進化の光 フラスコの世界へ   作:混沌の魔法使い

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第217話 堕ちた戦神 その2

第217話 堕ちた戦神 その2

 

無数のメタルビースト・Rシリーズの中心に立つSRXに似たシルエットをした特機……メタルビースト・アルタードの異様な姿に、クロガネから出撃したリュウセイ達は大きな衝撃を受けていた。

 

「あれが……アルタード……ッ! SRXの完成形ッ」

 

全体的なシルエットはSRXと同じだが、試作機であるSRXよりも各部が大型化し、より戦闘に適した姿となっているメタルビースト・アルタード………その特徴的なフェイスパーツに血走った無数の複眼が浮かび上がり、SRXを睨みつける。

 

「うっ……」

 

『くう……これはかなりきついわね』

 

『こ、怖い……なんて怖いんだ』

 

インベーダーからの強烈な敵意と殺意を思念波として受けたリュウセイ・アヤ・マイの3人は、メタルビースト・アルタードが抱いている強烈な怒りに完全に気圧されていた。

 

『リュウセイ、マイ、大尉。気を確かに持ってください、我々が躊躇えば仲間を危険に晒すのです。しっかりしてください』

 

R-2のコックピットのライからの強い叱責に声にリュウセイは大きく深呼吸を繰り返し呼吸を整え、メタルビースト・アルタードをその双眼でしっかりを見据えた。

 

「すまねえ、ライ。もう大丈夫だ」

 

『それなら良いが……油断するなよ、相手は何してくるか分からないからな』

 

メタルビースト・アルタードは唸り声1つ上げずSRXを睨みつけてくる。それは今までのメタルビーストとは余りにも違う動きであり、メタルビースト・アルタードはほかの個体よりも明確な知性を持っているという証だった。

 

『リュウ。念動力の中和は私とマイでなんとかするわ。だけど今のままじゃ距離があり過ぎる』

 

『もっと近くに近づいてくれれば何とかメタルビースト・アルタードの念動力も中和できるかもしれない……けど』

 

「大丈夫だ、分かってる。アヤとマイは中和に専念してくれ、あいつは俺とライでなんとか食い止めるッ!」

 

マイの言葉を遮ってリュウセイが自分とライに任せろと声を上げる。即席の改造で4人乗りになり機体性能を大幅に安定させたSRXだが、メタルビースト・アルタードの念動力フィールドを中和するためアヤとマイの2人の念動力のサポートは期待出来ない、リュウセイ1人でSRXの念動フィールドを維持する必要がある。

 

『リュウセイ、飛ばしすぎるなよ。今はまだ大尉とマイがサポートしてくれているが、もっと近づけば2人のサポートは期待出来なくなる』

 

「分かってる、行くぜ皆ッ!!」

 

【グルルウ、グガアアアッ!!!!】

 

リュウセイの闘志に反応したのか雄叫びと共にガウンジェノサイダーを放つメタルビースト・アルタードに、SRXと負けじとガウンジェノサイダーを放った……が。

 

「くっ! くそッ! やっぱり力負けするかッ!!」

 

『リュウセイ! 真っ向勝負を挑むなッ! 継戦能力はアルタードの方が上だッ! 防ぎながら前に出ろッ!! 我々の最初の任務はほかの機体が出撃するまでの時間稼ぎだッ! それを忘れるなよ!!』

 

「それは分かってるけどよッ!! くそッ!! 思ったよりもあいつの攻撃力が高いんだよッ!!」

 

対メタルビースト・アルタードの作戦は4つのフェーズによって構成されている。メタルビースト・アルタードと対峙する上で1番恐ろしいのはメタルビースト・R-SWORD、R-GUNとの合体攻撃だ。出撃前にそれを使われてしまえば、成す術も無くクロガネは轟沈し、友軍は全滅する。仮にR-SWORDとR-GUNが使われないとしても、メタルビースト・アルタードには広域に渡る武装が幾つも搭載されていた。

 

