第141話 2柱の戦神と漆黒の猟犬 その5
伊豆基地のブリーフィングルームに狂気を滲ませた老人の笑い声が響いた。
「カカカカカッ!! 随分と無茶をするのう武蔵ぃ。ゲッター線を十分に補充しないで良く戦ったもんじゃなあ!!」
「しゃあねえだろ、シキシマ博士よう。そうするしかなかったんだよ、まだ戦いも終わってねえのにくたばれねえからな」
「カカカカカ。そうじゃな、その通りじゃ!! くっくっく……これがゲッターパイロット……くっははははははッ! 頭のねじが吹っ飛んでおるわッ!!」
バンバンと呵呵大笑しながらシキシマは武蔵の背中をバシバシと叩く、武蔵は少し痛みに顔を歪めるがその顔は楽しそうだ。
「やっぱあんた敷島博士に似てるぜ」
「そりゃ最高の褒め言葉じゃなッ!!!」
心底楽しそうに笑うシキシマだったが、急に真顔になり思案顔になる。
「新西暦でゲッター線を感知しているポイントは非常に少ない。自然に降り注ぐゲッター線は極めて微量じゃ、ゲッターD2のエネルギーを回復させるには相当な時間が掛かるぞい?」
「やっぱりか……なんとかならねえかな? シキシマ博士」
ブリーフィングルームでの議題は超機人とゲッターロボに関する物だった。新西暦でのゲッター線の権威はシキシマしかおらず、それも考察が多く武蔵と話をすり合わせて確かな成果にしようとしていた。
「武蔵、ゲッターは本調子じゃなかったのか?」
「ん、んーまぁぶっちゃけるとそうですね。ゲッターD2はめちゃくちゃ強いですけど、その分めちゃくちゃエネルギーを消耗するんですよ。ある程度は自分で回復してくれるんですけど……メタルビースト・SRXを相手にしてガス欠しちゃいましたからね」
「とりあえず今の段階でもある程度は動けるが、精々グルンガストに毛が生えたくらいじゃな。ビームも使えんし、得意な機動も出来んとかなり弱体化しておるわ」
エネルギーがそこを付いてもなおグルンガストよりも強いと言う言葉にイルム達はまじかという表情を浮かべるが、ゲッターD2は真ドラゴンの試作機の1機であり、真ゲッターに匹敵するパワーを有している。しかも早乙女博士はビアンよりも天災ということもあり、ロストテクノロジーであると同時にオーバーテクノロジーでもあった。
「シキシマ博士、ご質問なのですが普通に降り注いでるゲッター線でフルパワーになるにはどれくらい掛かるんですの?」
「ん、そうじゃなあ……軽く試算して……7年じゃな」
「「「「7年ンンン!?!?」」」」
7年という規格外な年数がシキシマの口から飛び出し、信じられないと言う絶叫が響き渡る。
「やっぱりかあ……じゃあゲッター線の濃度の濃い場所は?」
「アイドネウス島が1番濃いが連邦の管理下で立ち入り禁止じゃし、蚩尤塚はたまーに高反応が出るがいまいち。少なくとも地球で純度の高いゲッター線はないの」
シキシマの言葉に武蔵はだはあっと深く肩を落とした。メタルビースト・SRX、そして悪の超機人と戦うには今のゲッターでは足りないと武蔵は感じていた。パイロットが揃わないのなら、最低でもエネルギーだけでもと思ったのだが、それすらも叶わないと知りがっくりと肩を落とし、深い溜め息をはいた。
「大丈夫ですか? 武蔵様」
「いやまあさぁ、判っていた事ではあるんだけど面と向かって言われると大分ショックでさあ」
「まぁ手がない訳ではないぞ?」
もったいぶるように言うシキシマにあるのかよっと言う突っ込みがあちこちから上がる。
「コウキの鉄甲鬼を増幅炉にすると言う「却下。俺の機体が使えなくなるだろうが」……まぁと言う訳で机上の空論じゃな。一番確実なのはテスラ研を奪還し、炉心を手に入れれば安定してゲッターのエネルギーも補充出来るだろう」
「でもそれって今すぐは無理ってことなんだろ。参ったなあ……」
「なぜそんなに焦るんだ? 少しの休暇と思ったらどうだ?」
「ユーリアさん、いやまあ、オイラもそれが出来れば1番良いと思ってはいるんですよ。だけど……なんか凄い嫌な予感がするんですよねぇ……」
「それなんか凄い不吉な感じがするわね」
「確かにな……あれだけの襲撃の後で同規模の襲撃が続くとでも言うのか?」
