進化の光 フラスコの世界へ   作:混沌の魔法使い

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第26話 アイドネウス島の決戦 その3

第26話 アイドネウス島の決戦 その3

 

クロガネとハガネの同時攻撃、しかもただの同時攻撃ではない。両艦の最大火力による攻撃は凄まじく、マシーンランドを破壊した。だがその事が、マシーンランドに眠っていた恐竜帝国の最終兵器を目覚めさせる事となった。

 

「全員無事かッ!」

 

普段冷静なイングラムの焦った声がハガネのPT隊全員のコックピットに響き渡る。マシーンランドから現れた巨大なメカザウルス……ギガザウルス・ゴールの出現と同時に放たれた全方位射撃はハガネ、クロガネだけではなく、ハガネのPT隊、AM隊に凄まじい被害を齎していた

 

「すいません、少佐。俺のゲシュペンストは今の一撃で腕と足をやられました」

 

「ぐっくっ……駄目、今ので操作系統がやられたわ」

 

ジャーダとガーネットはビームの直撃を受け、ゲシュペンストが行動不能に陥っている

 

「俺は大丈夫だ! 少佐ッ!」

 

「左のツインビームカノンがやられましたが、こちらも大丈夫です!」

 

「私も問題ありません」

 

ビルドラプターからR-1は掠りもせず、全弾回避することに成功した。元々ギガザウルスから離れていたアヤのヒュッケバイン009も被弾していない、ただ鈍重なシュッツバルトに乗っているライは直撃こそ回避したが、シュッツバルトの最大の武器である2門のツインビームカノンの1つを失っているが、それ以外の被害は少ないようだ

 

「こっちは被弾してるが問題ないぜ、少佐ッ!」

 

「俺もサイバスターも問題ないッ!」

 

重厚な装甲を持つグルンガストは攻撃を回避する事は出来なかったが、その装甲でビームの雨を何とか耐え切っていた。サイバスターはその機動力で完全に回避したようだ

 

「私は……大丈夫です」

 

「私も大丈夫です!」

 

「僕も大丈夫です、思ったよりも良く動いてくれました」

 

ラトゥーニも手持ちのM-950マシンガンは失ったが、機体にダメージは無い。リオは一番最後に出撃したからか全く被弾していない、自身の乗っていたリオンをアーマリオンへと改造したリョウトもダメージは受けていないようだ。急造の改造機だが、想定以上の能力を持っていたようだ。

 

「リオ、ライ、ラトゥーニ、アヤの4人はジャーダとガーネットのハガネへの撤退を支援、その後はハガネとクロガネの護衛に回れ、リョウト、お前は空中からの支援を行え」

 

イングラムの指示はこの状況では本来最も悪手となる分散命令だった、だがそれも仕方ない事だ。ハガネは着水し、主砲や副砲での攻撃を仕掛けているが、浮かび上がる気配は無い。恐らく動力部をやられたのだろう、そうなってしまえばハガネは固定砲台として扱うことになる。そのための護衛を残すのは必然であり、更にPT隊と異なり空中を飛んでいるAM隊の被害は大きい、本来は敵同士だ。だがクロガネとハガネが協力し合ったおかげでメカザウルスの出撃数は落ちている、このまま協力し合いメカザウルス、恐竜帝国を倒すのが最も堅実で確実な方法だ。

 

「了解ですッ! リオ、行くわよッ!」

 

「は、はい!」

 

イングラムの指示を聞いて即座に動くアヤ、その後を追ってリオのゲシュペンストがジャーダのゲシュペンストの元へ走る。

 

「リュウセイ、この場は頼んだ。このままでは足手纏いになるからな」

 

「り、リュウセイ。気をつけて……」

 

「おう、ありがとな、あとライも、そっちも気をつけろよ」

 

リュウセイに声を掛け離脱していくビルドラプターとシュッツバルト、その2機の光景を見ながらイングラムは自身の乗機であるビルトシュバインの機体チェックを行う。

 

(ちっ、やはりか……)

 