『リュウッ! 敵意が増大ッ! 来るわよッ!!!』

 

【グ、グガアアアアアッ!!!】

 

頭部から放たれるガウンジェノサイダー、両掌から放たれるハイパームデトネイター、そしてテレキネシスミサイルの一斉射撃がSRXと、その後のクロガネに向かって放たれる。

 

「やらせるかよッ!! ライッ! アヤッ!!!」

 

『分かっている!』

 

『リュウ! 相殺出来るのは2回までよッ! 忘れないでッ!!!』

 

「おうッ!! 超必殺ッ!! 天上天下超爆散轟撃破ッ!!!」

 

鏡合わせのように放たれたガウンジェノサイダー、ハイフィンガーランチャー、テレキネシスミサイルの一斉射撃がメタルビースト・アルタードのそれとぶつかり合う。

 

「ぐうっ!! やっぱり即席のコンビネーションじゃ駄目かッ!!」

 

発射が遅れたのもあるが、威力に差がありすぎてメタルビースト・アルタードの攻撃を全て相殺することが出来ず、僅かに軌道を逸らすに留まり、前後左右に着弾するテレキネシスミサイルとハイパームデトネイターの衝撃にSRXの巨体が揺れる。

 

『全てを相殺するのは最初から無理だと分かっているッ! 直撃を逸らせれば良いんだッ!! 無理に全てを迎撃しようとするな! マイと大尉の息切れを早めることになるッ!!』

 

メタルビースト・アルタードの機体データや武装のデータは出撃前のブリーフィングで伝えられていたが、データで見るのと実際に体験するのでは大きな差があった。雨霰のように繰り出されるガウンジェノサイダーやハイパーム・デトネイターの波状攻撃を少しでも相殺しようとSRXは奮闘するが、無尽蔵のエネルギーを持つメタルビースト・アルタードの攻撃を全て相殺するのは不可能であり、少しずつ被弾が多くなってくる。

 

『あっ、ぐうッ!!!』

 

『く、くう……まだ攻撃を続けれるのかッ!?』

 

アヤとマイの2人の苦しそうな声を聞いて、リュウセイの顔にも焦りの色が浮かんでくる。

 

「こうなったら俺がッ!」

 

これ以上アヤとマイに負担をかけられないとリュウセイが念動フィールドを展開しようとした瞬間。爆発音と共にメタルビースト・アルタードの絶叫が周囲に響き渡った。

 

「間に合ったのか……ッ」

 

『ああ。だが作戦の第1段階が終わっただけだ。全ては此処からだ』

 

「ああッ! 分かってるぜ、ライッ!!」

 

SRXが単機で出撃し、メタルビースト・アルタードの注意をひきつけた事で無事にダイゼンガーや龍虎王はクロガネから無傷で出撃出来た。だがそれだけだ……まだなにも始まっていなければ、戦況が変わったわけでもない。SRXとリュウセイ達に大きな負担を掛けて、無事に友軍を出撃させた……ただそれだけの事なのだ。出撃前にクロガネごと撃墜されると言う最悪のシナリオを回避する為だけにSRXはエネルギーを大きく消耗し、アヤとマイに大きな負担を強いた。それだけのリスクを背負ってイングラム達が出来たのは、無事に出撃するだけだったのだ……。

 

【グルル、グガアアアアアアアッ!!!】

 

メタルビースト・アルタードの咆哮が戦場に響き渡り、メタルビースト・Rシリーズのカメラアイに紅い輝きが宿る。

 

『ここからだぞ、リュウセイ。気を緩めるなよ、ここからは1回の被弾も許されないからな』

 

「……ああ。分かってる」

 

ダイゼンガー達が出撃した事で、リュウセイ達の作戦は第2フェーズへと移る……それは圧倒的な火力を持つメタルビースト・アルタードを相手に、念動フィールドを一切展開せずに中和出来る距離までSRXを近づける……SRXの移動速度からすれば、それはたった数十歩の距離だ……。

 

