進化の光 フラスコの世界へ   作:混沌の魔法使い

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第224話 新たなる力 その2

第224話 新たなる力 その2

 

オペレーションプランタジネットで百鬼帝国から奪い取ったゲッターザウルスのメンテがマオ社で行なわれると聞いたイルムは、特機乗りとしてゲッターザウルスに興味があったのでマオ社に訪れていた。

 

「うへえ……下手なサウナより厳しいな、こりゃ」

 

マオ社の特機用の格納庫に足を踏み入れた瞬間額に浮かび上がる大量の汗を拭いながら、イルムは思わずそう呟いた。格納庫を走り回っている整備班やマオ社のスタッフは防護服に身を包んでいて、その中の1人がイルムに気付き慌てた様子で駆け寄ってくる。

 

「イルム中尉! 早く防護服を着てください! 常人なら5分もこの格納庫にいられないんですよ! 死ぬつもりですかッ!!」

 

「悪い、悪い、ここまで熱いと思って無かったんだよ。すぐに着替えてくるわ」

 

異常な温度にイルムは早足で防護服が置かれている部屋に向かって歩き出したのだが……。

 

「やっぱりあいつら化けもんだわ」

 

その道中で武蔵、ラドラ、コウキの3人がツナギの上を脱いで腰に巻きつけて作業している姿を見て、同じ人間なのにこうも身体の作りが違うかねとぼやきながら防護服に急いで着替え、イルムはゲッターザウルスの元へと駆け出した。

 

「……なぁ。ラドラ、これ生きてるのか?」

 

ゲットマシンの部分とメカザウルスの部分が分割されているゲッターザウルスだが……メカザウルスの部分が動いているのを見て引き攣った顔でイルムがラドラに問いかける。

 

「仮死状態にはしてある。ゲッターザウルスはメカザウルスの発展系だからな、整備もかなり独特になる」

 

「独特って言うか、これ解剖標本だろ」

 

骨がむき出しになっていたり、臓器が見えていたりと想像以上にグロテクスな光景にイルムがそう呟くと、ゲットマシンの部分を調べていた武蔵がイルムに気付いてゲットマシンから這い出して来た。

 

「イルムさんも見に来たんですか?」

 

「もって事は他の奴らも来てたのか?」

 

「さっきまでバンとリューネ、それとキョウスケが見に来ていたぞ、ロストテクノロジーでありオーバーテクノロジーだから興味もあったんだろう」

 

コウキの話を聞きながら、イルムは分解されているゲッターザウルスを見て眉を細めた。

 

「なぁ? これ部品違う事ないか? それとももうパーツの複製は終わってんのか?」

 

明らかに部品の新しさが違う物が入り混じっており、仮にもテスラ研の所長のジョナサンの息子なので機械に関して詳しいイルムはどうしても気になってそう尋ねた。

 

「ああ、そこは百鬼獣のパーツだ」

 

「百鬼獣? そんなもん混ぜて大丈夫なのか?」

 

現状1番の強敵と言える百鬼帝国と百鬼獣の部品が使われていると聞き、嫌そうな表情を浮かべる。

 

「どうもゲッターザウルスもどこかに沈んでいたか、埋もれていた物らしくてな。破損していた部分を百鬼獣のパーツで補っているようなんだ」

 

「ネオゲッターと同じって事か?」

 

「いや、それよりも状態が悪い。恐らく数百年単位で野ざらしにされていたんだろうな、百鬼帝国でも完全な修理は出来ていないようだ」

 

「それでも俺達の機体よりずっと強いって言うんだからやってられねぇぜ」

 

数百年野ざらしにされていた機体でも新西暦の最新鋭機より強いと聞いて勘弁してくれよとぼやくイルムだが、その口調の割にはその目は楽しそうな光を宿している。

 

「乗ってみるか? 俺も武蔵と同じで、後2人パイロットを探してる。今なら先着順だ」

 

「そいつは良いなとでも言うと思うか? ゲッターなんて化物に乗ってたら命が幾つあっても足りねえよ」

 

「残念だなあ、イルムさんなら乗れると思うんですけどね、ゲッターロボ」

 

乗れると武蔵に言われてイルムが一瞬笑みを浮かべるが、続く言葉に顔を引き攣らせた。

 

「そうだな、ガチガチにパイロットを保護するスーツを作って」

 

