進化の光 フラスコの世界へ   作:混沌の魔法使い

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第240話 開かれし地獄門 その7

 

第240話 開かれし地獄門 その7

 

アースクレイドルに突入してから延々とクロガネを襲い続けていた特攻兵器のゲットマシン。小型とは言えゲッター炉心を搭載したゲットマシンの特攻はクロガネですら直撃すれば轟沈しかねない威力を秘めた恐ろしい兵器であり、何をおいても撃墜しなければならない兵器であった。だからこそビアン達もその迎撃に意識を向け、接近されないうちに迎撃していた。

 

「これが目的だったか……ッ」

 

ゲッターVのコックピットでビアンは唇を噛み締めた。不知火の特性は十分に理解していた、機体の残骸を取り込み己の装甲を構築する百鬼獣……だがクロガネは勿論、アウセンザイターやテキサスマック、龍虎王と言った特機ですら一撃で破壊されてしまうような悪夢の兵器だ。PTならば爆発の余波ですら危険であり、直撃ならば脱出してもパイロットごと機体が消し飛ぶのは確実だ。だからビアン達は特攻型ゲットマシンを撃墜し続けた。だがビアン達が特攻型ゲットマシンを撃墜し続けたのはある前提があったからだ。それは百鬼獣とゲッター炉心の相性が最悪を通り越して最低であるという前提だった。

 

「馬鹿な……百鬼獣がゲッター炉心を取り込むだと?」

 

「これは流石に予想外でしたね。私とビアン博士の解析が間違っていたのでしょうか?」

 

大概の事では動揺しないカーウァイの声も固く、ビアンと共に何度も百鬼獣を解析し、百鬼獣とゲッター炉心は両立しないというデータを得ていたシュウも信じられないと声を振るわせた。ゲッターノワールは原型がブラックゲッターロボであり、百鬼獣の技術よりもマシンセルの技術による自己進化による異常進化に凶悪性であるとビアン達は考えていた。ゲッター炉心の作成のノウハウを持つ百鬼帝国がゲッター炉心を搭載した百鬼獣を製作しないのは百鬼帝国の技術をもってしても相反する性質を持つ百鬼獣とゲッター炉心を組み合わせる事が出来ないのだと確信していた。そしてそれは事実であり、本来ならばゲッター炉心を搭載した百鬼獣は作れない、だがそれはある条件を満たせば解決出来る物でもあったのだ。

 

『ヒャハハハハッ! 鬼神の装で貴様らを皆殺しにしてくれるッ!!』

 

しがれた老婆の声と若々しい女性の声へと目まぐるしく変わりながらアギラの勝利を確信した笑い声がアースクレイドルの内部に響き渡る。鬼とゲッター線の相性はいうまでも無く最悪だ。よほど強靭な精神力と肉体が無ければゲッター線に蝕まれ、その鬼の肉体は崩壊する。アギラはいうまでも無く、そのどちらも満たしていない。では何故不知火にゲッター炉心を取り込むことが出来たか? 答えは簡単でアーチボルドと同様に不知火のコックピットに組み込まれ、マシンセルを投与した事による肉体の修復とゲッター線による進化促進によって老いて若返ってを繰り返し、パイロットではなく生体CPUとして組み込まれているのが今のアギラだった。イーグレットと異なり利用価値が無いと判断され、アギラによって起動データを取り、そしてより改良された不知火が完成したので不知火の1号機とアギラは最早用済みであったのだ。

 

『ヒャハハハハ! あはやひゃははははははッ!?!? ゲッター線……ゲッター線を手にしたワシは最強だああッ!』

 

アギラは狂っていて、既に人間としては死んでいても、百鬼帝国の改造によって生体CPUとして稼働しており不知火鬼神の装は十分にその戦闘力を発揮していた。

 

「アラド! ゼオラ! 散開しなさい! 集まっていては危険よ! ラトゥーニとシャイン王女もよッ!!」

 

ラピエサージュのオウカから散開しろと指示が飛び、ビルドビルガー達はフォーメーションを解除して、不知火鬼神の装の攻撃に対応出来るように散開する。

 

『逃すかぁ、この出来損ないのサンプル共があッ!!』

 

当然ながらアギラがそれを許すわけも無く、大きく広げられた不知火鬼神の装の手の平、指先に無数のビーム発射口がその姿を見せる。

 

「げっ!? マジかよッ!? ゼオラ逃げるぞッ!!」

 

「うんッ!!」

 

「アラドとゼオラは2時の方角へッ! オウカさんは7時の方向へ!」

 

