進化の光 フラスコの世界へ   作:混沌の魔法使い

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第194話 2つの再会 その1

第194話 2つの再会 その1

 

サイバスターとヴァルシオーネ、そしてフェアリオンに周囲を守られ、アステリオンとベルガリオンに牽引されボロボロの状態で帰ってきたR-1、ビルトビルガー、そしてラピエサージュ、ビルトファルケンの姿を見て、前にアラド達から話を聞いていたイルム達は朱王鬼の術を破る事に成功したのだと判断し、その顔を輝かせたがリュウセイ達からの報告を聞いてその顔を強張らせた。

 

「また化けもんが出ただと!? んで武蔵達が足止めしてるだって!?」

 

「あ、ああ……ゲッターロボGに似てた。でも全然違う別物で……倒したと思ったらメタルビーストに変異したんだ。あれはやべえ……並の機体じゃ戦えないッ!」

 

メタルビースト・ベルゲルミルの話を聞いて予備機の元へ走り出そうとしたカチーナ達だったが、リュウセイの大声に足を止めた。

 

「私が行こう、アウセンザイターはゲッター炉心で動いている。メタルビースト相手ならアウセンザイターが最善だ」

 

『駄目だ、全員待機。これは変わらない』

 

「し、しかし、ビアン総帥。ここで武蔵君達を失うわけにはッ!」

 

アウセンザイターの調整の為にハガネに来ていたレーツェルがアウセンザイターに足を向けるが、話を聞いていたビアンが駄目だと止め、レーツェルが武蔵やカーウァイ、ゼンガーを失うわけには行かないと声を荒げる。

 

『話は最後まで聞くんだ。識別反応あり、こっちに戻って来ている、戦いが終わったと考えるべきだろう』

 

『エクセレン少尉はどうなりましたか? そちらの報告をお願いします』

 

戻って来ていると聞いて格納庫にいた面子は安堵の表情を浮かべたが、レフィーナのエクセレンについて報告を求められたラトゥーニの暗い顔に最悪の予想が脳裏を過ぎり、続く報告にその顔を歪める事になる。

 

「……エクセレン少尉はアインスト・アルフィミィに拉致されました。私達が追いついた時には、手足を破壊され胴体部のみのヴァイスリッター改を抱えたペルゼイン・リヒカイトが転移する瞬間でした……」

 

「エクセレン少尉が連れ去られたのか!?」

 

「……くそッ間に合わなかったのかよ」

 

「キョウスケ中尉になんと言えば……私の責任だ、私が1番近くにいたのに止められなかった」

 

エクセレンを探しに出ていたラミアが唇を噛み締めて拳を強く握り締める。アインストに連れ去られた……それが何を意味するかを1番理解しているからこそ、ラミアの表情は悲しみと絶望に歪んでいた。今からでも間に合うかもしれないと出撃しようと動く者がいる中で手を叩く音が響き、振り返るとテツヤが険しい表情で格納庫の入り口に立っていた。

 

「報告は纏めて武蔵達が帰還した後に聞く、今は負傷者の治療を最優先だ。リュウセイ達も念の為に検査を行なって貰う」

 

ストレッチャーと救護部隊が格納庫に入ってきてリュウセイ達をストレッチャーに乗せて格納庫を次々に出て行く中で、ラーダの悲鳴が響いた。

 

「クエルボ、クエルボッ!!」

 

「あ……ああ……ラーダか……元気そうだね」

 

「貴方どうしてッ!?」

 

「……ちょっと年甲斐も無く……無茶をした……」

 

「クエルボッ!? クエルボッ!!!」

 

「ラーダ女史、落ち着いてください! 命に別状はありません、軽度の貧血と疲労です。落ち着いて、落ち着いてくださいッ」

 

救護部隊に声を掛けられ一時は落ち着いた様子だが、その顔色は悪く強い焦りがラーダからは感じられた。

 

「同行してくれても構いませんよ」

 

「あ、ええ……ありがとう」

 

意識を失ったクエルボを乗せたストレッチャーの横にピッタリと寄り添って格納庫を出て行くラーダ。

 

「クエルボ……クエルボ・セロ博士?」

 

「知ってるのか? アヤ」

 

「え、ええ。確か特脳研の研究者の1人だったはず……私は詳しくは知らないんだけど……お父様の部下の1人だった筈よ」

 

「また特脳研関連か……あいつらの事もあるし、どうして研究者ってのはこうも胸糞悪いのかねぇ」

 

