進化の光 フラスコの世界へ   作:混沌の魔法使い

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第200話 時の迷い子 その2

 

第200話 時の迷い子 その2

 

ゲッター・トロンベから降りた武蔵は同じくエクサランス・フライヤーフレームから出てきたラウルと再会を喜んでいた。

 

「ラウルッ! 良かった……無事だったんだな。時流エンジンが暴走したとかで消えちまって、心配してたんだぜ」

 

「俺達もあれは想定外だったんだ。それよりもトレントが見えないって事はやっぱりここは……俺達のいた世界じゃないんだな?」

 

ラウル達のいた世界……アクセル達風に言えば「向こう側」の世界の海辺はアインスト・レジセイアへの変異途中の巨大アインスト、邪悪な大木トレントの名を与えられたアインストで埋め尽くされており、別の国に向かうにはトレントを突破しなければならない。だが、突破したら突破したで待っているのはアインストやインベーダーに寄生された空母や潜水艦の群れ、必然的に人類は移動手段を大幅に制限される事になった。

 

「ああ。オイラ達がラウル達のいた世界にくる前にいた世界なんだが……」

 

武蔵はそう言いながら振り返り、その動きにつられてラウルも周囲を見渡す。2人の目の前に広がるのは百鬼獣やメカザウルスの残骸、そしてシャドウミラーが運用していた量産型Rシリーズの残骸の数々だ。

 

「かなり不味い状況みたいだな」

 

「おう、宇宙はインスペクターと鬼のクソ共に抑えられてる上にアインストとインベーダーまで出没しやがる。なら地上って言えば、最近はメタルビースト・SRXの進化態が目撃されるわ、わけの分からん化け物は出るわで地獄絵図だ」

 

 

武蔵からの簡単な事情の説明にラウルが絶句する。あちら側と状況は似ているが、武蔵達の世界の方が遥かに酷い状況だった。

 

「詳しくはイングラムさんに聞いて欲しいし、そっちの要望もイングラムさんに言って欲しいんだけど良いか?」

 

武蔵は自分に決定権は無く、イングラムと話して欲しいと告げ、R-SWORDから降りてくるイングラムへ視線を向ける。

 

「……分かった。武蔵1つだけ聞いて良いか? フィオナは見てないか?」

 

「……悪い、見てない。ここに来たのも妙な胸騒ぎがしたからで、まさかラウル達に会うなんて思って無かったんだ。悪いな」

 

「いや……俺こそ悪い」

 

もしかしたらフィオナを見てないかと期待し武蔵に問いかけたラウルは、武蔵の返答に表情を曇らせる。

 

「ラウル達が生きてたんだ。フィオナも生きてる! 絶対生きてるさ! 諦めるには早いぜ、ラウルッ!」

 

「武蔵……そ、そうだよな。フィオナも生きてるよな、絶対。ありがとう、武蔵。少し元気が出た」

 

武蔵の不器用な励ましにラウルは笑みを浮かべ、不時着しているレイディバードに視線を向ける。

 

「ラージとミズホも一緒に話を聞きたいんだ。俺達はチームだから、俺1人じゃ決められない」

 

「ああ、それで構わない。だが俺達も時間がさほどあるわけではない、与えられる選択肢はさほど多くないぞ」

 

イングラムの鋭い視線にラウルは小さく息を呑み、分かりましたと強張った声で返事を返し武蔵とイングラムをレイディバードの中へと招き入れるのだった……。

 

 

 

 

短い間だがラウル達はイングラム達と行動を共にしていた。見知った顔であるイングラムと武蔵の姿にミズホは安堵の表情を浮かべ、警戒心の強いラージもほんの少しだけ肩の重荷が下りたような表情を浮かべる。

 

「悪いが安堵している時間はない、そして長く話をしている時間もない。お前達に与えられる選択肢は2つ、俺と武蔵と同行するか……この世界の全てから追われ続けるかだ」

 

「ちょ、ちょい。イングラムさん、もうちょっと言い方ってありませんか!?」

 

あんまりなイングラムの言葉にラウル達が絶句するのを見て武蔵が慌てた様子で口を開くが、イングラムはそれを手で制する。

 

「少し黙っていろ、ラウル達も馬鹿じゃない、あの地獄で生き抜いていたんだ。歯に衣を着せるよりもストレートに言われた方が良い、違うか?」

 

