第34話 悪のゲッターロボ出現
連邦軍の警邏を避けながら砂漠の隠し基地に無事戻って来た武蔵はゆっくりとベアー号を降りる。
(やっぱり色々な可能性を考えないとダメだ)
自分が居て、ゲッターが居て、そして恐竜帝国が居た。だが、ビアンの話では、浅間山に崩壊した早乙女研究所らしいものが出現したらしい。
「オイラがいた時から、さらに未来とか……うん、なんかありえそう」
恐竜帝国が滅んだ後……考えたくはないが、新しい脅威……例えば、あの鬼だ。鬼が本格的に日本への侵攻を始め、研究所を廃棄する必要があったとかはどうだろうか? あんまり考えたくない話だが、その可能性は捨て切れない。
「っと」
考え事をしていると、横から何かを投げられた気配を感じて振り返る。胸元に向かって投げられたのはスポーツドリンクのボトルだった。
「えーっと……誰?」
車椅子に乗っている女性が投げたのだと判る。だが勿論顔見知りではないので、武蔵は誰? と首を傾げながら尋ねる。
「ユーリア・ハインケルだ。あの時は助けてくれてありがとう」
「……どの時ですか?」
あの時と言われても思い当たる節は無く、武蔵は続けてそう尋ねる。ユーリアはそうか、そうだったなと笑う。
「メカザウルスと言う化け物が現れた時だ。総帥も出撃してきただろう?」
「あ、あーっ。あの時ですね」
そこまで言われてやっと判った。メカザウルスに噛み砕かれそうになっていた角付きのリオンの姿を思い出したのだ。
「大丈夫ですか?」
「ん、パイロットとして復帰出来るかは判らないが、生きているだけでも儲けものだ」
ギプスをつけている両足を見て武蔵は痛ましそうな表情をするが、ユーリアは逆に笑みを浮かべる。
「この足だから共に戦うなんて事は出来ないが、これからよろしく」
「は、はい、よろしくお願いします。それとジュースありがとうございました」
ユーリアと握手を交わし、投げ渡されたジュースのボトルを手に走っていく武蔵。ユーリアは車椅子の上から武蔵の後姿を見て小さく笑う。
「隊長! もうこんなところに居たんですね。車椅子だからって出歩いたら駄目ですよ」
「ああ、すまない。だが病室に居るのも飽きてしまってな」
自分を探していたトロイエ隊の僅かな生き残りの隊員に連れられ、自分の病室へと引き返して行くのだった……。
「えっとですね。口髭見たいのがあるゲッターロボと、青いゲッターでした」
武蔵はビアンの元へ戻り、自分が見たゲッターの特長を伝えていた。ビアンはその話を聞いて、眉を僅かに顰める
「……恐らくそれはGと呼ばれるゲッターロボだ。早乙女研究所の跡地から回収された機体のデータとして、連邦のデータベースにハッキングして確認している。完全戦闘型の機体であることは間違いない」
「元々ゲッターは宇宙開発用だったらしいですしね」
完全戦闘用と聞けば、武蔵もゲッターで追いつけなかった理由も納得だ。だが1つ納得出来ないこともある。
「ゲッターよりパワーアップしてるのに、何で新西暦の人間が乗れるんですかね? 早乙女博士の事だから、安全装置とかつけてるわけないって思うんですけど」
「……そうやって断言される早乙女博士の危険性が判るな」
人知を超えた敵と戦う必要に迫られていた事があり、パイロットの安全性よりも戦闘力が優先された時代だ。決して早乙女博士が異常だったと言う訳ではない。
「私もこの時代のパイロットが乗れるように強化スーツを考案しているが、アードラーの事だ。恐らく投薬などでそのスピードに耐えていると言う可能性が高い」
「……本当ろくでもない奴ですね」
武蔵の呆れた様な言葉。だがビアンも自身がスカウトした事もあり、苦笑いを浮かべるに留まる。
「あ、そうそう。言い忘れてましたけど、ビアンさんの娘さんが居ましたよ」
「……リューネか、まぁあの娘の事だ。大して心配あるまい」