疲労、そして戦闘のダメージで意識を失っているアラドを乗せたストレッチャーを先頭に、更に2つのストレッチャーが格納庫を出て行く。乗せていた2人の少女の特徴はアラドとラトゥーニの言っていたゼオラとオウカその物であり、アラドが宿願を達成したのだろう。

 

「ラトゥーニとシャイン王女も救護室へ」

 

「は、はい。分かりました、行きましょう、シャイン王女」

 

「え、ええ……武蔵様を待っていたいですが……そうも言ってられないですしね」

 

救護部隊に先導されシャインとラトゥーニも格納庫を後にする。

 

「しかし不味いな、エクセレンはアインストに拉致、それに加えて量産型ゲッターロボG……戦況は悪化する一方だな」

 

「泣き言は言いたくねぇが……流石にこいつああたしでもどうすれば良いかなんてわからねえぞ。ぶっ潰すにしてもどちらか一方を潰せば後から撃たれちまう、どうやっても対処する方法が思いつかねぇ」

 

便宜上味方だが、その実敵同士であり、虎視眈々と隙を窺っているような関係だ。下手に攻め込めば背後から撃たれるこの状況には流石のカチーナも弱音を口にする。

 

「グランゾンだと!? なんでシュウの野郎が武蔵達と一緒なんだ!」

 

マサキの怒声にイルム達が顔を上げ格納庫のモニターに視線を向ける。そこにはゲッタートロンベとゲシュペンスト・タイプS、ダイゼンガーに加え無数の輸送機を伴ったグランゾンの姿があるのだった……。

 

 

 

 

グランゾンに因縁を抱いている者は数多くいる。普通に着艦すれば間違いなく一騒動になるのはシュウも理解していた。

 

「帰還している最中にシュウさんに会いまして、レイカーさん達から補給物資を預かってるって聞いたんで同行して貰いましたけど、大丈夫でした?」

 

だから武蔵と共に着艦したのだ。武蔵の人の良さ、そして武蔵本人が気にしていないとは言え引け目がある者が多いので、武蔵とシュウが並んでいたら怒鳴りつける訳にも行かず……思う事はある物の黙り込むしか無く、武蔵の隣でにやりと笑っているシュウにグッと拳を握り締めるのがやっとだった。

 

「それでこうして態々やって来たということは何かほかに話があるのだろう? シュウよ」

 

「ええ、流石ビアン博士話が早い。……単刀直入に言いましょう、アースクレイドルに攻め込むのは今は止めた方がいい、返り討ちにあいますよ」

 

アースクレイドルに攻め込むなとシュウの警告にビアンは眉を顰めた。その視線の先には武蔵達が対峙したメタルビースト・ベルゲルミルの姿がある。

 

「これが理由かね?」

 

「それもありますが、地球・宇宙の両方にアインストが散発的に出現する今は地球も宇宙も混乱状態ですが、その混乱に乗じてイスルギ重工やブライ議員と親交の深い企業が一斉に動いています」

 

元々限りなく黒の企業が動いていると聞いても驚きは無いが、今まで目撃情報が殆ど無かったアインストが地球と宇宙の両方に出現しているという事態はまずいものだった。

 

「アインストが人間に寄生すると言う話は聞いていますが、民間人への被害は?」

 

「それが殆ど無いそうです。PT等に攻撃を仕掛け、一定時間暴れると溶けるように消滅する。恐らく偵察と言う所でしょうね、アインストも脅威ではありますが、現状は連邦軍で対応出来ているので問題ないでしょう。問題なのは……アースクレイドルの方です。アースクレイドルに量産型ゲッターロボ、そして数十機の特機を作れるだけの資材が運び込まれています。DC戦争……いえ、アードラーが拠点にしていた事を考えれば自ずと答えは出るでしょう」

 

あえてシュウは口にしなかったが、アースクレイドルの攻略難易度は元々高いと想定していたビアン達でさえも、その想定が余りにも甘いという指摘だった。

 

「その反面ムーンクレイドルはいまならばまだ防衛が甘い、アインストが地球より多く出現しているので、その騒動を利用して電撃戦を仕掛けて奪還する事は可能でしょう。ただし武蔵君を始め旧西暦の方々が同行する必要があるでしょうが……ね」

 