雨霰のように発射されるビームの雨をアラド達は必死に回避し、ラトゥーニに守られているシャインがどの方角に逃げれば避けやすいかと指示を出し、ラトゥーニの操縦の支援をしてもらいながら降り注ぐビームの雨を必死に回避する。

 

「ユウ! アラド達がやばいよ!?」

 

「分かっている! 分かっているが俺達の方もやばい! カーラしっかり掴まっていろ!」

 

ユウキはそう叫ぶと同時に操縦桿を思いっきり傾け、ペダルを強く踏み込んだ。少しの溜めの動作のあとラーズアングリフ・ゲイルレイブンは背後のブースターを全開にし前に突進するように加速し、勾玉型のビットから放たれるビームの雨を必死に回避する。

 

「照準を何とか合わせてくれッ! 迎撃しないと不味い!」

 

「わ、分かったッ!」

 

カーラが照準を合わせ、ユウキが勾玉型のビットを迎撃する。だが打ち落とされた勾玉型のビットはマシンセルの力で即座に修復し、執拗にラーズアングリフ・ゲイルレイブンとジガンスクード・ドゥロと言った鈍重な機体を執拗に追い回す。

 

「レオナ! あのビットを撃ち落すぞ! ユウキとタスクはビットが修復する前に完全に破壊してくれ! 欠片も残さなければ流石に修復は出来ないはずだ!」

 

レオナにそう指示を出しながらユーリアの駆るテキサスマックはスナイパーライフルに変形させたマックリボルバーでシックススレイブを撃ち落す。

 

「くっ! 回復が早い! レオナッ!」

 

「了解ッ!!」

 

マックリボルバーだけでは完全にシックスレイブを撃ち落す事が出来ず、ユーリアがレオナの名を叫ぶとヴァルガリオン・ズィーガーがその手にしていたレールガンを発射し、先に打ち込まれていたマックリボルバーの弾頭をより深くに捻じ込んだ。それによってやっとシックススレイブはその動きを止めた。

 

「ユウ! ロックオンOKだよ!」

 

「よしッ!! 行けッ!!」

 

「まとめて消し飛ばしてやる! ギガワイドブラスタァァアアアアッ!!」

 

ラーズアングリフ・ゲイルレイブンの放った陽電子砲とジガンスクード・ドゥロのギガワイドブラスターによってシックススレイブは完全に消し飛ばすことが出来た。だがまだガーベルゲルミルとゲーゲルミルは健在であり、シックススレイブを失ったことで遠距離攻撃から近距離攻撃へと攻撃手段を切り替え斧とブレードを手にする。

 

「レオナちゃんとユウキは支援を頼むぜッ! ユーリアさん!」

 

「仕方あるまい! レオナ、ユウキ! 支援を頼むぞッ!」

 

近接戦闘になれば武装の大半が射撃武器のラーズアングリフ・ゲイルレイブンと装甲がそれほど厚くないヴァルガリオン・ズィーガーは耐え切れないと判断し、ジガンスクード・ドゥロとテキサスマックが前に出て、ガーベルゲルミルとゲーゲルミルと応戦する。

 

「くっ! 切りが無い!」

 

「クスハ! 虎龍王に変われ! 龍虎王よりも虎龍王のほうがこいつらとは戦いやすい!」

 

「ブリット君お願い!」

 

ゲッターノワールG・変異体から次々と姿を見せる量産型ゲッターロボG相手ならば動きが早く、敏捷性に優れる虎龍王の方が良いと叫ぶブリットにクスハはお願いと叫び、龍虎王から虎龍王へと変形する。

 

「ブリット、戦い方は外と同じだ。引き千切る、あるいは押しつぶすようにして再生能力を無力化させるんだッ!」

 

コウキがそう叫びながら轟破・鉄甲鬼を操り、ドリルで抉り潰すように量産型ゲッタードラゴンの上半身を押し潰し、そのまま反転し頭部ブラスターキャノンを百鬼獣に向かって発射する。

 

「そいつは良いな! 俺の独壇場だぜッ!!」

 

スヴァイサーからバリソンの怒号が響き、ディバインドリラーを振り回し、次々と量産型ゲッターロボGの装甲を抉り潰し、ゴールドバングルの掃射でその破壊の跡をより深くする。

 

「タイラントドリルッ!! いけえッ!!」

 

虎龍王の手がドリルへと変形し、轟破・鉄甲鬼と同じ様に量産型ポセイドンの上半身を抉り潰す。

 

『ギ、ギギギ……ッ!!』

 