ビアンの言葉に武蔵は苦笑いしながらそれなら良いんですけどねと笑う。ビアンが良いと言うのなら、それ以上武蔵としても言うことはないからだ。
「リューネ嬢は、総帥によって厳しい訓練をつんでいる。並みの軍人には負けんよ」
バンのどこかずれた言葉に武蔵だけではなく、ビアン達も苦笑する。だがそれはリューネなら心配ないと言う、バン大佐なりの心遣いだったようだ。
「ゲッターロボの情報はジュネーブに保管されているそうですね」
「うむ、浅間山の研究所は焼却処分をされたらしいからな」
「となると、新ゲッターの情報を得るにはジュネーブに向かう必要があるってことですね」
今武蔵やビアン達に必要な情報がある。だがジュネーブは連邦軍の本拠地、そう簡単に侵入する事は出来ないだろう……。
「難しくはあるが、アードラー達はジュネーブを目指している。そこでの戦闘中にジュネーブの地下に侵入することにしよう」
リスクはあるが、回収する必要があるのならばリスクを犯してでも回収する必要がある。
「それでしたら、私の部隊を使うのはどうでしょうか?」
「ああ。バン大佐の特殊部隊ならば、侵入行動に適しているな」
「では脱出は私が車を出しますか」
とんとん拍子にジュネーブへの侵入計画が立てられる。その分野の専門家が集まっているので、計画を立てるまでは恐ろしいまで早い。
「となると私はジュネーブの地下の地図でも出しておくか、武蔵君は最悪の場合。ゲッターGと戦う事になるが……」
「大丈夫ですよ! 悪のゲッターロボになんてオイラは負けませんから!」
あくまで遅れを取ったのは不意打ちだったからですと熱弁を奮う武蔵にビアン達が苦笑した時、武蔵が思い出したように手を叩く。
「ビアンさん、あの娘さんの機体を女の子にするのは正直オイラもどうかと……」
「む、あれか。あれは、娘の趣味だ。本当はヴァルシオンをリューネに与えるつもりだった」
「い、いや、正直それもどうかと思うんですけど、ビアンさんの趣味じゃないんですね? オイラてっきり、ビアンさんの趣味かと」
武蔵の言葉に思わず噴出してしまったバンやエルザムにビアンは冷めた視線を向けながら、弁明の言葉を口にする。
「決して私の趣味じゃない。ただ、そうだな……あれを作った時は4徹めだった」
「あの、ビアンさん。寝ましょうよ、流石に」
4夜連続徹夜でハイになっていたと語るビアンに武蔵は苦笑していると会議室の扉が勢いよく開いた。
「会議中失礼します! 黒海沿岸セバストポリ基地に謎の特機が複数出現! ハガネとヒリュウ改が急行している模様!」
謎の特機……武蔵の話ではゲッターを襲った、新型ゲッターの数は5つ。その内の何機かがハガネとヒリュウ改の進路を妨害する為にセバストポリ基地を襲撃しているのだろう……。
「エルザム。クロガネで出るぞ」
「……了解しました。では私は乗組員に出撃準備をさせます」
敬礼をして出て行くエルザムとバン。武蔵は2人の姿を見ながら、ビアンを心配そうに見つめる。
「クロガネを動かして大丈夫なんですか?」
「無論余りよくは無い。だが、近くに隠れる事は出来る。それにゲッターの補給や修理を行う為にも近くに戦艦が待機している方が安心だろう? 行くぞ、武蔵君」
「はいっ!」
セバストポリ基地でのDCと連邦との戦い、その場にクロガネ……いや、ビアンも参戦する事を決めたのだった……
セバストポリ基地で始まったDCの残存兵との戦いは、連邦を裏切った「ハンス」の登場と共に大きく流れを変えていた。ハンスの機体が強力だった訳ではない、ハンスの搭乗する大型輸送船グレイストークに大量のAMが搭載されていたわけでもない。だがグレイストークが運んできた機体が戦況を変えたのは事実だった。グレイストークに搭載されていた3体の特機……そのたった3機の特機が戦況を変えたのだ。
