進化の光 フラスコの世界へ   作:混沌の魔法使い

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第239話 開かれし地獄門 その6

第239話 開かれし地獄門 その6

 

一際大きな金きり音と共に龍虎皇鬼とゲッターD2が互いに弾かれ、その首を僅かに傾けある方角へ視線を向ける。それはウォーダンとゼンガーが戦っていた方角であり、ここまで届いていた闘志が途絶えた事に武蔵も龍王鬼も足を止めたのだ。

 

「どうやらあちらさんは決着が付いたみたいだな。武蔵、てめえはどっちが勝ったと思う? 俺はウォーダンだ」

 

『ゼンガーさんに決まってるだろ?』

 

互いに互いの味方が勝ってるに決まっていると口にした龍王鬼と武蔵。どちらも仲間を信じている、仲間が負けるわけが無いとそう心から思っている。

 

「んじゃあ……そろそろギアを上げて行こうじゃねえかッ!!!」

 

【ガァァアアアアアアッ!!!】

 

龍王鬼の言葉と共に龍虎皇鬼の人工筋肉が隆起し、龍虎皇鬼が凄まじい咆哮を上げ、龍王鬼のテンションも最大を迎えようとした時、コックピットに虎王鬼の声が響いた。

 

「お楽しみの所悪いけど、あんまり追い込まない方が良いわよ? ラングレーでのあれをやられたら流石にやばいから」

 

「ああ。ストナーサンシャインだったけか? 大丈夫だぜ、虎。武蔵はあれを使わない」

 

ラングレー基地を吹き飛ばしたストナーサンシャインを使ってこないと龍王鬼は断言した。

 

「ちなみにその根拠は?」

 

「ここの地下であいつの仲間が戦ってる。使えば味方ごと消し飛ばすような大技は使えねぇよ。武蔵の性格ならな」

 

自分が犠牲になる事を厭わない武蔵だが、味方が死ぬのを嫌う武蔵はストナーサンシャインを使わないと龍王鬼は考えており、事実武蔵もアースクレイドルを吹き飛ばしかねないストナーサンシャインを使うつもりは無かった。

 

「という訳で心配はねぇ。俺様が勝つところを見てな、虎」

 

「了解。格好良い所を見せてよね」

 

虎王鬼の言葉に龍王鬼は牙を剥きだしにして笑う。

 

「俺はいつだって強くて格好良いぜ虎ぁッ!!」

 

虎王鬼の激励の言葉に龍王鬼の気力は最大を越え、それに呼応するように龍虎皇鬼から放たれる威圧感も倍以上に跳ね上がる。

 

「俺様の本気を見せてやるぜ武蔵! なんせ俺がこの世界で1番強ぇんだからなぁッ!!」

 

自分が負けるわけが無い、自分が1番強い、そして虎王鬼に格好良い所見せる。それが龍王鬼の原動力であり全てだった。

 

『そいつは違うな、龍王鬼』

 

「あん?」

 

『1番強いのはオイラだぜ』

 

自分の方が強いという武蔵に龍王鬼は声を上げて笑った。楽しくて楽しくて仕方ないと言わんばかりに大声で笑った。

 

「それはこっちのセリフだぜ、武蔵ぃッ!!」

 

『かかって来いやあッ!!』

 

龍虎皇鬼とゲッターD2の足元が同時に砕け、弾丸のような勢いで突撃した龍虎皇鬼の振るった邪龍剣とゲッターD2のダブルトマホークがぶつかり合う。

 

『ぐっ!?』

 

「ほらな、痩せ我慢はてめえの方だぜッ!!」

 

先手を取ったのは武蔵だった。だが打ち勝ったのは龍王鬼だった。弾き返され、僅かに後退したゲッターD2の腹に龍虎皇鬼の前蹴りが叩き込まれる

 

『誰が痩せ我慢してるってッ!』

 

「う、うおおおッ!?」

 

だがその前蹴りを脇の間で挟んだゲッターD2はそのまま回転して龍虎皇鬼を上空へと投げ飛ばす。

 

『ゲッタァァアアッ……ビィィイイイムッ!!!』

 

上下逆になった龍虎皇鬼に向かって頭部ゲッタービームの翡翠の輝きが迫る。

 

「舐めんなぁッ!!!」

 

【ゴガアアアッ!!!】

 

一瞬上半身が風船のように膨らんだ龍虎皇鬼の口から青く輝く炎が吐き出され、ゲッタービームとぶつかり合い大爆発を起こす。

 

「ぐうっ!?」

 

『くっ!?』

 