ムーンクレイドル、そしてセレヴィスシテイは鬼に制圧されている。鬼と戦うには新西暦の人間では力不足であり、武蔵、ラドラ、コウキ、そしてイングラムとカーウァイの力が必須となるだろう。

 

「それならば動かせる戦力を全部動かして月を奪還すればいい……そう思っていませんか? リー・リンジュン中佐」

 

「……ああ、その通りだ」

 

「確かにそれがテロリスト相手ならば得策でしょうが……悪い事は言いません。止めておきなさい、貴方達が帰る場所を失う事になりますよ」

 

帰る場所を失うと邪悪な笑みを浮かべて言うシュウに嫌悪感や怒りを抱くレフィーナ達だったが、ここにはシュウにとってもある意味天敵も存在しているのだ。

 

「すいません、オイラ馬鹿なんで普通に説明してくれませんか? なんか頭痛くなっちゃって」

 

「……そうですね、もっと単純に説明するべきでしたね」

 

「いやあ、すいませんね」

 

武蔵はある意味シュウの天敵であり、嫌味も効かないし、それでいてあまり疑う事を知らないので余計に相性が悪い。

 

「これを見ていただければ分かると思います」

 

懐から差し出された数枚の写真、それを受け取った武蔵やカーウァイ達はその顔色を変えた。

 

「メタルビースト・SRX……ッ。いや、だけどちょっと細部が違いませんか?」

 

「ああ。よく似ているが別物だ……なんだこれは」

 

メタルビーストSRXに武蔵とカーウァイは見間違えたが、良く見ると背部にウィングが追加されていたり、頭部の形状も変わっているのに気付いた。

 

「馬鹿な……これは……」

 

「……こんな事までありえるというのですか……」

 

「ここに来るまでの間にケンゾウ博士、ロバート博士にも見てもらいましたが間違いないそうですよ」

 

武蔵とカーウァイには理解出来なかったが、レフィーナやテツヤにとっては信じられない物がこの写真の中のメタルビースト・SRXに酷似した何からしいと武蔵達も理解した。

 

「なんなんです? これ。メタルビースト・SRXが進化したんじゃないんですか?」

 

「違う、これはSRアルタード……ッ、SRXの後継機にして完成した姿だ。何故、何故ここに存在しているッ!」

 

SRX計画を作り上げたイングラムだからこそ、ここにSRアルタードが存在してはいけないと知っている。まだこの時代にアルタードは存在してはならないのだ。

 

「それは私も知りませんが……曰く、アインストと交戦中に奇妙な怪物と共に出現したそうです。連邦軍基地と避難民を虐殺後、いずこかへ消え去ったようですが……放置すれば間違いなくその数を増やすでしょう、ですが月を放置すれば月の住民は皆鬼になるでしょう」

 

「ムーンクレイドルの奪還はそのままに、このメタルビースト・アルタードを破壊しなければならないということか……シュウ、協力してくれるのかね?」

 

「マサキがいないほうに参加させていただけるのならば……協力することも吝かではありませんよ」

 

補給物資、そして機体の修理や改造が出来る博士を連れてきた上でテツヤ達が今1番欲している情報を渡した。それは自分の意見、意志を通す為のシュウの策略であり、これだけの情報を渡され、なおかつグランゾンの転移能力でいつでも地球に戻ってこれるという鬼札を前にすればマサキと別行動をさせろ……という要求を呑む事は簡単だ。

 

「分かった。シュウとグランゾンにはムーンクレイドル奪還に回ってもらう、それで良いかね?」

 

とは言えシュウに思う事がないわけではないテツヤ達ではなく、ビアンが話を取り纏める事になった。まずムーンクレイドルの奪還、そしてこの地球のどこかに存在し、恐らくSRXとリュウセイを狙っているメタルビースト・アルタードの撃破後、戦力を集めアースクレイドルを叩く……それが今のビアン達に出来る最善の作戦なのだった……。

 

 

 

鬼達からの報告書に目を通していたブライはノックの音を聞き、報告書を1度机の上においてどうぞと声を掛けた。入ってきたのはブライの予想通り仏頂面のメキボスだった。

 

「そろそろ来ると思っていたよ、メキボス君。返事は?」

 

「……ネビーイームでシャドウミラーを預かる」

 

どの道メキボスにはブライの要請を聞き入れるか、断って鬼に改造されるか、それとも喰われるかの選択しかないのだ。一番確実に仲間の元へ帰る手段を選ぶのは当然の事であり、メキボスの返事を聞いてブライは満足そうに頷いた。