「くそ……とんでもねえ距離に思えるぜ」

 

だがリュウセイには、そのたった数十歩の距離が、果てしなく遠い物に見えているのだった……。

 

 

 

 

メタルビースト・アルタードは異形の姿をしていたメタルビースト・SRXと異なり、原型のアルタードの姿を色濃く残したメタルビーストだった。インベーダーとしての色が強かったメタルビーストSRXは言うならば獣であり、力押しのゴリ押しで敵を倒す事を最優先にしていた。だがメタルビースト・アルタードはダイゼンガー達の姿を確認するや否やメタルビースト・Rシリーズを前面に出し、自分は後退したのだ。

 

「明確な知性があるな……いや、メタルビースト・SRXよりも進化していると言うところか」

 

本能のままに襲ってくるのならば対処法はあった。だが後退するという知性のある行動を見た事で、イングラムの脳裏に作戦を変更する必要性があるのではないかという考えが過ぎった。

 

(SRXによるメタルビースト・アルタードによる念動フィールドの中和が行なわれたとしても、作戦を遂行して良いものか……)

 

念動フィールドを中和しなければメタルビースト・アルタードに有効打を入れることは出来ない……だが仮に念動フィールドを中和し、ダメージを与えた所でインベーダーとしての再生能力がある限り、メタルビースト・アルタードを倒すのは不可能だった。

 

「作戦はこのまま続行する。メタルビースト・アルタードの念動フィールドをSRXが中和しだい、ダイゼンガー、アウセンザイター、龍虎王はメタルビースト・アルタードの動力部を破壊しろ」

 

 

仮に動力部を破壊したとしてもメタルビースト・アルタードの再生能力を完全に奪えるわけではない。だがそれでも、メタルビースト・アルタードの戦闘力を僅かだが削ぐ事は出来る。

 

「メタルビースト・アルタードがこれ以上力をつけて増殖するのはなんとしても避けなければならない。メタルビースト・Rシリーズの破壊も忘れるなッ!」

 

『『『了解ッ!!』』』

 

大本であるメタルビースト・アルタードの破壊もそうだが、インベーダーは進化する。メタルビースト・Rシリーズが更に進化し、メタルビースト・SRXへ進化する可能性は0ではない。メタルビースト・アルタードの撃破、そしてメタルビースト・Rシリーズを全滅させる……その両方を同時に達成しなければならない。

 

【シャアッ!!!】

 

チェーンソーブレードを展開し殴りかかってくるメタルビースト・R-1をいなし、ビームカタールソードで斬りかかるR-SWORD。だがその一撃は、メタルビースト・R-1が展開した念動フィールドに完全に防がれた。

 

「ここまで進化しているか……ッ!」

 

ゲッター線で稼働しているR-SWORDの攻撃を防ぐほどの強度を得ているメタルビースト・R-1の念動フィールドの強度に、イングラムは驚き目を見開いた。

 

『厄介だな、これ以上時間を掛ければ本当にメタルビースト・SRXに進化する個体が出てくるぞ。どうする? イングラム』

 

ゲシュペンスト・タイプSのカーウァイの声にも、強い焦りの色が感じられた。

 

「弱らせた固体を確実に撃破していくしかあるまい、下手に残すと前のように融合態に進化することを促しかねない」

 

『とは言え……それも厳しいぞ、連携能力が大幅に上昇している。弱っている個体を庇う知性まで得ている』

 

旧西暦・平行世界で見てきたメタルビーストとメタルビースト・Rシリーズは異なる進化を遂げていた。

 

【シャアッ!!】

 

「くっ! またッ!! ゼオラッ!」

 

「駄目ッ! 完全に隠れられたッ!!」

 

「くそッ! インベーダーは闘争本能だけじゃないのかよッ!?」

 

撃破される寸前のダメージを負ったメタルビースト・R-1をメタルビースト・R-2パワードが庇い、とどめを刺しきれない間にメタルビースト・R-1はダメージを完全に回復させる。

 

