第232話 白騎士と紅き巨人と その5
エクセレンはキョウスケの手の届く場所にいる……後少し、ほんの少し手を伸ばせばその手はエクセレンに届く、だがキョウスケとエクセレンの間に禍々しい赤が割り込む。
『……させませんですのッ!!』
「ちいっ!!」
ペルゼイン・リヒカイトが割り込み手にしたオニレンゲ、そしてオニボサツが変異した鬼がアルトアイゼン・リーゼの進路を塞ぐ。
『……エクセレン、エクセレン……キョウスケ、貴方はいつもいつもエクセレンばかり……ッ』
その声ではアルフィミィが怒り狂っているように思えるだろう。だがアルフィミィは非常に冷静だった……進化した事で感情を得て、己を確立させたアルフィミィは与えられた感情を確かに持て余していた。しかし持て余しているからこそ、ペルゼイン・リヒカイトのコントロールと己を切り離す事が出来る。
「厄介だな」
心は怒り狂っているのに操縦は正確無比、そしてエクセレンの元へ行きたいキョウスケの動きを遮るように立ち回っている。そもそもが強力なアインストであるペルゼイン・リヒカイトが、純度が低いとは言えゲッター線を取り込んで進化しているのだ。今の地球の技術を結集したアルトアイゼン・リーゼであったとしても、進化したペルゼイン・リヒカイトと戦うのは無謀を通り越して自殺行為と言ってもいい。いや、戦力差を埋める切り札は確かにある……あるのだが……。
(今の俺にコントロールできるとは思えん……ヴァイスリッターを勢い余って撃墜してしまっては洒落にもならん)
アルトアイゼン・ギーガに搭載されていたオーバーモードはより強力になってアルトアイゼン・リーゼにも搭載されているが、通常時ですらまともに操縦するのが困難なのだ。幾らキョウスケでも、不確定要素が強すぎるオーバーモードを手札として切るつもりは毛頭無かった。
「アルフィミィ、お前は俺とエクセレンを守りたい、助けたいと言ったな」
オニレンゲの突きをリボルビング・バンカーの切っ先で防ぎながらキョウスケはアルフィミィに問いかける
『……そうですのよ、あの恐ろしい者が目覚めたら全てが終わってしまいますの、だから私はキョウスケとエクセレンを助けたい、守りたいのですの』
アルフィミィの意思は今も変わらない、キョウスケとエクセレンが受け入れられる筈がないが、隔絶した世界に逃げようというのはアルフィミィなりのキョウスケとエクセレンを守る術であり、そして悪意ではなく善意で行なっているのも事実なのだ。
「お前が言う恐ろしい者は、何を目的に地球を狙う?」
『……時間稼ぎのつもりですの? その手には……「お前は自分の事しか言わない、俺の話も聞かない。それで何を信じろと言うんだ。アルフィミィ、信じて欲しいというのならばまずは俺の疑問に答えてみせろ」……む……』
一方的に自分の要求を押し付けていることがキョウスケの信用を得れない理由なのかとアルフィミィは一瞬迷い、オニボサツでラインヴァイスリッターを囲んでバリアを展開する。
『……破壊魔と戦っているので奪還できるとは思いませんが、念には念を入れさせていただきますの』
会話で時間稼ぎはさせない。そう言わんばかりにアルフィミィはエクセレンに誰も近づけないようにしてからキョウスケの問いに答え始める。
『……地球は始まりの地、そしてアインストの本来の役目は監査ですの。始まりの地が乱れ、壊れないように守る。それがアインストの役目』
「では何故俺達を攻撃する」
『……それは始まりの地を乱すからですの。始まりの地は進化の光によって始まりましたの、そして進化の光によって様々な進化が促されましたの』
進化の光……何度もアルフィミィが口にし、欲して来た物、そしてアルフィミィを変えた物……。
「ゲッター線か」
『……その通りですの。破壊魔もそのルーツを辿れば人間と極めて近い近縁種ですのよ?』
「笑えん冗談だな」
インベーダーと人類が近い種族と聞いてキョウスケは笑えない冗談だと感じたが、無言のアルフィミィにそれが真実だと分かり眉を細める。
『……進化は様々な形を持ちますの……そして……そし、そしそし……て、てててっ』
