第226話 新たなる力 その4
「そっか、そっちも終わったんだな。お疲れ様、シャインちゃん」
『そんなお疲れ様だなんて……私……何も出来ませんでしたわ」
モニターに映るシャインが俯きながらそう呟くのを聞いた武蔵は、励ますように大丈夫と声を掛けた。
「んなもん、最初から全部出来るやつなんていないって、オイラなんかあれだぜ? ゲッターには乗れたけど気絶しないだけでな。運動神経も、反射神経も駄目駄目ってお前はゲッターに乗れないってまで言われたんだぜ? シャインちゃんは立派にやってるって」
『武蔵様が……?』
「いやなぁ柔道とかはそれなりに出来るけどよ。ゲッターって基本反射神経と動体視力の勝負だからよ、最初は苦戦したもんだ」
昔というほど昔では無いが、武蔵の操縦技術は実戦によって磨かれたものであり、最初の事を考えれば武蔵はシャインは疎か、アラドにすら劣る操縦技術しか持ち合わせておらず、生来の頑強さと根性で今の操縦技術を手に入れたのである。そんな過去があるからこそ、武蔵はシャインは上手くやってるよと励ます。
「大丈夫。その内もっと上手く出来るようになるさ」
『はい! 頑張りますわ!』
華の咲くような笑みを浮かべるシャインを微笑ましい物を見るような表情で見ていた武蔵はブリーフィングルームに入ってきたアラド達を見て、後に振り返る。
「ギリアムさん。映像再生お願いできますよね?」
「……出来るは出来るが……刺激が強いと俺は思うんだが」
武蔵がギリアムに再生してくれと頼んでいるのは朱王鬼を打ちのめした時の映像だった。ギリアムは刺激が強いぞ? と言うが武蔵は首を左右に振った。
「口で言うより、見たほうが鬱憤も晴れると思いますよ。それにあいつらもしとめたってちゃんと伝えてやりたいんですよ」
アラド達を苦しめた朱王鬼達はもういない、それを言葉だけではなく……その目で確かめさせたいのだと言う武蔵に、ギリアムは頷いた。
『武蔵、オウカ姉様達を連れてきたよ』
「悪いな、ラトゥーニ。使いっ走りみたいにしちまってよ」
『ううん、気にしないで良いよ。武蔵が呼んでくれって事は大事な事だって分かってるから』
「ああ、アラドやゼオラ達には大事なことだと思うぜ。オウカさんはいるかい?」
『はい、ここにいます』
モニターにオウカの姿が映ると、武蔵はCDロムをオウカの前に出した。
「今から再生して貰うけど、オウカさん達を苦しめた朱王鬼をぶちのめした時の映像だ。これがオウカさん達だけじゃなくて、アラドやゼオラが一歩踏み出す切っ掛けになればとオイラは思ってる。余計なお世話かもしれないけどな」
朱王鬼の名前が出てオウカの顔が僅かに引き攣るのを見た武蔵は、やはり朱王鬼の存在はオウカ達にとって今だ根深いトラウマなのだと一目で理解した。
「オイラは当事者じゃないし、あんたらの苦しみが分かるとも言えない。だけどあいつはもういない、それにあんたたちが苦しんだ分もあいつをボコボコにしておいたからな、ちょっとまぁ刺激が強いかもしれないけど、見てやってくれよ」
クロガネのブリーフィングルームに武蔵が朱王鬼をぶちのめす映像が流されている間、武蔵とギリアムはモニターの前から離れ、オウカ達には聞かせれない話をしていた。
「あの異形のドラゴン達だが……恐らく武蔵の予想通りだ」
「……そうっすか……出来れば外れてて欲しかったんですけどね」
ロスターが現れた時のこの世界に這い出ようとしていた異形のゲッター、そしてラングレー基地で現れた異形のドラゴン……それらの調査結果が出たというギリアムに武蔵は自分の最悪の予想が当った事を悟り、深く溜め息を吐いた。
「あれには人間らしき物が搭乗していた痕跡があった。ただ……人間とは掛け離れた姿らしいが」
「そうっすか……」
情報部で回って来た情報。ストナーサンシャインで破壊されたラングレー基地の跡地から発見されたドラゴン号らしき残骸には……人の背骨らしき骨と、人間とは思えない肉片が残されていた。その写真を見た武蔵は少し悩む素振りを見せた後に口を開いた。