「はぁぁあああッ!! 斬艦刀……稲妻重力落しッ!!!」

 

「トロンベよッ! 今が駆け抜ける時ッ!!!」

 

「移山召喚ッ!! マウンテンプレッシャーッ!!!」

 

メタルビースト・アルタードに当る筈だったダイゼンガー達までもメタルビースト・Rシリーズの戦いに回らなければならないほどに、メタルビースト・Rシリーズは進化を遂げていた……。

 

「くっ……このままでは押し切られる」

 

想定されていた戦力を遥かに上回っているメタルビースト・Rシリーズの想定外の抵抗に、イングラムの立てた作戦は崩れ始めているのだった……。

 

 

 

SRXに先陣を切らせダイゼンガー達を無事に出撃させる第1フェーズ、そしてSRXの念動力でメタルビースト・アルタードの念動力を中和し、ダイゼンガー、アウセンザイター、龍虎王によってメタルビースト・アルタードの動力を破壊する第2フェーズ、そしてゲッターVとグランゾンの重力によってメタルビースト・アルタードの動きを抑制しつつ、メタルビースト・Rシリーズの殲滅を目的とした第3フェーズ、そして全戦力をつぎ込んでのメタルビースト・アルタードの撃破を行なう第4フェーズ……4段階の作戦の第2段階で、リュウセイ達は完全に躓いていた。

 

「不味いぞ、このままでは総崩れになるっ」

 

「想像以上にメタルビースト・Rシリーズが強くなっていましたね……これは想定外です」

 

イングラム達の想定していたメタルビースト・Rシリーズは、先ほど戦った個体よりも更に強い物を想定していた。本隊であるメタルビースト・アルタードの近くのメタルビースト・Rシリーズが通常個体よりも強力な前提で作戦を考えていたが、その想定をメタルビースト・Rシリーズは完全に超えていた。

 

「連携だけではなく、味方を庇う事まで覚えている。そう易々と撃墜できんぞ……ッ」

 

元々連携するだけの知性をメタルビースト・Rシリーズは有していた。それは敵を倒すという面ではインベーダー同士も協力出来るからありえない話ではない、だが弱った固体を守ると言うのはメタルビーストの行動パターンからはありえない事であり、味方を庇うメタルビースト・Rシリーズが作戦を大きく狂わせていた。

 

「くっ、ゲッターロボVが万全ならば……ッ」

 

メタルジェノサイダーの掃射からクロガネを庇った事で動力系を損傷したゲッターVとグランゾンは、フルパワーを発揮する事が出来ない。フェーズ2を成功させる為にゲッターVとグランゾンが出てしまえば、すべてが瓦解しかねない状況だった……。

 

『ぐうっ! くそッ! 後少し、後少しが詰められねぇッ!!』

 

『リュウセイ! 焦るなッ! SRXが合体解除する羽目になれば全てが崩れるッ! 落ち着けッ!!』

 

『くそッ! 分かってるぜライッ!!』

 

強力なメタルビースト・アルタードの念動力を中和するにはもっと距離を詰めなければならない、だがメタルビースト・アルタードの攻撃が激しく、SRXは被弾が重なっている上にまだ予定された位置まで距離を詰める事が出来ないでいる。

 

『ゼンガー、レーツェルッ! それ以上無理をするなッ! 余力を残すんだッ!!』

 

『くっ……ですがッ!』

 

『このままでは総崩れにッ!!』

 

メタルビースト・Rシリーズを止める為に本来温存するべきダイゼンガー達の消耗が激しくなっている。これでは仮にSRXがメタルビースト・アルタードの念動フィールドを中和出来たとしても、詰めをしくじる可能性が出てきた。

 

「シュウ、やはり私が出る。フェーズ3はグランゾンに任せても良いか?」

 

「ビアン博士、焦る気持ちは分かりますが……ククク、私達の出番はまだ先のようですよ」

 

「何? シュウ、それはどういう……」

 