「ははッ! はーははははッ! やはり私の決断は間違いではなかった!! 連邦では異星人に勝てない。やはり私がDCについたのは正しい選択だったのだッ!!!」
ハンスの狂ったような笑い声がセバストポリ基地の上空に響く……グレイストークから出撃した3体の特機。それはハガネのクルーにある存在を連想させていた。姿だけではなく、その強さまでもがタクラマカン砂漠での僅かな戦闘時間で、ハガネ、ヒリュウ改のPT部隊手加減したままで圧倒したゲッターロボに酷似していた。
「「「……」」」
AI制御されているのか、それとも話すつもりが無いのか、そこは不明だ。だがその強さは紛れも無く、ゲッターに匹敵、いや、ゲッターを越えていた。
「各員に告ぐ、アンノウンへの単独攻撃の禁止及び、必ず複数体でアンノウンへと当たれ。この命令は厳守せよ」
イングラムの乗るビルトシュバインから部隊全員に通達が入る。だがこの通達が無くても、単独で戦おうとする者はいなかっただろう。
「ゲッター……なのか?」
青く細い姿をし、左腕がドリル。だがゲッター2とは決定的の異なるのはその背に持つ翼で自由に空を飛ぶ点だ。2機セバストポリ基地の上空を旋回しているのだが、グレイストークから最後に出撃した機体の動きは格段に良かった
「!!!」
「ちいっ!! こいつ俺に恨みでもあるのかッ!?」
思わずタスクがそう叫んだ。動きのいい、青い機体は徹底的にジガンスクードを狙い、高高度からの突撃、凄まじい機動力でのかく乱、ドリルミサイルによる攻撃……その全てがジガンスクードを狙っての物だった。
「踏ん張りな! タスク! ラッセル続けッ!」
「は、はい!!」
シールドユニットを駆使して、上空から突進してきた青い機体の動きを封じているジガンスクードにR-GUNと緑のゲシュペンストが向かう。だがその2機の動きはもう1機の青い機体のドリルによって防がれる。
「ちいっ! うざってえッ! おい! もっとしっかり足止めしろよッ!!!」
PTの装甲を紙の様に切り裂くドリルを前にすれば、流石のカチーナも無理に突撃する訳にはいかず、R-GUNの足を止めて後方に飛ぶ。
「タスクッ!」
カチーナとラッセルの代わりではないがレオナのガーリオンがソニックブレイカーで突撃する。あっさりと回避されるが、それでもジガンスクードから引き離す事は出来た。
「さ、サンキューレオナちゃん」
「お礼はいいから身構えなさいな」
感謝の言葉を口にするタスク、だがレオナはその言葉を最後まで聞かずに警戒を強めろと言う。レオナの妨害を受けてもなお、青い機体はガーリオンに目を向けることは無く、その無機質な目をジガンスクードに向けている。その余りに不気味な素振りにレオナもガーリオンのコックピットの中で眉を顰める。
「足止めしろって言うけど、そうも行かないのよね」
ヴァイスリッターのコックピットの中でエクセレンがカチーナの怒鳴り声にそう返事を返す。エクセレンとて、青い機体の突撃を止めようと努力はしている。だが、そこにランドリオンやバレリオンなどの重装甲のAMが援護に入れば、以下に射撃のセンスが優れているエクセレントは言えど、青い機体の動きを妨害することは難しい。
「!」
「ちいっ!!」
青い機体から金属音を立てて腕が射出される。それはまっすぐにR-2に向かって伸び、その胴体に巻き付く。右腕で鎖を掴み、自身の方に引き寄せようとする青い機体、R-2が腰を落としてそれに耐えようとするが、出力の差なのかジリジリと引き寄せられていく
「ライッ!!」
その姿を見て、アヤがビームソードで鎖に切りかかる。だが、鎖を断ち切る事が出来なかった。そして鎖を引かれ、R-2は宙を舞いながら引き寄せられ右拳が胴体に叩き付けられ殴り飛ばされる。