 

「では約束通り炉心を搭載したゲッターロボGを2機用意しよう」

 

「2機? 俺に見せてくれた写真には9機あったが……ずいぶんとケチだな」

 

メキボスからの軽い嫌味にブライは笑みを浮かべたまま座るようにと手で促す。メキボスが動かないでいるとブライの部屋の警護をしていた鬼が手にしているアサルトマシンガンを業と大きな音を立てて構えなおし、メキボスは舌打ちと共に歩き出しブライの前の椅子に腰掛けた。

 

「勘違いしてほしくないのだが、我々としてもゲッター炉心の複製は決して簡単な物ではない。それに量産型ゲッターロボGは変形機能をオミットしているから量産出来ているのだ。君達に渡すゲッターロボはちゃんとゲッターチェンジも出来る高性能な限りなくオリジナルに近いゲッターロボGだ。それを9機も用意するのは私としても難しいのだよ、変形機能をオミットしたゲッターロボGで良ければドラゴン、ライガー、ポセイドンと1機ずつ用意してもいいが……それならゲッターロボGは1機になるがどうするかね?」

 

「……分かった、2機で良い」

 

1機は本国に送り、1機はネビーイームで保管することを考えれば2機で十分だ。

 

「分かってくれて嬉しいよ、メキボス君。では本日中にシャドウミラーと合流して貰い、ネビーイームに帰還してもらおうか」

 

「今日中に? 随分と急いでいるようだが……何か問題か?」

 

少しでもブライの弱みを握ろうとする姿勢にブライは穏やかに笑う。交渉の場で己の弱みを見せず、常に冷静に振舞う事が交渉の場では重要になる。議員として活動していたブライは以前よりも遥かに狡猾な強かな鬼になっていた。

 

「アインストと呼ばれる謎の生物が最近地球と宇宙に数多く出現していてね、日が経つ事にアインストの出現率は爆発的に増加しているのだよ、君達の安全を考えて早い方が良いと思っているのだが……」

 

「気遣いに感謝するぜ、ブライ大帝」

 

「何、気にすることはないさ。私も君に無理を頼んでいる立場だからね」

 

口では申し訳ないと言っているブライだが、そんな事は微塵も思っていないと言うことはメキボスも分かっている。だが丸腰で無事に帰れるかどうかもブライの気分次第と分かっているので下手に出るしかない。

 

「出発の準備が出来たら声を掛ける。それまでは部屋で休んでいてくれたまえ」

 

「……分かった。それと預かりはするが、うちのボスは気が短い。ネビーイームで保護されるかどうかは俺は保障しない」

 

「勿論分かっているとも、それは私も話をしてあるから心配はないさ。メキボス君は連れて行って紹介してくれれば良い、それに彼らは私が自信を持って紹介する戦力だ。君が考えているようなことにはならないさ」

 

ウェンドロの性格を理解しているブライは自信満々という様子で反論出来ないメキボスは分かったと小さく返事を返し、出発の時まで与えられた部屋で休む為にブライの部屋を後にした。

 

「これで1つの憂いは断ったか、龍王鬼と相性が良いと思っていたが見込み違いだったか」

 

永遠の闘争を望むヴィンデルと龍王鬼は相性が良いと考えていたブライだが、ラングレー基地の件で龍王鬼がヴィンデルを見限ったので、これ以上アースクレイドルにおいておく意味が無い、それならば地球よりも高い技術力を持つウォルガの所で何か新兵器でも開発させた方が利益になる。

 

「……十分にアースクレイドルは百鬼帝国に貢献してくれた。だからもう必要ないな」

 

必要無いと言いつつもブライは内心惜しいと思っていた。だがコーウェンとスティンガーが好き勝手に入り込み、イーグレットもマシンナリーチルドレンにインベーダー細胞を組み込み始め制御が出来なくなってくるとリターンよりもリスクが高まってしまう。マシンセルは惜しいが……十分にデータは取れている。後はそれを元に百鬼獣の生態金属のアップデートをすればマシンセルに拘る必要はないとブライは割り切る。

 

「……アインストが活性化しているのはインベーダーが原因という可能性もあるな……となればハガネが攻め込んできた時に必要以上に配置するのは愚作だな……」

 