急に壊れた人形のように喋り出したアルフィミィは突如強い敵意を発し、オニレンゲをアルトアイゼン・リーゼへ向かって突き出す。反射的に操縦桿を動かしコックピットを守ったキョウスケだが、ゲッター合金でコーティングされている装甲に深い傷がついたことに目を見開いた。
「アルフィミィ……じゃないな」
『……我は進化の光を持って始まりの地に新たな生命を生み出す者……誤ったルーツを排除し、今度こそ純粋なる静寂の宇宙を……この手にッ』
紫色の毒々しい光を放ちながら殺気を叩きつけてくるペルゼイン・リヒカイトがオニボサツを回収し、ヴァイスリッターを囲んでいるバリアが消滅したのを見たキョウスケは即座にアルトアイゼン・リーゼを反転させた。
『逃がしはしない』
「ぐっ……一発はくれてやるッ!」
敵の前で背を向ける。それは攻撃しろと言っているような物だ、現にペルゼイン・リヒカイトの振るったオニレンゲによって背部に大きなダメージを負ったが、被弾は覚悟の上での行動だった。今のペルゼイン・リヒカイトの動きにアルフィミィの意思は感じられない、今はキョウスケだけをターゲットにしているが、エクセレンにも攻撃を加えられる可能性があるとキョウスケは判断し、優先順位を変えた。ペルゼイン・リヒカイトを下してからエクセレンを確保するのではなく、エクセレンを先に取り戻しそれからペルゼイン・リヒカイトを撃破……いやアルフィミィを正気に戻す。
「……とんでもない大博打になったな」
ラインヴァイスリッター、ペルゼイン・リヒカイトから挟撃を受けながら、アルトアイゼン・リーゼは真っ直ぐにラインヴァイスリッターへ向かって行くのだった……。
ペルゼイン・リヒカイト、そしてラインヴァイスリッターの動きが変わり、それに呼応するように月面に出現していたアインストもその凶暴性を増していた。
【グルル、グガアアアアアッ!!!】
「こ、こいつ急にッ!?」
アインストが吼えながらネオゲッター1に飛び掛ってくる。それを必死に押し返そうとするバンだが、少しずつ少しずつ後ろへ押し込まれる。
『う……ううう』
『……』
「くっ! ジャレッド達がダウンしているだけが理由ではないなッ!?」
ジャレッドとオーガストがダウンした事によるネオゲッターのパワーダウンもあるだろうが、1番下位のアインスト・クノッヘンがネオゲッターを押している事が異常なのだ。
『おっさん、なんか急にこいつ強くなったんだけど!?』
『俺が知るかッ!! 文句を言ってる暇があったら押し返せッ!!』
カイとヤイバが押さえ込んでいたアインスト・ゲシュペンストSは紅いバイザーを光らせながら少しずつ、少しずつゲシュペンスト・タイプXXと闘刃鬼を押し込んでいく。
『ぐっ! はっはははッ!! 化物と思っていたが中々やるじゃないかッ!!』
『吹っ飛ばされて笑ってんじゃねぇボケッ!! 早く立て直せッ!!』
『ああ、分かっているッ!!』
グルンガスト改と闘龍鬼もアインスト・R-SWORDに押され始めている。この短時間でアインスト達は異様な進化を遂げようとしている。
『コアだッ! コアを潰せッ! コアを攻撃して少しでも進化を妨害するんだッ!!』
インベーダーとアインストと戦っていたゲシュペンスト・タイプXNからギリアムの指示が飛び、パイロットが2人ダウンしていることでかなり出力は落ちているネオゲッターをバンは必死に操り、膝蹴りをコアに叩き込みアインスト・クノッヘンを上空へ蹴り飛ばし、宙に浮いたアインスト・クノッヘンが再び着地する前に螺旋状のエネルギー……ヴァルシオーネの放ったクロスマッシャーがそのコアを完全に砕き、アインスト・クノッヘンを消滅させる。
「助かりました。リューネ嬢」
『バン大佐、お礼は良いから! あたしでも分かるよ。このままだと大変な事になるッ! 早くアインストの数を減らさないとッ!』
『くそっ! サイバスターはアインストとインベーダーと相性が悪いって言うのによッ!!』
急速なアインストの進化と変異の理由は誰の目から見ても明らかだった。紫の光に包まれているペルゼイン・リヒカイト、そしてアインストと融合し、変異したヴァイスリッターだ。