「これビアンさん達には言わないでくださいよ。オイラ、この世界に戻ってくる前に変な世界に落ちたんですよ。そこではゲッターと、ゲッターに取り込まれた芋虫みたいな人間がいて……荒廃しきった廃墟だけの地球でした。そこでオイラは化け物のドラゴンを見た、その化物はオイラを取り込もうとしたんです。そこで竜馬、オイラの知らない竜馬が助けくれたんですよ。んであいつらは言っていた、「これがゲッター線に選ばれた新人類の姿だと……」」
「……忘れて、いや思い出すことを禁じられていたのか」
「多分、そうっす。世界の修正力って奴なんでしょうね。でもね、オイラは思い出して、ずっと考えてるんですよ。ゲッター……ってなんなんですかね。世界が色々あるなら悪いゲッターロボだっているかもしれない、悪い早乙女博士だっているかもしれない。でもその根底にあるのはゲッター線なんですよ。ゲッター線ってなんなんですかね……ギリアムさん」
ゲッターロボ、いやゲッター線がなんなのかと悩み始めている武蔵にギリアムは言葉が無かった。ゲッターを正義の味方と武蔵は無条件に信じられなくなり始めている。それは現実を見始めたとも言えるが、武蔵のようなタイプにその迷いは致命的だった。
(今は駄目だ。早すぎる)
どれだけ強かろうが武蔵は成人していない子供である。その心は不安定で、ぶれない柱であったゲッターロボは正義の味方という土台骨が揺らげば武蔵は崩れてしまう。
「武蔵……」
「分かってます、分かってますよ。敵は強くて、普通のロボットじゃ戦えない、敵を倒すにはゲッターがいるって事は分かってるんです。
でもゲッターを使えば、その力を求めて敵が来る……これじゃイタチゴッコにしかならないじゃないですか……」
どうすればこの戦いは終わるのか、このままゲッターを使い続けて良いのだろうか? と悩む武蔵にギリアムは問いかけた。
「その話をしたのは俺だけか? ビアン博士やリュウセイ達に話したか?」
「イングラムさんにも話しましたよ、1番この手の事を詳しいのはイングラムさんか、ギリアムさんでしょ? イングラムさんは悪のゲッターを知らないって言ってました。ギリアムさんはどうですか?」
「俺も知らない、真ゲッターは知っているが……龍帝と呼ばれるゲッターも、皇帝と呼ばれるゲッターも俺は知らないんだ」
世界の数多の姿を持つ、武蔵はそれでもゲッターを善の存在だと信じ続けてきた。だが、不進化態を目にしてから……武蔵はゲッターロボ、そしてゲッター線への、ある種の疑惑を抱き始めているのだった……。
セレヴィスの武蔵から連絡が入っていると聞き、ブリーフィングルームに訪れたビアンを出迎えたのは武蔵の怒号だった。
『こいつはてめえが苦しめた月に住んでる人達の分だッ!!』
『げぼぉッ!?』
武蔵の振りぬいた右ストレートに顔面を打ち抜かれ、手術室の壁に叩きつけたれた朱王鬼が跳ね返ってくる。そこに武蔵の左ストレートが放たれ再び朱王鬼は吹き飛んで壁に叩きつけられる。
「凄まじい威力だな」
「ああ。人間なら最初の2発で死んでいるな」
セレヴィスを支配していた朱王鬼を殴りつけている武蔵の映像を見て、ゼンガーとレーツェルがある種の感心を感じさせる声色でそう呟いた。
「殺す気だな、まぁ気持ちは分かるけどな」
「でもまぁあいつらのやった事を考えれば当然じゃない?」
偵察に出ていたユウキとカーラも休憩に訪れたブリーフィングルームに映されている武蔵の本気の怒りに驚愕すると共に、朱王鬼に苦しめられていたオウカ達が変わる切っ掛けになればと無言でモニターを見つめているオウカ達の背中に視線を向ける。
『こいつはオウカさんの分ッ!!!』
「ッ」
『がはぁッ!?』
オウカの分の怒りだと叫んで武蔵の全体重を乗せた打ち下ろしによって肉が潰れる音と蛙のような朱王鬼の呻き声、そして滴り落ちる血液の音に肩をすくめる者もいる。だがオウカ達はその凄惨な光景から一瞬たりとも目を逸らすことは無かった。
『これはラトゥーニの分ッ!!!』
鼻の骨が砕け、鼻血を流す朱王鬼の顎に武蔵の全力で突き上げた左アッパーで倒れ掛けた朱王鬼が無理矢理立ち上がらせられる。
「武蔵は普通にボクサー出来そうだね」