シュウの意図が分からずビアンがどういう意味だと問いかけようとした時、クロガネの格納庫にオープンチャンネルが繋げられた。

 

『連邦軍特殊部隊クライウルブズのアルベロ・エスト少佐だッ! これより貴艦を援護するッ! 司令官は至急応答されたしッ!!』

 

「援軍が来たのか……ッ」

 

援軍……それも連邦軍の特殊部隊であるクライウルブズの参戦はビアンにとっても想定外だったが、すぐに思考を切り替えた。

 

「整備班はゲッター合金製の武器を積んだコンテナを至急射出しろッ! 通常の武器はメタルビーストには効かん! それとブリッジに通信を繋げてくれッ! この好機を逃す訳にはいかんッ!!」

 

クライウルブズの参戦によって戦況は著しく変わろうとしており、その流れを逃す訳には行かないとビアンの怒号が格納庫に響き渡るのだった……。

 

 

 

 

戦闘反応を頼りにこの空域にやってきたアルベロ達クライウルブズだが、部隊の中には混乱が広がっていた。表向きクロガネはDCのフラグシップであり、クロガネを母艦にしている連邦部隊に反逆者、あるいは裏切り者の可能性があるとクライウルブズの隊員は考えたからだ。

 

「隊長。本当によろしいのですか? クロガネとビアン・ゾルダークは2人確認されていますが……」

 

大統領府で確認された2人のビアン。情報統制が掛けられていても人の口に戸は立てられない、特に特殊部隊であるクライウルブズには表向きには隠されている裏の情報にも精通していた。謎の敵勢生物、2人のビアンの情報は入っていたからクロガネとメタルビーストの戦いを見たヒューゴを初めとしたクライウルブズはどうするのかと、再び隊長であるアルベロに指示を仰いだ。

 

『不服があるならばお前も離脱するが良いヒューゴ。俺は強制はしない、俺は俺の目で見た者を信じる。あのクロガネとビアン・ゾルダークは本物だ。クロガネとSRXチームを支援すると言う決定を覆す事はない』

 

だがアルベロの意見は変わらなかった。クロガネとSRXの支援を行う意見を変える事はないと言ったアルベロの言葉に、2体のゲシュペンスト・MK-Ⅲとヒュッケバイン・MK-Ⅲが1機離脱する。

 

『俺は親父の決定を信じる。それにこの状況を見れば、どっちが正しいかなんて一目瞭然だ』

 

メタルビーストの進軍を食い止めようと奮闘しているリュウセイ達を見たフォリアは、アルベロの決断が正しいと信じた。

 

「……いえ、俺も隊長の決断を信じます」

 

『ならば俺に続けッ!』

 

F2Wキャノンを構えて突貫する漆黒のゲシュペンスト・MK-Ⅲに、量産型ヒュッケバイン・MK-Ⅲとゲシュペンスト・MK-Ⅲが続く。

 

【キシャアアアッ!!!】

 

【グガアアアッ!!!】

 

『化物ばっかりだなッ!! ビビるなよ、ヒューゴッ!!』

 

「それはこっちの台詞だッ!!」

 

メタルビースト・Rシリーズの咆哮とプレッシャーにアルベロ達は一歩も引かず、戦闘区域に突入する。

 

『応答せよ、クライウルブズッ! 伊豆基地所属テツヤ・オノデラ大尉だ。今クロガネから特殊武装を搭載したコンテナを射出した! そのコンテナ内の武装に換装し、メタルビースト・Rシリーズの動きを食い止めるのに協力をしてくれっツ!』

 

広域通信と共に射出されたコンテナが地響きと共に落下する。

 

「特殊武装……?」

 

『なんかの試作品か? 親父、どうする?』

 

『その武装に換装する。F2Wキャノンの効果が薄い、通常兵器は効果が薄い可能性がある。チャフを射出後、一時後退。武装を換装するッ!!』

 

「『了解ッ!!』」

 

アルベロの指示に従いフォリオとヒューゴはチャフを射出すると同時に後退し、コンテナを抉じ開ける。

 