『キョウスケ中尉! ヴァイスリッターの額です! 額を狙ってください! それが強い念を発してますッ!!』
ヒュッケバイン・MK-Ⅲ・タイラントからリョウトがオープンチャンネルで叫ぶ、キョウスケはそれに返事を返さなかったがリョウトの言葉は間違いなく届いた筈だ。
『エクセレンのやつが正気に戻れば少しは立て直せるのか!?』
『分かりません! でもこのままじゃキョウスケ中尉だけじゃなくてエクセレン少尉も危ないです!』
ペルゼイン・リヒカイトはアルトアイゼン・リーゼだけではなく、ラインヴァイスリッターも狙っている。エクセレンが正気を失ったままでは間違いなくエクセレンは撃墜され死ぬだろう。
『くっ! 応援にすらいけんとはッ!』
『ラミア! 今はとにかくアインストとインベーダーの数を減らすしかないッ!』
『アイビスッ!』
『分かってるよ、スレイッ!!!』
アステリオンとベルガリオンが同時にCTM-02スピキュールを放ち、無数に分かれた弾頭がアインスト達のコアへ突き刺さる。
『ラッセル、意地でも刺さってる弾頭にぶち当てろッ!! ステークセット! うおらあああッ!!』
『あ、当てて見せるッ!!』
CTM-02スピキュールではアインストのコアを貫く事は出来なかった。だがコアにCTM-02スピキュールは突き刺さったままであり、こうなればCTM-02スピキュールは楔になりうる、CTM-02スピキュールに強い衝撃を与え、亀裂を広げながら弾頭を爆発させるという荒業で少しずつだがアインストを撃破する。
「リン・マオ。手伝ってくれ」
『奇遇だな、私も頼む所だった』
バン達は戦っているのはアインストだけではない、今正に月面へ降下しようとしているインベーダーの群れに照準を合わせながらバンとリンはコンソールを操作する。
『ブラックホールキャノン、ドッキング完了。ブラックホールエンジン出力120%で固定……』
「今使えるエネルギーを全て……これにつぎ込むッ!」
頭上で手を打ち鳴らしたネオゲッター1が両手を広げてゆくと手の間から凄まじい放電音が響き渡る。そしてその隣ではヒュッケバイン・EXアーマーが腰を深く落とし、ブラックホールキャノンの照準をインベーダーの群れへと合わせる。
「ギリアム離脱しろッ! 巻き込まれるぞッ!」
『了解したッ!』
PT形態から巡航形態に変形したゲシュペンスト・XNが射軸から離脱した次の瞬間ヒュッケバイン・EXアーマーとネオゲッターが同時に動いた。
「まずはこれだッ!!」
プラズマサンダーではなく、溢れた余剰電力を矢として放つネオゲッター1。その高エネルギーに引かれ、インベーダーが月面から離れる。
『ブラックホールキャノン……発射ッ!!!』
ネオゲッター1の放ったエネルギーに吸い寄せられたインベーダーのど真ん中にブラックホールキャノンが着弾し、月面に降り立とうとしていたインベーダーは吸い込まれ次々と消滅する。
「プラズマ……サンダァァアアアアアア――ッ!!!」
バンが裂帛の気合と共に放ったプラズマサンダーはペルゼイン・リヒカイトのどてっぱらに命中し、その巨体を弾き飛ばす。
「キョウスケ・ナンブッ!! 奪われた者をその手で取りもどせッ!!」
逃げるラインヴァイスリッターを紅い閃光となったアルトアイゼン・リーゼが追う。
【……】
『エクセレン! 帰って来いッ! 俺の所へッ! 帰って来るんだッ!!』
キョウスケの言葉に逃げ回っていたラインヴァイスリッターの動きがほんの僅かだけ緩み、その緩んだ隙をキョウスケは決して見逃さず、歯を強く食いしばり、最大加速でラインヴァイスリッターとの距離を殆ど一瞬で埋めた。逃げようとラインヴァイスリッターが翼を広げるが、それよりも早く固く握りこんだアルトアイゼン・リーゼの右拳が、ラインヴァイスリッターの額の紅い宝玉を殴り砕いた……。
エクセレンの意識は最初から最後までずっとあった……だがその手足はエクセレンの意思に反して動き続け、言葉も発する事も出来なかった。それでもずっとキョウスケが自分を助けようとしている事は分かっていたし、キョウスケを傷つけないように必死に自分の身体を操る何かにも逆らい続けていた……だがそれも限界を迎えようとした時だった。キョウスケの強い叫びがエクセレンの耳を打った。