「判らないんですよ、でも何か、それもとんでもなく不味い事が起きようとしてるような気がするんですよね……」
武蔵が焦りを感じる何かが、この伊豆基地に迫ろうとしている。武蔵の言葉を聞いてキョウスケ達の顔が固く強張った、その時パンパンと手を叩く音が響き全員が顔を上げるとエリがブリーフィングルームの入り口に立っていた。
「思う事はあると思いますし、不安もあると思います。ですが私達は出来る事を全力でやるしかないのではないでしょうか? そう、私に
出来ること……超機人についての事をまとめて来ましたよ。今お話してもよろしいですか?」
龍虎王達と異なる超機人――饕餮王達の事を調べて来たエリの言葉がブリーフィングルームに響くのだった……。
日本近海で目撃された饕餮鬼皇、鯀鬼皇、共行王の悪の超機人について調べていたエリがモニターの前に立ち、古い文献を映し出す。
「まずですが、鯀王、共行王に関しては完全な悪の超機人とは言えないというのが文献によって判りました」
悪の超機人とは言えないと言うエリの言葉、そして鯀鬼皇と共行王の立ち回りを見ていると確かに悪とは言い切れないとキョウスケ達も感じていた。
「だが決して善とも言えないのではないですか?」
「そこがまず間違いなのです。善も悪も表裏一体、ある側面から見れば善は悪であり、悪は正義です。鯀鬼皇や共行王は悪に属しますが、それであると同時に神でもあります、そしてこんな事を言うのはなんですが……悪の象徴として鯀王達は存在していたのかもしれません」
明確な悪が存在すれば善の神はより大きな信仰を得る事に繋がる。人は善である事を望み、そしてそのために悪を欲する。
「スケープゴートとして作られたという事ですか。アンザイ博士」
「そうだとしたら胸糞わりい話だな」
悪であれと作られた超機人だとすれば、それはそれを作り出した過去の人間に責任があるのではないかという意見があちこちから聞こえる。
「百鬼帝国によって知恵を得たと鯀鬼皇は言っていたそうですね、つまりそれ以前に関しては憶測になりますが与えられた命令、あるいは根底にあるプログラムに基づいて動いていた可能性があります。現在は百鬼帝国の改造によって悪神ではありますが神としての矜持を得たのかもしれません」
皮肉な話ではあるが、百鬼帝国によって神としての矜持と知性を得て、鯀王達は本当の意味で王であり、そして神へとなりえたようだ。
「エリさん、じゃあの饕餮とかいう奴は?」
「あれは四凶に含まれ、元々は妖機人であり、それを改修した物になるので元々悪であるということですね。ここは難しい所ですが、私はそう解釈しました」
性犯罪者のような発言を繰り返す饕餮鬼皇に同情の余地などないが、元々悪である者を改修したというのはやはり無謀がすぎたように思える。
「アンザイ博士、では何故古代中国人は敵である者まで改修し、己の戦力としようとしたのですが?」
「確かになぁ、普通に反逆されるって判ってるようなもんだよなあ」
元々が妖機人であるというのならばブリットとタスクの言う通り、100%反逆すると判っている相手を何故自軍の戦力にしようとしたのかという大きな疑問が生まれる。
「それに関しては羅喉神……つまりはインベーダーやアインストが関係していると推測されます」
「ここでアインストとインベーダーが絡んでくるって事か……確かにあいつらはかなりやばかった」
無機物、有機物関係なしに寄生し、己の同族とするインベーダー、そしてアインストは言うまでも無く危険な存在だ。
「だとしても取り込まれたら結局同じなんじゃないかな?」
「いや、こう考えられるぞ、リョウト。元々敵で寄生されたのなら遠隔操作で破壊すれば良い、そうすれば後腐れがない。アンザイ博士、俺の考えはどうだ?」
非道ではある。だが味方に被害を及ばせず、敵陣に打撃を与えるのならばイルムの考えは決して間違いではない。人道的ではないと言うが相手は化け物なのだから、化け物を利用しようと考えるのはある意味至極当然と言えた。
「そこに関しては私は良く判りません。シキシマ博士はどうですか?」