『はぁ? 近接ブレードとマシンガン!? こんなの効果あるのかよッ!?』

 

「態々換装しろと言ったんだ、俺は信じるぞ」

 

『どの道通常兵装に効果が期待できないのならば、これに頼るしかあるまいッ!』

 

コンテナ内の武装が自身の装備している武装と大差なく、声を荒げるフォリアにヒューゴとアルベロは射出された武装を信じると近接ブレードを抜き放ち、反転すると同時に突撃してきたメタルビースト・R-1に向かって同時にブレードを振るった。

 

【ギ、ギギャアアッ!?】

 

「これは……見た目通りの実体剣ではないのか?」

 

『どうやら特殊な加工が施された武器のようだな……これならば戦える』

 

ゲッター線コーティングが施されたブレードを振るうゲシュペンスト・MK-Ⅲと量産型ゲシュペンストMK-Ⅲに、クロガネから再び通信が繋げられる。

 

『SRXをメタルビースト・アルタードへ接近させなければならない。少佐とクライウルブズはその支援を頼む』

 

『了解した。メタルビーストについては分からんが、あの化物にSRXを接近させれば良いのだな?』

 

『その通りだ。だがメタルビーストは有機物・無機物に関係なく寄生する。最大限の注意をしてくれ』

 

クロガネのテツヤからの指示に、フォリアとヒューゴは驚きに顔を歪める。

 

「……油断をすれば俺達もあの化物の仲間入りという事か……」

 

『はっ……何を馬鹿な事を言ってるんだって思ったけどよ、これだと本当かも知れねえな。旧西暦を滅ぼした化物が新西暦に現れたっていうのもよ』

 

『無駄話をするな、油断をすれば俺達もあの化物の仲間入りだ。目の前の敵に集中しろッ!』

 

アルベロの叱責にヒューゴ達は了解と返事を返し、メタルビースト・Rシリーズとの戦いに身を投じる。たった3機、しかしその3機の増援によって、メタルビースト・アルタードとの戦いは大きく変わりはじめるのだった……。

 

 

 

ハイパームデトネイターの弾雨にSRXは無理に身を投じた。クライウルブズの参戦によって変わりはじめた戦いの流れ、それが再びメタルビースト・アルタードに奪い返される前にフェーズ2を成功させる為無茶をする必要がある、とリュウセイは判断したのだ。

 

「うおおおおッ!!」

 

究極の集中、そして生命の危機はリュウセイの中に眠るサイコドライバーの力を強く刺激した。そしてそれは、T-LINKシステムの裏モードであるウラヌスシステムをも呼び起こした。

 

【ウラヌスシステム……起動】

 

TーLINKシステムのリミッターが解除され、リュウセイのサイコドライバーとしての強力な念動力に呼応しSRXの隠された能力が解き放たれた。

 

『出力が上がって……リュウセイッ! 突っ込めッ!!!』

 

「おうッ!! 言われなくても突っ込むぜッ!!! うおおおおおッ!!!」

 

【ギシャアアアアアッ!!!】

 

「うおおおおッ!! ガウン……ジェノサイダアアアアアアッ!!!」

 

メタルビースト・アルタードとSRXのガウンジェノサイダーがぶつかり合い、SRXのガウンジェノサイダーがメタルビースト・アルタードのそれを押し切り胸部で炸裂する。

 

【グガアアアアアッ!!!】

 

「今だッ!! ライ! アヤ、マイッ!! 一気に突っ込むぜッ!!!」

 

戦いの中で初めて、メタルビースト・アルタードが大きく仰け反った。これが最初で最後の好機である事を感じ取ったリュウセイはブースターを全開にして、メタルビースト・アルタードへSRXを突貫させる。

 

【キシャアアアアアッ!!!】

 

「ブレードキィィィイックッ!!!」

 

SRXとメタルビースト・アルタードの回し蹴りが、鏡合わせのように同時に放たれる。

 