「それならベースはアイビス達のスーツが良いな、あれは頑丈だ。少なくとも内臓破裂で死ぬ事はないだろう」

 

「ならフィリオに連絡を取っておくか、やはりゲッターはパイロットが3人揃ってだからな、パイロットスーツが頑丈なら死ぬ事はないだろう、死ぬ事は」

 

「ああ、死ななければ次があるしな」

 

「どうします? イルムさん、乗ってみます?」

 

「絶対! お断りだッ!!」

 

物凄く物騒なことを言ってるコウキとラドラを横目に乗ってみますと尋ねてくる武蔵に、イルムがそう叫ぶのも無理のない話なのだった……。

 

 

 

 

ムーンクレイドルの製造ラインを流れていく部品をアイビス、スレイ、ツグミの3人は何とも言えない表情で見つめていた。

 

「ねえ、スレイ。あれカリオンのパーツそっくりじゃない?」

 

「だな……あっちなんか少しアステリオンに似てるぞ?」

 

自分達のプロジェクトの出資者の1人がミツコだが、プロジェクトTDのデータを元に新しい機体を開発しているのは流石にアイビス達も驚いていた。

 

「リン社長が何とかしてくれるみたいだけど……これ多分百鬼帝国が関係してるのかしらね?」

 

「……ええ、人間なのに鬼に協力してるの?」

 

「いや、あの守銭奴ならありえるだろうな。戦争が続けばそれだけ儲けられると考えて百鬼帝国に協力してる可能性は高いだろう。それでタカクラチーフ。あのパーツはどうするんだ? やはり廃棄するのか?」

 

「はっはははッ!! そんな勿体無い事するわけないだろう!!」

 

ツグミが返事をする前にルードが高笑いしながら姿を現し、アイビスは愛想笑いを浮かべ、スレイは嫌そうに眉を顰め、ツグミはしょうがないといわんばかりに溜息を吐いた。

 

「随分とテンションが高いわね、ルード。何かアステリオンとベルガリオンに流用できる物でもあった?」

 

「ああ! いやあ、あの女狐は俺も嫌いだがあちこちの会社を買収してくれてるお蔭で色んなデータがあったぜ! 夢を追う翼も悪くはねぇが……今は立ち塞がる敵を退ける剣の方が必要だ。夢を追う翼は世界が平和になるまでお預けだ」

 

ルードはフィリオとコウキとは違うタイプだと思っていたスレイとアイビスだったが、その真剣な表情と声にルードの評価を改めることになった。

 

「ルード博士、どんな改造になるんですか?」

 

「あーコウキだったか? 俺の後にフィリオの手伝いをしていた奴、そいつと話を煮詰める事になると思うが……アステリオンは2形態、ベルガリオンは1形態になると思うぜ?」

 

ほれっと言われながら差し出されたバインダーにアイビスとスレイは目を通そうとし、それに挟まれているイスルギのエンブレムの刻まれたカタログ表を見て顔を引き攣らせた。

 

「これってイスルギの、良いんですか?」

 

「HAHAHAッ!! 先に盗んだのはあっちだぜ? なら盗まれても文句は言えねえさ。それに本社にこのデータは送られてないみたいだから知らぬ存ぜずで押し通す訳だ、文句を言ってきたらリン社長の出番だな!」

 

「あくどいな、兄様とは違うタイプだ」

 

アウトローな手腕にスレイがそう言うとルードは額を手で叩いて、大声で笑い出した。

 

「HAHAHAッ!! そりゃそうだ! あいつが出来ねぇ悪い事をするのが俺とコウキの仕事だぜ? 悪党結構、必要悪って事さ、まぁお嬢ちゃん達には早い世界だろうよ。とにかく俺がペンで図面を引いてる、一応それに目を通してくれ、アステリオンは14と17、ベルガリオンは22ページだ」

 

ルードに促されアイビスとスレイは14ページ目を開いた。

 

「バックパック……かなり大型だ」

 

「ゲシュペンストのフライトアーマーに似てるな。これで武装を確保するのか?」

 

「オフコース。アステリオンは武装があまりに貧弱だからな、プラズマレールガンとビームキャノン、後はブースターとかとサブアームとシールドユニットを増設する予定だ、仮名称としてフルアーマーとしてる」

 

「ちょっとルード、そんなに武装を詰んだりしたらアステリオンのスピードはガタ落ちよ?」

 