龍虎皇鬼とゲッターD2の間で発生した大爆発に飲み込まれ、龍王鬼も武蔵も苦悶の声を上げながら互いの機体が爆風の中へと消える。通常ならばセンサーが回復するまで、あるいはその反応を感知するまで動かない。それが新西暦のパイロットの常識だ。肉眼で確認するのではなくセンサーや熱源で相手を察知する習慣が付いているので無理に突撃せず状況把握に努める。

 

『「姿が見えなくてもっ!!」』

 

『「てめえはそこだッ!!!」』

 

だがそれは新西暦の住人の話であり、センサーなんかよりも肉眼、もっと言えば相手の殺意や敵意を感じ取る能力に秀でている武蔵と、野生の勘と人並みはずれた闘争心を持つ龍王鬼は自ら爆風の中に飛び込み、躊躇う事無く全力で攻撃を叩き込む。

 

「へっ……ちょいとずれたか……」

 

『良い勘してるじゃねえか、龍王鬼』

 

互いの攻撃で爆風を弾き飛ばした龍虎皇鬼の爪先から伸びたエネルギー刃は青く輝くライガー2の右肩に突き刺さり、ライガー2のドリルは龍虎皇鬼の脇腹を貫き、そのまま回転を高めて胴に風穴を開けようとしたが、そうはさせまいと龍虎皇鬼は左手で回転するドリルを掴みにかかる。

 

「させるかよッ!!」

 

『正気か!?』

 

「正気も正気よッ!! おら! 止まりやがれえッ!!」

 

高速回転するドリルを左手で無理矢理止めた龍虎皇鬼は邪龍剣を手放し右ストレートをライガー2の顔面に叩き込む。

 

『っつう!? むちゃくちゃするなてめえッ!!』

 

「それはてめえもだろッ!!」

 

殴り飛ばされながらジェットドリルを打ち出してくる武蔵に向かってそう叫びながら、回し蹴りでジェットドリルを打ち落すと共に龍虎皇鬼の姿が消え、ライガー2もそれから少し遅れてその姿を消す。

 

『今度は鬼ごっこかッ! 龍王鬼ッ!!』

 

「はっはぁッ! 力は残念だがてめえが強いッ! だが速さならどうだッ!!」

 

金色と蒼の閃光が何度も何度も走り、一瞬だけドリルを構えたライガーとエネルギー状の鉤爪を構えた龍虎皇鬼の姿が現れ、再びその姿を消す。

 

『ゲッターのマッハのスピードについてこれるかッ!』

 

「はっ! てめえが着いてきてやがれ武蔵ぃッ!!」

 

龍王鬼と武蔵の戦いは今までの足を止めての重厚なぶつかり合いから一転し、マッハの世界の戦いへと移り変わっていくのだった……。

 

 

 

 

現れては消える、消えては現れる龍虎皇鬼とライガー2の戦いは肉眼は勿論、機械を用いても捉えきれるものではない……それが人間の作り出したものであればの話だが……。

 

「ふうむ、龍王鬼が優勢か……前も思ったが、武蔵は超スピードの戦いはどうも苦手なようじゃな」

 

共行王の目はそのマッハの戦いを完全に捉えていた。

 

『オラアッ!』

 

『はっ! 甘いぜッ!!』

 

ドリルの突きを膝蹴りで外した龍虎皇鬼の反撃の爪がライガー2の胸部にめり込みかけた瞬間ライガー2は再び加速し、龍虎皇鬼の攻撃から逃れる。

 

『逃がすかよッ!!』

 

『ちいっ!!』

 

だがその速度に龍虎皇鬼は追従し、逃れようとしたライガー2の懐に潜りこむと同時に掌底を打ち込み、ライガー2を弾き飛ばす。

 

『ぐうっ! プラズマ……ドリルハリケーンッ!!!』

 

だが武蔵もただではやられず、ドリルを高速回転させて作り出した竜巻を龍虎皇鬼へと打ち出す。

 

『う、うおおお!?!?』

 

竜巻に飲み込まれた龍虎皇鬼は空中で体勢を立て直して着地し、再び地面を蹴り音速の世界へと突入する。

 

「今度は武蔵の方が有利か」

 

十分に加速していたライガー2が今度はイニシアチブを取り、龍虎皇鬼もライガー2を追うが……やはり先に加速していたライガー2に追いつく事が出来ず、十分に加速を得たライガーが攻勢に出る。

 

『行くぜえッ!!』

 

『ちいっ!!』

 

スピードが十分に乗っていない龍虎皇鬼の上を取ったライガー2のドリルが龍虎皇鬼の背中を抉り、龍虎皇鬼が地面に叩きつけられる。

 

『1発はくれてやったんだ、今度はてめえが吹っ飛びなッ!!』

 