一番最初に出撃したイングラムは最も長くビームの雨に晒された、その卓越した操縦技術で被弾こそ間逃れた。だが、その反面脚部のモーターや、推進剤の消耗が非常に大きい物となっていた。

 

「うおおおおッ!!! ゲッターミサイルッ!!!」

 

ギガザウルス・ゴールの圧倒的巨体にも恐れを見せず戦うゲッター3。その姿を見ていると、どこか、どこかで同じ様な光景を見たような……何とも言えない焦燥感がイングラムの胸を締め付ける。何か、何か思い出さなくてはならない。だが自分が何を忘れているのか、それが判らない。

 

「っッ!!」

 

4本の首から放たれた電撃に咄嗟にビルトシュバインを反転させ回避する。今は考えている場合ではない、なんとしてもあのギガザウルスを撃墜しなければならない。

 

「各員に告ぐッ! あの巨大メカザウルスを撃破しない事には人類に未来は無いッ! 各員奮起せよッ!!!」

 

いま自分がやらなければならない事は軍人として、そしてSRXチームの隊長として、そして指揮官として適切な指揮を取る事だ。イングラムは小さく深呼吸をし、先陣を切っているゲッター3の後を追ってギガザウルス・ゴールへと走り出すのだった。

 

 

 

 

マシーンランドを突き破り現れたギガザウルス・ゴール。その圧倒的な巨体、そして生物と機械の融合態であるギガザウルス・ゴールはただの機械ではなく、生物でもあった。荒い呼吸と肩を上下させるその仕草、鮮血のような真紅の瞳に睨まれたDCの兵士は恐怖にその動きを硬直させる。

 

「うおおおおおおーーーッ!!!」

 

だが武蔵だけは違う、メカザウルスと何年と戦ってきた。そして恐竜帝国の脅威も、メカザウルスの恐ろしさも知っている。だからこそ、ここで倒すんだという強い意思を持ってギガザウルス・ゴールへと立ち向かう。最大加速からゲッターパンチを伸ばす、それはギガザウルス・ゴールの頭部を捉えるが……

 

「利かんわぁッ!」

 

バットの鋭い怒声が響き、反撃に繰り出された電撃がゲッター3に迫る。凄まじい電圧を秘めた一撃に視界が白に染まるのを見た武蔵は反射的にレバーを操作する。

 

「ちいっ!!!」

 

電撃が命中する寸前にオープンゲットし、爆発的な加速で電撃を回避する。だがこの回避方法はバットにとっては見慣れた光景であり、4本の首を自在に操り、ゲットマシンの行動を阻害する。イーグル、ジャガーが自動操縦なので明らかに動きが鈍い、本来ならば再び合体することは叶わず、撃墜される筈だ。だが……武蔵は1人ではない

 

「ファイナルビームッ!!」

 

「頼んだぜッ! シロ、クロッ!!!」

 

グルンガストの放った熱線がギガザウルス・ゴールの身体を横から吹き飛ばし、そこにサイバスターのハイファミリアがぶつかりその姿勢を大きく崩す。

 

「チェンジッ!」

 

ジャガー号のブースターが止まり、ベアー号に覆い被さって来る。ジャガーとベアーが合体するのと同時にジャガー号の側面から骨組みが伸び、装甲板が展開される。そしてベアー号のミサイル発射部も伸びるように変形し両足へと変化する。

 

「ゲッタァァーッ!!! ワンッ!!!」

 

イーグル号が胴体の前を追い抜いていき、回転しながら胴体と合体する。ゲッター1の顔と角を思わせるパーツが現れゲッター1への合体が完了する。

 

「ゲッターウィングッ!!!」

 

武蔵の叫びと共に背中からマントが現れ、放たれた電撃を回避しギガザウルス・ゴールへと肉薄する。

 

「来いッ! ゲッタァァロボォォッ!!!」

 