『エクセレン! 帰って来いッ! 俺の所へッ! 帰って来るんだッ!!』
帰って来い、自分の元へ帰って来いというキョウスケの言葉に、エクセレンは最後の力を振り絞りアルトアイゼン・リーゼから逃げようとする己の手足を必死に止め、動きを止めたラインヴァイスリッターの額にアルトアイゼン・リーゼの右拳が打ちこまれ、強い衝撃と共に己を縛る何者かの念が消え去ったのを感じた。
『エクセレン。聞こえるか?』
「……キョウスケぇ……お姫様の目覚めにパンチって酷くない? そこは普通目覚めのキスじゃないの?」
『……戻ったら幾らでもしてやる』
「え? 嘘? 本当? 珍しくデレてる?」
『やっと取り戻したんだ、少しくらいならお前の我が侭だって聞いてやるさ。まだやる事は残っているがな……ッ』
並び立つラインヴァイスリッターとアルトアイゼン・リーゼの前に、ペルゼイン・リヒカイトと2体のオニボサツが立ち塞がる。
『エクセレン……「分かってるわよ。あの子はあの子になりに私とキョウスケの事を考えてくれてたみたいだし……とりあえず」
頭はぼんやりとしていて手足も重い、だがエクセレンは自分が今何をするべきなのかはちゃんと理解していた。
「あの世間知らずのお嬢ちゃんのお尻を引っぱたいて、やって良い事と悪い事を教えてあげましょうか!」
『アルフィミィに取り憑いてる物を引っぺがす。その後にあいつが何を恐れているのか、そして何を知っているのかを聞き出すぞ』
「オーライ♪ お任せッ!」
今にも意識を失いそうな疲労感を感じながらもエクセレンは普段通りに振舞う……が、キョウスケにはその演技は簡単に見抜かれていた。
『これが終わったら部屋へ連れて行ってやる。後少しだけ頑張ってくれ、エクセレン』
「おんぶとかなしよ? お姫様抱っこじゃないと臍曲げちゃうんだから」
『良いだろう。皆が見てる前でお姫様抱っこで医務室に連れて行ってやる』
「えっ、待って、あ、いや……と、とりあえず……お願いしますッ!!」
羞恥心と珍しくデレたキョウスケを秤に掛け、エクセレンはキョウスケに甘える事を選び敬語でお願いしますと叫ぶ。キョウスケはそんなエクセレンをからかうように小さく笑った。
『安心しろ、やっぱり嫌だと言っても抱き上げてやるッ!』
「ちょっとー!? 今笑ったでしょ!? キョウスケッ!?」
音を立ててアルトアイゼン・リーゼの両肩のハッチが開き、轟音と共にアヴァランチクレイモアが撃ち出される。
「わーお……それ使われたら死んでたわ私」
射角、速度、弾数がアルトアイゼン・ギーガの比ではないアルトアイゼン・リーゼのアヴァランチクレイモアにエクセレンは引き攣った声で呟きながらアヴァランチクレイモアの弾雨を無理矢理突破してきたオニボサツに向けてハウリングランチャーの引き金を引いた。
【【!?】】
初速が段違いのハウリングランチャーBモードに貫かれたオニボサツは溶けるように消え、ペルゼイン・リヒカイトの両肩へと戻る。
『間違ったルーツは排除するッ!!』
『エクセレンはやらせんッ!!』
短距離転移で切り込んできたペルゼイン・リヒカイトの一撃をリボルビング・バンカーで受け止め、回し蹴りで反撃しようとするアルトアイゼン・リーゼだが、蹴りが命中する前にペルゼイン・リヒカイトは再び転移で離脱する。
「キョウスケ……もしかして大分限界?」
『当たり前だ。俺1人でお前とアルフィミィを相手にしていたんだぞ? 弾薬もエネルギーにも余裕はない、クレイモアは使って無いから余裕
があるが、バンカーは最後のカートリッジだ』
「それ余裕あるって言わないわよ? 満身創痍じゃない」
『そうとも言うな』
口調こそ普段通りだが、キョウスケに余裕は残されていない。撃墜しても時間経過で回復するオニボサツ2体を相手にしつつ、ペルゼイン・リヒカイトと戦い、逃げ回るラインヴァイスリッターを追っていたのだ。弾薬は勿論推進剤や、エネルギーも限界寸前だった。
「暴れまくり幽霊ちゃんって行きたいけど……」