「身長が少し問題だと思うがな」
武蔵の圧倒的な身体能力は、完全に鬼を凌駕していた。ゲッターロボのパイロットをやっていなければ、柔道やボクシングで大成していたかもしれない。軍人でさえもそう思うほどに武蔵の身体能力は凄まじいものだった。
『こいつはゼオラの分ッ!!!』
『!?!?』
身体を沈みこませ、大きく跳ぶ様に放たれたアッパーで朱王鬼は天井に叩きつけられ、落ちてくる所を右拳を固めた武蔵が待ち受ける。
『これがアラドの分だッ!!!』
前方に飛び込むように放たれた右拳が朱王鬼の顔面の骨を砕くが、それだけでは止まらず振り切ったその拳は朱王鬼を手術台へと叩き付けた。
『オウカさん達の分もあいつはぶちのめしておいたよ。辛い事もあったと思うし、大変なこともあったと思うけど……少しは前を見れるようになれたらなってオイラは思ってるよ』
武蔵の怒りはオウカ達を思っての物であり、確かな凄惨なものではあったが……オウカ達の怒りと悲しみの代弁としては、これ以上にない武蔵の行動だった。
「ありがとうございます、武蔵さん。少し気が晴れました」
「ありがとう武蔵」
『ん、いやあ、お礼を言われるほどのことじゃないぜ。後トドメはラドラとコウキがやってくれたからよ、あいつはもう完全に死んだぜ』
朱王鬼は死んだの言葉にオウカ達が安堵の表情を浮かべた所で、話を聞いていたビアンが立ち上がった。
「すまないが武蔵君に尋ねたい事があるのだ。少しばかり変わってもらっても良いかね?」
「び、ビアン博士。は、はい。武蔵さん、ありがとうございました。地球に帰られましたらまたお礼を言わせて貰いますね」
『良いよ、良いよ。そこまで気にしなくてさ。じゃあ、また地球に帰ったら』
「は、はい」
武蔵に手を振るオウカの姿にシャインが目を細め、じっとオウカを見つめているがオウカはそれに気付かず。ゼオラ達と共にブリーフィングルームを後にした。
「すまないな、武蔵君。折角仲良く話ているところを」
『いや、いいですよ。ビアンさんがそういうって事は何か大事なことでしょうしね』
「武蔵君。君はテキサスマックというロボットを知ってるかね?」
『へ? テキサスマック? はー、随分と懐かしい名前ですね』
懐かしい名前と聞いてビアンはやはりと呟いた。
「実は今我々がいる所の近くにテキサスマックが眠っている可能性があるんだが、回収する価値はあるかどうかを聞いてみようと思ったのだ」
『そうっすねえ、テキサスマックは確か2人乗りで、ジャックとメリーって言う兄妹が乗ってて、武器は色々と変形する2丁拳銃で……空も飛べますし、結構強いロボットだったと思いますよ? 回収出来るなら回収したほうがいいんじゃないですかね?』
「そうかありがとう。それといつごろ地球に戻る予定だね?」
『あーギリアムさん、ヘルプ』
『通信を変わります。ビアン博士、実はインスペクターのメキボス、シカログ、アギーハの3名がインスペクターを離反し、こちらへ付くといっております』
「ほう? それはどういう風の吹きまわしかね?」
『ヴィガジがインベーダーとアインストに食われていました。確実にホワイトスターはインベーダーとアインストの支配下にあると思われます。ゾヴォークの理念に従い、宇宙の生態圏を守る為だそうです。現在はアギーハをヒリュウ改へ預け、ホワイトスターへメキボスとシカログが戻っていますが、彼らが戻り次第地球へ戻るつもりです』
「それはレフィーナ中佐の考えかね?」
『はい、後は今我々が離れ、我々を敵視する連合軍が月の守りに来ても困るので』
「そうだな、リン社長達を人質にされても困る。分かった、私の方でテツヤ大尉には伝えておく。安全を確保してから地球へ戻ってくれ」
『了解です。それと探し物が見つかるといいですね』
「全くだ」
アルタードとの戦いで負ったダメージは決して軽くはない。どの道クロガネもすぐには動けないのだからヒリュウ改が月にいる間にテキサスマックの捜索に本腰を入れる事をビアンは決め、ギリアムに何か動きがあったらまた連絡をするように頼み、ビアン達はテキサスマックの捜索へ動き出すのだった……。