バットの怨嗟の叫びがアイドネウス島に響き渡る。ゲッターがこの中で最大の火力を持つが、それと同時にギガザウルス・ゴールに対する囮にもなる。攻撃と敵の注目を引き付ける、それは武蔵にとって凄まじい精神的疲労を与える。だが、今この場にいるゲッター炉心搭載機はゲッターロボだけではなかった。

 

「クロスマッシャーッ!!!!」

 

アイドネウス島に響いた男性の叫び。そして空中を走る閃光はゲッタービームと同じく、鮮やかな緑が混じった3色の光線がギガザウルス・ゴールの背部に命中する。

 

「ぐ、ぐおおおッ!!」

 

大出力のビームを喰らい、ギガザウルス・ゴールの巨体が大きく揺らぎ、海中へと沈む。クロガネのハッチが開き姿を見せていたのはヴァルシオンだが、依然と違い、その巨体は翡翠色の光に包まれていた。

 

「ビアンさんッ! い、今のは! もしかしてゲッタービームなのか!?」

 

パイロットである武蔵は今のがゲッタービームに類似した攻撃と言う事が判った。前回のクロスマッシャーはゲッター線の出力が弱かったが、今のはゲッター線の威力のほうが明らかに高かった。それはギガザウルス・ゴールの生身の部分が焼け爛れているのを見れば明らかだ。

 

「ふふふ、君の思っているとおりだよ、武蔵君。あの時は試作型だったが、今のヴァルシオンには完成したゲッター炉心が搭載されている」

 

ゆっくりと降下してきたヴァルシオンはグルンガストやサイバスターを一瞥し、手にしていたディバインアームをギガザウルス・ゴールが沈んでいる海面へ向ける。

 

「ゲッター線がメカザウルスには効果的と言うのは、研究結果から判っている。ゲッター炉心搭載機が1体では限界があるが、2体なら戦術は広がるだろう?」

 

ビアンは何でも無いように告げるが、これがどれほどの価値を持っているのか判らない訳ではない。

 

「さて。ハガネの兵士の諸君、今は互いに言いたいこともあるだろう。だが今は共に恐竜帝国と戦おうではないか」

 

「貴様あああああッ!!!」

 

海面を割って姿を現すギガザウルス・ゴール。その背中からは僅かな煙が出ているが、それほど大きな負傷を受けているようには思えず。むしろ火に油を注いだだけに見えるが、圧倒的な火力と防御能力を持つヴァルシオンの参戦に僅かばかりの勝機が生まれるのだった……

 

 

 

 

 

やっと安定して稼動するようになったR-1のコックピットでリュウセイは背筋に冷たい汗が流れるのを感じていた。今まで何度もPTに乗り込み戦ってきた、そういう面ではリュウセイは戦場になれていると言える。だが今リュウセイが対峙しているのは本物の肉食獣、PTのコックピットごとリュウセイを噛み砕ける存在だった。

 

(落ち着け、落ち着け)

 

自分に言い聞かせるようにリュウセイは何度も心の中で呟く、動揺したら、混乱したら死ぬのは自分だ。だから冷静になれと己に声を掛ける、だがアイドネウス島のあちこちに転がっているコックピットを砕かれたリオンやガーリオンの姿に操縦桿を握るリュウセイの手は震え始めていた。

 

「死ねぇッ!! ゲッターロボォッ!!!」

 

「舐めるなぁッ!!!」

 

怨嗟の叫びを上げ、ゲッターロボを執拗に狙うギガザウルス・ゴール。その両腕と頭部はゲッターに向けられている。だが、他の機体を攻撃していないわけではない。ギガザウルス・ゴールの下半身である4つ首のメカザウルスはR-1、サイバスター、グルンガスト、ビルトシュバインを狙い縦横無尽に伸びてくる。

 

「ちいっ! 首だけって言っても思ったよりもキツイぜッ!?」

 

「それにめちゃくちゃ硬えッ!!」

 

イルムとマサキの悲鳴にも似た声が響く、攻撃力ではR-1よりも遥かに上のグルンガストとサイバスターでさえ、有効打が入らない。爬虫類特有の強固な皮膚であったとしても、この防御力ははっきり言って異常だった。

