス。その攻防は目まぐるしく変わり、競い合っているのだが、スレイとアイビスの間には楽しむ気配があり、レオナも小さく微笑んだ。

 

「そうかい、じゃあ。刺激を入れてやるとするか、レオナ付き合え」

 

「ええ、了解ですわ」

 

スレイとアイビスのシュミレーターに割り込むカチーナとレオナ。その勝負は何時の間にかチーム戦へと変わり、出港準備の号令が掛かるまで続く事になるのだった。

 

「兄さん、少し聞きたいことがあるんだが今時間はいいですか?」

 

「構わないが、なんのようだ。ライディース」

 

レシピ本を見ていたエルザムにライは声を掛け、なんのようだ? と問いかけるエルザムに時間がないので手早く本題を切り出した。

 

「兄さんは何故超機人について知っていたんですか?」

 

「父上に聞いていたんだ。ブランシュタイン家の者として知らねばならない事だとな、だが全てを聞いたわけでは無い。私の知っている事など微々たる物で、精々超機人の因縁くらいだ……ヴォルフがいれば話は変るんだがな」

 

「ヴォルフおじさんですか? そういえばあの人は考古学者でしたね」

 

既に死去しているがマイヤーの兄の子供――ヴォルフ・V・ブランシュタインの事をライも思い出し、その職業から超機人に詳しいのかと理解した。

 

「ああ、父上の持っていた文献もほぼ全てヴォルフが譲り受けている筈だ。超機人に関してはヴォルフを見つけない事には始まりそうもないな、他に聞きたい事は?」

 

「……あのレーツェルと言うのは何なんですか?」

 

「何の事か判らないな」

 

レーツェル=エルザムを否定するエルザムだが、モロバレの変装を真面目にやっているのか、それともふざけているのかライはそれをエルザムに問い詰める為に一歩前へと踏み出すのだった。

 

「これがゲッター線を使ってない、ゲッターロボかあ」

 

「思う事はあるのか? 武蔵」

 

「んーどうなんだろうな、オイラにゃ判らんけど……うーん……なんかどこかで見たような気がしなくも無いんだよなあ……」

 

ネオゲッターロボの姿をどこかで見たことがあると首を傾げる武蔵に、分析作業をしていたラドラが声を掛ける。

 

「プロトゲッターロボに似ているのがあったんじゃないか? 性能自体はお前が竜馬達と乗っていたゲッターロボより上だぞ」

 

「マジで? ゲッター炉心を積んでないのにか……」

 

「技術の進歩というのは凄いものだ、旧西暦のものだがこれは俺達にも使える」

 

ネオゲッターロボ自体は骨董品と呼ぶべき機体だが、使われている技術は新西暦にも引けを取らず。それを流用すれば百鬼帝国とも互角に戦えるとコウキは笑いながら告げた。

 

「これからどうなるんだろうなあ……敵ばっかり増えるよな、強い力を手に入れたらそれよりもっと強い敵が出てくる……これじゃあ……」

 

『これより伊豆基地へと帰還します。各員はハガネ、シロガネ、ヒリュウ改へと乗艦してください』

 

いたちごっこと武蔵が言おうとした時に伊豆基地へ帰還すると言う指示が出て、武蔵は喉元まで出てきた言葉を飲み込みコウキとラドラに背を向けた。

 

「ちょっと弱気になってただけだから忘れてくれ、じゃあオイラはハガネに乗るから」

 

ハガネに乗ると言って歩いていく武蔵。残りのコピー作業をしながらコウキとラドラは話を続ける。

 

「より強い敵か……それを意図的にやられているとしたら……」

 

「可能性はゼロではないな。そして糸を引いているのは……」

 

コウキもラドラも口にする事はなかったが、この異常な争乱はコウキとラドラには恐竜帝国、百鬼帝国の侵攻を思い返させていた。

そしてそれを打ち倒し人類は発展して来た、まるでゲッター線が敵を与え、それを打ち倒させる事で人類を進化させようとしている――コウキとラドラの脳裏にはそんな突拍子も無い出来事がまるで真実のように頭を過ぎるのだった……。

 

 

 

 

 

ありとあらゆる方向感覚の無い空間で逆さになったペルゼイン・リヒカイトの目の前では新たなアインストが生まれようとしていた。

 

「……んん……ちょっと。いや大分違いますの……」

 

アルトアイゼンに似たアインスト・アイゼンを見てがっかりした様子でアルフィミイは呟いた。

 

「……どうして上手く行きませんの?」

 

外は出来ているのに中身がない、何故中身であるキョウスケが作れないのか? アルフィミイはその理由が判らず、何度も何度もアインストアイゼンをつくり、中身がないことに気付きがっくりと肩を落とす。

 

「……やっぱり私はまだエクセレンも……キョウスケも全然判ってない……ですの」

 

アルフィミイは何故キョウスケを作れなかったのかを考え、自分がキョウスケとエクセレンを理解していないからだと判断した。命を作ることなど出来ないと言う根本的な問題に気付かず、いやアインストだからこそ、そんな根本的な事に気付けず、自分の考えが正しいのだと笑う。

 

「エクセレンを……キョウスケを……誘き出しますの……」

 

エクセレンを誘い出せば、キョウスケも付いて来る。そうすれば自分はもっとキョウスケ達を理解出来ると歪んだ笑みを浮かべるとアルフィミイとペルゼイン・リヒカイトの姿は時空の狭間から一瞬の内に消え去った。

 

 

しかし時空の狭間からフラスコの世界へと足を踏み入れたのはアルフィミイだけではない。

 

「ほ、本当に大丈夫かな?」

 

「大丈夫でしょ。デュミナス様が大丈夫って言ったんだからあたい達は何の心配もしなくていいんだよ」

 

「でも破壊魔が僕達のいう事を聞くかな?」

 

「だいじょーぶだいじょーぶ、あれだけ痛めつけたんだからさ、力関係くらい判ってるって、行こうラリアー、デスピニス」

 

幼い少女が2人と少年が1人。弱気な事を言う2人を明るい口調の少女が発破を掛け、行こう行こうと口にする背後には血走った複眼を光らせたR-1に酷似したメタルビーストの姿があるのだった……。

 

 

 

 

132話 暴虐の超機人/闇からの呼び声 その7へ続く

 

 




闇からの呼び声

通常シナリオ

アインストアルフィミイとアインスト軍団

進化の光版

上記に加えてメタルビースト・エルアインス、量産型メタルビースト・エルアインスの追加という無理ゲーモード突入です。
ちなみにここでメタルビースト・エルアインスを出すのは、SRX出現時にメタルビースト・SRXを出す為の下準備だったりします。

あとオーダーの2人が出てくるのはダイゼンガーのくだりなので暫くは出てこないのであしからず、それでは次回の更新もどうかよろしくお願いします。


PS スパロボDDのダイゼンガーガチャ 不具合で石の返却があったそうですね。
こんな事ならひいときゃよかったと後悔しておりますが、明日のゲッターロボタラクとゲッターアークガチャにひき運を残せたと前向きに考えたいと思います

もし当てれたら明日も更新しますのでよろしくお願いします。

視点が変わる時にそのキャラの視点と言う事を表記するべきか

  • サイドまたは視点は必要
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