「そうじゃあの、ゲッターロボが出現するまでは人間側の不利、ゲッターロボが出現してから徐々に押し返していったというところじゃなとは言え文献を解析中だから確かな事は言えんがな」
過去でもゲッターロボが大きな転換期となっている。直接見たわけではないので考察が多くなるが、新西暦でも旧西暦でも、そして古代中国でもゲッターロボの存在は大きなキーパーソンとなっていた。
「ここまでゲッターが絡んでくるとどういうことなのかって思うわよね」
「確かにな、武蔵が現れてから、いやきっとその予兆はどこかにあったのかもしれんが……俺達の理解を超える何かの思惑があるように思えてくるな」
確信はない、そして証拠があるわけでもない。だが自分達の戦いが何か大きな存在の意志によって促されているような……いやもっと言えば……。
「まるで私達が倒せるかどうかの敵を差し向けられているような気がするよ」
「いや、それは考えすぎ……」
「とは言えないかもしれないな」
勝っても負けても良いと言わんばかり、抗う事を願っているかもしれない。だけど負けたならそれでしょうがないという諦観さえも感じさせる何かを誰もが感じていた。
「それがもしかすると龍帝、皇帝と呼ばれるゲッターの意志なのかもしれんの」
「選ばれた者、選ばれなかった者……もしかすると私達人類は今篩いに掛けられているのかもしれないですね……」
大きな不安を前にネガティブになっている事は否定出来なかったが、蚩尤塚の地下に眠る廃棄されたゲッターロボ、そして発見される数多の文献……そして意志を持つエネルギーゲッター線。それらが全て繋がっているかもしれないと……。
「待って待って操られてた私が言う事じゃないと思うけど、あんまり不安に思いすぎるのも良くないと思うわよ。それにほら、そんなに不安に思っているとその通りになるとも言うしね。それに悪いニュースばかりに着目するのは良くないと思うわよ」
不安が広がり始めた所でエクセレンの明るい声が響く、確かに悪い事が続いているがその中でも良いニュースも確かに存在している。だから俯かず前を向いて行きましょうというエクセレンの言葉で僅かだが、ブリーフィングルームに明るさが戻ってくるのだった……。
薄暗い闇の中でティス、ラリアー、デスピニスの3人は震えながら跪いていた。
「デュミナス様。メタルビースト・SRXを大破させてしまい……まことに申し訳ありませんでした」
ギリギリ転移で回収したメタルビースト・SRXはR-SWORDによる一閃の傷痕、そして一撃必殺砲による胴体の消失と死ぬ一歩手前の様子でティス達はデュミナスに叱責されると恐怖し、脅えていた。しかしデュミナスの返答は明るい物だった。
「良くやってくれましたティス、ラリアー、デスピニス。疲れたでしょう、ゆっくりと休んでください」
「「「え?」」」
怒られる所か褒められ、ゆっくりと休めと言われティス達は驚きに顔を上げる。
「デュミナス様……あたい達は失敗を……」
「いいえ、失敗ではありません。これで良いのです」
メタルビースト・SRXを失いかけたのに何故褒められるのか判らないと言う様子のティス達を見てデュミナスは小さく笑った。
「メタルビースト・SRXは私に対しても反抗的でした。ですが、これで判った筈です、自分1人では勝てないと」
確かにメタルビースト・SRXは自己増殖・自己進化が可能な極めて強力なインベーダーだ。だが自身のコピーはさほど強くなく、フィードバックに時間が掛かる、そして自身と同格の強さの敵が複数いれば数の差で負ける。今回の出撃でメタルビースト・SRXは学習した筈、己の力の限界をとデュミナスはティス達に言って聞かせる。
「では今回の出撃命令は」
「その通りです。メタルビースト・SRXを完全に手中に納める為の物です」
獣であるメタルビースト・SRXを従えるのは力を見せなければならない、そしてデュミナスは力を見せたがそれでも反抗的だった。ゆえに自分は負けないと言うメタルビースト・SRXの自尊心を折る必要があったのだ。
「お疲れ様でした。休んでくれて良いです、後は私がやりますので」
ティス達にもう1度休むように命じ、デュミナスは虫の息で修復を始めてるメタルビースト・SRXを見下ろした。