イングラムの問いかけにラウル達は頷く。人の命が簡単に吹き飛ぶ、インベーダーとアインストが闊歩する地獄となった地球でラウル達は生きていた――裏切りは当たり前、所属していた軍でさえ信用出来ず。同じ生き残りの人間同士であったとしても騙し、ほんの僅かでも生き延びようとする。裏切り、騙しあいが当たり前の中でラウル達は誰が敵で、誰が味方かを見抜く眼力は十分に磨かれている。そんなラウル達から見てもイングラムと武蔵は十分に信用出来る人物であり、実質選択肢が1つしかないとは言え……自分達に選ぶ権利を与えようとしたイングラムの不器用な優しさはラウル達にも十分に伝わっていた。

 

「良し、では現状を説明する。ただこの世界は現状あちら側よりも遥かに不味い状況になっているという事を覚悟してもらいたい」

 

ラージ達が頷いたのを見てイングラムはこちら側の世界――即ちフラスコの世界の現状の説明を始めた。

 

アインスト・インベーダーに加えて、本来の目的を成し遂げる為に敵に回ったヴィンデル率いるシャドウミラー隊、それらに加えてラウル達の世界の崩壊の始まりだったインスペクターの襲来、かつて旧西暦に存在した地球を支配しようとしていた百鬼帝国の復活、そしてそんな百鬼帝国に利用されている軍上層部と政治家、ラウル達に襲い掛かってきていた謎の勢力、地球の守人を名乗る謎の組織バラル……そして人造メタルビーストを運用しているであろうアースクレイドル勢力……。

 

「見事に敵ばかりですね……言葉がありませんよ」

 

「だろうな、俺が同じ立場でもきっとそう思うだろう」

 

宇宙を押さえられ、本来味方である筈の軍や政治家の中にも鬼がまぎれ、信用出来る者は極僅か、補給すらままならない――余りにも絶望的な状況に陥っているイングラム達にミズホは言葉すら出ないようで蒼白い顔で絶句していた。

 

「イングラム少佐、あんた達に同行したとして……俺達はどうなる?」

 

「そうだな……現状を言えば保護と言う形にはなる。ラウル達はインベーダーとアインストとの戦いには慣れているが、現在の敵はお前達が知る敵よりも遥かに厄介だ。前線に配置するという事はないということは言える」

 

前線に配置する事はないと聞いてラウルとミズホに僅かに安堵の表情が戻るが、逆にラージの顔は険しい物となった。

 

「貴方達の目的は時流エンジンですか?」

 

時の流れをエネルギーに変換し、理論上は無限動力である時流エンジンが欲しいのかとラージが問いかける。タイムマシンと言うありえない物を作ろうとした自分達の父を否定し、安定したエネルギー供給システムとして設計したラージにとって、自身が巻き込まれた空間転移は認めたくない悪夢のような光景だった。そしてその力を欲して接触して来たレモン達――時流エンジンはラージ達にとっての生命線であると同時にラージ達を危機に晒す爆弾とも言える。

 

「そうだな、必要と言われれば時流エンジンは必要だろう。インベーダーやアインストだけではなく、百鬼獣にも有効打を与えられる。それらの敵にして効果的な攻撃手段が限られている以上時流エンジンの力は非常に魅力的だ」

 

「……だとしたら僕達は「だが現状は必ず必要と言う訳ではない、時流エンジンは完成には程遠い未完成品だ。我々は現在マグマ原子炉、ゲッター炉心と言った旧西暦の遺産を実用段階にする為に研究を重ねている――不安定な動力に固執する必要はない」

 

面と向かって不安定な動力は必要ないと言われ、ラウル達は何とも言えない表情を浮かべるが、安定して動力を確保出来ない以上時流エンジンは百鬼獣などに有効打を与えられたとしてもそこまでの価値はないのは紛れもない事実なのだ。

 

「……面と向かって言われると中々きつい物がありますね」

 

「だがそれが現状だろう? 俺達と共に来ればビアン博士に助言を得ることも出来るだろうし、外のゲッターザウルスのパイロットも非常に優秀なエンジニアでもある。時流エンジンを完成させるのも夢ではないだろう。お前達を利用することになるが、お前達にも恩恵はある。インベーダーや鬼に囚われ人間として死に、心からあいつらに協力する訳でなく、俺達を利用しながら時流エンジンを完成させる事も出来るだろう。だが俺達に必要なのはタイムマシンではなく、地球を人類を脅かす存在を退ける為の力だ。時流エンジンを悪用する事はないと約束しよう。武蔵、行くぞ」