自己修復能力は持っているので完全に破壊することは出来ないが、それでも装甲が拉げ、自己修復能力を大きく阻害し、量産型ドラゴンとポセイドンが思うように動けない所を轟破・鉄甲鬼の装甲が変形したファンから放たれた酸を伴った暴風が量産型ドラゴンとポセイドンを飲み込み、全身が錆び付いたドラゴンとポセイドンがやっとその動きを止めるが、虎龍王と轟破・鉄甲鬼の回りを青い影が駆け回る。

 

「コウキさん、今のもう1回出来ますが?」

 

「心配ないクスハ。もう問題はない」

 

「問題ない? それはどういう……」

 

コウキの言葉の意味をブリットがどういう意味かと尋ねた直後に量産型ライガーが爆発し、その後からゲシュペンスト・タイプSが姿を見せた。

 

「炉心を狙え、炉心のパイプを潰せば再生しようが、強かろうが何の問題もない。胴体部の炉心を狙えばこいつらは無力化できる」

 

無数の量産型ゲッターロボGの残骸を後に平然と炉心を狙えというカーウァイにクスハとブリットは言葉を失ったが、対処法があるのならばとコウキは即座に実行に移し、炉心を斧で抉り出すのを見てブリットもそうするしかないと判断したが、カーウァイとコウキのように即座に炉心を見抜くような眼力はブリットには無かった。

 

「クスハ、ゲッター線反応の探知を頼む! そこを頼りに攻撃する!」

 

「分かったわ! 任せてブリット君ッ!」

 

自分1人では無理だがクスハにサポートを頼み、次々と襲ってくる量産型ゲッターロボGと必死に応戦する。MAPWを搭載しているゲッターVとグランゾンが思うように動く事が出来れば戦況をひっくり返すとまでは言わないが、戦況を互角にまで押し返すことは可能なはずだったが、それは相手も十分理解していた。

 

「不味いな、私とシュウを完全に足止めしに来ている」

 

「相手も馬鹿ではないという事でしょうね。ビアン博士」

 

『シャアアッ!!!』

 

『グルルルルッ!!』

 

ゲッターノワールG・変異態から伸びてくるゲッターロボの上半身や頭部だけを持つゲッターヘッドの執拗な攻撃、そして特攻型ゲットマシンを防ぐのにゲッターVとグランゾンは重力場を解除する訳には行かず戦況は悪化の一途を辿り続けていた。そしてその中でもゲッターノワール・Gと戦っているSRXチーム、そしてレーツェルとラドラはビアン達以上の窮地へと追い込まれているのだった……。

 

 

 

漆黒の閃光がSRXを走る度にSRXの念動フィールドが音を立てて拉げ、SRXの巨体が右へ左と弾かれる。

 

「くそっ!! なんて攻撃力だッ!」

 

『リュウセイ防御に専念しろッ! 少佐達が何とかしてくれるのを待つしかないッ!!』

 

反撃に動こうとしたリュウセイをライの静止の声が止める。SRXが念動フィールドを展開している事でR-GUNパワードやR-SWORDは致命傷を防ぐ事が出来ていたが、それは火力役であるSRXにタンクを強要する事であり、攻め手を完全に欠けさせる一手だった。

 

『アヒャハハハハッ!! SRXさえ止めてしまえば恐れる事はありませんからねぇッ!!』

 

アーチボルドの狂笑が響き、SRXの巨体が再び弾かれるがすぐに足を地面に叩きつけてSRXは体勢を立て直す。

 

「レーツェル、ラドラ早く何とかしてくれッ!!」

 

アウセンザイターとゲッターザウルスがゲッターノワールGを何とか出来ればSRXも攻撃に加わる事が出来る。マシンセルとゲッター炉心による異常な回復力を上回る攻撃力があるHTBキャノンやHTBソードを使う事が出来る。だがアーチボルドもそれを警戒し、それを使わせないように立ち回っていた。

 

『ちいっ! ガリムでも追いきれんッ!!』

 

ゲッターガリムでゲッターノワールGを追うラドラだが、後一歩と言う所でゲッターノワールに逃げられる。

 

『そんな豆鉄砲で僕は止まりませんよぉッ!!』

 

逃げた先はアウセンザイターの前だが、ランツァカノーネが直撃しても攻撃力よりもゲッターノワールGの回復力が上回っている。

 

『こんなに馬鹿にされたのは初めてだッ!!』

 

『あっはははは! 悔しいですかねぇ! エルザムくぅんッ!? いえ、レーツェル君でしたかァ!?』

 

アウセンザイターの攻撃ならば受けても問題ないと言われているようなものであり、怒りを滲ませるレーツェルにアーチボルドが接触通信で挑発を重ねる。

 