テキサスマックの捜索は思ったよりも簡単に済んだ。なんせグライエンの持っている地図とメガフロートで見つけた地図の位置が完全に合致していたので、場所自体を特定するのは楽だった……だが問題は別にあった。
『そりゃあッ!』
『よっし、タスク変わってくれ。次は虎龍王がやる』
『おう、頼むぜ。しかしまあ、特機で土木工事をやるとは思わなかったぜ』
『全くだな』
『仕方あるまい、ここはエアロゲイターの攻撃でまだ復興の目処が立っていない地域だからな』
ジガンスクード・ドゥロがシーズアンカーで岩盤を砕き、虎龍王やダイゼンガーが瓦礫を撤去する。ゼンガーの言う通りテキサスマックが眠っていたのはエアロゲイターの襲撃で復興の目処も立たず、その上インスペクターの襲撃も受けて完全に政府から見放されている土地だったからだ。
「ここからは慎重に頼むぞ。無理に撤去し壊れていては目も当てられん」
ビアンの指示で作業は慎重に進み、岩盤の下の建造物が姿を現した。ビアン達は慎重に内部へと踏み込み、その奥に安置されている特機を発見した。
「これがテキサスマックか」
「製作者の趣味をこれでもかと感じるな」
「だがゲッターロボと同等の性能を持つと言うのならば、今の我々にとっては製作者の趣味全開でも必要な力だ」
テンガロンハットにベストにマント、さらにハンガーに固定されている2丁のリボルバーとライフル、そして戦艦の主砲クラスの長大のハイパワーライフルと共に固定された特機テキサスマックは………どこからどう見ても西部のガンマンにしか見えない機体なのだった。
「おお……これがテキサスマック」
「本当にリュウセイはロボットが好きだね」
回収されたテキサスマックを写真に収めているリュウセイと、そんなリュウセイを微笑ましそうに見つめているラトゥーニに続いて、ユウキとカーラもテキサスマックを格納庫に見に来ていた。
「なんか西部のガンマンみたいだね」
「そういうモチーフなんだろう。しかし改めてみても信じられないな」
「何が?」
「旧西暦にこんな特機があったという事だ」
新西暦ではゲシュペンストが始まりの人型機動兵器とされているが、それよりも前に特機でPTよりも精密な人型機動兵器が存在していたという事にユウキは驚いていた。
「当時の政府の馬鹿な行動の1つだな。これらの情報があれば新西暦の機体は今よりももっと発展していただろう」
「全くだ。装甲もパワーも、動力も、ゲシュペンスト・MK-Ⅲを凌駕している。このままトライアウトに出しても成立するだろう」
新西暦の方が技術的には優れている。だが要所要所では旧西暦の方が優れている……テキサスマックもまたレーダーや火器管制能力は劣るが、機体の内面は新西暦よりも優れている機体だった。
「これはこのまま運用するのか? ビアン博士」
「少し改修してからになるだろうな。コックピット回りと火器管制システムを修正すれば運用出来る。それにテキサスマックを調べた事でアウセンザイターの強化も可能になるだろう。これらの機体を未来へ残してくれた過去の科学者達に感謝しよう」
アウセンザイターの強化も可能になるだろう。これらの機体を未来へ残してくれた過去の科学者達に感謝しよう」
失われた時代――即ちインベーダーの襲来を人類が切り抜け、新しい時代へと向かう為に過去の遺物をすべて捨てるという選択をとした当時の政府はゲッターロボに始り、すべての人型機動兵器のデータを破棄した。恐らく開発者だった博士達は皆監視されていただろう……それでもその監視の目を掻い潜り、メガフロートを建造しその中に遺産を隠した。遠い未来で再び人類が危険に晒された時に備え、託された希望。それを代々受け継いできた数少ない家系の最後の1人であるグライエンは、懐の手帳が恐ろしく重いものに感じた。人類への遺産、希望、その重さは饒舌しがたい重さがあったが………希望を託された人間として、グライエンは真っ直ぐに立ちテキサスマックへその視線を向けるのだった……。
クロガネから出撃したダイゼンガーの前に、スレードゲルミルに酷似した特機スヴァイサーが降り立った。
『模擬戦に付き合ってくれてありがとうよ。ゼンガー少佐』