『なっ!? ぐっがあッ!?』

 

追いつけないと判断した龍王鬼は一撃を無条件で受け入れる変わりに反撃の準備をしていた。攻撃を受け、叩き付けられた瞬間に両腕で身体を支えた龍虎皇鬼のカポエラキックがライガー2を捉え、マッハのスピードのままライガー2が吹っ飛ばされ、崖に叩きつけられる。

 

「ほう……やるな、しかしあれじゃな……詰らん」

 

マッハの戦いはどちらが先手を取るかで、本来ならば攻撃が当った瞬間に終わりだが、武蔵も龍王鬼も優れた野性の勘があるので、攻撃が当った瞬間に機体を動かし致命傷を避けてしまう。

 

「もっとこう……ド派手な戦いを見せてくれ」

 

フェンシングのような差し合いを期待して共行王はこの場にいるわけではなく、龍虎皇鬼とゲッターロボによる激しい戦いを期待していただけに、最初こそは面白いと思ったマッハの戦いにも飽きを感じていた。

 

『武蔵、この戦いは飽きた』

 

『だな、ちまちましてても決着がつかねえ』

 

そして武蔵と龍王鬼もこのままマッハの戦いを続けていても埒が明かないと判断した。

 

『男ならステゴロだろ。なぁ? 武蔵よ』

 

『なんだ? チェンジを待ってくれるのか?』

 

『待ってやるに決まってるだろ。とっととポセイドンになりな』

 

オープンゲットし、ポセイドン2へとゲッターチェンジをする。その姿を見て共行王は興奮した面持ちで身を乗り出した。

 

『伊豆基地での続きをやろうぜ、龍王鬼』

 

『当たり前だ。今度こそてめえをぶちのめしてやるぜ、武蔵ぃッ!!』

 

空間が歪むほどの闘志のぶつかり合い、それは戦いが最終局面を迎えた事の証明だった。

 

「始まる、始まるぞ……どちらがより強い漢か……それが今ここで決まる」

 

共行王から見ても武蔵と龍王鬼は今この世界で最強の漢である。そんな漢同士が何の邪魔も無く、真っ向からの正々堂々正面からぶつかり合う。

 

「これほど見ごたえのある戦いはないぞ……ッ」

 

ラングレー基地ではヴィンデルの横槍が入り、ブライがいたので龍王鬼も自分らしい戦いが出来なかった。ヴィンデルもブライもいない、そして武蔵が気に掛ける仲間もいない……何の憂いも迷いも無く龍王鬼と武蔵が戦える条件が奇しくも揃っている。こんな好条件が揃うのは後にも先にも恐らくない、最高の条件での最強の漢を決める為の一騎打ちが今始まろうとしているのだった……。

 

 

 

龍虎皇鬼とポセイドン2の鉄拳がぶつかり合い凄まじい轟音が周囲に響き渡り、龍虎皇鬼が吹っ飛ばされる。

 

『くっうっ! 痛てえなあッ!!』

 

体勢を立てなおすと同時に腕を振り上げエネルギー刃を飛ばす龍虎皇鬼。だがポセイドン2は両腕を顔の前でクロスさせ、腕でエネルギー刃を防ぎ龍虎皇鬼との距離を強引に詰める。

 

「うおらぁッ!!」

 

突進した勢いで前蹴りを叩き込むポセイドン2の一撃を龍虎皇鬼は横っ飛びし、紙一重で回避しポセイドン2の後ろを取り、その腰に腕を回す。

 

『うおりゃあああッ!!』

 

腕をホールドしたまま上半身を逸らし、ジャーマンスープレックスを仕掛ける龍虎皇鬼。

 

「うごっ!?」

 

投げっぱなしジャーマンで投げ飛ばされた武蔵はポセイドン2の重量もあり、凄まじい衝撃に血反吐を吐きながら苦悶の声を上げた。

 

『はっはーッ! どうだ、武蔵ぃッ!!』

 

倒れているポセイドン2を踏みつけようと連続で足を振り降ろす龍虎皇鬼にポセイドン2は地面を転がって回避し、肩のゲッターキャノンが地面に接地した瞬間にゲッターキャノンを発射し、その反動で飛び上がり龍虎皇鬼の上を取る。

 

『おいおいッ! 正気かッ!?』

 

龍王鬼が正気かと叫ぶのも当然だ。至近距離でゲッターキャノンを発射した事でポセイドン2の装甲は砕け火花を散らし、装甲の再展開が行われているが骨組みが見えている部分もある状態で背部のブースターで加速し、体当たりを仕掛けてくるその姿は肝が据わっている龍王鬼から見ても自爆、特攻に等しい光景だった。

 