「これで判ったでしょう、貴方1人では勝てないと」
【キ、シャアア……】
息も絶え絶えという様子だがメタルビースト・SRXは返事を返す。その様子を見てデュミナスは翼を広げる。
「私に今度こそ従うのです。そうすれば負けないだけの力を与えましょう。しかしまだ逆らうというのならば……お前は必要ない」
バチバチとエネルギーが放電する音が闇の中に響き、メタルビースト・SRXは頭を垂れた。自分の主君は、主はデュミナスだと認めたのだ。
「よろしい、では貴方に餌を与えましょう。そしてより強くなるのです、貴方はまだ未完成、完全体へと至るのです」
デュミナスによって複製された量産型SRX――いや、量産型SRXのデータベースの中に残されていた完成したSRアルタードのデータを元にしたまだ完成していない筈の、そして存在しない筈の存在SRアルタードだ。
(とはいえ、皮だけですがね)
トロニウムエンジンも、T-LINKシステムもない、もっと言えば武装は張りぼて、そして中身はほぼ空っぽ。だがそれで良いのだ、足りない部分はメタルビースト・SRX自体が補い、限りなく真作に近い贋作へと至る。そしてそこから更に進化する事でメタルビースト・SRXはメタルビースト・アルタードへと変化するのだ。
「さぁ、私に従えばこれを与えましょう」
【……キシャアア】
己を強化するためには、そして生き延びる為には、そして戦って勝つ為にはデュミナスに従うのが最善と判断したメタルビースト・SRXはボロボロの身体で膝をつき、頭を垂れる。それは君主に頭を垂れる騎士の様な様相をしており、その姿を見てデュミナスは笑った。
「よろしい、では貴方の忠誠を願ってこれを与えましょう」
バリアが解除され、地響きを立てて着地したSRアルタードに向かってメタルビースト・SRXは触手を伸ばし己の身体に取り込み修復と進化を始める。その姿をデュミナスは何の感情も宿していない瞳で見つめ続けているのだった。
政治家御用達の会員制の高級レストランにブライとそして共行王、鯀鬼皇が人になった姿で同じ席に腰を下ろしていた。
「お主、見かけによらず随分とグルメじゃな?」
「どうせ食うのなら美味い物を食いたいと思うのは当然の事だろう? 共行王」
ナイフとフォークを机の上に置き、ブライはナプキンで口を拭う。
「テーブルマナーは苦手かね?」
「我の時代にこんなものは無かったからな」
絹のような光沢を持つ黒髪をした覇気……いや、王気に溢れた青年がなれない素振りでフォークとナイフを駆使し料理を口に運ぶ。
「だがこの味は悪くない。少なくとも妖機人や超機人、そして人間よりは美味い」
「まぁあれは私らに取っては存在を維持する為の物で美味いものではないわな」
鯀鬼皇の言葉に共行王が同意し、赤ワインを口に含み満足げに笑う。
「所で鬼よ、何故饕餮はおらんのだ?」
「……あいつはマナーもクソも無く、下品な食事をする。あんな者と食事を共にする趣味はない」
それに味もどうでもいいという輩に高級なレストランの繊細な味は判らないだろうとブライは笑う。
「所で随分と面白いことを言っていたな」
「面白い? ああ、鬼も潰すという事か、それに嘘偽りはないぞ」
ブライと鯀鬼皇の間に重々しい気配が広がるが、それを共行王が手を叩き制す。
「やめんか、今は食事の時。血生臭いのはごめんだ」
2人の首筋に冷たい氷の刃を突きつけながら言う共行王に2人は揃って手を上げた。
「判ったから止めてくれないかね?」
「悪かった」
「判れば良い」
空中から伸びていた刃はそのまま消え去り、共行王は自然な素振りでステーキを切り分け口元に運ぶ。
「元々そういう契約なのだから私に思う事はない。全てが終わり次第その戦いを始めようではないか」
「判っている。まずはバラル、次にゲッターロボだ。それが終わるまでは停戦だ」
蘇らせたのは間違いなくブライと百鬼帝国だが、その事により知性とより明確な自我を得た共行王達は紛れも無くブライと同格の指導者であり、旧西暦でのワンマンによる壊滅を防ぐ1つの要因となっていた。
「さてと、今回なのだが2人に頼みがあってね」