 

「これでも喰らえッ!!!」

 

自身を奮い立たせ大声を上げながらG・リボルバーの引き金を引かせるリュウセイ。ビアンから提供された対メカザウルス弾頭は鈍い音を立ててメカザウルスの首に突き刺さる……だがそれは文字通り蚊に刺された程度のダメージであることは明白だ。

 

「リュウセイ! 離脱しろッ!!!」

 

4つ首のメカザウルスの目に睨まれ、金縛りにあったかのように動けなくなったリュウセイだったが、その叫びに咄嗟にペダルを踏み込んでその場から離脱した。その瞬間凄まじい地響きと共にR-1がいた場所にメカザウルスの4本の首の内2本が突き刺さっていた……

 

「あ、危ねえ……」

 

滑走路に出来ている蜘蛛の巣状の亀裂。それを見てリュウセイは大きく息を吐いた……イングラムの声が無ければ、間違いなくR-1はメカザウルスの牙で噛み砕かれていただろう。

 

「リュウセイ、敵は確かに強大だ、だが落ち着いて対処すれば突破口は見えてくる」

 

いつの間にかR-1の隣にいたビルトシュバインからの接触通信。そこから聞こえてくるイングラムの声にほんの少しだが、リュウセイは自分が落ち着くのが判った。

 

「すまねえ、教官」

 

「気にするな、お前達をフォローする為に俺がいる」

 

それに戦っているのはお前だけではないと告げられる。イルムとマサキ、それにリュウセイとイングラムだけではなく、DCのAMもフォーメーションを組んで首に攻撃を仕掛けている。

 

「リュウセイ、お前のフォローはしてやる。思いっきり突っ込め」

 

恐怖で足をすくませ、自分の長所を忘れるな。その言葉にメカザウルスと戦うのを恐れて自分が消極的になっている事にリュウセイは気付いた。確かにギガザウルス・ゴールは巨大なメカザウルスだ、だがギガザウルスのゆえんたる上半身はゲッター1とヴァルシオンが完全に押さえ込んでいる……いや、ギガザウルス・ゴールのパイロット「バット」がゲッターロボと炉心を搭載しているヴァルシオンだけを標的にしているのだ。

 

「ぬうんッ!!!」

 

「ふっはははッ!! なかなかやるなッ! 人間ッ!!」

 

「お褒めに預かり光栄だッ!!」

 

ギガザウルス・ゴールの鋭い爪をディバインアームで絡め取るように受け流し、ヴァルシオンの鉄拳がギガザウルス・ゴールの頭部を捉える。その流れるような動きにバットの高笑いがアイドネウス島に響き渡る。

 

「おおおおッ!!!」

 

「ギシャアッ!!!」

 

イルムはグルンガストを駆って、噛み付こうとしてきたメカザウルスの頭部に計都羅喉剣を突き立て滑走路の上に貼り付けにする。

 

「一式爆連打ぁッ!!!」

 

両腕のブースターを吹かし、凄まじい勢いの連打が計都羅喉剣で拘束されたメカザウルスの頭部に叩き込まれていく。

 

「アカシック……バスタァァーッ!!!」

 

サイバードへと変形したサイバスターは魔法陣から呼び出した火の鳥と一体化し、戦場を飛び回っている……メカザウルスを吹き飛ばし、あるいはメカザウルスに捕まっているAMを助けたりと縦横無尽に活躍している。

 

「ソニックブレイカーセットッ!」

 

「「「「ソニックブレイカーセットッ!!!」」」

 

テンペストのガーリオンを先頭に、ガーリオン達もメカザウルスに恐れを抱かず、果敢に突撃していく。ハガネやクロガネ、アイドネウス島に配置されていたキラーホエールやライノセラスもギガザウルス・ゴールに攻撃を続けている。敵同士ではあった、だがそれでも恐竜帝国と言う脅威に敵味方関係なしで協力し合い戦いを挑んでいた。

 

「ゲッタービームッ!!!」

 

「クロスマッシャーッ!!」

 