「気にする事はない。俺とてまだダイゼンガーを扱いきれているとは言えん、訓練相手が欲しかった所だ」
同じ白兵戦に特化した特機同士、アウセンザイターやゲシュペンスト・タイプSとは違う訓練相手を求めていたゼンガーにとって、バリソンの申し出は渡りに舟だった。
『そうか、じゃあ胸を借りるつもりで行くぜッ!!』
スヴァイサーが僅かに前傾姿勢になった次の瞬間、スヴァイサーはダイゼンガーの懐に潜りこんでいた。
「早いが……だがその程度……ッ!?」
参式斬艦刀を振るうダイゼンガーだが、スヴァイサーの姿は無くその横薙ぎの一閃は空を切っていた。
『アインストになったあんたとはこれでもかってやりあってるんだぜ? 甘く見られたら困るぜ、ゼンガー・ゾンボルトッ!!』
スライディングで斬艦刀の一閃を回避したスヴァイサーの両手首、そして指から放たれた模擬弾頭がダイゼンガーの胸部を穿つ。
「ぬうっ!?」
『そらよ、こいつも貰ってくれよッ!!』
「甘いッ!! ぬうんッ!!!」
両腕で機体を跳ね上げ放たれた蹴りを脇と左腕で受け止めたダイゼンガーはそのままスヴァイサーを投げ飛ばす。
『うおっ!? くう……やるな』
「そう簡単にはやられん」
とは言いつつ、ゼンガーはやりにくさを感じていた。バリソンのパイロットとしての腕前は中の上、あるいは上の下という所だ。しかしそれはあくまでシュミレーターによる評価であり、実際に対峙してバリソンの強さをゼンガーは肌で感じ取っていた。
(戦いが巧い……)
インベーダーとアインストが闊歩する地獄を生き抜いてきた、というのは伊達ではないのだ。強敵との戦い方、立ち回り、その全てが高次元で纏まっている。対峙しなければ分からない強さをバリソンは持っていた。
『模擬戦なんだ、出し惜しみは無しで行くぜッ!!』
スレードゲルミルのように肩飾りが分離し、斬艦刀に引けを取らない巨大な突撃槍になる。
「槍で俺に勝てると思っているのか?」
『そう思ってるなら痛い目見るぜッ! ゼンガー少佐よッ!!』
最初の突っ込みと同じ速度で突進しながら突き出されたディバインドリラーの一閃を下からの切り払いで弾き、がら空きの胴を払おうとした時持ち手が違う所にあるのに気づいた。
「いかんッ!」
『おせえぜッ!』
持ち手を変え、槍ではなく剣のように振るわれるディバインドリラーを反射的に防いだがダイゼンガーの身体が宙を舞った。
『やれやれ、完全に取ったと思ったんだが……防がれるとは自信無くすぜ』
ディバインドリラーの柄、そしてドリル部分が変形し、持ち手を隠すのを見てゼンガーはなるほどと呟いた。
「十字槍のようなものだな」
『ご明察。槍は突きだけじゃないんでね、薙ぐ、斬るなんでもござれ、持ち手を変えれば変幻自在、そしてそこにドリルの突破力を加えれば……』
ディバインドリラーが火花を散らしながら高速で回転し、その切っ先がダイゼンガーへと向けられる。
『我が魂の槍に貫けぬ物はないッ!!』
その気迫、闘志にゼンガーは笑みを浮かべ参式斬艦刀を構えなおす。
「相手にとって不足無し、全力でいくぞッ!」
『来いよ、ゼンガーッ!! 手加減なんぞいらねえぜッ!!』
参式斬艦刀とディバインドリラーが何度もぶつかり合い火花を散らす。
「……バリソンってあんなに強かったのか」
「強いとは思っていたが……あそこまでとは」
どこか飄々としていて、掴み所のない男と感じていたリュウセイ達だが、その強さを目の当たりにし驚きに目を見開いた。ゼンガーとダイゼンガーはゲッターD2に匹敵する機体であり、パイロットとしての腕前も新西暦では最高峰と言える。それにグルンガストの改造機でここまで肉薄するとは、夢にも思っていなかった。
「はぁッ!!」
『舐めんなッ!!』
「「「嘘だろッ!?」」」
スヴァイサーが口で斬艦刀を受け止め、そのままディバインドリラーを突き出す。
「なんのッ!!」
膝蹴りで切っ先を逸らし拳を突き出すダイゼンガーにスヴァイサーの巨体が吹っ飛び背中から倒れ込んだ。
「ここまでだな」
倒れているスヴァイサーに斬艦刀の切っ先が向けられ、スヴァイサーは倒れこんだまま両手を上げる。