「ぐうううッ! な、なんと言うパワーだッ!?」
片腕でPTを引き寄せるその力、そして高機動の機体でさえ追いつけない機動力……その信じられないスピードにライが呻く。
「それなら俺が相手になってやるぜッ!」
「マサキ、あたしも行くよッ!!」
サイバスターとヴァルシオーネが空を舞う青い機体を追いかけていく……だが信じられないことにサイバスターとヴァルシオーネですら、青い機体には追いつけない。
「!!!」
急反転し突進してきた青い機体の両腕は何時の間にかドリルに変化しており、擦れ違い様にサイバスターの翼と、ヴァルシオーネの脚部にダメージを与える。
「ぐっ!サイバスターでも追いつけないだと!?」
「マサキッ!」
翼にダメージを与えられ、体制を崩したサイバスターにヴァルシオーネが慌てて駆け寄るが、その瞬間に左腕から放たれた3発のミサイルがサイバスターとヴァルシオーネを捕え、2機ともバランスを崩し、海面に向かって落下していく……
「誰かマサキとリューネの支援に入れ!」
イングラムがそう叫ぶと同時に、手にしているM-13ショットガンの引き金を引き追撃をしようとした機体を引き離す。だが上空に逃れると同時に上空からミサイルの雨が放たれるのだった……。
ミサイルの雨の中に消えたビルトシュバインや、R-3を見てリュウセイが思わずそちらにR-1を走らせようとする。だがそれはR-1やアルトアイゼン、そしてグルンガストと言った特機に迫るパワーを持つPTや、特機を相手にしているグレイストークから出撃したもう1体の特機によって防がれた。
「……」
特徴的な3本の角と口髭にも見えるフェイスパーツ……その赤いカラーリングと合わせてゲッター1を連想させる特機がここから先は通さないと言わんばかりに腕を組んでリュウセイ達の前に立ち塞がる。
「くっ! 邪魔をするなッ!!」
リュウセイが無理やりにでも突破しようとする。だが赤い機体は無造作に拳を突き出し、R-1を殴り飛ばす。
「うわああああッ!!」
「リュウセイッ!」
リュウセイとコンビを組んでいたラトゥーニがすぐに援護に入り、追撃を防ぐが拳の命中したR-1の胸部にはその特機の拳の痕がくっきりと刻み込まれていた。
「リュウセイ、大丈夫?」
「っぐ……すまねえ、ラトゥーニ」
ビルドラプターの手を借り立ち上がったR-1。だがたった1発の攻撃で、機体のあちこちから火花が散っている。
「リュウセイ! 無理をするんじゃねえ! あいつの相手は俺がする!」
イルムがそう叫び赤い機体に向かってグルンガストを走らせる。姿形がゲッターに似ているだけではない、その攻撃方法も斧を使い、ゲッター1は腹部からだったが、この赤い機体も額からという差異はあるがビームを放つ。しかもそのビームが曲者で、セバストポリ基地の防衛の任務についていたゲシュペンストMK-Ⅱを1発で消滅させるほどの威力を秘めていた。
「!」
グルンガストが向かってくるのを確認すると両肩から両刃刃の斧を射出し、両手に持ち構える赤い機体。真っ向から打ち合えば、グルンガストと言えどダメージを受ける、そう判っていて馬鹿正直に突っ込むほどイルムは単細胞ではない。
「ブーストナックルッ!!」
赤い機体の間合いに入りかけた瞬間に急ブレーキを掛けて、右拳を射出する。
「!?」
それは完全に予想外だったのか、胴体に突き立つ拳ごと後方に押し込まれる。そしてその方向にはタンクの裏に隠れていたアルトアイゼンがいる。
「この距離……貰ったぞッ!!」
最大速度で赤い機体に突っ込み、右腕のリボルビングステークをその背中に突き立て、連続でステークを打ち込む。3発目でステークが外れ、赤い機体が自由になる。
「お願い、当たってッ!!」
グルンガストよりもスマートな形状をした特機「グルンガスト弐式」に乗ったクスハの祈るような言葉と共に左腕が射出され、その足を掴んで弐式へと引き寄せる。