ゲッター1とヴァルシオンが放った光線が空中で交じり合い、巨大な光線とギガザウルス・ゴールの巨体に突き刺さる。ギガザウルス・ゴールの巨体から火花と紫の鮮血が散る。だがギガザウルス・ゴールとバットの闘気はますます激しい物となっていた。

 

「ぬおおおおおッ!! まだだッ! この程度でこのバットを倒せると思うなあッ!!!」

 

ギガザウルス・ゴールの両腕から紫電が溢れ、開かれた口には凄まじい火炎が溢れ出す。そしてグルンガストによって縫い付けられている首を除いた3本の首が胴体の前に集まる。

 

「いかん! 動ける者はヴァルシオンの背後に集まれッ!!」

 

蜃気楼のように歪む光景に今正にギガザウルス・ゴールが現れた時と同じ様に、広域攻撃を仕掛けようとしていたのは明白だった。それを感知したビアンがヴァルシオンの背後に隠れろと叫ぶ中、R-1だけが滑走路の上を走り出す。

 

「リュウセイ!? 何を考えているッ!」

 

イングラムやアヤ達の戻れという声がするが、R-1は……いや、リュウセイは立ち止まらない。さっきのゲッターとヴァルシオンのビーム攻撃、それを見た瞬間。何かが、口では説明できないが何かが自分の中でガッチリと嵌った感覚がしたのだ。

 

「うおおおおッ!!!」

 

地面に縫い付けられているメカザウルスの首の上に飛び乗り、そのまま長い首の上を駆け上がっていく。Rー1のコックピットの中にはいくつものメーターや、エネルギー表記が浮かんでは消えていく、そして最後に「T-LINKシステム F-C」の文字が浮かび上り、R-1の左拳が緑の閃光に包まれる。

 

「必殺ッ!! T-LINKナッコォッ!!!」

 

ギガザウルス・ゴールとメカザウルスの接合部……ではなく、強固な皮膚にR-1の左拳が突き刺さる。だがそれだけでは終わらない、リュウセイはRー1の全身の姿勢制御のバーニアを使い、即座に左腕を引き抜くと同時に機体を反転させる

 

「くらえッ!! T-LINKダブルナッコォッ!!!」

 

最初の左拳で陥没した皮膚の上から抉るように右拳が叩き込まれる、リュウセイは最初接合部を狙った。だが攻撃を繰り出す寸前に何かに導かれるように、緑の光が走ったのだ。

 

「破ぁッ!!!」

 

何かを砕く手応えを感じながら叫び、R-1からR-ウィングへと変形しギガザウルス・ゴールの上から離脱する。

 

「そんな攻……なっ!?」

 

R-1のサイズはギガザウルス・ゴールからすれば、蟻のような物。そんな機体の攻撃など効かないと叫ぼうとした瞬間、ギガザウルス・ゴールの巨体のあちこちが爆発を始め、今正に放たれようとしていたエネルギーの塊はギガザウルス・ゴールの制御を離れ、全く見当違いの方向へと放たれる。R-1の攻撃は下半身のメカザウルスの制御系を完全に砕いていたのだ、それに気付かず攻撃をしようとしたバットだが、制御系を失った事で暴発したエネルギーにギガザウルス・ゴールは内部から破壊されていた。

 

「よっしゃあッ!!!」

 

コックピットの中でガッツポーズをとるリュウセイは気付かなかった。モニターに映し出された文字「T-LINK」ではなく、ウラヌスシステムへと変わっている事に……だがそれも一瞬の事で、ウラヌス・システムの文字はリュウセイが正面を向くのと同時に、元の「T-LINK」の文字へと戻っているのだった……

 

 

 

 

動力部の破壊、そしてエネルギーの逆流によって倒れたギガザウルス・ゴール。機体の内部も外部も爆発を繰り返し、今にも完全に機能を停止する寸前だった。

 

「うっ……ぐうう……」

 

コックピット付近が爆発したことにより、意識を失っていたバットだが、レッドアラートとギガザウルス・ゴールを襲う衝撃で目を覚ます

 