「うおりゃあああッ!!!」

 

渾身のリュウセイの気合の咆哮と共にSRXの目が輝き、メタルビースト・アルタードの回し蹴りを弾き飛ばし、鋭い回し蹴りがメタルビースト・アルタードを捉える。だが念動フィールドにその威力を大幅に殺され、僅かに斬撃の後を刻みつけるに留まる。

 

「今だッ! あいつの念動フィールドを中和するッ!!」

 

続け様の一撃にメタルビースト・アルタードが仰け反った。今がメタルビースト・アルタードの念動フィールドを中和するチャンスとSRXは両手に念動力の光を宿し、メタルビースト・アルタードへと伸ばした。

 

『リュウッ! 駄目だ。離れろッ!!!』

 

【キシャアアアッ!!!】

 

マイの警告がR-1のコックピットに響いた時にはもう遅かった。メタルビースト・アルタードの胸部が開き、そこから巨大なインベーダーが鋭い牙を剥き出しにして、SRXの上半身を噛み千切ってやるといわんばかりに大口を開いた。

 

「しまッ!?」

 

『そのままで良いわッ! 突っ込みなさいッ! リュウセイッ!!』

 

『そのまま行けッ! インベーダーは俺とヴィレッタが何とかするッ!!』

 

「隊長、教官ッ!? ああ、信じるぜええッ!!!」

 

巨大なインベーダーがSRXを飲み込まんとするが、リュウセイはヴィレッタとイングラムの言葉を信じて再び前に出た。

 

【ゴガアアアアアアッ!!】

 

『アキシオンスマッシャー……デッドエンドシュートッ!!!』

 

『メタルジェノサイダー……デッドエンドシュートッ!!!』

 

メタルジェノサイダーモードに変形したR-GUNとアストラナガンと融合したR-SWORD・シーツリヒターの放った一撃が大口を開けていたインベーダーの口の中で炸裂し、内部からその頭部を弾き飛ばした。

 

「今だッ!!! うおおおおッ!!!」

 

【ギ、ギギャアアアアアアッ!!!】

 

『く、くううううッ!!!』

 

『あ、ああああああ……ッ!!!』

 

リュウセイ、アヤ、マイの3人の苦悶の声とメタルビースト・アルタードの絶叫が周囲に響き渡る。

 

「いっけええええええッ!!!」

 

リュウセイの渾身の叫びと共にSRXの両手から放たれていた念動力の光がその輝きを増し、メタルビースト・アルタードの強固に物質化した念動フィールドを打ち砕いた。待ち続けていた好機をゼンガー達は見逃さず、メタルビースト・Rシリーズの群れを被弾しながら突き抜け、一気にメタルビースト・アルタードとの間合いを詰めた。

 

『龍王破山剣……逆鱗ざぁぁあああああんッ!!!!』

 

『チェストオオオオオッ!!!』

 

『モードF起動……受けろ我が魂の一撃をッ!!』

 

クスハとゼンガーの裂帛の気合と共に振るわれた一閃がメタルビースト・アルタードの動力……いや、R-1とR-3の動力に当る部分をピンポイントで切り裂き、連結したランツェ・カノーネから放たれたゲッタービームが胸部の動力部を続け様に撃ち抜いた。

 

【ゴ、ゴガギャアアアアアアアッ!!!!????】

 

動力部をピンポイントで破壊されメタルビースト・アルタードの胸部で凄まじい大爆発が発生し、メタルビースト・アルタードの姿は地響きと共に爆煙の中へと消える。

 

『やったぜッ! 動力を3つとも潰せば流石の化物も一たまりもねえだろッ!!』

 

『これは流石にトドメを刺せた筈だぜッ!!』

 

ダイゼンガー、龍虎王、アウセンザイターの最強攻撃を念動フィールドなしで、続け様に動力部に直撃を受けたメタルビースト・アルタードを見てアラドとタスクが歓声を上げる。最強攻撃が3つ、続け様に直撃したのだ。確かに誰が見ても勝利を確信するのも分かるが、今回はその確信は誤りであった。