「正気も正気だぜッ!! 喰らいなッ!!」

 

追突の瞬間に武蔵は歯を食いしばり衝撃に備える。そしてポセイドン2は突進したそのままの勢いで龍虎皇鬼に頭から突っ込む。

 

『ごっはぁあッ!?』

 

「ぐうっ!?」

 

トラック同士の正面衝突のような轟音を響かせ、龍虎皇鬼とポセイドン2は組み合ったまま地面の上を転がる。

 

「うおらあッ!!」

 

ポセイドン2が上を取り、龍虎皇鬼の顔面に拳を振り下ろす。

 

『がぁッ!? なろおッ!』

 

頭部を殴られた龍虎皇鬼は回転し、今度はポセイドン2が下、龍虎皇鬼が上になる。

 

『喰らえやッ!!』

 

「ぐうっ!? この野郎ッ!!」 

 

上になった龍虎皇鬼がポセイドン2の顔面に拳を振り下ろし、凄まじい轟音が響き渡る。目まぐるしく上下が変わり拳を振り下ろすを繰り返す。

 

「くそったれ、タフな野郎だッ!」

 

『それはこっちのセリフだぜっ!!』

 

転がりあっての殴り合いから何時の間にか立ち上がっての殴り合いとなっており、何度も何度も轟音が響き渡り、龍虎皇鬼とポセイドン2の装甲が拳の形に凹み、再生能力で装甲が回復するがそれよりも早く殴りつけられ、再生が間に合わず龍虎皇鬼もポセイドン2も装甲のあちこちから火花を散らし、マニピュレーターもボロボロに拉げていた。だがそれでも龍王鬼と武蔵の闘志は消える事無く、より激しさを増す。

 

「取ったぁッ!!」

 

ポセイドン2の手の平から射出されたフィンガーネットが龍虎皇鬼を捕らえ、大雪山おろしの構えに入る。腰を落とし、脚部をキャタピラへと変形させ高速で回転する。

 

「大ッ! 雪ッ!! 山ッ!!! おろしいいいいいッ!!!」

 

螺旋回転しながら吹っ飛ぶ龍虎皇鬼に向かって再びフィンガーネットを射出しようとした瞬間だった。脱力していた龍虎皇鬼のカメラアイに光が戻り、空中を蹴りつけてポセイドン2へ向かって急降下し、フィンガーネットを回避する。

 

『はっはぁッ! 同じ技で俺様がやられるなんて思うなよッ!!』

 

「ちいいっ!!」

 

大雪山おろしをあえて脱力しうけきった龍虎皇鬼は炎を纏った邪龍剣を片手に突っ込んでくる。回避も防御も間に合わないと判断した武蔵はストロングミサイルでの迎撃を試みる。

 

『そんな鈍重な攻撃が当ると思ってんのかあッ!』

 

確かに俊敏な龍虎皇鬼にストロングミサイルを当てるのは武蔵と言えど困難である。だが武蔵にはストロングミサイルを当てる算段が出来ていた。

 

「100%当るぜ!! おらああッ!」

 

ストロングミサイルを小脇に抱え、ストロングミサイルごと龍虎皇鬼に突撃する事を武蔵は選んだ。発射するのではなく、それごと体当たりをすれば、龍王鬼とはいえ避けきれる物ではない。

 

『は……ははははははッ!! 良いぜ良いぜッ!! 来いよォッ!!』

 

「行くぜ、おらああああッ!!」

 

特攻に等しい突撃に龍王鬼は笑いながら邪龍剣を振り下ろし、ストロングミサイルを抱えたままのポセイドン2の姿が交錯し……龍虎皇鬼とゲッターポセイドン2の姿は白い光の中へと消え去るのだった……。

 

 

 

第240話 開かれし地獄門 その7へ続く

 

 




龍王鬼と武蔵の決着はどうなったかはここでは分からないという感じで終わりにして見ました。画面が白くなってシナリオデモに入るパターンですね、たまにはこういうのも良いかなって思ってやって見る事にしました。次回からはアースクレイドル内部での戦いに視点を変えていくので、武蔵と龍王鬼の戦いがどうなったのか楽しみにしていただけると幸いです。それでは次回の更新もどうかよろしくお願いします。


スパロボDD

ズワルトシャインスパークとズワルトストナーを当てるのに意志を使い切ったので今回のガチャは見送りたいと思います。


FGO

100連しましたが星4すら出ず終了

何故かイベント礼装の星5の凸4が3枚になりましたが、これだけ出るなら1枚くらい星5鯖が良かった。

視点が変わる時にそのキャラの視点と言う事を表記するべきか

  • サイドまたは視点は必要
  • 今のままで良い
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