余りにもプロジェクトTDのコンセプトと魔逆の改造をするつもりのルードにツグミが黙っていられずに口を挟む。

 

「そりゃそうだ、こいつはゲシュペンストとかにも流用できるのをコンセプトにしてるし、そもそもアステリオンに搭載したらマニューバなんか使えんぜ」

 

「は? いやいやッ! 何考えて……「落ち着け」あいだッ!?」

 

アステリオンの長所を全て消すというルードにアイビスが詰め寄ろうとするがデコピンで動きを止められ、赤くなった額を押さえてアイビスが後ずさる。

 

「使い捨てで突破口を開くだけの武装か?」

 

「ああ。アステリオンは速度はあるが耐久が低すぎる。だがアステリオンに百鬼獣を倒せるだけの武装を搭載できない。なら初手ぶっぱでパージしてぶっちぎるッ! まぁかなり極端だが……これも1つの道だ。一応そのままでも戦える程度の火力や機動性は確保してるが……やっぱりインベーダーやアインストを敵と仮定するとな……そもそも言っちゃ悪いが、素人に毛が生えたくらいのお前さんらじゃ百鬼獣や超機人と戦うのは自殺行為だ。支援くらいしか出来ねぇならそれに特化したほうが良いだろ?」

 

ルードが語るのは安全策だ。装甲も薄く、攻撃力にも乏しいプロジェクトTDの機体で百鬼獣と戦うのは自殺行為に等しい。ルードの語るとおり全武装をぶっ放して離脱するのが1番の正解だが……。

 

「でもそれ以外も考えてくれてるんですよね?」

 

「これを作れればアステリオンとベルガリオンでも百鬼獣とも戦える可能性がある」

 

「おう、可能性はあるぜ? だが俺が与えれるのは可能性だけだ。それもパイロットの安全なんて度外視の危険な物だ」

 

図面に引かれているのは戦闘機のようなパーツを巡航形態のアステリオン、そしてベルガリオンを前後から挟み込み、超巨大な戦闘機にすると言う物だった。

 

「ロケットカーね、私は安全性を考慮すればこんなのは使わせれないわ」

 

「だろうな。ただ思いついたもんを書きとどめるのが科学者や技術者の性分だ。それにこいつは一応理に叶ってるんだぜ? アステリオンやベルガリオンの機体硬度上ゲッター合金を使った弾頭を使う火器は装備できねぇ。反動でフレームがお釈迦になるからな。だがこいつはゲッター合金でコーティングした特殊フレームだ。特機並み……は流石に言いすぎだが準特機くらいの強度はあるんだ。速度、耐久の向上、それによる攻撃力の強化、そしてパイロットが耐えれるのならばマニューバだって使える」

 

とんでもねえじゃじゃ馬になるけどなとルードは付け加え、サングラスのブリッジを指で押し上げ瞳を露にさせる。

 

「決めるのはお前達だ。フィリオやツグミは反対するだろうが、これも1つの正解だ。好きなほうを選べば良い、話が決まったら俺に声を掛けてくれや」

 

手を振りながら歩き去るルードの背中をアイビスとスレイは暫く見つめ、意を決した表情でツグミに視線を向けた。

 

「ツグミ」

 

「タカクラチーフ」

 

2人の名前を呼ばれたツグミは深い深い溜息を吐いて、強い決意の光を宿しているアイビスとスレイに指を向けた。

 

「テスラ研のフィリオとジョナサン所長に連絡を取りなさい、ルードの奴を見直してくれるはず。話はそこからよ」

 

遠回しの了承と受け取ったスレイとアイビスが駆けていく姿をツグミは見つめ、もう1度深く溜め息を吐いた。

 

「分かってるのよね、星の海を飛ぶには力がいるって……でもやっぱり……嫌なものは嫌よね」

 

インベーダーもアインストも宇宙に生息する……今のまま星の海を目指せばアイビス達は2度と地球に戻れない、それが分かっていてもプロジェクトTDの……フィリオの夢を叶える機体に武器をつけるのは嫌だなとツグミは呟き、2人の後を追って歩き出した。感情では嫌でも頭では分かっているのだ、そしてフィリオとジョナサンも改造に許可を出すとツグミには分かっていた。

 

「もう翼だけじゃ駄目なのね……」

 