『読まれている、アヴァランチクレイモアも射出される前に射程から逃げられた』
アルフィミィを操り、ペルゼイン・リヒカイトを操っている者はキョウスケとエクセレンの操縦の癖を完全に把握していた。こうしてキョウスケとエクセレンが作戦会議をしている間もペルゼイン・リヒカイトは短距離転移を繰り返し、キョウスケとエクセレンの出足をつぶしつつ、オニレンゲからエネルギー刃を飛ばす、マブイグリで攻撃をしてきたと思ったら転移でアルトアイゼン・リーゼとラインヴァイスリッターの背後を取り、全身からエネルギーを放射するライゴウエ、あるいはオニボサツから放つヨミジと高火力の攻撃と守りを同時に繰り出して来ている。
「っ! さ、流石に長期戦は無理ねッ!?」
避ける事は出来る。だが避ける為に大きく移動する事になり、キョウスケとエクセレンは何度も引き離され、そして機体へのダメージも少しずつ蓄積していた。
『ああ、先に俺とお前が限界を向かえることになるッ!』
機体の状態はベストなエクセレンだが、パイロットであるエクセレンは疲労困憊であり、アルトアイゼン・リーゼは弾薬もエネルギーも限界で、パイロットであるキョウスケも限界が近い。
『エクセレン、俺がサポートする。速攻で決める』
「……OKッ! 暴れまくり幽霊ちゃんで決めましょうかッ!」
キョウスケをエクセレンがサポートする形のランページゴーストでは読まれる。普段の逆のパターンで決めるというキョウスケにエクセレンは頷き、大きく深呼吸をしてから操縦桿を握り締めペダルに足を乗せ、数度深呼吸を繰り返し切れかけている集中力の糸を再び繋ぎなおす。
『先に行くぞッ!!』
5連装マシンキャノンを乱射しながらペルゼイン・リヒカイトへ突っ込むアルトアイゼン・リーゼ。だがペルゼイン・リヒカイトは短距離転移を繰り返し、5連装マシンキャノンの弾幕のその殆どを回避する。
【上!?】
「気付くのがちょっと遅かったわねッ!!!」
ハウリングランチャーEモードのビームの雨がペルゼイン・リヒカイトの頭上から降り注ぐ。
【くっ……甘く……見るなッ】
(10発撃って……当ったのは2発……でも予想通り、予想外じゃないッ!)
翼を広げ急加速したラインヴァイスリッターがペルゼイン・リヒカイトの後ろを取る。
【分かっていた】
「残念♪ 後ろを取ったと見せかけて~」
『この距離……取ったぞッ!!』
ペルゼイン・リヒカイトが突き出したオニレンゲをラインヴァイスリッターは急上昇して回避し、ラインヴァイスリッターの背後から最大加速で突っ込んできたアルトアイゼン・リーゼがリボルビング・バンカーをペルゼイン・リヒカイトに突き立てる。
【己……出来損ないの分際でッ!】
『お前が何であれ、俺には関係ない。俺は俺だッ!!』
キョウスケの咆哮と共にリボルビング・バンカーが炸裂し、ペルゼイン・リヒカイトを弾き飛ばす。吹っ飛ぶペルゼイン・リヒカイトの横をラインヴァイスリッターがぴったりと付いて飛びハウリングランチャーBモードを乱射する。
「逃がさないわよんッ!!」
そして一気に加速しラインヴァイスリッターがペルゼイン・リヒカイトを追い抜き、ハウリングランチャーをその背中に突き立てるとEモードに切り替え、最大出力でアルトアイゼン・リーゼに向かって発射する。
『良い位置だッ!!』
【が、がァッ!?】
ハウリングランチャーEモードに押されてきたペルゼイン・リヒカイトにリボルビング・バンカーが炸裂し、再びラインヴァイスリッターへと押し返す。
「キャッチ! &……リリースッ!!」
そして吹っ飛ばされてきたペルゼイン・リヒカイトにハウリングランチャーの銃口が突き刺さり、再びフルパワーのEモードによってアルトアイゼン・リーゼに向かってペルゼイン・リヒカイトが吹っ飛ばされる。
【進化できなかったものの……】
『お前の戯言に耳を傾けるつもりはないッ!!』
アルフィミィに取り憑いている何かの言葉を聞くつもりはないとキョウスケが吼え、三度リボルビング・バンカーの轟音が宇宙へ響き渡り、ペルゼイン・リヒカイトがラインヴァイスリッターの元へと弾き飛ばされる。