「!」
それに気付いたAIは頭だけをグルンガスト弐式に向け、頭部からビームを放とうとする。
「させるかッ!!」
イングラム達とキョウスケ達の違い、それはもっとも根本的な部分にあった。青い機体は2機でコンビを組み、互いに互いをカバーしているからこそ、エクセレン達もその機動力も相まって後手に回っていた。だが火力、装甲共に青い機体よりも上の赤い機体だが、アルトアイゼン、R-1、グルンガスト、グルンガスト弐式と言う高い能力を持つ者が相手では否が応でも劣勢に追い込まれる。それは奇しくも、赤い機体と青い機体の周りの環境が変わったと言う事を意味していた。そして今もヒュッケバインMK-Ⅱの手にしているフォトンライフルから放たれた光弾が頭部を捉え、弐式に向かって放たれようとしていたビームの軌道を逸らす。
「あ、ありがとう。ブリット君」
「い、いや、無事なら良いんだ」
助けられたことに感謝の言葉を口にするクスハにはにかみながら返事を返すブリット、ここだけ見れば微笑ましい光景だ。だが、今ここは戦場であり、2人の方には引き寄せられた赤い機体が刻々と近づいている。
「一意専心ッ! 狙いは一つッ!」
裂帛の気合と共にヒュッケバインMK-Ⅱの腰に搭載された、PT用の実体剣ブレード「シシオウブレード」を抜き放ち、引き寄せられてくる赤い機体に向かって踏み込むヒュッケバインMK-Ⅱ。その一閃は赤い機体の胴体部を切り裂く、直感で振るわれた一撃だが、それはピンポイントでコックピットを切り裂いていた。無人機ではあった、だがコックピットを潰せば動く事は無いとブリットは油断してしまった。
「な、ま、まだ動く……ぐあっ!?」
一瞬ぐったりとして機能が停止したように見えた赤い機体だが、そのカメラアイに凄まじい光が宿り。反撃と言わんばかりに振るわれた斧の一撃がヒュッケバインMK-Ⅱの重力制御を応用したバリア「G・ウォール」ごと、シシオウブレードを手にしているヒュッケバインMK-Ⅱの右腕を根元から切り裂く
「ブリットッ!」
近くにいたR-1が追撃にと動き出そうとした赤い機体に飛び蹴りを喰らわして弾き飛ばす。だがその距離は微々たる物で再び動き出そうとする赤い機体……だが胴体部のコックピットが潰された事で僅かに動きが鈍っていた。
「ファイナルビームッ!」
「マキシブラスターッ!!」
その隙を見逃すわけは無く、グルンガストとグルンガスト弐式の胸部の熱線が同時に放たれ、赤い機体の姿は光の中へと消えた。
「ふう、随分とやばい相手だったが、何とかなったな。キョウスケ、早く向こうと合流……おいおい……嘘だろ?」
イングラム達と合流しようと声を掛けたイルムだったが、雲の切れ間からたった今倒したばかりの赤い特機と青い特機、それがそれぞれ5機ずつ降下して来る光景を見て、引き攣った声でそう呟くのだった……。
ハガネのブリッジでダイテツは降下してきた機体を見て顔を顰めた。それは自分が若い時に見てしまったゲッターの資料に描かれていた機体と瓜二つだったからだ。
「艦長、このままではセバストポリ基地だけではなく、ハガネとヒリュウ改も危険です」
テツヤの報告にどうするべきかとダイテツは考えを巡らせる。恐らくあの赤と青の機体はそれぞれ「ドラゴン」「ライガー」だろう、だが分離する兆候も無い。恐らく、機能をいくつかオミットして製造された量産型なのだろう。だがそれでもPTとのサイズ差もあり、出力は上だ。それにあの機体の登場で明らかにDCが息を吹き返して来ている……。
『ウォアアアアアアアッ!!!』
どうするべきか悩むダイテツの耳に、背筋も凍るような雄叫びが響く。そして次の瞬間、1機だけ動きの良かったライガーが突然機体を反転させ、バレリオンのコックピットにドリルを突き立てる。