 

「え? えっと?」

 

「俺達がいては出来る話もないだろう? お前達は3人で話し合って決めてくれ、俺達は1度ハガネに連絡を取り、帰還予定時間を伝えることにする。捜索隊でも出されては一網打尽になりかねないからな」

 

一方的に情報を与え、自分達で考えろと告げて突き放す。自分達が置かれている現状を理解させる。保護を受ける為の物もある。だがそれを決めるのは自分達であるという事を強く認識させ、ここも安全ではない事を教え冷静な思考を奪う。決して褒められた思考誘導では無いが、敵にラウル達が捕えられた場合途方もない脅威が生まれかねない。だが無理に連れて行けば反発される可能性がある――イングラムとしては自発的にラウル達に同行すると言う言葉を言わせようとしているのだった……。

 

 

 

 

 

イングラムと武蔵と同行するか話し合って決めてくれと言われたラウル・ミズホ・ラージの3人だが、実質選択肢は1つしかないのだが……。

 

「どうして反対するんですか、ラージさん」

 

「そうだぞ。ラージ、武蔵達に同行する方が安全じゃないか」

 

ミズホとラウルの2人は武蔵とイングラムに同行することを決めていたのだがラージは難色を示していた。

 

「どこまでイングラム少佐達の話が本当か分かりませんからね。決断は慎重にするべきです」

 

「でもイングラム少佐達も時間がないって言ってたんですよ? ゆっくり考えている時間はないと思います。ハガネに保護してもらう方が確実だと思います。補給も修理も目処が立ってないんです、このままだと私達は確実に死にます」

 

 

百鬼獣、そしてメカザウルスと言う脅威を見ていただけに武蔵達に同行し保護して貰う方が安全であり、補給も修理の目処もない今どう考えても武蔵達に同行する以外助かる道はないとミズホはラージを説得するように言って、それに続けてラウルも口を開いた。

 

「ああ。それにこの世界も俺達の世界のような地獄にする訳にはいかないじゃないか」

 

アインストとインベーダーの出現が始まったばかり、自分達の生まれ育った地球ではないとしても、いや、自分達が育った地球はもう取り返しの付かないレベルで滅んでしまっているがこの地球はそうではない。あの地獄を見てきた者として、この地球をそうしたくないとラウルは訴える。

 

「……ラウル。この地球は僕達の地球よりも遥かに危険な状況なんです。その中で戦う事がどれだけ危険か分かっているんですか?」

 

「分かってるなんて言えないだろうな。だけどどこにいても危ないのならば……戦うしかないじゃないか」

 

どこもかしこも敵だらけで安全な場所が無いと言うのはラウル達も何度も経験してきた事だ。自分の身を守る為には、理不尽な暴力に抗う為には戦うしかないという事はラージも分かっている。

 

「……分かってはいるんですよ。武蔵達と同行する事が1番安全だと」

 

「じゃあなんで反対するんですか、ラージさん」

 

「勘違いしないでください、ミズホ。僕は決して反対しているわけじゃない、ただいくつか条件を提示し、それを飲んでもらう必要があると考えているだけです」

 

助かる為には武蔵とイングラムに同行し、保護して貰うしかないと言うのは分かっている。

 

「条件って……そんな事を言える立場じゃないだろ?」

 

「だとしてもです。まずはこの世界はどんな歴史を歩んだのか、それを提示してもらう必要があります。イングラム少佐はビアン博士と言いました、この世界ではビアン博士はDC戦争を起こしていないのか、それとも起こした上でなんらかの取引をして自分の安全を確保しているのか……僕達が知ってるくらい有名な連邦軍の兵士はどうなっているのか……知らなければならない事は山ほどあります」

 

「それは確かにそうですが……それを知る事ができれば良いんですか?」

 

「いえ、それは1番初歩的な部分です。ゲッター炉心だけではなく、マグマ原子炉……この世界特有の動力の情報提供や、僕達はこの世界に戸籍がないので戸籍を始めとした生活するために必要な身分証明書――医療を受ける為に保険証や、ああ、そうそうこの世界に僕達が存在していないのかも知りたいですし」

 

「ストップ! ストップラージッ! もう良い、もう分かった」

 

「そうですか? まだ全然初歩の部分ですが?」

 

自分達が考えている以上に――いやラージくらい考える必要があったのだと分かったラウルだが、全てを聞いている時間はないとラージの話を止めて紙とペンを手に取った。

 