星の海を飛ぶには翼だけではなく剣も必要なのだと知り、そして星の海に向かうためにも……力が必要なのだとツグミは悲しそうに呟くのだった……。

 

 

 

 

月面でカイとギリアムの模擬戦を見ていたキョウスケ達はゲシュペンストXX、ゲシュペンストXNの動きを見てその顔を驚愕に歪める事になった。

 

『どうしたカイ。手加減はいらんぞ?』

 

『言ってくれるなギリアム。逃げ回りおって』

 

黒一色のXNユニットは一撃離脱と高い防御力と相反するコンセプトが1つになっているが、不思議な事にそれが完全にかみ合っていた。そしてXXユニットはリアルタイムのマルチロール変形がコンセプトであり、装甲の一部が変形しその機体性能を大きく変える。

 

『はぁッ!!』

 

『っと、危ないな』

 

『何時までも好き勝手やられる俺ではないわッ!!』

 

『そうだな、全力できてくれ、そうでなければ課題など見えてこないからな』

 

『言われなくともそのつもりだッ!!』

 

激しいラッシュを続けるXXユニットとそれを避けながら反撃をするXNユニット、双方とも現状のPTの1歩も2歩も先を行っていた。

 

「ラミア、エキドナ。お前達の世界の機体と比べてXXユニットとXNユニットはどうだ?」

 

キョウスケにそう尋ねられたエキドナとラミアは、互いに顔を見合わせてから首を左右に振った。

 

「ゲシュペンスト・MK-Ⅲでも私達の世界を遥かに凌駕していました」

 

「XXもXNも完全に私達の世界の技術を超えています」

 

未来の技術を遥かに凌駕していると聞いてキョウスケはそうかと呟き、カイとギリアムの模擬戦に視線を戻す。

 

(リーゼとほぼ互角か少し上という所か……リーゼもまだ完成ではないそうだが……今のままでは勝てないな)

 

機体スペックはほぼ同等でも、カイとギリアムの技量はキョウスケの遙か先を行っている、というのをキョウスケ達は思い知らされた。

 

「まだ全然あたし達は追い付けてねえな」

 

「カチーナ中尉。ええ、そうですね……俺もまだまだです」

 

PTが導入されてからずっと戦い続けてきた教導隊の経験値は伊達ではない、紛れも無く新西暦で最高峰のパイロットが、その技術を十分に生かせる機体を手にすれば、最強になるのは当然の事なのだ。

 

『どうやら……』

 

『引き分けのようだな』

 

XXユニットの右拳の電極とXNユニットの手にしているビームライフルの銃口がそれぞれコックピットに押し当てられ、互いに引き分けと呟き、カイとギリアムの模擬戦は終わりを告げた。

 

「これで更に上があるんだろ?」

 

「ええ、マオ社とムーンクレイドルで製造された4基プラズマボムスの内2つはゲシュペンスト・MK-Ⅳに搭載する予定ですし」

 

「今は?」

 

「リバイブの反マグマプラズマジェネレーターで稼働していますが、起動時間が安定しないのでプラズマボムスとのツインドライブにする予定です」

 

「残りの2つとマグマ原子炉は?」

 

「まだどうするかは決まってないようです。テスラ研に下ろす事に成るのではないでしょうか?」

 

マオ社には高出力のエンジンを作成する技術はあったが、その高出力エンジンを搭載する機体を作るノウハウに欠けている。マオ社はあくまでPTの製造メーカーであり、高出力エンジンを軸に据えた特機・準特機の製造においてはテスラ研に軍配が上がる。

 

「ンーマリーシショーはアルトとヴァイスに付きっ切りだシ、カーク博士は地球だししょうがないネッ!!」

 

「「「「うおッ!?」」」」

 

ぬっと現れたラルトスの言葉にキョウスケ達が驚きながら振り返ると、ラルトスはニシシと楽しそうに笑ってVサインを作り、悪戯成功と口にする。10代後半ながら小柄なラルトスのその仕草は幼さもあり可愛らしい物ではあるのだが………キョウスケとカチーナは眉を顰めた。

 

(……こいつもやはり不気味だな)

 

歴戦の戦士であるキョウスケ達に気付かせないで後ろに回り込む、どう考えても科学者が出来る事ではない……身元はしっかりとしているのでマオ社に雇われているが、どうしても不気味さを感じていた。

 

「ほらほら、みるヨ、あれがアーベントね!」

 