『な、何をしている!? テンペスト少佐!!』
焦ったハンスの声に初めてあの機体にテンペストが乗っていると知ったダイテツ。だが思わず心の中でそんな馬鹿なと呟いた、あの青い機体には生気と言う物が一切感じられなかった。だから無人と断定していたのに、それにパイロットが乗っている。あんなパイロットの安全を度外視した異常な動きでだ……。
「各員! 一時後退せよッ!!」
ダイテツは己の直感に従いそう命令した。何か危険だと、歴戦の軍人としての勘がそうさせたのだ。そしてダイテツの直感は的中した、今まではPT隊を襲ってきたドラゴンとライガーがDCもセバストポリ基地も、そしてハンスが乗るグレイストークまで襲いだしたのだ。
『ば、馬鹿な! アードラーの奴! とんでもない欠陥品をッ!? 来るなッ! 来るなああああああッ!!!』
【アアアアアアアッ!!!】
一番最初に狂った……いや、テンペストの乗るライガーがドリルをグレイストークのブリッジに何度も何度も突き立て、そしてミサイルを叩き込みグレイストークを轟沈させた。
【アア、アアアアアアッ!!!】
獣のような雄叫びを上げるライガー、そしてその叫びに呼応するかのように斧を、ドリルを掲げるドラゴンとライガー。爆発炎上したグレイストークを背後にするドラゴンとライガーの姿は無人機とは思えない恐ろしさを秘めていた。
「ま、待ってください! 急速にこの空域に向かう機影あり! 早いッ! 後20秒です!」
エイタの報告と同時に上空から光の柱が叩き込まれ、R-1やヴァイスリッターに襲い掛かろうとしていたドラゴンの動きを止める。そしてRー1達をその背に庇うように上空から降下してきた何かがセバストポリ基地に着地する。ドラゴンの暗い赤とは違う、眩いまでの赤が戦場に舞い降りた。
「……ゲッター1。武蔵君かッ!?」
マントを翻し、ドラゴンとライガーの方を向くゲッター1のカメラアイが力強く光り輝くのだった……
第35話 ゲッターロボ対ゲッターロボG その1へ続く
ドラゴンとライガーの暴走が始まろうとした瞬間にゲッター1登場です。ここから先はゲッターロボ対ゲッターロボGと言う事で複数回続けていこうと思います。それでは次回の更新もどうかよろしくお願いします
PS
今回登場したゲッターロボGをOG風にすると多分こんな感じです
量産型ゲッターライガー(テンペスト機)
HP29000
EN210
運動性170
装甲1500
特殊能力
ジャマー
分身
ゲイムシステム
チェーンアタック 2100
ドリルミサイル 2500
ドリルアタック 3300
ダブルドリルアタック 3900
量産型ゲッターライガー(人工知能)
HP22000
EN170
運動性140
装甲1100
特殊能力
ジャマー
チェーンアタック 1900
ドリルミサイル 2100
ドリルアタック 2800
量産型ゲッタードラゴン(人工知能)
HP24000
EN190
運動性95
装甲1900
特殊能力
ビームコート
スピンカッター 1900
ダブルトマホークブーメラン 2100
ダブルトマホーク 2400
ビーム 2800
多分こんな感じかな?(強すぎるかな?)ゲッター炉心で稼動していないのでEN回復は無し、オープンゲットと合体能力は排除。
その代わりにジャマーとビームコートを搭載、テンペスト機は分身とゲイムシステムが追加されています。
視点が変わる時にそのキャラの視点と言う事を表記するべきか
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サイドまたは視点は必要
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今のままで良い