『レーツェル、簡単な挑発に乗るな。攻撃は通っているんだ』

 

ゲッターガリムに続いてゲッターノワールを追おうとしたアウセンザイターをイングラムが止める。

 

『しかし、イングラム。このままではジリ貧だぞ? それともお前の切り札を使うのか?』

 

アストラナガンと融合し、シーツリヒターへと変化すればゲッターノワールGの動きは完全に止める事が出来る。だがイングラムはレーツェルの問いかけに駄目だと返事を返した。

 

『分かっている。だがシーツリヒターを切るわけには行かない。念動次元斬という切り札を失う訳には行かない』

 

シーツリヒターの力は確かに強力だが、融合出来る時間には限りがあり、念動次元斬の威力を最大限に発揮するにはRーSWORDを消耗させる訳には行かなかった。

 

『でもイングラム、このままではレーツェルの言う通りジリ貧よ?』

 

ヴィレッタもシーツリヒターを切るべきではないか? とイングラムに言うが、それでもイングラムの返事は変わらなかった。

 

『あいつの不死身性のカラクリは分かっている。それさえ何とかしてしまえば活路は見出せる』

 

ゲッターガリムの攻撃もアウセンザイターの攻撃も十分にゲッターノワールGに痛手を与える事は出来ている。だがそれでもゲッターノワールGの動きを止める事が出来ない理由……それいたってシンプルな理由だった。

 

『リュウセイ、アヤ、マイ。あのゲッターロボにアーチボルドの気配はあるか?』

 

イングラムの問いかけにリュウセイ達はハッとなった。確かにアーチボルドの気配はある……あるのだがすぐに違和感に気付いた。

 

「違う、あのゲッターロボは空だ!」

 

『中身が無い、あれは人形です少佐ッ!』

 

リュウセイもアヤも気付いた。余りにも強い思念を感じ取っていたのであのゲッターノワールGの中にアーチボルドが乗っていると感じていた、だが実際はアーチボルドが乗っておらず、何処かから操られているだけの存在だった。

 

『リュウ! アヤッ! アーチボルドはあの中だッ!』

 

そしてマイがアーチボルドがどこに隠れているのかを特定した。それは今も量産型ゲッターロボGを生み出し続けているゲッターノワールG・変異態からだった。ゲッターノワールGからアーチボルドの声がするから勘違いしていたが、最初からアーチボルドはゲッターノワールG・変異態の中にいたのだ。

 

『あれを何とかすると言ってもあいつのゲッター線バリアは強力です、どうやって突破するのですか!?』

 

それこそSRXで無ければ破壊出来ない強力なバリアをゲッターノワールG・変異態は纏っている。SRXが足止めをされ、ゲッターザウルスとアウセンザイターで攻撃をするにしても、それはゲッターノワールGによって妨害される、

 

『俺達の中で唯一あいつのバリアを突破出来る機体がフリーになっている。それに掛けるしかあるまい』

 

この乱戦の中で自由に動ける機体……そんな物はない、誰もがそう思う中。グランゾンとゲッターVの重力場に守られながらゆっくりとクロガネがゲッターノワールG・変異態に向かって前進を始める。

 

「きょ、教官!? 自由な機体ってクロガネか!?」

 

『そうだ。ゲッター線バリアを展開する事が可能であり、俺達の機体の中でSRX、ゲッターロボD2に匹敵する火力を持つクロガネに全てを託すしかないんだ』

 

これ以上不知火を強化しない為にも、そしてこの絶望的な乱戦を切り抜けるためにもクロガネの力を借りるしかない、それがイングラムの出した結論であり、テツヤもそれに賛同しゲッターノワールG・変異態のへの突撃を決断したのであった……。

 

 

 

R-SWORDからの文章通信を見たテツヤの決断は早かった。この戦況を変えなければいつかはクロガネも轟沈するし、味方も死ぬ。一刻も早く戦況変える必要があり、その方法がクロガネにしかないのならばテツヤに躊躇う理由は無かった。

 

「前部各砲塔! 艦首超大型回転衝角攻撃準備!」

 

「了解! 前部各砲塔! 回転衝角攻撃準備に入りますッ!!