ダボダボの白衣の袖を振りながら見ろというラルトスに振り返ったキョウスケ達の視線の先には、輸送用のトレーラー車が3台港に向かう姿があり、その中の1つにヴァイスリッターに酷似したPTが固定されていた。

 

「あれがラドム博士の言っていた。ヴァイスの後継機か」

 

「そうネ! ヴァイスリッターとビルドファルケンのデータをベースに作られたゲシュペンスト・MK-Ⅱカスタムの後継機。ヴァイスリッター・アーベントヨッ!!」

 

ヴァイスリッターの後継機と聞いてラミアとエキドナも立ち上がり、ヒリュウ改へ積み込み作業が行なわれているアーベントに視線を向け、目を見開いた。

 

「馬鹿な……」

 

「信じられん……アーベントだ。我々の知るアーベントだ」

 

「何? どういうことだ」

 

エキドナとラミアの知っていると言う言葉にキョウスケがどういうことだと詰め寄る。

 

「レモン様はベーオウルフに勝つ為にとゲシュペンスト・MK-Ⅲの改造機としてナハト、ゲシュペンスト・MKーⅣとしてアーベント、そしてシャドウミラーのフラグシップであるゲシュペンスト・タイプSの製造を行なう予定だったのです。ですがその頃にはアインストとインベーダーが闊歩しており、フレンドリファイヤを誘発するであろうナハトとアーベントは設計データのみ残されていました。」

 

「機体の各部に違いはありますが、本当にそっくりだ。機体カラーこそ違うが可変翼にパルチザンランチャー……全体的なシルエットは殆ど同じだ」

 

信じられないと言う様子で呟くエキドナの言葉を聞いて、キョウスケがラルトスに視線を向けた。

 

「これを設計したのはラドム博士なのか?」

 

「マリーシショーよ? あれじゃないかナ? ラミアとエキドナの世界でもマリーシショーが設計したから似た感じになったんじゃないかナ?」

 

「ラミア、エキドナ。設計者は誰なんだ?」

 

「カチーナ中尉……申し訳ありませんが私達は知りません。ただ此処まで似ているのならば、あちら側のラドム博士が設計した可能性もあると思いますが……」

 

「分からないという事か……」

 

ラミア達の世界にあった機体がこの世界にも生まれた……偶然なのか、それとも必然なのかと考え込むキョウスケ達の後ろでラルトスが一瞬だけ不気味な笑みを浮かべるが、すぐにそれを消してアーベントの次に運搬されている機体を指差した。

 

「さぁ次がプラズマボムス搭載の最新PTゲシュペンスト・MK-Ⅳ(仮)ネッ!」

 

ヒュッケバイン・MK-Ⅲ・タイプMに似た背部に大きくせり出した胴体をしている緑と黒のPTが、立った状態のまま運搬されてくる。

 

「こいつはあれか? XXユニットとかの専用機か?」

 

「おおッ! 正解ネッ! あれは中身だから必要最低限の装備しかないし、ハードポイントじは沢山あるけど武装はないネッ!」

 

「それはまたゲシュペンストのコンセプトとは魔逆だな、ラルトス」

 

「中身だからネッ! ユニットが破壊されるって事は中身では勝てない相手ヨ! なら逃げる事に特化するほうが得策ヨ! 後XXとXNユニットは普通にPT3台分の値段がするから壊さないで欲しいネッ!!」

 

PT3台分と聞いて流石のキョウスケ達も顔が引き攣った。

 

「……とんでもなく高価なんだな」

 

「ナッハハハハ、平行世界の技術だからネッ! いやあ凄かったヨ。なんていえば良いのか分からないけど凄かったヨ! もうね、正気を失うかもしれない技術だったヨッ! それを再現するのは大変だったねエ」

 

「まぁPT3台分で再現出来るなら「それで再現出来たのはほんの少しだけネ、4割にも見たない物を再現するだけでPT3台分ヨ」……嘘だろ?」

 

ギリアムがめぐってきた平行世界の技術、その全てを注ぎ込んで再現された……いやほんの一部を再現するだけでもPT3台分のコストが発生する。しかもそれでもほんの2割しか再現できないと言う言葉に絶句する。

 

「その2割でもラルちゃん達の技術より上ネ、いやあ、本当に平行世界怖いネ!」

 