「ちょいやさッ!!」
吹っ飛んできたペルゼイン・リヒカイトに向かってラインヴァイスリッターはハウリングランチャーをバットのように振るい、ペルゼイン・リヒカイトを打ち返し、それを待ち構えていたアルトアイゼン・リーゼはなんの躊躇いも迷いも見せず両肩のハッチ、そして背部のハッチを解き放った。
『クレイモアッ!!』
アヴァランチクレイモアの比ではない破壊の嵐がペルゼイン・リヒカイトの全身を打ちすえる。だが至近距離のクレイモアの掃射を受けてもペルゼイン・リヒカイトの装甲は破壊されておらず、ほんの僅かな凹みがあるだけだ。その頑強さを見て安心したと言わんばかりにキョウスケは笑い……。
『バンカーッ!!!』
残り3発のリボルビング・バンカーの2発連射され、転移して逃れようとしていたペルゼイン・リヒカイトを捕まえ、そこに急上昇してきたラインヴァイスリッターの手にしたハウリングランチャーXモードも加わる。
『これが俺達の……ッ』
「切り札よんッ!!」
一際強烈な炸裂音、そしてハウリングランチャーXモードから放たれた強烈なビームがペルゼイン・リヒカイトを飲み込み、そしてアルフィミィを操っていた何者か……いや、「異なる世界のキョウスケ・ナンブ」の思念を弾き飛ばす。
「ちょっとやりすぎたかしら?」
『いや、問題な『問題大有りですのッ!? 殺す気ですのッ!?』……い」
キョウスケの言葉を遮り、涙声のアルフィミィの抗議の声が宇宙空間に響き渡る。
「ほら、やっぱりやりすぎてるわ、だって泣いているわ」
『エクセレンも同罪ですのよ!? なに関係ないって態度をしてるんですの!?』
煙の中から姿を見せたペルゼイン・リヒカイトは右肘から先が無く、左足も根元から千切れ、腰部には風穴が開き、全身皹だらけで満身創痍という状態でエクセレンも同罪と声を上げる。
『そんな事はどうでもいい』
『どうでも良くないですのよ!?』
自分の抗議をどうでもいいと言われたアルフィミィは声を荒げるが、続くキョウスケとエクセレンの言葉に動きを止めた。
「怖いから逃げるって言うのも分かるけど……戦ってみるのも1つの手じゃないかしら?」
『道は作ることも出来る。俺とエクセレンはお前の元へは行かないが、お前が俺とエクセレンの元へ来るというのならば拒みはしない。決めるのはアルフィミィ、お前だ』
キョウスケとエクセレンの来いと言う言葉にアルフィミィは揺れた。アインストではなく、ゲッター線を取り込み進化したアルフィミィは既にアインストと言う種を超えた存在であり、求められた事に歓喜し言葉を発する事は無かったが、伸ばされたアルトアイゼン・リーゼとラインヴァイスリッターの伸ばす手に躊躇いながら残された左腕を伸ばし……ペルゼイン・リヒカイトの手がアルトアイゼン・リーゼの手に触れる寸前の所で虚空から伸びた巨大な左手がペルゼイン・リヒカイトを鷲づかみにし、ペルゼイン・リヒカイトを虚空へと引きずり込まんとする。
『……キョウスケ、エクセレン……お2人の言葉……嬉しかったですの。お礼に1つだけ、白き魔星……を』
「『アルフィミィッ!』」
本当に嬉しそうにアルフィミィはそう呟き、ペルゼイン・リヒカイトの姿は虚空の中へと消え去り、キョウスケとエクセレンのアルフィミィの名を叫ぶ声が空しく、宇宙へ木霊するのだった……。
第233話 白騎士と紅き巨人と その6 へ続く
まさかのゲストはベーオウルフ【思念】+【腕】でした。それと今回のランページゴーストはMD基準の物となっておりますのであしからず、次回は戦闘終了後のシナリオデモで、その次からはアースクレイドル攻略戦に入って行こうと思います、それでは次回の更新もどうかよろしくお願いします。
デステニーガンダムがチャ
ファトウム01×2
ヴェスバー
ストライクフリーダムのお腹ビーム
インパルスコンビネーション
・
・
・
シンは!?
視点が変わる時にそのキャラの視点と言う事を表記するべきか
-
サイドまたは視点は必要
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今のままで良い