「とりあえずイングラム少佐に俺達が要求する物を書いて、反応を見てみよう。いつまでもここに着陸しているわけには行かないんだし」

 

今もヴァイサーガとゲッターザウルスに守られているのを見れば、ここが危険区域でありイングラムの言う時間がないという言葉にも説得力があり、ラージもその通りだと頷き、イングラムへと渡すラウル達の要望を手早く紙にメモする。

 

「じゃあ私はイングラム少佐を呼んできますね」

 

「ああ。その方がいいと思う、嫌な感じだ」

 

「ですね、少々回り道をしすぎたかもしれません……」

 

アインストとインベーダーが闊歩する地獄で磨かれた危機察知能力が自分達に迫る何かを感じていた。

 

「これがお前達の要望だな。可能な限り飲ませて貰うが……時流エンジンに関しては一部の指揮官には伝えさせて貰うぞ」

 

「……分かりました。流石に全部の要望を飲んで貰えるとは思ってないですから」

 

「悪いな、だが保険証やお前達の身の安全は約束しよう。それとお前達の素性を隠す必要はない」

 

「それは何故ですか?」

 

「旧西暦から来た奴に異世界を流離っている奴に死んだはずの死者がいるんだ。平行世界の人間だからとお前達を拒む者はいないと言うことだ」

 

「あ、オイラとか、コウキとかラドラですね」

 

「そういう事だ。素性を隠すよりも明らかにした方がお前達にとっては良い方向に行くだろう」

 

不安はあったが、隠す方が不味い事になると強い口調で言うイングラムにラウル達は分かりましたと返事を返す。

 

「確保したいくつかの動力を搭載次第出発したいのだが良いな?」

 

武蔵やイングラムの鋭い視線を見て、2人も自分達も感じている何かを感じているのだと理解したラウル達はイングラムの言葉に頷き、確保したマグマ原子炉や量産型Rシリーズをレイディバードへと搭載し、追っ手が現れる前にその場を後にするのだった……。

 

 

 

 

宇宙でも地球でもない、人間が観測する事が出来ない亜空間――ありとあらゆる法則が通用しない異空間で手足にアインストが融合し始め、頭部とコックピットブロックしか残されていないヴァイスリッターの前に浮かぶペルゼイン・リヒカイトの胸部のコアから、アルフィミィが姿を現す。

 

「……多分聞こえていないと思いますが、ここにいれば安全ですのよ。エクセレン」

 

アルフィミィは返事を求めているわけではない、ただここへエクセレンを連れてきた者としてアルフィミィなりにエクセレンを守ると言う意志があるという事を呟いただけだ。

 

『安全……って言うなら……なんで……閉じ込める……真似するの?』

 

「……驚きましたの、まだ意識があったんですのね」

 

ノイズ交じりだがエクセレンから返事があったことにアルフィミィは目を丸くして驚いた様子を見せる。

 

『……結局……何が……したいの? 死んでも……生き返るって言ってたのに……殺して……ないし……』

 

アルフィミィは終始死んでも生き返るから大丈夫だと言って、キョウスケとエクセレンをアルフィミィは何度も殺害しようとした。それなのに拉致したくせに殺さない、アルフィミィが何をしたいのか判らないエクセレンは全身に走る痛みに顔を歪めながら問いかける。

 

「……私はキョウスケにもエクセレンにも死んで欲しくないんですの」

 

『……言ってる……事……矛盾……してない?』

 

「……状況が変わりましたの、このままではキョウスケもエクセレンも死んだらそれで終わりですの……そうしたらもう、キョウスケとエクセレンは生き返れないんですの……」

 

アルフィミィがエクセレンを拉致してきたこの空間は通常のアインスト空間ではない、ゲッター炉心を取り込み進化したペルゼイン・リヒカイトが作り出した空間であり、ノイ・レジセイアもアインスト・ヴォルフも干渉出来ない断絶した世界だ。

 

「……今は眠りますの、後で……教えてあげますのよ。その後は2人でキョウスケを迎えに行きますのよ」

 

ヴァイスリッターと融合し、より強く、より頑丈に、そしてアインストと同列の存在へと作り変えていたペルゼイン・リヒカイトのアインスト細胞が脈動しコックピットまで一気にその浸食範囲を広げ、アインストの細胞がコックピットに入ってくるのを見て引き攣った悲鳴をエクセレンは上げ、アインストに寄生される前に舌を噛み切ろうとするが、エクセレンの決死の行動はアルフィミィからの精神波による干渉によって止められた。