高らかに笑うラルトスだが、キョウスケ達は言葉も出なかった……異なる歴史を歩んだ世界の技術の凄まじさに、完全に言葉を失うのだった……。

 

 

真紅に染め上げたれた異空間で、失った手足をアインストの生体パーツで補ったヴァイスリッターとペルゼイン・リヒカイトが向かい合う。

 

「やっと馴染んだみたいですの。エクセレン、気分はどうですの?」

 

「……」

 

アルフィミィの問いかけにエクセレンは何も返事を返さない、その瞳に光は無く生気すら感じられなかった。いつまでも抵抗を繰り返すエクセレンに痺れを切らしたアルフィミィが精神操作をしたので、返事を返せるわけが無い。

 

「寂しいですのね、大丈夫ですの♪ キョウスケもちゃんと迎えに行きますのよ」

 

だがアルフィミィは、エクセレンのその状態をキョウスケがいないから寂しいのだと受け取った。自身が精神操作をしてその自我を奪ったという事など、既にアルフィミィの記憶の中にはないからだ。

 

「私もリヒカイトもゲッター線に随分と馴染みましたの、もう少し、もう少しですのよ。私とエクセレンとキョウスケでずっと永遠を過ごしましょうですの」

 

アルフィミィに悪意はない、だが悪意が無いからこそ、純粋な善意による悪意は憎悪や憎しみによって齎される悪意よりもずっと恐ろしいものだ。幼く純粋だからこそ何の抑制もない、純然たる悪意がその魔の手を、キョウスケ達に伸ばそうとしているのだった……。

 

 

『ゲシュペンスト・MKーⅣ XXユニット』

『ゲシュペンスト・MK-Ⅳ XNユニット』

『強行用バックパック×2』

『アステリオン専用フルアーマー』

『ヴァイスリッター・アーベント』

を入手しました。

※ゲッターD2・ゲッターザウルスの機体性能が少しUPしました。

 

第225話 新たなる力 その3へ続く

 

 




と言う訳で宇宙編の強化イベントは終了です。カイとギリアムの強化とスレイとアイビスに換装パーツ、乗り換え機体でアーベントの追加ですね。次回は地上の強化イベントを進めて行こうと思います。それでは次回の更新もどうかよろしくお願いします。






ゲシュペンスト・MKーⅣ XXユニット

ゲシュペンスト・MK-Ⅲで得た情報を元にゲッター合金を一部流用し作成された新型ゲシュペンスト。ヒュッケバイン・MK-Ⅲ・タイプMの独特な胴体形状(背部が大きく背後にせり出した形状)を持ち、プラズマボムスとリヴァイブに使用されていた反マグマプラズマジェネレーターの新型エンジンを搭載しており、フルパワーかつ短時間だが武蔵1人乗りのゲッターD2と同等の出力を持つが、その高出力ゆえに既存のPTの武装とは一切の互換性が無く、その上OSも流用出来ないと数多くの課題と欠点を持ち合わせており試作されたゲシュペンスト・MK-Ⅳはカイとギリアムがデータ取りおよびOS作成の為に搭乗する事になった。ゲシュペンスト・MK-Ⅳは全身にハードポイント持ち、アルトアイゼン・ギーガ、ヒュッケバイン・MK-Ⅲ・タイラント、更にギリアムが提供した別世界のデータを基に作成されたユニット(アーマーとも呼称される)を装着し始めて戦闘可能になる機体であり、MK-Ⅳ自体はPTというよりかは内部パーツに等しく、ユニットが破壊された場合はパイロットの生存および離脱が最優先であり、素体であるMK-Ⅳには多数のハードポイントはあるが武装は一切搭載されていない。XXユニットは機体の各部をリアルタイムで変形させる機能「リアルタイム・マルチロール・システム(RMS)が搭載されており、超高速での白兵戦から姿勢制御による射撃戦など様々な状況を想定した機体設定が施されているが、OSなどが無くマニュアル制御を強いられるため現状カイとギリアムをのぞけば操縦出来るのは教導隊メンバーのみとなっているが、その高い出力、特殊な設定をしなければ使用出来なかったゲッター合金を利用した武器を利用出来るなど、パイロットを選ぶが間違いなく新西暦最高峰の機体に仕上がっている。


ゲシュペンスト・MKーⅣ XXユニット
HP10000(15200)
EN400(600)
運動性160(190)
装甲1900(2400)