アインストとインベーダーの関係性が不明瞭だが、敵対しているという事は間違いない。アースクレイドルにコーウェンとスティンガーがいるという事はアインストの出現率が増すという事を意味している。アインストとインベーダーに有能な部下を奪われるというのはブライとしても避けるべきだが、ラングレー基地で不完全燃焼をしている龍王鬼は間違いなくハガネが攻め込んでくれば戦う事を望む筈だ。

 

「やれやれ。手の掛かることだ」

 

敵がいない最強になるつもりはない、自分を脅かす敵がいてそれを倒す事に意味があると考えるブライには最強の敵、そして最強の部下、そして最強の力が必要なのだ。

 

「まずはオーガの回収それと……龍王鬼だけはアースクレイドルに残すか、後は……この謎の存在についての調査……やれやれ忙しいことだ」

 

忙しいと言いつつも楽しげなブライ。混迷を極める今のフラスコの世界はブライにとって居心地のいい世界であり、この混迷と戦乱に満ちた世界を支配し、そして宇宙にさえも手を伸ばさんとするブライは牙を剥き出しにし、獰猛な笑みを浮かべながら己が望む究極の戦場を作り出す為の策を練り続けるのだった……。

 

 

時空の境目を紫電を撒き散らしながら流離う頭部に角と右腕に巨大な打撃用のアームを持つ緋色の機体――エクサランス・ストライカーフレームと輸送機レイディバードをゲッターエンペラーのブリッジから1人の男が見つめている。

 

「どうしますか? 司令官。このままでは消失してしまいますが」

 

「不進化態の出現による弊害だな、時空の裂け目を開け。あの機体を通常時空へ戻す」

 

「了解です」

 

ゲッターエンペラーから放射されたビームが時空の境目の中に更に虚空を作り出し、漂っているだけのエクサランス・ストライカーフレームがその中へと吸い込まれるようにして消えていく姿を見届けた司令官と呼ばれた男は、その鋭い視線を前方に向ける。

 

「未練がましいぞ、お前達は選ばれなかったのだ。何をしてもお前達が選ばれることはない」

 

ゲッター線を悪用したもの、ゲッターロボで悪事を行った者……ゲッター線を悪用した者達が辿り着くおぞましき進化の形――邪龍がゲッター線の海からその顔を出した。

 

【ははははははははッ!!! はーっはははははははははッ!!!】

 

異形のゲッタードラゴン――ゲッターセイントドラゴンから響く笑い声は司令官と呼ばれた男と同じ声であり、司令官――最もゲッター線に適合した男。流竜馬は忌まわしそうにゲッターセイントドラゴンとその周辺の異形のゲッターロボを睨みつける。

 

「耳障りな笑い声を上げるな、出来損ないが」

 

【はーははははははッ!!!】

 

ゲッターセイントドラゴンの口元にゲッター線が集束され、轟音と共にゲッタービームが放たれる。ゲッターエンペラーがそれに応戦するようにゲッタービームを発射する。

 

ゲッター線は進化を促す、だがその進化は常に正しい物とは限らない。かつて邪悪に進化した真ドラゴンが存在したように……ゲッター線が促す進化は常に正しい物だけではないのだ。ゲッター線を悪用するもの、そしてそれを止める者の戦いは認識出来ない世界で常に行なわれ、そして常に引き分けで終わる。

 

【ははは……はははははは……】

 

「ちっ……忌々しい」

 

この世界のゲッターエンペラーとゲッターセイントドラゴンには核が無い、その核が無い以上その存在はあやふやでありその戦いは決して決着がつくことはない、巴武蔵――ゲッター線の進化の根底にあるべき進化の使徒が存在しないが故に、この世界のゲッター線の辿り着く終着点はいまだ定まっておらず、ゲッターエンペラー、ゲッターセイントドラゴンが共に己の存在を確立させる為に武蔵を求め、そして異なる進化へと辿り着く為に武蔵が共に来る事を拒否している。武蔵、延いてはこの世界のゲッター線の進化の旅路はまだ始まったばかりなのだった……。

 

 

 

 

第195話 2つの再会 その2へ続く

 

 




今回はシナリオデモと今後のフラグですね、次回はギャグを交え機体の強化の話とエクサランスの話に入っていこうと思います。
それでは次回の更新もどうかよろしくお願いします。


最後のズワルトシャインスパークがチャ

暗転して買ったと思ったら

火炎剣とメガキャノン


そういえば未所持だったわ……

視点が変わる時にそのキャラの視点と言う事を表記するべきか

  • サイドまたは視点は必要
  • 今のままで良い
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