 

クロガネの回転衝角の回転が始っているのに気付いたビアンからクロガネに通信が入る。

 

『テツヤ大尉、回転衝角を使うのならば艦長席の肘当ての下のボタンを押してくれ』

 

「ビアン博士……? 俺はそんな機能の話を聞いていませんが?」

 

また聞いていない機能を隠していたビアンにテツヤも流石に文句を口にする。

 

『ふっ、切り札は相応しい場所で使うべき、そうだろう?』

 

こんな状況でもそんな事を言っているビアンに何を言っても無駄だとテツヤは諦め、肘あてに隠されていたボタンを押し込んだ。

 

「ゲッター炉心の出力上昇!」

 

「艦首回転衝角変形開始してます!?」

 

「かまわん! ビアン博士が切り札だと言うんだ! それを信じるしかない!」

 

「やれやれ、彼にも困ったものだね。グライエン」

 

「仕方あるまいよ。あれがビアンの病気だからな」

 

アニメのお約束をどんな時も忘れないビアンに思う事はあるが、どれだけ言っても変わらないのだからしょうがないと誰もが諦めの境地に達していた。

 

『ゲッターノワールG・変異態までの道は私とシュウで作る! 安心して突撃してくれッ!』

 

『そういうわけですよ。テツヤ大尉、思いっきりぶちかまして下さい』

 

ビアンとシュウからの激励にテツヤは苦笑した後に大きく息を吐き、艦全体に号令を掛ける。

 

「テスラドライブ最大出力! ロケットエンジンクラスター点火! 前部砲塔攻撃開始ッ!」

 

「前部各砲塔攻撃を開始してください!」

 

クロガネの主砲、副砲がゲッターノワールG・変態態へと撃ち込まれるがやはりゲッターノワールG・変異態の展開しているゲッター線バリアに弾かれる。

 

『これを破壊するのは中々骨が折れるな、シュウ』

 

『ククク、ですね。ビアン博士』

 

そこにクロスマッシャーとワームスマッシャーが撃ち込まれるが、ゲッター線バリアに僅かに亀裂を走らせるに留まる。

 

「か、艦首超大型回転衝角にゲッター線が収束! 艦首超大型ゲッタードリル衝角稼働します!!」

 

クロガネの艦首超大型回転衝角にゲッター線の翡翠の輝きが集まり、巨大なゲッター線で出来たドリルを作り出した。

 

「総員対衝撃閃光防御! クロガネ突撃ぃいいいいッ!!!」

 

高速で回転するゲッタードリル衝角を盾にしてクロガネが加速し、ゲッターノワールG・変異態へと突撃する。

 

『そんな玩具なんかでえええええッ!!』

 

ゲッターノワールG・変異態からアーチボルドの耳障りな声が響き、変異態の胴体から生えてきたゲッタードラゴンの頭部からゲッタービームの雨が撃ち込まれるが、グランゾンとゲッターVの湾曲フィールドによって威力を大幅に減退させられてはクロガネのゲッター線バリアを破ることは不可能であった。

 

『ひゃはははははは! 貴方達の攻撃なんかで僕のゲッターのバリアを破れる物ですかァ!!』

 

ゲッタードリル衝角とゲッターノワールG・変異態のバリアがぶつかり合い、凄まじい火花を散らす。だが少しずつ、少しずつゲッタードリル衝角の回転が緩くなる。

 

『言ったでしょう!? だから無駄だってねええええッ!?』

 

勝利を確信したアーチボルドの声を聞いてもテツヤの心は、戦うという意思は折れなかった。

 

「貫けえええええッ!!!」

 

テツヤの叫びに呼応するように1度は回転を緩めたゲッタードリル衝角は再び回転を高め、ノワールG・変異態のゲッター線バリアに亀裂を入れる。

 

『ば、馬鹿な、こんな……こんな馬鹿な事がああっツ!?』

 

「いっけえええええええッ!!!」

 

大きなガラスが砕けるような音と共にゲッターノワールG・変異態のゲッター線バリアは砕け散り、ゲッターノワールG・変異態の胴体にゲッタードリル衝角が突き刺さり、そのどてっぱらに風穴を開けた。

 

『『『……』』』

 

本体であるゲッターノワールG・変異態が大きなダメージを受けたのが影響し、特攻型ゲットマシン、ゲッターヘッド、そして量産型ゲッターロボGは糸の切れた人形のように動きを止め、アースクレイドル内部での戦いが始まってから初めて戦況が大きく動くのだった……。

 

 

第241話 開かれし地獄門 その8へ続く

 

 




登場人物と場面が増えたので話のボリュームを大きく増やすことが出来たと思います。このイベントでやっとまともに戦えるようになったので次回からはもっと戦況を動かして行きたいと思います。それでは次回の更新もどうかよろしくお願いします。


冠戦のヘラクレス・イーコールを最終的に238回倒して石を270個まで回復させました。これで今年の水着イベントもきっと大丈夫

視点が変わる時にそのキャラの視点と言う事を表記するべきか

  • サイドまたは視点は必要
  • 今のままで良い
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