特殊能力

RMS 最終命中・回避がパイロットの技量に応じて上昇 格闘武器の攻撃力がパイロットの格闘の数値に応じて上昇


スプリットミサイルG MAP ATK3500
格闘 ATK4000
ビームブレードガン ATK4200
ネオプラズマブレード ATK4400
4連装マシンキャノン ATK4400
背部ロングレールカノン ATK4700
フォールディング・ツーウェイ・キャノン改 ATK4900
ジェットマグナムS ATK5400
ジェットファントム ATK6500



ゲシュペンスト・MK-Ⅳ XNユニット

ギリアムのかつての乗機であるXNガイストを再現する事を目的に作成されたゲシュペンスト・MK-Ⅳ用の強化ユニット。
XXユニットとは設計から異なっており、強襲形態への変形機構が組み込まれて一見ゲシュペンストには見えないシルエットをしており、XXユニットよりも大型となっている。背部の大型バックパックが最大の特徴で本来変形出来ないゲシュペンストを変形させるためのギミックおよび武装の7割が搭載されている反面本体部にはまだ空きスペースがあり、ギリアム曰く未練と未来への希望が収まる場所らしく。恐らくその空スペースにはシステムXNが可能である筈だが、ギリアムがそれを望むかどうかは分からない。カイ機であるXXユニット同様OSが完成しておらず、完全マニュアル制御を要求される為搭乗できるパイロットは極端に限られるが、新西暦最高峰のスペックを誇る最新鋭機なのだが、変形機構の影響かXXユニットよりかは機体の耐久力が劣り、機動力に秀でている機体になっている。


ゲシュペンスト・MKーⅣ XXユニット
HP9500(13800)
EN450(650)
運動性180(250)
装甲1700(2000)

特殊能力

RMS 最終命中・回避がパイロットの技量に応じて上昇 射撃武器の攻撃力がパイロットの射撃の数値に応じて上昇
変形


スプリットミサイルG MAP ATK3500
格闘 ATK4000
ビームブレードガン ATK4200
ネオプラズマブレード ATK4400
ジェットマグナム ATK4500
肩部ビームキャノン ATK4600
ヴァンピーアビーム ATK4900
胸部拡散ビームキャノン ATK5200
グランスラッシュリッパー ATK5500
メガバスターキャノン改 ATK6000
メガバスターキャノン改・フルバースト ATK6700
一斉射撃 ATK7500



巡航形態は腰部が回転し脚部が変形し機首の一部になり、背部の大型バックパックが分割され前半分が脚部を多い機首へ、肩部アーマーが変形し、分割されたバックパックが更に左右にスライドし型部と頭部を覆い変形完了となる。簡略化した変形機構により素早い変形を可能としており、エネルギー効率が大きく変化し、射撃武器の威力の向上およびテスラドライブの出力が上昇していることでソニックブレイカーの使用が可能で、巡航形態で弾幕を張りながらソニックブレイカーで突撃、敵陣の中央をぶち破りながら変形しての殲滅戦がコンセプトになっている。


巡航形態

スプリットミサイルG ATK4000
背部ビームキャノン ATK4800
ヴァンピーアビーム ATK5100
メガバスターキャノン ATK6500
ソニックブレイカー ATK7500



換装パーツ

アステリオン・ベルガリオン専用強行バックパック

アステリオンとベルガリオンの巡航形態を前後から挟む形で装着される追加装甲。威力は高いが通常フレームでは使用出来ないゲッター合金製の武器を使うための強化アーマー。

HP+1000
運動性+75
装甲+200
移動力+1

追加武装

チャフグレネードG ATK2800
スプリットミサイルG ATK3000
レールガン ATK3800


アステリオン専用フルアーマー

アステリオンの機動力と巡航形態を封印し、火力と装甲を強化したカスタムプラン。強化装甲にプラズマジェネレーターやブースター、スラスターが増設されており重装甲ではあるが機動力は向上している。手持ち武器を多数使えるが、アステリオンの最大の特徴でありマニューバ関連は使用出来なくなっている。

HP+1800
EN+80
装甲+400
シールドHP+1200


追加武装

スプリットミサイルG ATK3000
ビームキャノン ATK3500
プラズマレールガン ATK3800

視点が変わる時にそのキャラの視点と言う事を表記するべきか

  • サイドまたは視点は必要
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