「うっ、げほっ! ごほッ!!!……まだだ……まだ終わらんッ!!」

 

咳き込んだバットの口元と手にはどす黒い血が飛び散っていた。バットはそれを拭うとレバーに手を伸ばす……今のギガザウルス・ゴールは不完全だ。本来は騎乗しているプロトメカザウルス・ダイが脚部へと変形する、だがギガザウルス・ゴールを動かすには爬虫人類の生体パルスが必要になる。それを賄えるのが己1人であり、どうしても二の足を踏んでいた

 

「ふふふふ……あのロボットには感謝しなければならないな」

 

接合部付近を破壊し、一斉攻撃を封じて見せたあのトリコロールの機体を見てバットは笑う。今の爆発で下半身が潰れた、死ぬ覚悟で乗り込んだはずなのに、まだ自分には覚悟が足りなかったとバットは笑う。

 

「栄えある恐竜帝国の最後の1人として、無様な死に様など出来るかぁッ!!!」

 

脅威はゲッターだけであると思い込んでいたのがそもそもの間違いだ。ここは自分がいた時代よりも遥か未来、ゲッターに匹敵するとは言わずとも、脅威に感じるだけの機体が存在してもおかしくないのだ。レバーを引くと同時に、コックピットの座席から今までの非ではない、プラグが現れバットの身体に突き刺さっていく

 

「うぐっ、ぐうううう……私と言う存在をくれてやるッ!! だが代わりに私に勝利をよこせぇッ!!!」

 

バットのその雄叫びと共にレッドアラートに照らされていたギガザウルス・ゴールのコックピットは光を取り戻し、そして倒れていた巨体がゆっくりと起き上がっていく

 

「マジかよ……」

 

「冗談だろ?」

 

今の爆発であの巨大なメカザウルスを倒したと思い込んでいた、DCやハガネのPT隊から嘘だろという言葉が次々と零れる。全員が見ている中で4本の首は2つずつ合体し、脚へと変化し今までも巨体だったギガザウルス・ゴールの巨体が更に巨大になる

 

「だよな、その程度では終わらないよなッ!!!」

 

『当たり前だぁッ! ゲッターロボッ! いやッ! 巴武蔵ッ! 私は恐竜帝国最後の1人として無様な敗北などしないッ!』

 

2足歩行に変化したギガザウルス・ゴールはその鋭い爪をゲッターロボ、ヴァルシオンに向け、新たに現れた巨大な尾をアイドネウス島に叩きつける。

 

『さぁ最後の勝負だッ! 巴武蔵ッ! このギガザウルス・ゴールとバットを倒せると思うなあッ!!!』

 

これからが本番だと言わんばかりに放たれる火炎弾と電撃の嵐、その攻撃で爆発するアイドネウス島のDCの基地。その爆発音が合図となりゲッターロボはマントを翻し宙を舞う。

 

「掛かって来いッ! バット将軍ッ! 今日が恐竜帝国最後の日だぁっ!!!」

 

バットの叫びに答えるように武蔵も叫び返し、ギガザウルス・ゴールへと向かっていく。アイドネウス島で雄叫びを上げるギガザウルス・ゴール。その叫びに呼応するようにマシンランドからは身体のあちこちが破壊されたメカザウルスがその巨体を引きずりながら、アイドネウス島に上陸する。恐竜帝国とDC、ハガネ、そして武蔵の戦いは今ここに、最終局面を迎えるのだった……

 

 

 

 

第27話 アイドネウス島の決戦 その4へ続く

 

 




ギガザウルス・ゴールが第二形態へ変化、更にメカザウルスも再出撃。難易度は上昇して行きます、ただし第二形態はバットを燃料としているので、バットが燃え尽きれば終わりなので第一形態よりは多少HPは減ってるかな?って感じです。それでは次回の更新もどうかよろしくお願いします

視点が変わる時にそのキャラの視点と言う事を表記するべきか

  • サイドまたは視点は必要
  • 今のままで良い
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