 

『駄目だ、決まりが浅いッ! ギリギリで外されたッ!!』

 

『ごめんなさいッ! トドメをさせてませんッ!!!』

 

ゼンガーの悔しそうな声とクスハの謝罪の言葉の余韻が完全に消え去る前にメタルビースト・アルタードのおぞましい雄叫びが周囲に響き渡り、メタルビースト・Rシリーズが一斉に宙へ舞い上がる。

 

『まさかッ! 止めろッ!! なんとしてもメタルビースト・Rシリーズを破壊しろッ!!』

 

『急いでッ!! ラトゥーニッ! ゼオラッ!! 貴女達の機体の前を通りますッ! 何とかして撃墜してくださいッ!!!』

 

イングラムとシャインの怒号が響き、名指しされたゼオラとラトゥーニは反射的に動く事に成功し、それから僅かに遅れてアラド達も合体態勢に入ったメタルビースト・Rシリーズへ攻撃を命中させる。

 

『くっ……全部は撃墜できなかった……ッ』

 

『しくじった……ッ! こうなる可能性は分かっていたのにッ!!』

 

だが全てを撃墜する事は出来なかった。しかしゼオラ達を責める事は出来ない。ゼオラ達は油断していた訳でもなく、メタルビースト・Rシリーズへの警戒を緩めていたわけでもなかった。損傷が重度の個体がダメージの軽微な個体を庇い、自ら撃墜される事で本命を通したのだ。

 

【ゴガアアアアアアッ!!!】

 

【【キシャアアアッ!!!】】

 

動力部を破壊され大きなダメージを受けたメタルビースト・アルタードは怒りに満ちた咆哮を上げ、それに続くように2機のメタルビースト・SRXも雄叫びを上げる……メタルビースト・アルタード達との戦いの第二幕は、新たなメタルビースト・SRXを2機も加え、より激しくなっていくのだった……。

 

 

 

 

第218話 堕ちた戦神 その3へ続く

 

 




クライウルブズのスポット参戦をしてみました。動きを出したいのと、OG外伝とかの間でもアルベロとかヒューゴを動かしたいと思ったのでここで出して見ました。ワンチャンフォリア生存もありそうですが……ツエントルプロジェクトってどう見ても悪の組織だからどうするかなあっと悩む所でもありますが、まだまだ本格的に動くまでは時間がありますし、もう少ししっかりと考えて見たいと思います。
それでは次回の更新もどうかよろしくお願いします。




尚今回のイベントはこんな感じになっております

3ターン目までにSRXでメタルビースト・アルタードに1万以上のダメージを与える→1万ダメージを与えるとクロガネから味方ユニット出撃

味方ユニット出現から4ターン以内にSRXを指定されたマスまで移動するで分岐

SRXを指定されたマスまで移動成功したがメタルビースト・Rシリーズを撃墜していない メタルビースト・アルタード+メタルビーストSRX×5 難易度デス

SRXを指定されたマスまで移動させ、メタルビースト・RシリーズのHPが一定数減っている。メタルビースト・SRX1~3体出現 難易度ルナティック

SRXを指定されたマスまで移動させ、メタルビースト・Rシリーズが全滅している。メタルビースト・アルタード+メタルビーストR-GUN・メタルビースト・R-SWORD出現 難易度ハード

というクソみたいなMAPになっております。

そしてメタルビースト・Rシリーズは全員HP8万くらいで、全員援護防御(2回)とHP回復小のカチカチ仕様。

メタルビースト・Rシリーズの撃破数で変動する複数体出現するメタルビースト・SRXはHP15万くらいでHP・EN回復小と念動フィールド(強)とクソ仕様です。

ウィンキー仕様のスパロボだったとしてもクソがあって叫びたくなる鬼畜MAPとなっております。




視点が変わる時にそのキャラの視点と言う事を表記するべきか

  • サイドまたは視点は必要
  • 今のままで良い
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