「またかあ? 偶に空振りをするのは止めてくれんかの?」
「然り、もっと事前調査をするのはどうだ?」
2人の言葉にブライは肩を竦め、苦笑いを浮かべる。
「それは私も判っているが、早々上手く行くものではなくてね。ただ今回は当たりだと私は思っているよ」
百鬼獣はダヴィーンの戦闘用ロボをベースに製造された物と、新西暦の技術で複製した物の2種類が存在する。戦闘力で言えば前者だが、安定して製造出来るのは後者だ。何故ならばダヴィーンの遺産は深海や地下などに眠っており、それを発見、発掘するのは容易ではないからだ。
「とにかくダヴィーンの遺産を探して欲しい。今度こそ上手く行くと思っているからね」
「まぁお前が言うのなら私は構わんよ。身体に慣れる練習にもなる」
「契約内容であるからこそ文句は言わんよ。引き受けた」
ブラックゲッターが沈んでいた海溝の近くにもダヴィーンの戦闘母艦の反応があったが、戦闘の影響で大破してしまい残骸をいくつか回収するだけに留まった。鯀鬼皇は発見こそ出来たが莫大な被害が予想され回収出来ないと言う状況だった。
「早く他の超機人も蘇らせたくてね。大変だと思うがよろしく頼むよ」
超機人を蘇らせるには前者ではなくてはならない、魂はほぼほぼ回収できたが器がなければ意味がない。それ故にブライは人間や鬼では辿り着けない場所に眠っているダヴィーンの遺産を回収出来る共行王達に頭を下げる。
「ならばまずはもう1品貰うとするかの」
「肉が足りん」
「やれやれ、フルコースで足りんという奴など見たことがないぞ」
気心が知れた友人というには血生臭い、だがYESマンだけではなく対等な立場で接してくる2人にブライは小さく微笑み、ウェイターを呼ぶためのベルを鳴らすのだった……。
一方その頃1度日本を離れたクロガネのブリーフィングルームではカーウァイがビアンの頼みを尋ね返していた。
「私だけ日本に? 急にどうしたんだビアン所長」
「うむ、伊豆基地がメタルビースト・SRXにより甚大な被害を受けて基地機能の大半を失ったそうでな。何人か保護している人材をこちらで預かって欲しいそうだ。しかしクロガネで迎えに行くわけにもいかん」
「それで私ということか」
「ああ、ゼンガー達はテスラ研奪還作戦の為に動いているし、バン大佐達はネオゲッターの熟練運転中だ。トロイエ隊とLB隊だけを単独で動かすにも不安がある」
百鬼獣や、連邦軍に見つかる可能性があるので自由に動けるとは言え、LB隊やトロイエ隊だけを動かすのは不安があると言うビアンの不安も納得だ。
「後ゲッターD2の炉心のエネルギーが枯渇したそうなので、小型のゲッター炉心を運んで欲しいと言うのもある」
メタルビースト・SRXと戦ったのならばゲッターD2が主戦力になっている筈。そうなればゲッター線が枯渇したのも当然だとカーウァイは頷いた。
「判った、移動はどうなる?」
「高速艇キラーホエールを用意する。それと念の為にゲシュペンスト・タイプSの他にヴァルキリオンとジーク・ガーリオンを2機ずつ搭載する。かなり難しいと思うが頼むぞカーウァイ大佐」
「ああ。任せてくれ、準備が出来次第出発する」
武蔵を助ける為、そして百鬼帝国を知る生き証人を保護する為にカーウァイ達はクロガネを後にしたのだが、伊豆基地に辿り着いた時……そこに武蔵とゲッターD2の姿は存在していないのだった……。
第142話 壊れた人形、壊れる事を望んだ人形 その1へ続く
今回はシナリオエンドデモ+次の話のフラグと伏線の準備の話でした。次回は壊れた人形、壊れる事を望んだ人形とラミアの自爆のくだりに入って行こうと思います。ここもかなりアレンジする事になりますが、飽きさせないように頑張りたいと思います。それでは次回の更新もどうかよろしくお願いします。
視点が変わる時にそのキャラの視点と言う事を表記するべきか
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サイドまたは視点は必要
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今のままで良い