『俺の負けだな、畜生め』
「いや、良い勝負だった。まだやれるか?」
『当たり前だ、仕切りなおしといくか?』
再びダイゼンガーとスヴァイサーが距離を取り模擬戦を始める。最終的にカーク達にそれ以上やればスヴァイサーもダイゼンガーも駆動系に問題が発生すると言われ、模擬戦は中断された。
「5戦2勝3敗か……」
「勝負は紙一重だった。またやろう」
「今度は俺が勝ち越すぜ」
「ふっ、それも良いだろう」
負け越してるがゼンガーを相手に2勝を上げたバリソンは己の力を示し、リュウセイ達にも一目置かれる事になるのだった……
テキサスマック
スヴァイサー
を入手しました。
第227話 闇の胎動 へ続く
と言う訳で地上ルートでは乗り換え特機のテキサスマック『ネオゲ仕様』とムゲフロからスヴァイサーが参戦しました。
スヴァイサー好きなのでグルンガストを元に改造したという事で、次回でインターミッションは終わり、敵陣営の強化の話をやってエクセレンとアルフィミィの話に入ろうと思います。それでは次回の更新もどうかよろしくお願いします。
テキサスマック
ネオゲッターロボと同様に過去から未来へと託された遺産。ウエスタンベストとテンガロンハットを被った50m級の白銀の特機。
グラスマン家に伝わって来た手帳に記された地図とネオゲッターが封印されていたメガフロートに残された地図の合致したポイントの地下に封印されていた。武装はゲッターロボと同様の形状記憶合金で形成されており、マックリボルバー、マックライアット、マックライフル、テキサスブレード、テキサスハンマーと多数の形状に変形可能(明らかに元のリボルバーより巨大化しているが、そこに突っ込んではいけない)更に首に巻かれているマフラーと背部のマントはある程度のエネルギーを弾く特殊な製法で作られた布らしく、射撃武器には高い防御力を誇り、頭部のテンガロンハットは変形しシールドになるなど、近~遠の全てのレンジに対応出来、地上から宇宙まで狙い撃てるハイパワーライフルという超長射程の射撃武器も有しており、直接戦闘から支援まで可能……だが、コックピットの換装およびOSの処理が難しく現在は固定砲台としてしか使用出来ないでいる。なお武蔵の知るテキサスマックとは全く違う姿をしているらしい……。
テキサスマック
HP10000(14200)
EN300(490)
運動性150(180)
装甲1700(2100)
マント HP 5000
特殊能力
マント防御 敵の攻撃命中時、マントのHPが減る。
シールド防御 命中時のダメージを8%軽減
マックライフル MAP ATK3500
マックリボルバー ATK3900
マックリボルバー乱れ撃ち ATK4200
マックライアット ATK4500
マックライフル ATK4700
テキサスソード ATK5000
テキサスハンマー ATK5100
ハイパワーライフル ATK7500
スヴァイサー
レモンが設計していたWシリーズ用の特機のデータを元にバリソンのグルンガスト改を改造した機体。グルンガストの汎用性を全て捨て高い攻撃力、防御力、機動力に全振りした機体。両腕はゲッター合金製の弾丸を発射出来るガトリングアーム、背部には高出力ビームキャノン。頭部には斬艦刀を模したブレードパーツ、両肩の装甲は超大型の突撃槍に変形可能とスレードゲルミルに似たシルエットをしている。
スヴァイサー
HP10000(13200)
EN400(500)
運動性180(210)
装甲2000(2400)
ブレードインフェルノ ATK3900
ゴールドバングル ATK4500
ビームキャノン ATK4900
ディバインドリラー ATK6900
??? ATK7900
視点が変わる時にそのキャラの視点と言う事を表記するべきか
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サイドまたは視点は必要
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今のままで良い