 

「……大丈夫ですの、これはエクセレンが死なないようにする為のものですの……怖くありませんから受け入れますの」

 

足先から太腿、腰、胸とゆっくりと自分を飲み込んでいくアインストの細胞から逃れる術はエクセレンには無かった。

 

『キョウ……ス……ケ』

 

「……はい、2人で迎えに行って、3人で永遠を過ごしますのよ」

 

どこまでも悪意の無い、純粋で透き通った悪意の塊であるアルフィミィに自分が間違った事をしているという自覚は無く、これがエクセレンとキョウスケを死なせない為のたった1つの方法であると信じ実行していた。その純粋ゆえに禍々しい善意を感じながらエクセレンの全身はアインストの細胞に飲み込まれるのだった……。

 

「キョウスケ中尉。今なんと言いましたか?」

 

「全部搭載してください。ラドム博士とラルトスが作ったすべての機構をアルトへ」

 

「ワォ、やっぱりラルちゃんの聞き違いじゃ無かっタ! キョウスケ中尉も狂ってるネッ!!!」

 

アルトアイゼンの後継機へ搭載する新機構は1つでも常人では耐え切れない物だ。だがキョウスケはそれを全て搭載してくれと告げ、その余りにも狂った発言にラルトスは腹を抱えてケラケラと楽しそうに笑う。

 

「正気ですか? 出撃する度に命を削るような物ですよ? 万全であったとしても2つ、今のキョウスケ中尉では1つでも耐えれるとは思いません」

 

マリオンの計算では、万全のキョウスケならば2つまでならば新機構は使いこなせる筈だった。だがラングレー基地でアクセルとソウルゲインに与えられた傷は深く、通常のアルトアイゼンですら傷口を開き、キョウスケを死なせかねない状況だとマリオンは説明する。

 

「構いません。己の命を気にしていては取り返せる者も取り返せない、命を賭けてやっと手が届くのです。奪われた者に……」

 

アルフィミィに連れ去られたエクセレンを取り返すには、命を削らなければ届かないと言うキョウスケの言葉に、マリオンは深い溜め息を吐いた。

 

「何を言っても無駄ですのね?」

 

「ええ、俺はもう覚悟を決めてる。己の命を惜しんでいては届かない境地がある」

 

地球を守る為、キョウスケ達を守る為にセプタギンに特攻したイングラムと武蔵。もう足手纏いにならないように己を鍛え上げて来たつもりだったが……ラングレーの戦いでキョウスケは痛感したのだ。己の無力さを……そしてそれはエクセレンを奪われた事でより強い物になった。

 

「分かりました。貴方の要望通りにします。乗りこなせない等と言う言葉は聞きませんわよ」

 

「元よりそんなことを言うつもりはありません」

 

キョウスケの強い意志が込められた目を見てマリオンはラルトスへと指示を飛ばす。

 

「全部積み込みますわよ、ゲッター合金を使った装備から、百鬼獣を解析して作り上げた新機構、片っ端から全部MKーⅣに搭載しますわッ!!」

 

「OKネッ!! ヒャッホーッ!! 楽しくなってきたヨーッ!!! 全員集ゴーッ!!」

 

興奮した面持ちで全員集合と叫んで駆けて行くラルトスの姿にキョウスケは一瞬早まったか? と思ったが1度口にした言葉を無かったことに出来るわけも無く、またここで怯んでいては控えている戦いに勝つことは出来ず、エクセレンを取り返す事も出来ない。ここで立ち止まっている時間はキョウスケには……いや、ハガネ、シロガネ、ヒリュウ改、クロガネには無く、前に進む道しか残されていないのだった……。

 

 

 

第201話 時の迷い子 その3へ続く

 

 




ちょっと強引だったかもしれないですが、ラウル達も仲間入りです。次回からはオリ機体や機体改造の話をメインにして行こうと思います。少し短くなるかもしれませんが、頑張っていこうと思います、それでは次回の更新もどうかよろしくお願いします。


デルフィングが今回のSSRでHP5万越えのカウンター持ちになると聞いてガチャをしてきました

結果は

デビルフラッシュ
ワールウィンド
ジーグブリーカー【新】

でした

まずまずだけど違うそうじゃないでした……。

視点が変わる時にそのキャラの視点と言う事を表記するべきか

  • サイドまたは視点は必要
  • 今のままで良い
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